逃げる?違います。明日への前進です。   作:吹雪型

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フェクマと迷子

フェクマ 時刻夕方

 

俺は今迷子になっている。悪気は無かったんだ。でも、早く戻らないとウェイブが………エスデスさんに拷問されてしまう………どないしよう!

 

俺は途方にくれならがら、何故こうなったのか思い出していた。

 

 

 

 

 

 

 

山賊狩りをした後数日が過ぎていた。その間クロメ、ウェイブ、エスデス、セリューそしてDr.スタイリッシュの私兵と模擬戦闘等をしていた。理由は中々外出許可が下りない為だ。

しかし、流石誰もが一流の戦闘技術の持ち主ばかり。中々厳しい試合ばかり。でも………アクセルブーストは遂にセブンブーストまで使用可能になり、身体強化はかなり向上した。やはりイェーガーズとの戦闘訓練は正解だったな。

 

……ただ、Dr.スタイリッシュの私兵と試合したが……実際には殺し合いでしたよ。Dr.スタイリッシュ曰く「怪我なら直ぐ治せるから、思いっ切り殺っちゃっても大丈夫よ!」バチコーン☆との事でしたので。

 

 

 

でも実際何人か殺っちゃったけどな!

 

 

 

そして、暫くしてエスデスさんから数日間フェクマにて山狩をすると言われた。メンバーはエスデスとクロメのペア、ウェイブとシュウのペアで夜に入れ替え再度山狩する流れになる………筈でした。

 

 

 

フェクマ

 

side シュウ

 

俺は今ウェイブと共にフェクマに居る。

 

「海の危険種にゃ詳しいが…山となるとさっぱりだぜ」

 

「ここはフェイクマウンテン。名前の通り危険種が擬態してるから気を付けないと危険だぜ?……ほら、そこの足元にある岩も危険種だよ」

 

「うお!マジかよ!」

 

そう言いながらウェイブは剣で危険種を叩き潰す。俺達は雑談しなが歩いていた。

 

「しっかし、宮殿内じゃこんな事言えないけど……お前も大変だよな。何かあれば相談に乗るぜ?」

 

ウェイブは俺を気遣ってくれてるみたいだ。

 

「まぁ大丈夫だよ。こんな展開昔から日常茶飯事だしな!いやー、ここまで来たら身体の力を抜いて流れに身を流した方が良いんだぜ?」

 

「そ、そうか……お前も結構苦労してんだな。でもよ、なんか俺とお前ってさ似てるところあるよな」

 

「似てる?何処が?」

 

「えっ!?………どう言ったら良いか………してきた苦労が同じっつうか、これからする苦労が同じっつうか………」

 

「ああ………納得したわ」

 

何となく互いの考えが同じだと理解出来ました。

 

「まぁ…せっかくだし似た者同士仲良くしようぜ!」

 

ウェイブは努めて明るく言う。しかし、俺はそんなウェイブに銃口を向ける。

 

「………ウェイブ」

 

「ッ!シュウ!お前何を!」

 

一瞬間が空いた………そして

 

ドオォン!!!

 

俺は引き金を引いた………ウェイブの背後にいる危険種に対してな!

 

「キシャアアアァァ!!!」

 

「ッ!助かったぜ。借りは返す!」

 

「気にすんな!囲まれてるから気を付けろ!」

 

ゾロゾロと危険種が現れる。

 

「へっ!ゾロゾロとお出ましかぁ。海のと違って食えそうにねぇな」

 

「数は多いが強くは無い………ウェイブ勝負しようぜ?多く倒した方が帝都の高い飯奢りな!」

 

そう言って俺はマグナムとMP28で危険種を撃ち殺す。

 

「うお!マジか!負けねぇぜ!!」

 

俺達は危険種を叩き潰す為に突っ込んで行った。

 

 

 

 

 

(このままだと負けそうだな………。よし!此処はもっと多いところを探してウェイブよりスコアを伸ばすぜ!)

 

そう思った俺はウェイブから離れて更に危険種を狩り始める。どうやらウェイブも同じ考えのようで向こうからも破壊音が聞こえた。ウェイブに負け無いように更に危険種を探す。

 

そして………

 

「ふぅ、こんなもんか?良し!ウェイブ俺の勝ち………アレ?ウェイブ?……んだよ、彼奴迷子か?ダッセーなおいw」

 

俺はウェイブを小馬鹿にしながらウェイブを探す。

 

数分後

 

「おーい!ウェイブ!早く出て来い!迷子になったのは黙っててやるからさ!」

 

ちょっと心配になり始める。

 

1時間後

 

「ウェイブくん?……そろそろおふざけは止めて出てきて欲しいんですけど!」

 

何か……ヤバいんじゃね?と思い始める。

 

数時間後

 

「ま、まさか…………俺…………迷った?いやいやいや、そんな馬鹿な事があってたまるか!信じないぞ!ウェイブ!頼む!出てきてくれー!て言うか、このままだとウェイブがヤバいんじゃね?エスデスさん関係でさ!」

 

自分の心配とウェイブの未来に心配する。

 

そして冒頭である。

 

 

 

……いやね、言い訳じゃ無いんだがな……何処も似たような山と森なんだよ?しかも曇り空じゃん?もう直ぐ夜だけど星見え無いし。……仕方無い、もう少し探してみるか。それでも見つから無いなら諦めて野宿だな。

 

何か久々の野宿だなぁと考えながら再度歩き出す。

 

そして夜になる。

 

「さて、今日は此処で野宿する………ん?灯り?………こんな場所に?」

 

何故こんな場所に灯りが?山賊かな?と思いつつ灯りに向かうのだった。

 

side out

 

side ナイトレイド

 

「ん?結界に反応!しかも……速い!」

 

そろそろ就寝時にラバックが皆んなに警告する。

 

「敵か!何人だ?」

 

「反応は1つ。だけど、もう直ぐ其処まで来てるぜ!」

 

全員に緊張が走る。武器を構え直ぐに臨戦態勢を取る。そして…………

 

ドカアアア!!!

 

ドアが破壊される。

 

「ヒャッハー!!汚物は消毒DA☆ZE!!」

 

銃を構えて物騒な事を言うシュウが居た。

 

「………て、あれ?タツミ?それにマインちゃんにシェーレさんにチェルシーさん?ついでにラバックまで………てか、ラバックお前エロ本屋の…じゃ無かったNIGHT BOOKの店長じゃ無かったかっけ?」

 

シュウは頭に?マークを出しながら聞いてくる。

 

「シュウくん!どうやって此処に来たの?」

 

チェルシーはシュウに質問する。

 

「いやー、何と言ったら良いのやら………フェイクマウンテンで山狩してたら迷子になって此処まで来ちゃったんだ!」パチ☆

 

お茶目にウインクをかますシュウ。そんなシュウに少しドキッとするチェルシー。

 

「おい!お前は俺の事をエロ本屋の店長だと思ってたのか!」

 

「ラバック……今度借りに行くからラインナップ宜しくな!因みに今度はコスプレ関係でお願いします」

 

真顔でエロ本借りに行くと宣言する。そしてラバックの質問はスルーする。

 

「はぁ…焦って損したぜ。で、シュウはこれから如何するんだ?」

 

「ん?一泊させて欲しいかな?じゃないと野宿決定だしね」

 

「んー、俺は別に良いと思うけど……みんなは如何なんだ?」

 

タツミは全員に確認を取るも特に反対意見は無かった。

 

「じゃあ、お言葉に甘えて一泊させて貰うよ。………ところで部屋は用意してくれますか?」

 

何となく敬語になるシュウ。

 

「空き部屋はあるぜ。てか、何で敬語だよ?」

 

「いやー、俺今エスデスさんと一緒の部屋で寝てるからさ」

 

この台詞にラバックの目が見開く。そしてチェルシーは若干不機嫌になる。

 

「え!マジで!何で一緒の部屋に居るんだ?」

 

「部屋あるでしょう?て聞いたらさ、有るけど用意し無い!……て言われてさ〜」

 

有るなら用意してくれ〜と虚しく言うシュウ。そして、そんなシュウに質問するラバック。

 

「じゃ、じゃあ…お前は……今………エスデス将軍と………同衾してるのか!」クワッ!

 

ラバックが血走った目でシュウを見る。

 

「そうなんだよね。いやー、良く抱き枕にされるから色々あるんだよ……そう、色々な………フッ」

 

シュウはラバックに上から目線で見る。

 

「べ……別に悔しくないし?あの残虐非道のエスデス将軍だし?うんうん!全然悔しくないし!」

 

そんなラバックの瞳から一筋の涙が零れ落ちる。

 

「因みにエスデスさんは寝る時Yシャツ1枚がデフォルトだぜ。これが何を意味しているか………お前なら分かるだろ?」

 

「……ッ!ち、畜生!何でお前ばかりが!!!」

 

ラバックは地面に崩れ落ち、世の中不公平だと嘆き悲しみながら床を何度も叩く。まさに勝ち組と負け組がハッキリした瞬間だ。しかし、そう簡単に上手く行かないのが彼の人生だ。

 

「………ふ〜ん。シュウくん楽しそうで良かったね」

 

超絶不機嫌のチェルシーが其処に居た。

 

「あ……いや……そのー、何と言いますか………………すんません、自分調子乗ってました」

 

シュウは素早く、しかし下品に見えない速度で丁寧に土下座をした。その一連の流れはまさにベテラン域だ。

 

「ふん!まったく。私がどれだけ心配したのかシュウくんは全然分かってないよ!」

 

「いやいや、心配してくれてるのは分かります。だって、あの危険な王宮に何度か来てくれてましたし」

 

そう、チェルシーさんは危険を承知で小鳥に変身して何度かシュウに会っていたのだ。偶に怪しまれる時が有ったけど「チェルは俺にメッチャ懐いてるから!」頬擦りしながら元気良く言って無理矢理誤魔化したのは仕方ない事だった。

 

因みにチェルとはチェルシー小鳥バージョンの名前である(命名シュウ)

 

「うっ……まぁ分かってるなら良いけど……。でも、本当にすっっっごく心配してるのにイェーガーズに順応し過ぎだよ!」

 

「ほらー、そこは持ち前の性格と育った環境故ですよー」

 

はっはっはっ!と気楽に笑うシュウ。それでもヤキモキするチェルシー。しかし、そんな2人を見て何となく察する周りのメンバー達。

 

「そういえば、シュウは飯食ったのか?」

 

「ん?あぁ、適当な果物や危険種倒して食べたよ。だから後は寝るだけさ」

 

「ならお風呂入って行けよ。しかも露天風呂だぜ?」

 

「え!マジで!露天風呂なのか!入る入る!いやー、迷子になって良かったぜ!」

 

タツミに露天風呂まで案内して貰うシュウ。そしてシュウとタツミが居なくなった瞬間女性陣が盛り上がる。

 

「ちょっとチェルシー!あんた王宮に行ってたの?危ないじゃ無い!まあ、”好きな奴”が拉致されたら心配なのは分かるけどさ」

 

「そうだよ。”好きな奴”が心配なのは分かるけどね〜」

 

「まあまあ、チェルシーも”好きな人”が心配だったのだから仕方ないかと」

 

「………なっ!…なっ!///」

 

マイン、レオーネ、シェーレから好きな人と強調されながら何度も言われて赤面して何も言えないチェルシー。

 

「そうか……チェルシーはシュウが好きなのか。なら、バレ無い様に会いに行くように!」

 

最後にアカメが締める。そんな言葉に最早口を閉ざすしか出来ないチェルシー。

しかし、そんなチェルシーを見てラバックが吠える。

 

「ちくしょおおおおおお!!!何で!何で!彼奴こんなにモテてるんだよおおおおお!!!タツミはタツミでレオーネとシェーレから気に入られてるしいいいいい!!!アレか!シュウも年上キラー持ってんのかよおおおおお!!!」

 

再度地面に崩れ落ち男泣きしながら床を何度も叩く。しかし、そんなラバックをスルーする女性陣だった。

 

 

 

 

「しかし、アレだな。初めて会った時から何となくだけどタツミとは気が合いそうな気がするんだよな」

 

「あぁ、確かに俺もそんな感じはするんだよなぁ。何でだろう?」

 

「うーん……何でじゃろ?」

 

何となく首を捻る2人。

 

 

 

*年上キラー(シュウ)「やっぱり僕達の影響かね?」

*年上キラー(タツミ)「間違いなくです!」

 

 

 

 

「ウッハー!露天風呂だー!しかも結構広いじゃん!」

 

「じゃあ俺は行くから。後は好きにしても良いぜ」

 

そう言ってタツミは露天風呂から出て行った。

 

「おう!サンキュー。いやー、露天風呂とは中々ナイトレイドも恵まれてますなぁ」

 

ルンルン気分で服を脱ぎ、いざ!入浴!

 

「いやいや、体を洗ってから入浴だろ?」

 

そう言ってから体を綺麗に洗うシュウくん。最初は左腕の二の腕から洗い始め、そして次に右腕、胸、背中と洗っていき………(誰も得し無いのでカットします。はい!カット!)

 

 

 

 

 

 

 

「さて………これから如何するかな?」

 

温泉に浸かりながら先の事を考える。

取り敢えずイェーガーズに戻ってもう少し鍛えたいかな?そしてイェーガーズとナイトレイドとの戦闘中に逃げれば良いかな?……よし!この流れで行こう!

 

超大まかな流れを考えて温泉を楽しむシュウ。そして何となくウェイブの事を考える。

あぁ……ウェイブ平気かな〜?多分大丈夫だろうな〜。あいつ頑丈だろうし〜……ふぅ、温泉気持ち良いなぁ〜。

 

ウェイブの心配?をして空を見上げる。するとウェイブの姿が何となく見えて……

 

『シュウウウウウウ!!早く戻って来いいいいいいーーー!!!マジでヤバいんだからーーー!!!」

 

 

 

…………………………………良し!見なかった事にしよう!

 

問題を先送りして温泉を楽しむ事にしたのだった。


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