インフィニット・ハンドレッド~武芸の果てに視る者   作:カオスサイン

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アプモンがなんだかんだで面白い!
だけど最早デジモンの名を騙った別モノとして扱われている事が解せぬ…。
カードダスでスコープモン+ガッチモン(アプリンク体)とタロットモン引き当てたのでデッキ作ったけど付近に他にプレイしてる人いねえええー!…
というかアプモン二次も凄く書きたくなったぜ!



EPⅩⅦ「再会の中国娘と春季の憂鬱PARTⅥ」

Side春季

「う…確か俺は…」

不良集団にリンチを受けその最中においてかつての己が恩師と再会を果たした俺は病室で目を覚ました。

「お!やっと目を覚ましたんだな。心配したんだぞ」

「先生…本当にお久し振りです。

一体何時日本に来ていたんですか?」

「一週間前にだな」

傍には亥曇先生がいてくれたので俺は会釈する。

 

「けどよ春季お前俺が偶然あそこを通らなかったらヤバイ事になっていたぜほんと」

「その件は本当にすみません…助けてくれてありがとうございます!」

「何があったのかは大体検討はついているが聞かせてはくれないか?」

「はい…」

俺は先生にこれ迄の生活の事を打ち明けた。

一夏兄さんが行方不明になった事は先生の姪で俺の幼馴染の一人である鈴が伝えていたようで知られていた。

「そいつはまた災難だったな…なあ春季」

「はい?」

「もう一度俺の拳法『鳳流奥義』を習ってみないか?」

「へ?…」

先生にそう言われ俺はポカンとなる。

「俺が…先生の奥義を?…」

「ああ!力の扱い方を誤らないのならば俺の弟子第弐号にしてやってもいいぞ」

俺は考える。

確かに今の女尊男卑の世の中先生の様な強さが欲しいとも思っていた。

だけど俺にそんな強さを持つ資格があるのか?

「迷っているみたいだな…春季一つ問うぞ。

今迄お前が信じてきたものとは何だ?」

「それは…」

先生の問いに俺はハッとなる。

そうだった俺が唯一信じきれる信念とは…

「一夏兄さんが教えてくれた諦めない強さです!…」

一度挫折をし諦めてしまったけど今度こそ頑張ってみようと思い立ちそう俺は答えた。

「よくぞ言った!よし!退院したらこの付近のホテルへと来い。

待っているぞ」

先生はそう言って出て行った。

 

「春季ー!」

「はは…」

その後見舞いに来た千冬姉さんが物凄い形相で俺を思いっきり抱きしめてきた。

渋々ついてきていた秋彦兄さんは不機嫌だったが。

退院後ホテルの広場で奥義の鍛錬に明け暮れる日々を送る様になって気が付くとまた年が明けて半年が経っていたある日のこと。

 

「10、11…」

「春季鍛錬中のとこ悪いんだがちょいと頼まれてくれないか?」

「良いですよ何でしょう?」

鍛錬の最中に先生がそう言ってきたので中断し特に断る理由も無かったので話を聞く事にした。

「いやな俺が一年前にノした不良共にあの時はやり過ぎてしまったと変わりに謝って来てくれないかなと思ってな」

「分かりました師匠!そういう事でしたら」

師匠本人が行けば怖がられてしまうだけなのであえて被害者であるが師匠の弟子である俺が行く事となった。

そして不良達に謝罪をした後俺は気になる光景を目にした。

 

「よーお嬢ちゃんこんな所でそんなにボーッとしていちゃ危ないよー?

お兄さん達がイイ所へ連れて行ってあげよっか?なあ?!なあ?!」

「へへへ…」

「うっへへへ!…」

「…」

「…」

俺が目にしたのは所割性質の悪い不良等三人がどこか不思議な感じがするボーッとした少女を取り囲んでナンパしている所だった。

当の少女は恐らくこの先彼等に何をされるのか分かっていないのだろうか沈黙したままである。

でも俺にはそんな少女が怯えてる様には見えた。

「オイアンタ達そんな事しているんじゃない!

彼女が怯えているじゃないか!」

「なんだあお前はあ?」

「邪魔スンじゃねえよ!」

「はあ…仕方無いかな…」

なので俺は彼等の間に割って入りなんとか対話しようと試みるが案の定不良達が睨んで

きて成立しなかったのでちょいと荒っぽい手段に出る事にした。

「イデデデェッ!?」

「コレが最終通告だ。

おとなしく彼女を解放してやってはくれないかな」

ボスっぽい不良の腕を掴み捻らせてやる。

「ナニしやがる!」

「…警告はしてやったからな ハッ!」

「ゲッ!?」

「うひィッ!?」

すると残りの不良達が逆上して俺に殴りかかろうとしてきたので此方も殴り飛ばしやった。

「畜生が!覚えていろよ!」

捨て台詞を吐いて彼等はようやくそそくさと逃げていった。

「…抑えるつもりだったのに結局荒っぽくなっちゃたな…っと…大丈夫だったか?」

後で師匠に怒られるのを覚悟した後、少女に向き直る。

「…」

彼女は相変わらず黙ったまま不思議そうな顔をしながら首を傾げていた。

「(な、なんだか凄くや、やりにくい…)あの…なんか言ってくれないかな?」

「…助けてくれたんだよね?ありがとう…」

「ああうん」                    

やっとお礼を言われ改めて少女をよく見るとかなりの良いスタイルを持ち得た美少女であった。

アレ?…なんだか物凄く彼女から懐かしい感じがしたような気が…気のせいか?…

「なあ…一体何をしていらっしゃるんでしょうか?」

「にゅ?…」

いつの間にか俺に接近していた少女は俺にいきなり抱き着いてきていた。

そしてじっくり俺を観察しながら途端に笑みを浮かべていた。

か、可愛い…って嫌々そうじゃなくってなんで俺は初対面の筈の彼女にこんな凄く恥ずかしい事されているんだ!?

当の本人は何故俺が困り果てた顔をしているのか分からないらしく更に匂いを嗅いでくる始末である。

「良い匂いがする…」

「ちょっとぉー!?」

アレまたデジャヴ?…以前にもこういう事があった様な気が…思い出せないな…。

「俺は…織斑春季 君は?」

「音六・フェッロン・セラフィーノ…」

ン?彼女のファミリーネームになんだか物凄く聞き覚えがあるんだが…

「なあそのファミリーネームって…」

「…あ、ちょっと待ってて」

俺がそう思い問いただそうとしたその時丁度彼女、音六のスマホが鳴ったのでしばらく待っている事になる。

「…うん分かった伝えてみる…」

彼女がそう言って切ると俺にこう言ってきたのだ。

「…私のお父さんが急いで迎えに来てくれる…それではーくんに是非共会ってみたいって…」

「へー…ってはああああああー!?」

なんだ?一体どうなっているんだ…突拍子にそこまでいつの間にか飛躍した話に俺は凄く混乱していた。

そしていつの間にか彼女に可笑しなアダ名で呼ばれているし…。

しばらくして明らかな高級車が来る。

「一緒に来て…早く…」

「Whats?…」

俺は半ば強引に彼女に手を惹かれて(力強っ!?)半強制的にその車に乗せられた。

「!…」

その時ある事に気が付いた。

彼女の左手の甲に深い刺傷がある事に…。

         

 


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