『幼き魔女の呪い』を読んでくださって、ありがとうございました。今回は魔理沙さんの話でした。皆様は解くことができましたか？
【解説】
こゆずの母は、魔理沙の父の愛人でした。いわゆる不倫関係です。……これだけでは何のことかさっぱりなので、今回は詳しく説明していきます。
まず、魔理沙の魔導書に挟まっていた、呪いの儀式が書かれた紙について。
最後のシーンの魔理沙の回想にて、父は魔理沙が母親に呪いをかけたことを知っていたと書かれています。しかし、何故父はそのことを知っていたのでしょうか？ 魔理沙によると、呪いの紙は捨てたはずです。
更に、一番のお気に入りであった魔導書に紙が挟まれていたことに、魔理沙が今まで気がつかなかったことも不自然です。
まだ少ししか本文を解読できていないのに、呪いの儀式についての文章を読み解くのが早すぎる。たまたま儀式に必要な物全てが自室に揃っているのは不自然だ。……などからも、呪いの紙自体が怪しいと推測できると思います。
このことを踏まえると、呪いの紙は魔理沙の父が仕掛けたものだ、という事実を推理できるはずです。まあ、ここまでは探偵の皆様なら朝飯前でしたね。解答もここは正解している方が多かったです。
話は変わって、こゆずについて。
一番の謎としては、母親が殺されたあの日、何故こゆずは窓の外にいたのか。そして、魔理沙が悩みを打ち明けた時に見せた、あの涙にはどういった意味があるのか？
まず、こゆずの魔理沙に対する、「家族とは話せる時に話しておいた方がいい」というセリフ。一見すれば特に不自然な点はないですが、よく考えると、魔理沙は近々家族と会えなくなる、という意味を含んでいるように思えます。
更に、こゆずが涙を流していた、母が殺されたとき犯行現場の近くにいたという事実から、こゆずが魔理沙の母を殺したと推測できる……人もいると思います。
そうすれば、こゆずの涙は魔理沙に対する罪悪感からのもの、と推測できます。
しかし、ここで、何故父は魔理沙を家から追い出す必要があり、また何故こゆずは魔理沙の母を殺したのか、という疑問が残ります。……多分、ここが一番の難関だったと思います。ここまで推理できたのなら、今までの謎解きだと普通に正解レベルですね。
ここで考えて欲しかったのが、こゆずの父親が小さい時に死んだというセリフ。更に、こゆずの母親は蒐集癖を持っていて、魔理沙の父も道具屋を商っている。お互いに趣味が被りますね。
また、魔理沙の母のこゆずに対する疫病神というセリフ。魔理沙の母は、こゆずの母親と夫のことを少し勘づき始めており、思わず魔理沙の前でこゆずのことを疫病神だと言ってしまいました。その後魔理沙の両親の仲が悪くなったのも、魔理沙の母親が不倫関係に気づき始めたからです。
つまり、父親は、妻と魔理沙の存在が邪魔だったわけです。
また、こゆずが魔理沙の父親を手伝った理由ですが、こゆず自身、今まで母親一人にずっと育てられてきたわけで、母親に幸せになってほしいという気持ちがありました。魔理沙には悪いことをしたと自覚しつつも、結局魔理沙の母親を殺してしまったわけですね(まあ、ここは正直、魔理沙の父が母を殺して、こゆずは見ていただけだったとしてもいいような気はしますが)。
「呪いをかけた人が不幸になる」
魔理沙の母親は死に、魔理沙も家を追い出されて、ずっと自分を責め続けることになりました。正に、呪いの効果そのものになってしまったのですね。
……ということで、解説はこんな感じです。今回は話を複雑にしすぎて、文章がおざなりになってしまった気がします。正直、自分でもどうしても今回の文章は好きになれないんですよね……。まあ、頂いたプロットを勝手に複雑化したのは私なので、全て私のせいなのですけど。前回の文章が良かっただけに、今回は少し見劣りするかもしれません。まだまだ精進が足りないですね……。すいません。
ただ、謎の部分は今までの一番の出来だと思います。流石、Gasshow 様です。
最後になりましたが、Gasshow様、そして読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。
次回は…………、まだ考えてないです。アイデア作りスランプ中でして……。従って、お手伝い様の募集も一時停止します。次回投稿も少し遅れるかもしれません。
謎解きで何かいい案、プロットなどを思いついた方がいらっしゃれば、もしよければメッセージなどで教えていただけると幸いです。