私の愛しい愛しい出来の悪い教え子   作:ジト民逆脚屋

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はい、活動報告にも書きましたが、私すっかり井村謙吾君の事を忘れてました!
ゴメンね。だから、君には救済を用意したよ。

ゆっくり救われていってね♥

あ、後、今回で井村君の出番は終わりです。


それぞれの想い

「ちっ、気に入らねぇ」

 

連続殺人だかなんだか知らねぇが、学園に来るなら迎え撃つまでだ。

幾らなんでも、あのキツネ女より強いなんて事は無いだろう。あのキツネ女は、異常だ。

ISのルールを無視した様な力と術、俺の特典が効かない謎の耐性。

俺を転生させた神も、奴の事は何も言ってなかった。

いったい、奴は何者なんだ?

 

まあ、いい。

それよりも、俺の願いが完全にではないが叶ったんだ。他の有象無象共に関わっている暇は無い。

セシリアに箒、シャルとラウラを俺のモノに出来た。

 

「これで」

 

これで、漸く俺はヒーローになれる!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………あ? ヒーロー? なんだ、そりゃ?

何でヒーローなんかにならなきゃならないんだ?

あんなもの、なりたくもない筈なのに、どうして?

分からない。何でだ?

何がどうなって、俺はただ一夏を潰してハーレムを築きたい筈だ。

なのに、何故? 俺はたった1人でも良いから、そのたった1人のヒーローになりたかった筈?

違う違う違う違う違う違う。

俺はハーレムキングになるんだ。

違う違う違う違う違う違う。

俺は誰かのヒーローになるんだ。

 

違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違うううぅぅぅぅぅ!

俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺ははははははははあはぁあはいは!

 

 

 

 

 

 

 

俺は誰だ? 本当に『井村謙吾』なのか?

ワカラナイヨ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オッケー、分かったッスヨ」

 

はぁ~、本国への連絡ってのも疲れるッスね。

話の分かる人が担当官をやってくれてるけど、煩わしい事には変わり無い。

第一、私は担当官の人への義理で代表候補生をやっている。

だから、本国の意向に従う気もあんまり無い。

 

「ま、あの人もやらなくて良いって言ってまスし」

 

霧絵御前をギリシャに迎えるとか、無理に決まってる。

彼女は、地位や権力といったものに興味は無い。もし迎えるならば、あの子狐一夏を迎えれば話は簡単に終わるだろうが、下手な真似をすれば

 

「恐ろしいッスね」

 

下手な真似をすれば、あの化け狐の怒りを買う事になりかねない。

まあ、こんな事を言っているのは国の上層部の一部だけらしいし、迎えたところで霧絵御前を制御出来るような奴がいるとは思えない。と言うか、いないと言っていたし。

 

「どうでもいいッスね」

 

遠くの本国より、近くの後輩と友人。

もうすぐ、大事な後輩の親離れが始まる。

 

「最近、何かと物騒ッスけどね」

 

何があっても、あの二人の新たな歩みを邪魔はさせない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああ、分かったよ。伯母さんも、気を付けてな」

 

やっぱり、亡国機業が動いているか。伯母さんは、心配要らないって言ってたけど、厄介だよな。

狙いは一夏と霧絵だろうけど、そう上手くいくかな?

伯母さんとチームの人達は既に、亡国機業に見切りをつけて独自に動いているらしい。

他のチームも一緒にと言うか、あの人達は元から組織の命令から外れた動きをしてたっけか。

伯母さんが言うには、あの人達を亡国機業に当てるらしい。亡国機業の連中には、御愁傷様としか言えねぇな。

オレには関係無いか、伯母さんから好きに動けって言われてるし、そもそも亡国機業に正式に所属してる訳じゃねぇしな。

 

それにしても、巣立ちか。

嫌な予感がするな。何も無ければ良いんだがな。

あの二人の先に、何があるのかは分からない。

けれど、何があってもあの二人なら大丈夫だろ。

それでも

 

「邪魔する奴がいるなら、ぶっ潰すさ」

 

何だかんだで手のかかる後輩達の為だからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一夏、大丈夫かな?」

 

もうすぐ、一夏の巣立ちが始まる。それは、一夏が霧絵先輩から離れるという事。

一夏が霧絵先輩に惚れているのは、誰が見ても分かる。

だからこそ、不安だ。

 

「一夏、霧絵先輩」

 

何も起こらないよね?

終わったら、一夏が霧絵先輩に告白してハッピーエンド。

そうだよね?

 

「そうであって、ほしいよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の巣立ちがもうすぐ始まる。

何時か、何時かこの時が来るって分かってた筈なのに、どうしてこんなに辛いんだ。

師匠の指導から卒業するだけなのに、師匠に、霧絵に二度と会えなくなる訳じゃないのに、嫌な予感がする。

 

「霧絵……」

 

俺は、霧絵が好きだ。

だから、俺は霧絵を越える。越えて、霧絵に想いを伝える。

受けてもらえないかもしれないけど、それでも決めたんだ。

俺は器用じゃない。だから

 

「好きだよ」

 

真正面から、伝える。

それしか、出来ないから。




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……さ、始めよっか。

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