インフィニット・ハンドレッド~武芸の果てに視る者   作:カオスサイン

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EPⅥⅩⅡ「文化祭!そして襲撃と…PARTⅤ」

Sideイチカ

「はあはあ…」

「あははははー!」

不味いな…流石に技量が伴っていないとはいえど敵の数があまりにも多過ぎる!…思考の無いサベージと思考する人間ではいくら単調な攻撃でも捌き切るのにも差があるからだ。

勿論ある程度力をセーブしながら戦ってはいるが何時エナジー切れを起こしても可笑しくない状況だ。

だが少し待て…いくら亡国企業とはいえどこんなに構成員が所属していたのか?…まさかな…嫌な予感を感じつつも俺は襲撃者達をのしていく。

「クソッ!…」

山田教諭に救援を要請はしたが…きっとあまり望めないな。

これだけの大人数だ、きっと別の場所にも襲撃者が現れている筈だ。

 

同じ頃、Sideイツカ

「皆早く逃げろ!クソッ!此奴等は一体何がしたいんだ!?」

イチカの予想通り、学生寮付近にも襲撃者が侵入してきていた。

敵が来ている事に一早く気が付いたアタシは一般生徒を避難誘導しながら応戦していた。

「見つけたわよ裏切者!」

「テメエは!…」

襲撃者部隊のリーダー格らしき人物にアタシは見覚えがあった。

ソイツはテロリスト時代の同僚だったのだ。

「裏切りね…勘違いしてもらっては困るな。

アタシは只終わる筈のなかった復讐の為にいただけだ!

お前達の掲げる下らない思想なんかと一緒にするな!」

「そう…ならさよならね!」

「おとなしくやられると思っているのかあ!」

ビームライフルを撃ち元同僚の機体を撃ち抜く。

「クッ!?…やるじゃない…だけどね!…」

「フッ!…」

「何が可笑しい?!」

SEを削り切れずに奴はすかさず反撃体勢を取ろうとする。

対する私はシールドを構えたまま静かに笑う。

「エアトスお願い!」

「ピー!」

「そこだ!」

「なンだ此奴!?ぐわ!?…」

「ようやく来てくれたか!」

駆け付けてきたアヴリルとラウラの一撃で奴を削り切る。

「リーダー!?この!…」

「させるかよ!【玄武緑楯】!!」

「「キャアアァー!?」」

単一仕様能力を発動させたシールドで取り巻き達を吹き飛ばした。

「ふう…他の皆の状況は?!」

「デュノアさんとセラフィーノさん、鳳さんが校舎付近の敵の対応にあたってる。

恐らく他の人達も別の場所の対応に追われている筈だわ」

「これ以上戦力を分散されたままではかなり不味いぞ!」

「ええ、早く皆と合流しましょう!」

「ああ!」

残存敵影がいない事を確認したアタシがアヴリル達に問うと予想通りの答えが返ってきたので他の者達の所へ急行した。

 

Side音六

「此奴等どっからこんな湧いてくるのよ!?」

「鈴下がって!シールドピアス!」

「くうっ!?…」

「大丈夫、音六ちゃん!?」

「な、なんとか…」

嫌でも感じてしまうあまりにも多い理不尽な悪意に加え、私の中の人工ヴァリアントの力が限界点を超えかけていた事も相まって酷い頭痛に襲われ鈴ちゃんに心配されながらもなんとか対応していた。

はーくんはヤタさんに呼ばれたまま未だ学園に戻ってこれていない。

いーくんや他の皆は別の地点で対応中の筈だ。

なんとしても持ちこたえる!…ISを身勝手な思想の上でしか扱わない人達に密かに怒りを感じながら見据える。

だがそこで予想外の最悪な出来事が起こってしまった。

パアン!

「グッ!?…」

「「え!?…」」

「お父さん!?なんで此処に!?…い、嫌あああああー!?」

対応出来なかった方向から銃声が鳴り響いたと思えば避難させていた筈のデュノアさんのお父さんが左肩から血を流し倒れていた。

その光景を目の当たりした私や鈴ちゃんは勿論、デュノアさんの悲痛な声が響き渡るだけだった。

 

 




次回、突如避難していた筈のローグが何者かに撃たれシャルロットは戦意を喪失しそうになってしまう。
彼を撃った人物はその光景を見て嘲笑っていた…。
その人物に対し更なる怒りを燃やす音六と鈴だったが疲労が祟り追い詰められてしまう。
だが彼女達は諦めてなどいなかった。
不屈の想いが奇跡を起こすと信じて!
「文化祭!そして襲撃と…PARTⅥ」


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