誰かにとって当たり前、それが私の夢   作:幽霊はお好き?
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今回はA組の女子が全員出演します。
私がヒロアカで特に好きなキャラクターは対人戦闘訓練のHコンビです。
扱いが違うのが見て取れると思います。
ちなみにですが青山君は欠席です。
(B組に入れて物間くんと同じ補修組にすべきか、もう青山君いらないんじゃないかなってことで影も形もなくすべきか悩んでます。B組に入れるとB組の私の知らない誰かが消えるしねぇ)


入学初日のお話

春です。
まぁ、つまりは入学初日。
空は既に教室内にスタンバっている。

「…スー」

思いっきり眠っているが。
遅刻だけはしないよう真夜中からスタンバイしていた空。
その結果がこれである。

ガラッ…

「…あら?」

と、そこに黒髪の少女が入ってきた。
紛うことなく蛙顔である。

「…一番乗りだと思ったのだけど。先客がいたみたいね」

と、ひとり呟く少女。
その視線は空を向いている。
凝視である。

「…懐かしい顔だけど、どうしましょう」

空を起こそうとする少女。
体を揺らして起こそうとしたのだろう、空に手を伸ばす。
が、その手が届くことはなく、その手は机に触れることになる。

「…やっぱりダメよね」

どう起こせばいいのか悩む少女。

ガラッ…

「あら、もう二人も」

一人うんうん唸っていると何やら発育の良い少女が入ってきた。

「あ…。はじめまして」

「あ、はい、はじめまして、ですわ」

若干たどたどしく挨拶を交わす二人。

「えっと…自己紹介から始めましょう。同じクラスみたいだし。蛙水(あすい) 梅雨(つゆ)よ、よろしくね」

「私の名前は八百万(やおよろず) (もも)ですわ。よろしくお願い致しますわ。蛙水さん」

お互いお辞儀をする。

「あの、それで、一体何をしていたんですの?」

「一人でいるのも退屈だから、先にいたのに寝てるこの子を起こそうとしただけよ。…触れないから無理だったけど」

「触れない…?あ、本当ですわね」

空に触れようとする百。
だがその手は梅雨の時と同じく机に触れるという結果に終わった。

「…ねぇ、八百万ちゃん」

「ちゃん!?はっ、え、えっとなんでしょう…えっと蛙水ちゃん?」

「結構ノリがいいのね、出来れば梅雨ちゃんと呼んで欲しいわ。で、八百万ちゃん、この子起こせる?」

「…ふむ、触れない、となると、痛みや振動では起こせませんわね」

少し、悩む。
数瞬考えた後、百は懐から何かを取り出した。

「これなどはどうでしょう」

「これって…機械?なんの?」

「増音器ですわ。簡単に説明すると、ここに声を流すとその声が大きくなります」

「へぇ…ちょっと試してみましょう」

「では僭越ながら私から」

百が口元に機械を持っていく。

『起きてください、起きてくださいな』

声が教室内に響き渡る。
梅雨が耳を塞いでいるあたり、かなりの音量だろう。

「…スー」

それでも空は起きない。
ちょっとやそっとでは起きないのだ。

「これは…困りましたわね」

「えぇ、本当にね。どうしましょうか?」

「どうしましょう?」

二人で唸る。
触れない、音でも起きない。
ほかの手段が必要なのだが二人は思いつかない。

ガラッ…

「あれ?もういる。早いね~」

「あ!警告の人だ!同じクラスなんだ~」

Aクラスにさらに人が増えた。
空の入試試験会場にいたあの二人だ。
全体的に色合いがすごい子は自分たちより早い人が3人もいることに驚き、透明な子は警告をくれた子、つまりは空が教室にいることに驚いている。
透明な子が空に触ろうと頑張っているが全部からぶっている。

「う~、触れない~!」

「元気ね、貴女。とりあえずはじめまして、二人とも」

「あ、うん!はじめまして!私、葉隠(はがくれ) (とおる)だよ!よろしくね!」

「うん、はじめまして。私は芦戸(あしど) 三奈(みな)!私の事もよろしくね!」

「よろしくお願いいたしますわ。私の名前は八百万百です」

「蛙水梅雨よ、梅雨ちゃんと呼んでね、葉隠ちゃん、芦戸ちゃん」

「よろしく~梅雨ちゃん!百ちゃん!」

「よろしく、二人とも。で、二人ともなにやってたの?なんか悩んでたみたいだけど」

三奈が二人に問う。
視線は空の方に向かっているが。

「この子を起こそうとしてるのよ。葉隠ちゃんを見ての通り、触れないし。音も試してみたのだけどダメだったから今の所お手上げね」

「なにそれ面白そう!う~ん、どうやって起こせばいいのかな」

「あはは、確かに楽しそうだね!よーし、頑張るぞー!」

盛り上がる二人。
入試試験の後、仲良くなったらしい。

「ん~?机に寄りかかって寝てるように見えるし、ちょっと机どかしてみようか」

「おー、いいね。そうしよう!三奈ちゃんそっち持って?」

「はーい」

「それじゃぁ、せーの!」

と、二人で協力して机をどかす。
が、起きない。
体は机によりかかるような姿勢のままだ。
透が椅子をどかした。
空気椅子状態の出来上がりである。

「「あはははは!」」

三奈と透が大笑いしている。

「これでも起きないのね。…それにしてもこの光景ちょっと面白いわね」

「確かに」

そんなことを言い合いながらまた二人で空を起こす方法を考え始める。
もう二人は笑い続けているから戦力外だ。

ガラッ…

「なんか笑い声が聞こえると思ったら…」

「なにやってんだ?お前ら」

「…ひとり面白い姿勢になっている奴がいるが」

今度は三人組の登場である。
尻尾の生えた地味目の子、赤いトゲトゲ髪の子、なんか触手みたいなのが生えたでっかい子。
いずれも男子だ。

「…うわ、もうこんなにいる」

人が集まってきた、通学ラッシュらしい。
今度は耳たぶがコードのようになっている女子が入ってきた。

「…む、空。何故そのような姿に…。惰眠を貪っているのか」

空を知っている踏陰も入ってきた。
そろそろ起きる頃合らしい。

「あら、久しぶりね、踏陰ちゃん」

踏陰に問いかける梅雨。
過去に会ったことがあるらしい。

「梅雨か。久しぶりだな。…その様子だと空を覚醒させようとしていたようだな。…少し待て。…黒影(ダークシャドウ)

『アイヨ!起キロ!空!』

黒影(ダークシャドウ)が空の頭を掴み、振り回す。
髪がとてもあらぶっている。

「…やーめーろーや!…うぉう!?うちじゃない!?というか知らない人がいっぱい!?」

ついに起きた空。
激しいシェイクで目が覚めたらしい。
即座に周りを認識して軽くパニックになっている。
すぐに落ち着いたが。

「…あー、そういえば遅刻しないよう早めに来たんだっけ。…えっと、とりあえず皆様ハジメマシテ」

空が周りにお辞儀する。
自己紹介ラッシュが始まる。

「…中々衝撃的な光景を見させてもらったわ。久しぶりの学校生活、楽しみましょう、空ちゃん」

「久しぶり!警告の人!私、葉隠透!よろしくね!」

「久しぶり!芦戸三奈だよ!前のあれ、先に言ってよ!怖かったんだからね!?楽しかったけど!」

「はじめまして、八百万百ですわ。貴方が眠っている間に起こそうと色々してしまいました。申し訳ありません」

「一体何をしたんだ…。とりあえずはじめまして、尾白(おじろ) 猿夫(ましらお)だ」

「なんというか、朝っぱらからすげぇもの見た気がするぜ。あ、俺は切島(きりしま) 鋭児郎(えいじろう)な!よろしく!」

「…障子(しょうじ) 目蔵(めぞう)だ。よろしく頼む」

「なんか、よく分かんないけど…。私は耳郎(じろう) 響香(きょうか)だよ。よろしく」

「あー、はい。皆々様方よろしくね?私は空空空。漢字は全部普段見上げる空さ。…で?踏陰。随分荒い起こし方してくれたね?」

若干すわった目をした空が踏陰を見つめる。
他の生徒は離れ始める。
交流をしたり、音楽を聴いていたり、人それぞれだ。

「あぁでもしないとお前は起きんだろう。お前は中学の時寝過ごした授業の数を覚えているのか?」

「371回。少なくとも年単位で睡眠学習してるね」

「馬鹿者が」

踏陰がそう呟くと空はまるで反省していない表情で笑う。
俗にいうてへぺろである。

「結構問題児だったのね」

「私、何度寝たかなんて覚えてないなー」

「うぇ!?大丈夫なの三奈ちゃん!雄英のテストって結構難しかった気がするんだけど!?」

「おぉう、知ってる面子。というか梅雨ちゃん久しぶり」

「えぇ、お久しぶり」

ぺこり、とお辞儀をする二人。
空、踏陰、梅雨。
この三人は過去に出会ったことがあるらしい。

「というか、踏陰ちゃん。前みたいに梅雨ちゃんとは呼んでくれないのね」

「ぐっ…」

『恥ズカシガンナヨ』

「…シャイだねぇ」

「な、なんか仲良しフィールドが出来てる…!」

「私たちも仲間に入れてー!」

突撃する透、避ける踏陰、すり抜ける上に避ける空、受け止める梅雨ちゃん。

「避けられた~!わ~ん」

「…よしよし」

透が泣き出す、恐らく泣き真似だが。
恐らく頭と思われるところを撫でる梅雨。

「…わ、私も突撃した方がいいかな」

「やめなさい」

暴走しようとする三奈を制する空。
そんな寸劇をしている間も続々と入ってくる級友(クラスメイト)達。
その中の一人が扉付近にいる空たちに声をかける。

「…どけ、モブ共」

「へぇぁ!?え!?今なんて!?とりあえずどうぞ通って!」

奇声をあげながら道を譲る三奈。
良い子だ。
爆発的に尖った髪をした男子はそれを当然とばかりに突き進み、ドカッと席に座る。

「…うわぁ。あそこまでTHE不良って感じの子、私初めて見たよ」

透が小声で空たちに喋りかける。
透曰くTHE不良くんは机に足をドンッと乗せる。
隣の席で音楽を聴いていた響香がビクッとした。

「…ここにいるってことはヒーロー志望だよね?」

「そうでしょうね、まったくそうは見えないけど」

三奈と梅雨もヒソヒソと会話をする。
微かに聞こえてでもいるのかこちらを睨んでくるヒーロー志望には見えない少年。

「うわぁ、目つきひどいよあれ」

「吊り上っているな。餓鬼の類か?」

『絶対性格悪イゼ、アイツ』

同じくヒソヒソ声で話す空と踏陰、あと黒影。
空はともかく踏陰と黒影が参加するとは思わなかったらしい、透と三奈が驚いている。
ちなみにこの場合の餓鬼は子供ではなく鬼のほうの意味。
中々にひどい事を言っている。

「ボソボソうっせぇぞォ!!端役共ォ!!」

やはり聞こえていたらしい、キレる若者。
どう見てもいい子には見えない。

「あぁ、怖い怖い。とりあえず座ろ…あぁ、透ちゃんはこっちいたほうがいいかもね」

「え?…あー!私の席あの子の前じゃん!ご、ごめん空くんココいていい?」

「どうぞどうぞ、むしろ座る?私座れないから正直いらないんだよね」

「え?えっと、じゃぁお言葉に甘えて」

「私たちも座りましょう…三奈ちゃん。座っても私たち近いし」

「うん!いっぱいお話しよう!」

「…俺は遠いがな。まぁいい」

『拗ネンナヨ』

「拗ねてなどいない。…ではな4人とも」

「あ、うん!また話そうね!踏陰くん!」

「またねー」

「また話しましょう、踏陰ちゃん」

「んじゃの~。また眠ってたら頼むわ」

「…懲りん奴だ」

踏陰が自分の席に向かう。

ガラッ…

「おはようございます!…ムムッ!遅れてしまったか!?」

いかにも真面目そうなメガネ男子がやってきた。
その手はとても忙しなく動いている。
空が彼に話しかける。

「大丈夫だよ~、先生も来てないし、入学案内に書かれてた時刻よりは早く来てるし」

「む、そうか。なら良かった。…ムム!おい!そこのキミ!」

真面目さが滲み出ている子が不真面目さに溢れている子に目をつける。

「そこのキミだ!机に足をかけているキミ!」

「アァン?なんだ俺のことか?俺になんか用かぁ?アァン!?このクソモブが!」

「クソ…!?キミ!ヒーローを目指すなら言葉遣いにも気をつけたまえ!」

そのまま言い争いを始める二人。
迷惑そうな顔をした子が何人かいるが面倒なのか誰も止めに入らない。
入学初日だし仕方ない。

「…なんというか。真面目君と不真面目君が化学反応を起こすとこうまで面倒くさくなるんだね」

空がどこか悟ったような目でそれを見ている。

「えっと、止めなくていいのかな?あれ」

「うぅ、止めたいけど怖いよ。特に不真面目君」

おびえる透と三奈。

「入学初日なのに元気ね。二人とも」

考えが全く読めない顔で呟く梅雨。

ガラッ

二人の言い争いが盛り上がっている。
そんな最中ぼさぼさ頭の気弱そうな少年が入ってきた。

「…2トップ」

ボソッと少年が呟く。
その視線は言い争いをしている二人に向けられている。

「む?ハッ…!キミは」

言い争いをしていた真面目君が教室に入ってきた少年に気づき近づく。
そのまま話始める二人、内容からするとどうやら試験会場で色々あったらしい。
男子二人が話していると茶髪のほっぺのカワイイ女子が入ってきた。
どうやらその子とも関わりがあるらしい。
件の女子が入学初日、ということでなにやら夢を膨らませていると

「お友達ごっこしたいなら他所に行け」

いつの間にか寝袋姿で廊下(そこ)にいた男性が声を発した。
あっという間に静まり返る教室。
ヌーっと起き上がる男性。

「担任の相澤(あいざわ)消太(しょうた)だ。よろしくね」

このクラスの担任らしい。

「早速だが体操服(コレ)着てグラウンドに出ろ」

と、寝袋から体操服をとりだし見せる消太先生。

「えっと先生、どこで着替えればいいんですか?」

着替えを一瞬で終わらせられるからあまり聞く必要はないが、空が一応聞く。

「入学案内に更衣室の場所が書いてあるだろう、そこに行け。体操服も個人のロッカーと一緒に置いてある」

「はーい」

返事をする空、順応が早い。
消太先生の言ったことを聞いた他の級友(クラスメイト)達が行動を始める。

「…これは!?男子更衣室、女子更衣室の隣じゃねぇかウッヒョー!のぞき穴、作んねぇとな…」

「…そこに、気づくとは、やはり天才か…。その作戦、俺も参加させてもらうぜ」

「おぉ…同志よ」

ぶどうのような頭をした少年が小声で呟いている。
隣にいたから気づいたのであろう金髪の少年がこれまた小声で話しかける。
これが性に旺盛になった思春期の男子の図である。

「…絶対阻止しよう」

耳はいいほうな響香がそう呟く。
野郎共の野望を防げるのは君しかいない、ガンバレ。





場所は変わって運動場(グラウンド)
消太先生が皆の前に立つ。

「今から個性把握テストを行う」

『『個性把握…テストォ!?』』

テストと聞いた瞬間一部の生徒が叫ぶ。
困惑するA組を見ながら消太が説明を開始する。
曰く、個性禁止の普通の体力テストじゃヒーローになれるか否かなんてわからない。
個性も含めて己の最大限を知ること、それがヒーローの素地を形成する合理的手段、ということらしい。

「試しだ。入試の実力テスト、1位は爆豪(ばくごう) 勝己(かつき)だったな。投げてみろ」

消太先生が勝己にボールを投げる。
雄英のボール投げ用のボールらしい。

「んじゃまぁ…死ねぇ!!!」

爆音を轟かせながら爆風により吹っ飛ぶボール。

「…あの子大概物騒だな」

空が呟く。
正直、死ねはないと思う。

「…705.2m。俺の言いたいことが分かっただろう?」

「…確かに」

「すっごーい!何これ面白そう(・・・・)!」

踏陰が納得し、三奈がはしゃぐ。
面白そう、その言葉を聞いた消太先生が三奈を睨む。

「…面白そう…か。お遊びじゃないんだそんな腹積もりで過ごしてもらっちゃ困る」

その言葉を聞いて三奈がビクつく。

「…よし、トータル成績最下位の者は見込みなしと判断し…除籍処分としよう」

無慈悲にして理不尽な宣告。
それを聞いた一部の生徒の反応がこちら。

「「…は?」」

踏陰と梅雨は表情を崩し、分かり易く呆け。

「「え、えええぇぇぇぇぇーーーーーー!!!」」

三奈と透は叫ぶ。

「…わーお」

どこか思考が追い付いていない空がそう呟き。

「…うぇ!?みんな、どうしたんだ!?」

ヤオヨロッパイばっか見て話を聞いてなかったブドウ頭が皆の声に驚いている。
生徒たちの驚きの表情を見ながら消太先生が

生徒(おまえら)如何(いかん)先生(おれたち)の自由」

生徒たちを嘲笑うように

「ようこそ、これが雄英高校ヒーロー科だ」

その言葉を告げた。

個性把握テスト、開始。



しない。
全カットでお送りします。
何故って?ふふ、一回書いてみたけどグッダグダだったんでね!
いっそなくてもいいやって感じになったのでカットです。
申し訳ありません。

ちなみに空空空の個性把握テストの結果は以下の通り。
50m走 3秒01
握力 12.9kgw
立ち幅跳び ∞
反復横跳び 86回
ボール投げ 696.4m
上体起こし 37回
長座体前屈 47.1cm
持久走 4分27秒37

握力と上体起こし、長座体前屈以外は個性を存分に生かしてやってます。
見た感じ好成績です。






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