平成のワトソンによる受難の記録   作:rikka

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浅見透、灰原哀を五右衛門に任せて枡山と格闘戦に入る。
ルパン三世、メアリーと共に弾頭発射阻止に入る。

恩田、ジョドーやカゲ、合流したジュディ・スコットと共に金塊を回収する。




116:入れ替わった二人、攻防、祈り

 

 

「嬢ちゃん、無事だったかい?」

 

 王女様の方はキャメル達に任せて、アタシは蘭の嬢ちゃんの安全を確認しに来た。

 逃げてる奴と襲ってたやつは別グループ。となると、他にも王女を害そうとしているグループがいて、それが嬢ちゃんを王女様と勘違いして襲う奴がいてもおかしくはない。

 

「初穂さん! はい、ご迷惑をおかけして……」

 

 元々王女様の部屋だったロイヤルスイートが、今では仮の捜査本部のような雰囲気になっている。

 まだドレス姿のままの嬢ちゃんが座る椅子の周りにヴェスパニア側の人間が突っ立ってる。

 こうして見ると、確かに嬢ちゃんが本物の王女様に見える。

 

「初穂君、王女は?」

「すまない旦那。結局逃がしちまった」

 

 途中まで坊やと真純がいい所まで追い詰めたのだが、バイクの運転手――二人の話だと女だったらしい――の方が一枚上手だった。

 

 坊やが後ろから追い詰めて、先回りしていた真純が橋の上で挟んでとらえようとしたのだが、ここに来て女が発砲。

 坊やも真純も自分たちの乗り物を壊されては追いつけなかったそうだ。

 

「ひょっとしたら、ウチのボスとやりあった事のある女だったのかもね」

「本当かね、初穂君」

「あぁ。真純の話だと、バイクをマシンガンでぶっ飛ばした後、ウチのボスを知っているようなことを言っていたとさ」

 

 なんでも、『ごめんねぇ、大人げなかったわよねぇ? でも、アナタたちがあの男の部下ならボクやお嬢ちゃんが相手でも手加減してられないのよ』だったか。

 

 

(ったく、今度はどこで引っかけたのさボス。相変わらず危ない女と遊ぶのが好きだねぇ)

 

 

 真純はからかわれたのがよっぽど悔しかったのか、えらく口調が荒かった。

 ……だから追うだけにしておけと言ったのに。

 おそらく、捕まえられそうだと思ってちょっと無茶したら釣りだったとか、そんなところか。

 戻ってきたら詳しく話を聞かなくちゃ。

 

 

「旦那。警察の方ではどうだい? 銃を持ってる連中は分かる限りは全員確保したってキャメルとリシから報告が来てるけど」

「あぁ、全員逮捕したよ。すまない初穂君。いつもの事だが、浅見探偵事務所の人間には世話になりっぱなしだ」

「こっちもいざってときの情報は回してもらってるし、警察がこっちを信じて動いてくれるから犯人を素早く確保できる。お互い様さね」

 

 実際、逮捕権もないのに無茶をやらざるを得ない自分達には、警察側の理解と協力が必要不可欠だ。

 貸しは十分あるし、同時に借りも十分ある。

 それでアタシ達はいいんだ。

 

「そう言ってくれるとありがたい。それで蘭君、王女はパーティが終わるまでには戻ると言っていたのだね?」

「はい。……その、ごめんなさい。パーティの中で王女様が殺されそうになっていたなんて」

「気にしなさんな。その場にいなかったんだから仕方ないさね」

 

 口に出すのは不味いので言わないが、毒殺を防いだ後、あるかもしれない次の襲撃に備えようと意識を外に向けてしまっていた自分にも責任はある。

 坊やと真純はしっかりパーティ会場で目を光らせて、毒殺を防ぐという大金星上げてちゃんと仕事をしたのに、正規の自分がこれとは情けなくてため息でも吐きたい気分になる。

 

「ミスター・キース。そういうことですので、もう一度王女の捜索を開始させていただきます」

「? 目暮の旦那。捜索一回中断しちまったのかい?」

「あぁ、蘭君と王女の容姿は瓜二つで、そして蘭君は王女のドレスを着ていたから、こちらの方が本物だろうと……その」

「アイツが捜索を止めさせたんですよ」

「高木君……!」

 

 んなアホな。

 高木や千葉の奴がさっきから不機嫌だったのはそういうことか。

 

「キース伯爵、ならば改めて、浅見探偵事務所も王女の捜索に当たらせてください」

 

 てことは、非常線も解除されている?

 

 てっきり警察が非常線を張っていると思っていたから、後は場所を絞りながら物量任せのローラー作戦でなんとかなると思っていた。

 

 まだ帝丹高校の制服を着ているならいいが、これで着替えられたらますます追跡するのが面倒になる。

 

「その必要はないでしょう」

「……は?」

 

 なんて言ったコイツ?

 

「必要ないとはどういう意味か、教えていただきたいですな! ミスター・キース!」

「教えるも何も……」

 

 キース伯爵、いやもういいや。

 優男が気障ったらしく、毛利の嬢ちゃんの座っている豪華な椅子の背もたれに手をかける。

 

「一体、誰を探すというのですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――言ってる意味わかってんのかい、コイツ。

 

 

 

 

 

 

――わかってんだろうなぁ……ちくしょう……。

 

 

 

 

 

 

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 

 

 

 

「世良さん、コナン君! 大丈夫だったかい?」

「キャメルさん!」

「ごめんキャメルさん。バイクもコナン君のスケボーもやられちゃって、足を失くしちゃったんだ」

 

 まったく、すごい女の人だった。

 世良のバイクテクニックが凄いのはコクーンのシミュレーターや浅見んトコの車両系のテストコースとかで知っていたけど、あの女の人はもっとすごかった。

 

 バイクに乗りながら簡単な格闘もできて、王女様を落とさないように気を配りながらあっさり世良が軽く転倒させられた。

 

 せめてキャメルさんと連携出来ていればまた違ったかもしれないけど、その前にこうして振り切られてしまっている。

 

「これは、見事にタイヤだけをやられてますね。」

 

 車に同乗していた、シンガポールから来たというリシさんという人がバイクの回収作業に当たっている。

 

「かなり銃火器の扱いに長けて、かつ相当のドライビングセンスを持つ人だ。じゃなければ、こんな丁寧に当てられない。ひどい言い方になりますが、もし普通の人だったら、世良ちゃん――失礼、世良さんは緊急搬送か死亡のどちらかでしたよ」

「否定はしないよ。銃口を向けられた時、正直ダメだと思ったからね」

 

 笑いながらそういう世良に、キャメルさんが少し怒った様子で、

 

「もうちょっと気を付けてください。ジャケットがあるとはいえ、頭に弾が当たったらそれまでなんですよ?!」

「ごめんキャメルさん。これからは気を付けるよ」

「まったく……。ちなみに、使われた銃は?」

「多分イングラム。MAC-11だ」

「入手経路を辿ってみますが……」

「出ない、だろうねぇ」

「でしょうね」

 

 俺もそう思う。

 おそらく本当のプロだと思われる女の人だ。自分に繋がる証拠を残しておくはずがない。

 

「とりあえずホテルに戻りましょう。先ほど初穂さんからメールが来てまして、王女と衣類を取り換えた蘭さんがサクラサクホテルにて保護されたそうです」

「あっ! あの制服、それじゃあ蘭君のだったのか!」

「……蘭姉ちゃん、空手の練習で遅れるって言ってたから、多分電車降りて駅からこっちに来る途中で王女様に見つかって……」

「それであの王女様がとっ捕まえて、似ている蘭君を替え玉にしたのか。あの時、近くを探せば蘭君と出会っていたかもね」

「逆に王女様と間違えて戻る説得してたかもね……」

 

 顔だけじゃなく背格好も似てたもんなぁ。

 

「おっと、携帯……初穂さんからか。もしもし? キャメルですが――ええ、二人とも無事です」

 

 

 

 

 

「急いで合流しろって……なにかあったんですか? ……は?」

 

 

 

 

「――蘭さんが王女の身代わりに!? どうして!!?」

 

 なに!!?

 

 

 

 

 

 

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 

 

 

 

 ホテルのロビーで、目暮の旦那が携帯電話を握りしめて『どういうことですか!?』と怒鳴っている。

 

(ちっ、王女のじゃなくて毛利の嬢ちゃんの捜索願いっていう形ならあるいはと思ったんだけど……やっぱ先手打たれたか)

 

 覚悟はしていたが、警察は動かせない……か。

 

 一番数を動かせる所を抑えられるとさすがにキツい。

 キャメルと坊や達に探させようかとも思ったが、自分がいても五人。街中探し回るにはさすがに足りない。

 

(越水の嬢ちゃんのトコの会社を使えば数は使えるんだけど……わざわざ警察を抑えるような連中だ。ボスも恩田もいない今、無茶に巻き込むのは得策じゃあない。となるとどうしたもんか……)

 

 目暮の旦那は外に出ていった。おそらく上を説得しに行くのだろうが……まぁ、無理だろう。

 

「高木、ちょっといいかい?」

「あ、はい! なんですか鳥羽さん?」

 

 なんでもやらせていただきます! とでも言わんばかりにやる気に満ち溢れている若い刑事はいいねぇ。

 色んな意味で使いやすい。

 なにせ、どうあがいても民間の一社員にすぎない自分に敬礼して返答するくらいだ。

 

「これから先の王女……来日しているヴェスパニア王国一行の、手に入る範囲で出来るだけ詳細なスケジュールが欲しい。頼めるかい?」

「わっかりましたぁ! 任せてください!!」

 

 ……よっぽどあのキースって奴の行動と態度に腹を据えかねているのだろう。

 いつも以上に元気な高木が走っていく。

 

「千葉、目暮の旦那は無茶はするなって言ってたんじゃないかい?」

「えぇ。なんとか本庁を説得してくるからそれまでは、と」

「……まぁ、軽率に動いたら足をすくってくる奴らだしねぇ」

 

 さて、どうしたものか。

 選択肢は大きく分けて二つ。

 

 強硬手段で奪還するか、あるいはあえて流れに乗ってみるか。

 

 

(多分、あの伯爵様は王女がどこにいるか知っている。となると、探せば探すほど隠される可能性がある)

 

 

(でも王女を害するのが目的なら、毒殺騒ぎの時に王女を真っ先に守る動きを見せていたあれが名演技すぎる)

 

 

(……となると逆。逆ってなると何がある? ……完全に信頼できる人間に保護してもらっているとか? 坊やと真純が見たバイクの女ってのがそれか?)

 

 

(じゃあ警備を最小にしたのは……炙り出しか。身内のSP内に怪しい奴がいたから、できるだけ信頼できる奴で周りを固めたうえで動きを見た……)

 

 

(そうなると、やっぱり今回パーティや街中でお痛をやらかすように下っ端チンピラに指示したのは……ちっ)

 

 

 坊やの推理通り、今回の元々の依頼人も疑った方がいいと見た。

 ……いや、案外その依頼人にもさらに裏がいるかもしれない。

 

(目的は複数あったんだろうけど、黒幕がどうしてもウチを絡ませたかったとするならその意図はなんだい? ……違う、ヴェスパニアの問題にウチを絡ませる事自体が黒幕の目的だった? ボス。まさかそっちでも裏でヴェスパニアが絡んでないだろうね? それなら黒幕の思惑にどっぷりハマっちまってるけど……)

 

 流れに乗るか、逆らうか。

 その選択が、一般人なのに巻き込まれた毛利蘭にどう作用するか。

 

「さ……て、どうしたもんかねぇ」

 

 

 

 

 

 

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 

 

 

 

 この季節のロシアは、まだ普通に寒い程度で済む。

 ろくすっぽに暖房器具のない安宿でも、過ごすには問題ない。

 さらに北の地にいる安室達は、ひょっとしたらここを天国と思うかもしれない。

 

(わかっていたのよ)

 

 小泉紅子は魔女である。

 

 魔女とはなにか。

 

 単純に大きな宗教から異端認定された土着の薬草師だった者――いわゆる白い魔女から、大宗教に真っ向から反発したシャーマン、酷い物ならただ『魔女』という事にされて拷問されて死んだ女もいるだろう。

 

 魔女とはなにか。

 

 小泉紅子はこう考える。

 

 己の意思で邪道を歩み、己の欲望を叶えようとする者だ。

 

 まさに自分だ。欲しい物は全部手に入れてきたし、手に入らないモノを手に入れるためにあれこれ画策した。

 

(もうここまでうねりが大きくなった以上、自分に出来ることはもう何もないって)

 

 だが、今の自分はまさしく無力だ。

 いつからだ。こんなにも無力を感じたままなのは。

 

 黒羽快斗が自分の物にならなかった時か?

 いいや、あの時ですらここまでの無力感は覚えなかった。

 

 そもそも諦めていないし、やれることはいくらでもある。あった。

 

「わかっていたのよ……」

 

 安いベッドとテーブルしかない狭い部屋で、魔女は小さくつぶやく。

 ロシアに来たところで、自分に出来る事など何一つない。

 

 むしろ、日本に残っていた方が確実に自分という存在を活かせただろう。

 ただでさえ人手不足の、向こうの方が。

 

 なのになぜ来たか。

 

 わかっている。自分が弱かったのだ。

 

 越水七槻は、出来る事を最大限行うために残った。待つことが出来た。

 中居芙奈子は、残る事を決めた彼女を全力でサポートすることを決めた。彼女もまた、待つことが出来た。

 

 米原桜子もそうだ。待つことしかできないと知っているから、だから待つ。

 悲しみをこらえて、表に出さずに事態を知らない子供たちを相手に、頑張って元気づけようと役割を果たしている。

 

 それが、自分には出来なかった。

 

 ただでさえ、いつ死んでもおかしくない男だ。

 いや、違う。

 この世を違う理から見ている自分には分かる。

 

 彼は『死ななければならなかった存在』だ。

 

「だから……深入りしないと決めていたのに……」

 

 もうここから先は魔女である自分では……自分にも何も分からない。

 感覚でそうだと分かる。

 

「私は何を手に入れようとしてたのかしら」

 

 どうしてあの事務所に――あの特異点に加わったのか。

 

 浅見透への好奇心? それはある。

 

 黒羽君に誘われたから? それもある。

 

 彼と同じ職場で働いて、青子さんに優越感を得たかった? それも確かにある。

 

 それで、加わってどうなった?

 

 

 

 ――楽しかった。

 

 

 

(楽しかったの?) 

 

 

 

 事務作業を片づけながら双子のメイドや小沼博士とお茶したり、現場に出向いて浅見透や安室透の補助を請け負ったり。

 

 単純に皆で食べに出た時、瀬戸瑞紀になっている黒羽君にそれとなく魚料理を勧めて慌てさせたり。

 

 アンドレ=キャメルの運転で黒羽君と山の洞窟を探検しに行ったり、皆で普通の他愛もないバーベキューしたり……。

 

 

 

(そうか……そうね、楽しかった)

 

 

 

 刀を持ち運ぶのに使った木箱を隅にのけて、粗末なテーブルに軽く手をつく。

 少し前の自分ならば、きっとこんな安っぽく埃っぽいテーブルなんて触りもしたくなかっただろう。

 

 椅子に腰を掛けて、テーブルに肘を突く。

 

 魔女とは、魔術を以って臨むものを手に入れる者。

 いつだったかのバレンタインで、無理やり黒羽快斗――怪盗キッドにチョコを受け取らせようとした時を思い出す。

 

 だけど、今の自分に多分同じことは出来ない。

 

 おそらく、そういう方向に世界は進んでいる。

 ひょっとしたら、気が付いた時には自分は魔女でもなんでもなく、ただのオカルト知識に詳しい変わった女子高生になっているのかもしれない。

 あるいは、今もうすでに。

 

 浅見透やルパン三世と合流できた占いも、本当は効果なんて全然発揮してなくて、ただ『偶然』たどり着いただけかもしれない。

 

 いずれにせよ、浅見透の未来を無理やり捻じ曲げる事も、そして救う事も、もう自分には出来ない。

 そういう確信がある。

 

「魔女なんて、大体においては悪役。白雪姫に毒のリンゴを食べさせたり、お菓子の家で子供を釣って食べようとしたり……」

 

 そうだ、魔女とはそんなものの代名詞だ。

 シンデレラにドレスと馬車を与えるような存在は珍しい。

 

「でも、だけど……」

 

 それでも。小泉紅子という魔女には願いがある、欲しい未来がある。

 

「魔女の言葉でも届くというのなら……」

 

 目を閉じ、耳を澄ませる。

 

 多分、もう彼らの夜は始まっている。

 

 そして自分には、その夜に踏み込む足も差し出す手もない。

 

「――お願い」

 

 だから、届かない手を組むしかできない。

 

 

「……神様……っ」

 

 

 この日、生まれて初めて魔女は祈った。

 

 

 

 

 

 

 






宣言していた通り、ルパン三世VS名探偵コナン(TVスペシャル版)も人物紹介になりますー

めちゃくちゃ時間かかったww



〇サクラ・アルディア・ヴェスパランド(CV: 鈴木弘子)

 彼女の死から物語が始まります。ぶっちゃけ彼女をはじめ登場ゲストキャラのフルネーム、調べるまで知らなかった……。
 
 ※見直したら序盤でちゃんと出ていた……。

 ある意味でクラリスの未来の可能性とも言える気がする存在だと思っています。
 言い分はわからないでもないが、弟さんともうちょい上手くやれなかったのか。
 後述するジラートが弱すぎたカリオストロ伯爵なら、サクラ女王は強すぎたクラリスというイメージ。



〇ミラ・ジュリエッタ・ヴェスパランド(CV:堀江由衣)

 蘭ねーちゃんのドッペルゲンガー。王女にしてはやんちゃすぎるが堀江由衣ならすべてが許される。
 蘭のドッペルゲンガーだけあって、クッソ重いはずの洗濯機やソファをぶん投げ、さらには便器を引っこ抜いて投擲する中距離パワータイプ。さすがだ。

 劇場版でひょっとしたらガッツリ出てきてくれるかなーと思ったら、残念ながら存在を匂わされただけ。
 キャラはかなり好きだし、高校生の蘭と違って飲酒喫煙できる人間なので使いやすいキャラだと思うのですが、残念ながら王族という逃げ道がないキャラ設定…………



 蘭と入れ替えたままにすればいいのか




〇キース・ダン・スティンガー(CV:緑川光)

 最初っから怪しいムーヴをするグリリバなら味方やろ(偏見)
 ただの伯爵というか後方から指示する参謀ムーヴだけかと思いきやちゃんと格闘戦も見せてくれる。さすがグリリバキャラ。

 だが、それはそれとして外交面のやり方にすごい不安を覚えてヴェスパニア王国の未来が不安ではある。
 ……いや、強権通してその後もなんともなかったし、劇場版でお代わりしてるし……想像を超えて優秀なのか??

 少なくともそれなりに人望はあったようだしなぁ。
 ある意味で上手くやったカリオストロ伯爵なのかも。



〇カイル(CV:楠大典)
 キース伯爵の部下。というかSPのリーダーか。
 本作で蘭と格闘する数少ないネームドですが、ドッゲルゲンガーの遭遇シーンに出くわしたのが運の尽き。
 碌に反撃も出来ずにKOされてしまった。

 ただ、登場したヴェスパニア勢の中では一番の人格者だと思う。
 コイツが忠誠誓っているし、コイツを大事にしていた(少なくともジラートはそう考えていた)という点でキ-スの株が少し上がった。

 一回、油断一切なしで蘭と決着をつけてほしかった。
 そうすれば続編で園子が調子に乗る理由が一個消えた。(流れ変えるのは無理だっただろうけど)



〇ジル・カウル・ヴェスパランド(CV:福山潤)

 女王と同じく、この方の死亡が事件開始となる被害者枠。サクラ女王の息子で、ミラの兄である。
 被害者というかある意味の時報キャラなんですが、物語スタート時の会話シーンなんかすごく好きなんですよね。
 子供のころからスポーツが好きだったようで、開始時点でも狩猟をしている。

 なお、その狩猟を楽しもうとするときに母親からは『狩猟などという野蛮なとスポーツは好きではありません』と唐突にディスられる模様。サクラ女王お前ホントそういう所やぞ。
 一方ジル王子はその後もナチュラルに返しているあたり、政治能力は不明だけどコミュ力は高い気がする。

 惜しい人物だったなぁ。
 ほんの短い時間のキャラだったけど、なんか好きだった。



〇ジラード・ムスカ・ヴェスパランド(CV:屋良有作)

 ヴェスパニア王国公爵で女王の弟。ジルとミラの叔父でもあるキャラ。

 コナンワールドが混じってしまったせいで微妙になってしまった最大の被害者。
 これが100%ルパンワールドだったら少なくとも数は揃えられたし、なんか恥ずかしい二つ名持ってる割に結構強いやつが一人か二人部下にいたハズ。

 言ってることはすごくわかるタイプのキャラはどうにか輝かせたくなるんだけど、コイツの場合日本国外のキャラだし、パッとしなかったのでご縁がなかった。残念。

 サクラ女王の項目でも述べたように、能力やカリスマが足りなかったカリオストロ伯爵というイメージ。

 衛兵を手元におけるくらいには手際が良かったハズなのに、どうにもスケールが小さかった。
 コナン側ならもっと自分で動くべきだったし、ルパン側だったら毒とか使わず問答無用で襲撃か爆破すべきだった。

 言ってることはわかるけどね。

 多分、コイツに必要だったのはサクラを始めとする要人暗殺計画ではなく、もっと肝心な所への根回しという政治的な計画。

 政治だろうが軍事だろうが、雑魚をどんだけたくさん手駒にした所でネームドどうにかしないとこの世界ではひっくり返されるんだよ!!



 

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