逃げる?違います。明日への前進です。   作:吹雪型

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信念と自己の戦い

シコウテイザーとタツミは激戦を繰り広げていた。そして、セリューさんやランさんも戦いに身を投じていた。

更にウェイブまでもが参戦しタツミの援護に当たる。

そもそもシコウテイザーを帝都内で使用したらどうなるか。答えは簡単、帝都内に甚大な被害が被る訳だ。

つまり、タツミがシコウテイザーの間合いに入り更にウェイブまでもが参戦した時点でシコウテイザーは帝都内での戦闘を余儀無くされる。

シコウテイザーを守る部隊。間合いに入れさせない帝具使いなどを用意して無い時点で帝国は破滅の道を自らの手で進んで行ったのだ。

いや、エスデスさんが間合いに入れさせない為の存在なら無駄だろうな。

 

そんな時だった。俺はある人物と出会う事になった。

 

 

……

 

帝都内

 

side シュウ

 

随分ボロボロになったな。だが、コレで帝国は終わりだ。後はエスデスさんをどうやって説得して逃げつつ2人に会えるかだな。

 

そう考えてたら……宮殿側からアカメが来て出会った。

 

「ッ!シュウか」

 

「アカメ…ちゃん」

 

お互い暫く睨み合う。しかし、アカメは目を逸らし言う。

 

「お前は標的では無い」

 

そのまま立ち去ろうとする。しかし…

 

「アカメちゃん……3つ聞きたい事が有るんだ。良いかな?」

 

殺気を出しアカメを止める。

 

「先ずは一つ目。チェルシーさん何だけどさ……この戦いが終わったら殺すの?ほら、口止め的な感じでさ」

 

「そんな事はし無い。そして私がさせない」

 

アカメは真剣な眼差しで言う。

 

「なら良かった。二つ目、イェーガーズのセリュー・ユビキタス。この人は暗殺対象なの?」

 

アカメは首を横に振る。

 

「彼女は暗殺対象では無い。寧ろ帝都の治安維持に貢献してるから暗殺する必要が無い」

 

良かった……だが、次が本命だ。

 

「じゃあ三つ目。これが本命と言って良いだろうな。帝国軍の……エスデス将軍は……如何なんだ?この戦いが終わっても暗殺対象なの?」

 

その瞬間、アカメから殺気が出てくる。

 

「あいつは争いを権化した存在だ。新しい世界に必要無い」

 

「大丈夫だよ。俺が……何とかするから」

 

「無理だ。お前では抑えれない」

 

お互い殺気を更に強く出す。

遠くで爆音がなる。今でもタツミとウェイブがシコウテイザーと戦ってるのだろう。

 

 

「そうか……如何やら………話し合いは無理の様だな」

 

 

黒刀を握る。

 

 

「シュウ……諦めろ。彼奴だけは生かせておけない」

 

 

アカメも村雨を抜く。

 

 

「やってみなければ分からんだろ」

 

「やってみても結果は変わらん」

 

 

お互い睨み合う。

 

 

「シュウ」

「アカメ」

 

 

どちらも譲れないモノの為に。

 

 

「「お前を」」

 

 

全身に力を入れる。

 

 

「葬る!!!」

「狩る!!!」

 

ダッッッッ!!!!!!

 

ガギイイィィィン!!!!!!

 

俺はアカメ………を殺す。

 

……

 

………

 

ガキィン!

 

刀と刀がぶつかる。

 

ギイィン!

 

何方も一歩も引くつもりは無い。

 

「コレで!」

 

エイトブースト!!!

 

スピードが上がるが俺の視界はゆっくりだ。だが、その中でもアカメの速さは速い!!!

 

ガキイイィィィン!!!

 

「見えてるんだよ!!!」

 

ビュン!!! ピッ

 

アカメの腹部を軽く斬る。

 

お互い睨み合い再度刀を構える。

 

バッッッッ!!!!!!

 

尋常では無い速度で斬り合う。一斬必殺の村雨よりアカメの方が厄介だとつくづく思う。

 

チャキン!

 

「ッ!!」

 

ドオォン!!!

 

距離にして約5メートル……それで避けられる。

更に撃ち込むが全弾回避され間合いを詰められる。

お互い一歩も譲らない。

 

「やっぱり当たらないね。本当に速くて……狙い辛いくて堪らんよ」

 

「そう簡単に当たる程……弱くは無い」

 

刀と刀を交えながら言う。

 

「なら……此奴を使うか」

 

「…?……ッ!それは!」

 

俺はクロメが持っていただろう強化薬を手にする。

 

「アカメ……俺は本気だぞ。今まで奪われ…壊され続けて来た人生。だが……これ以上やらせん!!!」

 

俺は躊躇無く嚙み砕き飲み込む。

 

 

 

ドクンッッッ!!!!!!

 

 

 

「グッ……ウ………アッ…………………フゥ………イクゾ」

 

ナインブースト

 

「ッ!!!!」

 

ガキイイィィィン!!!

 

アカメは俺の渾身の一撃を防ぐ。しかし、次はどうか?

 

今までに無い速度でアカメに斬りかかる。アカメに斬り傷が増えていく。

 

一端、お互いの距離が開く。その時……アカメも何かを飲んだ。

 

「ッ!……フッ……考えてる事はお互い同じか」

 

「私はエスデスを斬るまで死ぬ訳には行かない」

 

上等……なら。

 

「俺は全てを賭けてお前を斬る!!!」

 

「……行くぞ!!!」

 

ガキイイィィィン!!!ギイィン!ギャイン!!!ジャアアァン!!!

 

薬による強化。それによりお互いの腕力も強化される。そして……

 

キイイイィィィンンン

 

黒刀と村雨が宙を舞う。そう、お互いの手から離れてしまったのだ。

この時、アカメの反応が速かった。直ぐに素手喧嘩に移行して3発良いのを貰ってしまう。

 

「グッ!!クソ!!」

 

俺もククリナイフを抜き斬りかかるがアカメも地面に落ちてる剣で対処する。だが……

 

パキイィィン

 

剣は簡単に折れる。このククリナイフは伊達じゃねえぞ?

しかしアカメの体術は俺より強かった。ククリナイフの斬撃をいなされ逆に拳や蹴りが来るのだから。

 

(やはりお前の存在が……1番厄介だな!)

 

その時……

 

ザンッ!!

 

黒刀と村雨が地面に刺さった。

 

一瞬の静寂。そして…

 

バッ!!! ジャキン!!!

 

「……ッ」

「ッ!コレは」

 

アカメの手に黒刀。

俺の手に村雨。

 

「クッ!だが、今更退くわけ無いだろうが!!!」

 

俺はアカメに斬りかかる。アカメは冷静に俺の攻撃をいなしそして、

 

ヒュウン! ピッ

 

「はあ……はあ……」

 

「如何した……シュウ。剣筋が荒くなってるぞ」

 

バレてる。薬の効果が切れかけてるのもある。だが、それ以上に村雨を握った時………

 

「アカメ……そろそろ決着を付けよう。お互いその方が良いだろう」

 

俺はマグナムを取り出しリロードしながら言う。

 

「………良いだろう」

 

黒刀を構えるアカメ。

 

(アカメは存在そのものが強い。そして…このままなら俺は負ける。なら……アカメが知らないやり方で勝つ)

 

そう、俺にはチートがある。アクセルブーストと弾薬生成が……それで仕留める!

 

 

 

一陣の風が吹く。遠くでまだ爆音が連続して聞こえる。

 

長い様で短いこの戦い。

 

 

チャキ

 

 

アカメが黒刀を握る力を入れる。

 

 

チャキン

 

 

俺はマグナムを向ける。

 

 

ダッッッッ!!!!!!

 

ドオォン!!!

 

アカメが来る方に撃つ。しかし避けられる。

 

ドオォン!!!

 

更に撃つ。しかし……当たらない。

 

ドオォン!!!ドオォン!!!

 

距離が狭まるが擦りもしない。

 

ドオォン!!!

 

最後の弾を撃ち切る。アカメは最低限の動きで避ける。

 

マグナムから空薬莢を出す。

 

アカメは一直線に来る。今この瞬間に左手で村雨を構えても防げないだろう。

 

空薬莢がシリンダーから全て出た瞬間、マグナムを持つ右手の親指をシリンダーに当て念じる。

 

 

50口径 生成

 

 

1発で良い。

 

アカメとの距離は5メートルを切った。

 

シリンダーを戻し……アカメに銃口を向ける。

 

「ッ!!!」

 

アカメは目を見開く。だが……もう避けれないだろう。

距離3メートル……1番的の大きい胴体を狙えば良い。50口径だ……何処にでも当たれば………

 

 

「俺の勝ちだ」

 

 

 

 

 

 

 

ドオォン!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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