今日も……結構長く……
3年生になった。
あれからは色々あった。まだ転生とやらをしてから1年ほどしか経っていないのに面倒事やら事件がころがりこんできたんだ。
まあ、その話はいずれするとしよう。
あと、友達も何人かできた。
………何人か、というのが友達少ないことを物語っている。悲しい………
そういえば、この前コンさんにデバイス?とやらをもらった。できることは少ないけど、できることの機能がとても便利だった。
何と、無限にではないが多くの、物(生物以外)を収納できる。最初から色々入ってたけど、それでも三割ほどでまだまだ余裕があった。
形状はリングだ。如何にも高級そうな銀色の金属に(金属が何かはわからない)炎の模様が掘ってある。
因みに、入ってた物は何か見覚えのある箱や武器等々………それが出したら俺の身長くらいの高さになるくらい………
忘れよう…!
それよりも、今日は始業式であり、クラス発表だ。周りは皆ドキドキしながら確認している。
一緒になれて良かったという安堵の声
離れちゃった、という悲しそうな声
人それぞれだが、皆新しいクラスに思いを馳せているようだ。
そんななか俺は1人、溜め息をついた。平凡なクラスを望んだのだが、神様は非情らしい。
あの三大女神の三人ともと同じクラス、これはまあ良い。友達の古城さん、これもまだ良い。しかし、あの勘違いしている2人ともと一緒ときた。これはちょっと、いやかなりいただけない。
2年生の時にはよく絡まれたよ……しかも俺がなのはちゃん達と一緒にいるのを見たら露骨に不機嫌になって、意味不明なことを言ってくる。
「おい!このクズがぁ!俺のなのは達に近づいてんじゃねぇ‼てめえの無能が移っちまうだろうが!
なのは、すずか、アリサ、大丈夫だったか?安心しろ!あのクズが何かやってきても俺が追い払ってやる‼」
あなたがクズです。周りよく見てみなさいよ、全員からの冷たい目。そして、無能なのは否定しないけど、君とあともう1人、俺よりもひどくない?運動はともかくとして、勉強は俺よりも下だよ?それに、先生達からも嫌われてるし
あと、追い払う方じゃなくて、追い払われる方でしょうが……
「御劔!てめえもなのは達から離れやがれぇ!邪魔なんだよ‼なのは達は俺の嫁なんだ!将来結ばれる仲なんだよ!」
君本当に小2?……ああ、転生者だったなでも、普通そんな事大声で言わないよ?
あと、将来結ばれる仲って………少なくとも俺にはそんな雰囲気を出したとこは見たこと無いんだけどなぁ…?そこんとこどうよ?
君たち、本当は気付いてんじゃないの?自分が嫌われてること…もし気付いていないのだったらかなりご自分のその顔に自信がおありのようですね。違和感ありまくりですよー?整いすぎてて逆に気持ち悪いよ?
とまあ、こんな風なことが毎日のように……
そして、俺は変わらずダメダメだ。勉強はコンさんのカテキョーによって少しはよくなったけど……コンさん万能過ぎでしょ…最早家族同然だ。ちょっと過保護な気がするが……
ていうか、長いな~校長の話、何か凄い良いことを言ってるんだろうけどこうまで長いとありがたみが薄くなるよ……
ふぁ~
ふぅ~やっと帰れる……始業式だから午前中には帰れるのだ。やっぱり良いな!午前中に帰れるって‼
家に帰ったらゆっくりしよう、学校は疲れるからな……
「ただいま~」「お帰りなさい!」
ツナが帰って、そう言ったら間髮いれずに声が返ってきた。
(毎度毎度ビックリするなぁ……)
「もうツッくんも3年生なんですね……」
この1年でコンさんはツナのことをツッくんと呼ぶようになった。ツナとしては精神年齢的に恥ずかしいのだが
コンコルディアは感慨に浸った。しかし、急に真剣な顔になってツナに言った。
「沢田綱吉、これからあなたは様々なことに巻き込まれるでしょう。その結果がどう転ぶのか、それは転生させた神ですら知り得ない事です。しかし、あなたの覚悟をもって行動すればきっと良き道が開けてきます。私が渡したデバイス、それがあなたを導きます。常に身に付けておいて下さいね」」
「え、ちょ、どういう意味?」
「詳しいことはまだ…しかし、いずれ自ずとわかるでしょう……さ、もう昼食は出来ています。冷めないうちに食べましょう!」
コンコルディアはそう言い、食卓へ消えていった。
残されたツナは
「な、何だったんだ………?」
混乱していた。
「今日は、ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナというものです。ちょっと頑張ってみました‼」
そこには、大きなステーキがあった。その周りにはそれをより一層美味しく魅せるために様々な野菜が添えられており、匂いと見た目だけでよだれが止まらないほど美味しそうだった。
「うわぁ~!でも頑張りすぎじゃない?いや嬉しいけどさ‼てか、めっちゃ美味しそう❗」ゴクリ
「フフフ、恐縮です!ささ、食べましょう!」
「う、うん」
おいしかった。かんだら肉汁が口のなかに広がり、柔らかく、しかし噛みごたえがあった。
その他のおかずも同じくおいしかった。
「ふぅ~スッゴイおいしかったよ‼ありがとう!ごちそうさまでした」
「お粗末様。これから何を?」
「ん?ゆっくりのんびりする予定」
言った後、ツナは後悔した。何故なら、コンコルディアは普段は優しく、温厚なのだがなにもしない事だけは許してくれないのだ。だから、今のツナの答えは非常に不味いのだ。以前、このような答えを出したら、ネッッチョリと勉強させられた。
あの悪夢がよみがえる。
「ほう…何もしないと、なら私がすることを与えましょう。まずは……そうですね、図書館にでも行って何冊か本を借りてみたらどうです?本を読むというのは勉強にも良いですしね」
「本かぁ、あまり読んだことは少ないけど、いっか(アレよりかはましだし)」
ここか………でか
入るか
(へぇ~こんな感じなんだ、本多いな。この中から数冊選ぶのかよ…どれが良いのかなんて全然わかんねぇよ!)
ツナがどの本を選べば良いのか迷っていると、前から車イスの少女がきた。邪魔になりそうなので脇に避けたら、会釈された。
(と、こんなところで止まってても仕方がない。適当に回るか)
数十分後
(ど、どうしよう…どれが良いのか悪いのか全くわからない。帰りたい、けど、手ぶらだとねっちょりコースだろうし。もうこうなったら、適当に何冊かとって借りるか……………ん?あれは……さっきの)
ツナが見る先、そこにはさっきの車イスの少女がなにやら必死に上へと手を伸ばしていた。
さすがに見過ごせないツナは近寄った。すると、足音でだろう、少女はツナに気付いた。
「どうしたの?」
「ああ、いや、そこの本が取りたくて……でもこれじゃあ届かないんです。あの、取ってくれません?」
若干なまりがある喋り方でツナにお願いしてきた。
断る理由もないので承諾したツナは指定された本を取り、少女に渡した。
「ありがとうございます❗」
「良いよこれくらい、喋りづらいなら戻したら?それに多分だけど同い年だと思うよ?」
「……やっぱりわかる?」
「うん」
「そっか~わかった!ありがとなー、こまっててな。何かお礼をしたいんやけど……」
「別に気にしなくても良いのに……でもそうだな、ちょうど俺も困ってたところだし、お願いがあるんだ」
「なんやなんや?言うてみ、私にできることなら叶えたるで‼」
「え~と、オススメの本とかある?本全然読まないからどれが良いのかわからなくて。ははは」
照れくさそうに頬をかくツナ
「……そんなことならいつでもオーケーや!で、おすすめねぇ、これなんかどうや?これはなーーーーーーーーーー」
「フンフン、なるほど。面白そう❗」
話していたら随分と時間が経っていた。もう帰らないとコンさんが心配してしまう。
少女、八神はやてに勧められた本はどれも面白そうだったのでその中の3冊程を借りた。
「ごめん!もう時間なんだ!また今度ね‼今日はありがとう!」
「うん、またな~」
「ただいま~!」
「お帰りなさい…ツッくん?遅かったね、何で?」
うわ、何か怖い!とにかく言い訳?しないと
「ええと、どの本が良いのかわからなかったから偶々会った子に紹介してもらってたんだ。それで…」
ツナは図書館であった出来事をコンコルディアに話した。
「そうだったんですか❗これがその本ですか、中々良い選択ですね!……でも……ツッくん?紹介してくれたのってもしかして女の子?」
「え?うん、そうだよ。よくわかったね?」
「はぁ~~~~~」
え、何その溜息?しかもめっちゃ深く…
「これからどうなることやら……………」
え、ちょ、どういう意味?どういう事!?誰か説明して‼
何かご不満なことがありましたら是非!
でも優しくね?優しく
そうじゃないと自分の心はくだけ散ってしまい引きこもるかもですから………