逃げる?違います。明日への前進です。   作:吹雪型

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不審は影

15歳の時

 

昼ご飯を食べてた時、こんな話を聞いた。

 

「首斬りザンク?マジかよ!この国にいんのかよ!」

 

「あぁ、間違いねぇ。この前この周辺の盗賊の首全部取れてたらしい。これから夜出歩くのは止めた方がいい。」

 

「だな。まったく、シリアルキラーとか勘弁して欲しいぜ。そんな奴こそ帝都に行けっつーの!」

 

「まったくだぜ」

 

首斬りザンクねぇ。気になった為聞いてみる事にした。すると、中々のクレイジーな奴だった。

 

首斬りザンク

いわゆる辻斬りに堕ちた男だ。かつては帝国最大の監獄で首斬り役人だったが、何十年も毎日のように命乞いをする人の首を斬っているうちに癖になってしまい、監獄で斬っているだけでは物足りなくなり辻斬りになった。帝具「スペクテッド」を盗んだことで討伐隊が組織されるものの姿をくらます。

 

はぁー、中々面倒くさそうな奴だね〜。取り敢えずお礼を言って席を立つ。

 

まぁ、夜出歩かなければ問題無いかな?あー、でもお金少なくなってきたな。今度危険種狩りに行くか。

 

 

 

しかし、この選択が後々自分の首を締める結果となる。

 

 

 

しばらく町を散策してたが、そろそろ帝都に向かおうかな?と思う今日この頃。

そんな事を呑気に考えてたら懐かしい人に声を掛けられた。

 

「あ!シュウくーん!久しぶり!」

 

タッタッタッタッと小走りで此方に向かって来るのはチェルシーさんだった。

 

「おろ?チェルシーさん?わー、懐かしい。ほっぺのチューは最高てじ「一々声に出さんでよろしい!ビシッ←チョップの音」いやー、ついね」

 

だいたい1年振りかな?懐かしいなぁ。少し背が縮んだかな?

 

「いや、それはシュウくんの背が伸びたからだよ」

 

「あれ?俺声に出しましたっけ?」

 

「顔に思いっきり出てたよ。まったく、その辺は全然変わってないみたいでお姉さん安心したよ」

 

何故か得意げな表情になるチェルシーさん。そして解せぬ顔をする俺。パワーバランスはチェルシーさん一強なのは誰の目にも明らかだった。

 

「しかし、いつ戻って来たんですか?」

 

「3日ぐらい前かな?いや〜正直シュウくんに会えるとは思ってなかったから会えて良かったよ」

 

おやおや?これは俺に惚れちまったかな?いやー!参ったな!モテる男は辛いねぇー!イヤッフゥー!

 

「………あのね、また飴の補充したの!お願い!また作って!」

 

 

………あ、うん、分かってたよ。うん。べ、別に泣いてないし!

 

「あれ?何か鼻赤いよ?どうしたの?」

 

「べ、別に!何でも無いし!飴が欲しいの?じゃあ、またご飯を奢って貰おうかな?」

 

「オッケー。じゃあ夕御飯時に此処に集合でいい?」

 

「勿論。じゃあまた後で」

 

 

 

 

そして夕飯時。

「へぇー、じゃあチェルシーさんは首斬りザンクの帝具回収に来たの?」

 

「ん〜、どちらかと言うと偵察が目的かな?ほら、私誰にでも化けれるし」

 

何ともあっけからんとした様子だ。まぁ戦闘するのは別のグループが行うみたいらしい。

しかし、帝具回収ね。中々本格的にやってるんだな革命軍は。いや、帝国も馬鹿じゃ無いから同じ様な部隊がいてもおかしくないか。帝具使いの部隊がさ。

 

帝具同士の戦闘は必ずと言って良いぐらい、何方かが死ぬ。強大な力故の弊害だな。

 

「まぁ、死なない様に気を付けて下さいね。俺にはそれぐらいしか言えないっす」

 

ほぼほぼ他人事なので在り来たりな台詞しか出て来ない。

 

「えー!お姉さんがピンチになったら助けてくれ無いの?」(上目使い)

………あざとい。あざといが………良い!

 

「勿論助けますよ。だからその間に逃げて下さいね。自分も後で逃げますからな!ハッハッハッ!」

 

「もう、シュウくんったら。……くすっ、でも、ありがとうね。心配してくれて」

 

そう言って笑顔になるチェルシーさん。いやー、やっぱり可愛いっすね」

 

「もう!何いきなり!恥ずかしい…」

 

「あれ?俺声に出してました?」

 

「うん。バッチリ出てたよ」

 

oh!恥ずかピー!

 

 

 

 

「飴沢山ありがとね。すっごく助かっちゃった」

 

「まぁ、ご飯ご馳走してくれるなら別に良いけどね。それじゃあ、お仕事頑張ってね」

 

「うん。シュウくんも夜は出歩かない様に気を付けてね。それじゃあね〜」

 

そう言って俺達は分かれる事になった。

さて、明日は危険種狩りに行きますかね?

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん〜愉快愉快。ナイトレイドの1人がいるとはねぇ。一体どんな顔をして斬られてくれるかな?実に愉快愉快!」


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