インフィニット・ハンドレッド~武芸の果てに視る者   作:カオスサイン

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繋ぎでヴァルドラビクニしようと思ったら中古でも二百円ぐらいしか下がってなくて仕方なく電撃CFXやってます。
主に錬太郎か刹那しか使ってないけどw
そして…スクフェスのG需要がマッハで全然足りねええええ!…



EPⅩ「入学と再会と決闘とPARTⅧ」

千冬Side

「なんだと!?…」

今、私は信じられない光景を目の当たりにしていた。

私が最愛してやまない男でありながらISを動かした二人の弟である秋彦と春季。

秋彦は私に最も近しい天武の才を持ち周囲に神童と呼ばれ期待感が大きい人物だ。

だが突如現れISを動かしたもう一人の男子生徒、剣崎イチカが…私のもう一人の弟だった人物、一夏にとても良く似ていたのだ。

だが彼は二年前にドイツで行われたモンドグロッソで私の優勝をさせまいと企んだ不貞な輩によって誘拐されそして死んだ筈…現場に垂れていた血がそう判断したのだから…。

その時一緒に誘拐されていた束の末妹がおかしな現象が起きたとか何やら意味不明な事を言っていた気がするが…

秋彦は彼に負け、そして何の取り柄も無く平凡だと思っていた春季にまで敗北したのだ。

私にはそれがとても信じる事が出来なかった。

それに私には剣崎と春季のISはとても純粋なISとは思えなかった。

「…一度彼等のISを回収し調べてみる必要性があるな…」

私はそう思い彼等の居る所へ向かった

 

Side春季

「お疲れ様だな春、愚兄が相手だったとはいえお前があそこまで戦えるなんて正直俺も予想外だったぜ!」

「凄かったよ春君!」

「カッコ良かったよー!」

「イチカ兄さん!それに美月やクラスの子達までありがとう!…」

「ちょ!?そこまで愚兄に耐えられなかったのかよ…」

俺が秋彦兄さんとのISバトルを終えた直後、イチカ兄さんとそして極一部を除くクラスメイト達が賛辞に来てくれた。

正直秋彦兄さんに散々努力を邪魔されて自ら一度諦めてしまってから他人に褒められる事が無かった俺は物凄く心の底から素直な感謝の意と嬉しさが込み上げてきて思いっ切り涙を流していた。

 

Sideイチカ

「春季君が泣く訳も分かるわ!

なんかさ…秋彦君って最初に感じていた印象よりも駄目な風に感じたわ」

「それにさぁ、オルコットさんとの時に偉そうな事言っていた割には自分はなんかかなり小さいしねぇ」

良識なクラスメイト達の愚兄に対する印象や評価は只確実にだだ下がっていた。

ま、これも奴自身が招いた自業自得な事態でしかないからフォローのしようが無いというか最早最初からする気は全く以て俺やこの子達には無い。

「剣崎、春季ちょっとお前達に話があるから今すぐに職員室まで来い」

「…」

「?もうすぐオルコットさんとの試合が始まるんだけど…」

「すぐに済む」

賢姉殿がやって来て俺と春に話だと?

まあ俺のハンドレッドや春の機体についてはいずれ怪しまれると思っていたから慌てる必要は無い。

俺も春も素直に従い向かった。

 

Side千冬

私は二人のISを回収し解析する為に呼び出し話をした。

「話って一体何ですか?千冬姉さん」

「織斑先生だ。春季お前の機体は剣崎とオルコットの試合中に初期化と最適化を完了させていた筈だ。

それなのにあの機体は第二次移行<セカンドシフト>を起こした訳でも無いのに拡張領域が突然増え武装も増えた。

あれは一体どういう事だ?

それに剣崎、お前の専用機ははっきりいって異質だ」

「どういう事といわれてもな…」

「…」

春季のIS千式雷牙といったか…全身装甲に突如のBT兵器に類するであろう武装の増加、それにBT兵器と他の動作を同時に行うにはかなりの鍛錬が必要になる筈なのだ。

もっぱらの初心者である春季がそれを扱えるなど機体に秘密があるとしか思えなかった。

一方の剣崎の機体は春季と同じく全身装甲だが此方は違ったベクトルでかなり異質な機体だった。

未だ発展途上である筈のビーム兵器が完成しており、尚且つ彼の戦闘センスも異常な迄の圧倒的な強さを誇っている様だった。

彼がもし死んだ筈だと言われていた一夏だとしたら…一体何がお前を其処まで変えたんだ?…

もしや束お前が関わっているのか?

疑問は尽きない。

 

Sideイチカ

「悪いが織斑先生、今の貴方に俺や春の機体情報は渡せないね」

結論から言わせて貰おうか…勿論の如く俺は賢姉殿の要求を蹴った。

もうちょっと彼女の言いようが良ければまだ譲歩したかもしれないがな。

「何故だ?お前はともかくとして春季の迄というのは…ってちょっと待て。

お前は春季の機体の事を知っているというのか!?」

賢姉殿は驚いた顔をする。

「ああ、言い忘れていたが俺と春のISの開発元は全く同じ所だ。

だから例えいくら俺の許可を得ようと守秘義務が高い社からの許可が得られなければ俺達の機体には指一本触れる事はいくら貴方でも許されないぜ?」

「クッ…」

実際には多少違っているがこうでも言っておけば企業からの賠償金という壁を前に賢姉殿も下手な手出しはしてこないであろう事からそう伝えた。

まあ…例え彼女が権限を乱用し強引に解析しようとした所で無駄なのであるが…俺と束さんが下手にハンドレッド関連技術を漏らさない為にと何重にも重ねたプロテクトが仕込んであるからな。

それにそんな事を行えば後は俺や束さんは心底失望し、最悪の場合は春にまでも絶縁を迫られる事になるだけだ。

それは決して彼女も望まない事の筈だ。

「む…そういう事ならば仕方あるまいか…」

「話はこれで終わりだな。

俺は一足先に観客席へ行っておくぜ。

春、次も頑張れよ!」

「あ、うん!…」

俺はそう伝え一足先に向かった。

 

Side春季

話は半ばイチカ兄さんが強引に折って終わり、千冬姉さんは何処か腐に落ちない顔で唸っていた。

秋彦兄さんなんかとは違い、恐らくは千冬姉さんも薄々イチカ兄さんが一夏兄さん本人なのではないかと直感しているのだろう。

だけど姉さんの胸中の後悔が未だに渦巻き続け恐怖と迷いが生じ、率直に問いただしてみるという後一歩が踏み出せないでいるのだろう。

かという俺もイチカ兄さんがこの空白の二年間に一体何をやっていたのか詳しくは未だ知らないしなあ…。

「なあ…春季、彼奴は一夏なのだろうか?…」

「…そういう事は直接本人の口から聞くのが一番だと俺は思うけど…でもこれだけは言えるよ。

一夏兄さんは強さも弱さも捨ててなんかいない。

只生まれ変われたんだと!…」

「では彼奴は!…」

「あ、オルコットさんや観客の皆を待たせる訳にはいかないからもう行ってくるね」

「あ…ああ…」

俺は姉さんの言葉をあえて最後までは聞かずアリーナへと向かった。

「私は本当に一体どうしたいというのだろう?…」

春季が退出した後の職員室で一人涙を流しながら自問する千冬であった。

 

 

 




今回で入学決闘編終わらすつもりが意外と長くなってしまったので次回で終わり。
書きたいオリ回迄後もう少し!

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