森の中を歩く。舗装されてない道無き道を通るのは体力を使う。だが、無駄に体力がついてる自分には問題無い。ただ、何処から危険種が出てくるか分からない。集中力も必要だ。
想像していたより森は暗く、そして厳しい所だ。そして最初の自然の洗礼を受ける事になる。
「「「「「「グルルルルル」」」」」」
「狼タイプの危険種か」
気が付けば10匹ぐらいに囲まれていた。全然気が付かなかった。これが、狩り。これが、戦い。これが、弱肉強食に生きてる連中。右手MK28を構え、左手にマチェット。手に力が入る。背中を襲われない様に木を後ろにする。
しかし連中はまだ襲って来ない。何故?考えろ。俺の今のポジションを。周りは敵、茂みは丁度少ない場所。背後は木。………じゃあ、上は?
上を見ると1匹居た。俺は躊躇無く撃った。
ダダダダダダダダダッ
銃声を皮切りに周りの危険種も一斉に襲って来た。
「セカンドブースト!」
周りが1/2の世界になる。ゆっくり、確実に射撃する。そして身体を捻って避けると同時にマチェットで切り裂く。この時骨に当てない様に気をつける。抜けなくなるとか洒落になら無い。
撃つ、叩きつける、リロードする。長い様な短い戦い。
「この野郎!」
ザシュッ プシャ ドサッ
最後のやつだろうか。周りは静かだ。ただ、俺の荒い息だけが残って響いていた。
それからキノコ型やウサギ、はたまた昆虫や木、岩などの危険種と戦闘する事1週間ぐらいたっただろうか。奴が居た。
「間違いない、土竜だ。しかも左目が潰れてる。しかし………何だ、デカイな」
いやー、敵討ちしたいが……出来るかな?だって大きいよ?装甲厚そうだし。良くて関節部分ぐらいか?
それで此方の最大火力は手榴弾、次にボルトアクション。無理ゲーじゃね?
「だからと言って今更引き下がるのもアレだよな〜」
此処まで来たらやるしか無い。まぁ、無理なら逃げよう!そうしよう!よし、行くぞ!
土竜は現在お食事中だ。ならその背中が見える位置に陣取る事にする。先ずライフルで狙撃して気を惹きつける。で、近づいて来たら閃光玉4つを一気に投げつける。ついでに煙幕玉も投げつける。動きが止まったらトリプルブースト使って一気に接近。そして土竜の口の中に手榴弾5個プレゼント!後は全力で逃げる!良し!完璧なプランだ!
狙撃位置に到着。
「ステンバーイ………ステンバーイ………GO!」
ダンッ ガチャン ダンッ ガチャン ダンッ ガチャン
土竜に当たり此方を向く。しかしそのまま射撃続行。
土竜が接近。ハッキリ言おう。怖い、逃げたい、でも、逃げれ無い。なら、やるしか無い。
閃光玉を投げつける。身を隠し待つ。そして、辺りが明るくなる。
「キシャアアアァァァァァ!!!!」
土竜の悲鳴が聞こえる。奴が口を開けてる。今しか無い!煙幕玉を使うのは止めて一気に接近する。
「トリプルブースト!」
全力疾走。手榴弾5個以外の武器を放棄して身を軽くする。一気に接近する。全身の筋肉を極限まで使う。奴は気付いてない。いや、気付いてるかも知れない。何故なら奴の腕がこちらに降り下がる。しかし最小限で避ける。そして腕を伝い一気に登る。奴の口はまだ空いてる。
「受け取れやあああぁぁぁぁぁ!!!」
手榴弾5個を口に投げつける。2つ外し、3つ入った。後は全力で走る!
そして………
ドガアアアアアアアァァァァァン!!!!!
土竜の喉近くで爆発した。中で爆発したから首が吹っ飛んだ。
それを見届けて俺は一気に気が抜けて意識が落ちた。ただ、ただ、満足感は十二分にあった事は間違いなかった、