鈍感な提督と艦娘たち   作:東方の提督

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今回は全編ほのぼのですよ、ほのぼの!
いつも通りですね、はい。


提督と瑞鶴と翔鶴

「第一艦隊が無事帰投しましたっ!てーとくさーん!」

 

執務室の扉を開き、元気よく部屋に入ってきたのは―――

 

「瑞鶴、お疲れ様。…おっ、翔鶴もお疲れ様」

 

「はい…提督もお疲れ様です」

 

「ねぇねぇ、てーとくさーん!」

 

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そう、今日の秘書艦は瑞鶴。姉の翔鶴もついて来たようだ。

彼女たちは、先程まで他の提督の元へ演習に行っていた。

秘書艦なのに外出(出撃)していた、と言うのは不思議に聞こえるかもしれない。

が、秘書艦というのは第一艦隊旗艦も兼任している。その為、有事の際は出撃することもある。

まあ、瑞鶴の場合は少し違って、単純に僕のやっているような事務処理が苦手で、体を動かす事の方が好きだ、と言うので演習に向かってもらったのだが。

と、いうように臨機応変にしているのだ。例えば秘書艦が夜戦至上主義の子(川内)であった時とか。

僕の仕事に影響しないのか、といったらゼロではある。が、彼女たちの笑顔に比べれば些細なものだ。

 

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彼女と一緒にされていると知れば、大層ご立腹になるだろう。そんな事を考えていたら。

 

不意に、僕の左腕が引っ張られた。顔を向けると、瑞鶴が抱きついていた。胸を押し付けないでほしい。罪悪感が湧くから。

 

「提督さん、私の話聞いてるー?」

 

「大丈夫、ちゃんと聞いてるよ。瑞鶴が演習でMVPとったんでしょ?」

 

「ふふん♪私、結構頑張ったのよ?だから…提督さん、褒めて褒めてー!」

 

「うんうん、偉い偉い」

 

「えへへ…さーんきゅっ!」

 

「瑞鶴…ぃいなぁ…」

 

いつもと変わらない様子で、しかし顔を赤らめながら頭を撫でられている瑞鶴と、それを何故か少し羨まし気にぼーっとしている翔鶴。

そう。最近、こういう事を僕に求めてくる子が増えてきた気がする。

僕に頭を撫でられても大して良い事はないだろうに。

 

「んんっ、そうじゃなくて…瑞鶴!ぅらやましぃ…でもなくて、いい加減提督から離れなさい!」

 

「えーっ?なんでー」

 

「あなたは少し提督に我儘を言い過ぎです!いいですか!大体、あなたはいつもいつも…」

 

「まぁまぁ、翔鶴、少し落ち着いて。瑞鶴も、ね?」

 

「提督は瑞鶴を甘やかせ過ぎです!」

 

お説教を始めてしまった翔鶴に、ぶーぶー、と口で言いながら渋々僕から離れる瑞鶴と、巻き添えを喰らった僕。そうだろうか。

しかし、なんだかんだ言って、瑞鶴は物分かりのいい子だと思う。

 

「今日だって、苦手だからといって秘書艦業務をほっぽり出して演習に…」

 

「だって苦手なものは苦手なんだもーん」

 

「瑞鶴!」

 

「ぶーっ…あっ、分かった!」

 

唐突に何か閃く瑞鶴。なんだなんだ。

 

「翔鶴姉ぇ、羨ましいんでしょー?私が提督さんに頭を撫でてもらってるのがー。さっきからのは八つ当たりだなー?」

 

「っ!?…ん、な、え、ち違うわよ瑞鶴!」

 

「ふぅーん?じゃあ、さっきなんて呟いてたか提督さんに言ってもだいじょぶだよねぇ?」

 

「えっちょなんで聞こえて」

 

「ねぇねぇ、提督さーん?さっきね、翔鶴姉がねぇー?」

 

「ずーいーかーくー!」

 

先程よりも大胆に、椅子に座る僕の太腿の上に座り、しなだれかかってくる瑞鶴(いい匂いがする)。しかし、見たことないほど姉が涙目で顔を真っ赤にしているのを見て、かぶりを振って大きくため息を一つ。

 

「はぁ…提督さん、ちょっと待っててね?」

 

「お、おう」

 

もう少し素直になればいいのに、などと呟きながら、部屋の隅で体育座りになって床を指でいじっている翔鶴の元へ。瑞鶴、君がやったんだぞ…

 

言われた通り、待つ事数分。

 

一体二人で何を話し合っていたのか。答えはすぐわかった。

 

「提督…わ、私にも…頭を撫でてはいただけませんか…?」

 

訂正しよう、全く分からない。解るけど、分からない。

 

「提督さん、いつも頑張ってる翔鶴姉へご褒美に頭を撫でてあげて?」

 

「うぅ…恥ずかしい…」

 

ご褒美になるのかそれは。しかし、翔鶴に涙目で懇願されては断れない。女性の涙にはめっぽう弱いのだ。

それに、頑張ってくれているのは事実。

 

「いつもありがとう、翔鶴」

 

「~~~~~~っ」

 

頭を撫でてあげた。そんなに照れられるとこっちも照れてしまう。

 

「ぐぬぬ…提督さん、私も撫でろー!」

 

「頭を撫でるくらいならいつでもやるよ?」

 

「ほんとっ!?」

 

 

いつかみんなにちゃんとしたプレゼントを贈らねば。それと瑞鶴に対しもっと厳しくいくべきかどうかも考えねば。

そんな事を考えながら、僕は暫く、可愛らしい姉妹を撫で続けた。

 

 

 

 

 

その後、「頭を撫でるくらいならいつでもやる」と僕が発言したのが、どこからか艦娘全員に伝わってしまったようで、彼女たちが定期的に執務室に頭を撫でられに来るようになってしまった。何故だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




というわけで、今回は瑞鶴と翔鶴でした。
この二人も大好きです。特に瑞鶴。ずいずい。幼馴染感半端なくないですか?一緒にゲームしたい。あと抱きつかれてみたい。
翔鶴も、普段はしっかりしてるけど甘えだすと破壊力半端ないと思うんです。きっと。絶対。ぎゅってしてあげたい。
二人ともギャップがあるのがいいですよね。
私は女の子のギャップが好きなのかもしれません。ツンデレ然り。みんなそうかな?
こんな女の子たちに好かれてみたかっただけの人生でした。まる。

これから先、お話内の時間の流れは繋がりがなくなっていくと思います。多分。前話を読んでない方は既にないかもしれませんが、ここまでで一日のつもりです。

次回の予定は未定です。
誰がいいですかね…よろしければ提案していただいてもいいんですよ(チラッ
もしかしたらすぐ出せないかもしれませんが、気長にお待ちください。妄想力が足りないよ。うん。

書きたい事は全て書きましたので、これで失礼します。ここまで読んでいただいてありがとうございました。

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