インフィニット・ハンドレッド~武芸の果てに視る者 作:カオスサイン
Sideイチカ
「こいつは…」
「うー~!///」
これは予想外だった。
只のダンス&ヴォーカルコンテストイベントかと思って参加したら実はカップル限定という名の罠があったでござる。
いや俺達は実際そうだから問題は無いんだが恥ずかし過ぎるぞこれは!…
カレンも先程から唸りながら顔を真っ赤にしている。
かといって今更参加を取り消す訳にもいかなかったので意を決して俺達は着替えてコンテストに臨んだ。
「さあ!遂に始まりましたカップル限定ダンス&ヴォーカルオーディション!」
「あ、相川さん!?」
何故か司会進行役にクラスメイトの相川さんの姿があった。
ってお前かああああー!このイベントの立案者はぁー!
俺達の姿を見つけた彼女はグッとサムズアップしてきた。
完全に面白がっていやがるなこの野郎…後でどうしてもらおうかなあ?
相川さんへのお仕置きを考えながら俺達は待っていた。
「ン?あれはシャルとラウラか?どうしてこのイベントに?…まさか…」
何故か参加者の中にシャルとラウラがペアで出場していた。
どうやらシャルが未だに男装ルックだった為男と間違えられて参加させられた様だ。
「ン?おお!兄上にカレンではないか!」
「え?イチカ達も参加していたんだね」
「ああ、見事に相川さんが仕掛けた罠に嵌まってしまった…」
向こうも此方に気が付き声をかけてきたので苦笑し返す。
「エントリーナンバー二番どうぞ!」
「あ、僕らの番だいってくるね」
「頑張れ!」
「ありがとう!」
「兄上も健闘を祈るぞ」
シャル&ラウラペアは紳士的な動きと軍人張りの動きでツインダンスを披露し喝采を浴びていた。
「エントリーナンバー四番!
期待の優勝候補カップルの剣崎イチカ、如月カレンペアアァー!」
「おおー!」
相川さん!?ハードル上げやがったよあの野郎…。
観客もわっと湧いている。
「と、とにかくやりきるぞカレン!」
「は、はい! ♪~」
緊張を振りほどき、カレンは歌い俺はそれに合わせて円舞する。
先程よりも観客の喝采が湧き始める。
だが…そこでハプニングが発生した。
「ねえあれって…」
一部の観客がざわつくと同時にカタカタと物音が鳴る。
この音は!…
「不味い!…カレン今すぐそこから離れろ!」
「え?…」
ステージセットの照明が取り付けが甘かったせいなのかグラグラと揺れて今にも落ちそうになっていたのである。
俺はカレンにすぐに警告するが歌う事に集中していた彼女には良く伝わっていないようで突っ立てしまっている。
照明が限界を迎え落下を始めてしまいカレンに迫ってくる。
「キャア!?」
「クッ!?間に合えぇー!剣崎流奥義<残影一刺斬>!」
咄嗟に短刀型ハンドレッドを展開し照明を斬り裂いた。
「カレン大丈夫だよな?!」
「は、はい!…あ、あの…そろそろ降ろしてもらえますか?
流石に人前でこれは恥ずかしいですよ…///」
「キャアァー!お姫様抱っこよー!」
助けた拍子にどうやら俺は自然に体が動いてカレンをお姫様抱っこしていたようだ。
周囲からは黄色い歓声が上がっている。
「はっ!?す、スマン!…」
「う、ううー~!…///」
多少のハプニングはあったが見事に俺達が最優秀賞を受賞し賞品の十五万円分のギフト券と高級ホテルの宿泊券を貰った。
そしてカレンはコンテストが終わってすぐにあちこちからスカウトされていた。
彼女自身はソロでアイドル活動をするつもりは今の所はなく全て断っていた。
Side春季
「…なんでこうなったんだ?…」
「この服も可愛い!…」
俺と音六はコスプレショップで週刊誌の表紙やモデル関連記事の撮影を予定していた筈の担当者が急に来れなくなり滞って勧められなくなっていた困っていた店員さんに代役をお願いされ受ける事にした。
「色んなコスがあるな」
店頭に並んでいる物を好きにコーディネートしても良いと言われたので見ていく。
○ate等の最近の作品や往年の神作品やら色々なコスが所狭しとある。
「こ、これは!…」
俺はあるコスが目に入った。
それはら○ドルという作品の中の第三期生ユニットのステージ衣装の一つだった、
そういえば音六の容姿ってかなり似ているよな…
「音六、お願いがある。
ちょっとコレを着てみてくれ!」
「良いよ!…」
昔の趣味が全開になって暴走気味になった俺は音六に着る事を進めてみる。
「どうかな?…」
「…」
着替え終わった彼女を見た瞬間俺は思わず鼻血を出しそうになった。
やべえ…再現度が高過ぎる…。
「ああ、凄く良いぞ!」
「そうかな?…」
音六も気に入っているようでそのまま撮影に臨む気満々だった。
俺も急いで○ateコスに着替えた。
その際、岩窟王にするか○ミヤ(アサシン)にするかで迷ったのはまた別の話だ。
…千冬姉さん俺はもう少しで大人の階段を上りそうです。
翌日撮影された記事が学園中の話題にのぼった事はいうまでもない。
次回、ようやく治療を終え学園に編入してきたイツカ。
彼女はクラスメイトとの触れ合いで何を見出すのか。
一方、臨海学校初日、緊急事態が発生する。
「臨海学校そして陰謀PARTⅠ」