インフィニット・ハンドレッド~武芸の果てに視る者   作:カオスサイン

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これが因縁の完全決着だ!読者総員、推奨BGM用意ィィー!!!



EPⅦⅩⅨ「決戦!叡智の戦い!後編」

推奨戦闘BGM♪「Believe in my exstence」 Sideイチカ

「ホムンクルス!…いや、秋彦ぉー!」

『ハハハハハァー!スゲェチカラダコイツハァー!』

突如として現れた異形の正体はホムンクルスの力を取り込んだ秋彦だった。

否、取り込んだとは言い難いな…恐らくは福音・襲撃事件の時に討伐した筈の強化ホムンクルスの一部が奴の体に取り憑いたとみて間違い無い。

あの時の春が繰り出した一撃を喰らったその反動で再び目覚めてしまったのだろうか。

だがあの馬鹿はそんなホムンクルスの力を抑えて己のモノにしてやがる…それにセリヴィアまでもが奴に取り込まれてしまったのだ。

いずれにせよ今此処で今度こそ奴との完全決着を着けなければならない。

『モットチカラヲヨコセ!ソシテシニサラセヤァー!』

「ッ!…」

「イチカ兄さん!」

とはいったもののうかつに手は出せない。

やはりホムンクルスの力と取り込まれたセリヴィアの力は侮れないからだ。

問答無用といわんばかりに襲い掛かってくる馬鹿に俺と春は応戦する。

『アヒャヒャアァー!ドウシタァグテイドモォー!』

「まるで成長していないな…」

『ナンダト?…』

「ならばコイツにどう対応する?(春、準備だ!)」

「(OK兄さん!)」

俺は春にアイコンタクトを送りながら激昂する馬鹿に向かって自らの武装を投擲した。

『ソンナモノニオレガアタルカー!』

対する馬鹿は慢心したのかホムンクルスの力を使わずに、触手で移動し回避する。

だがな!

「今だ春!」

「良し!射出!」

俺の合図を受けて春が雷砲血神を射出しその上に乗りながら馬鹿に対して更なる追撃を仕掛けようとする。

『バカメ!ソノママテメエゴトクッテオレノモノ二シテヤル!』

馬鹿は予想通りにホムンクルスの力を使って春を今にも飲み込もうとしている。

かかったな!ド阿保がっ!

「馬鹿なのは其方だ!」

『ナニ!?…モゴゴ!?…コ、コレハァ!?…クソガッ!ハルノヤツドコニイキヤガッタ!?…』

突然、春の姿が武装毎消える。

代わりに馬鹿の口に収まっていたのは奴の力では吸収する事が出来ない恋愛棺があった。

馬鹿はすぐに吐き出す。

「此処さ!」

『ナニッ!?…』

春は消えた訳ではなく馬鹿には捉えられないスピードで急上昇し、奴の頭上を捉えていた。

まるで成長していない馬鹿には先程のフェイク攻撃は見破れずに見事に俺達の連携に嵌った訳だ。

「その穢(汚)れきった口にありったけ喰わせてやるよ!但し、ゲテモノだけどな!」

そして春は急降下しながら本当の追撃に乗り出す。

「≪双脚迅雷翔≫!はっ!」

『バカメ!…コンドコソネコソギ…!?…』

再び喰らおうと奴は大口を開けるがどうしてかそれ以上の言葉を紡ぐことが出来ずにいた。

「またまたフェイクさ!」

見ると奴の口の周りにはこれまたファンシーな形状をした鎖が何重にも巻き付いていた。

どうやら春が脚部武装に仕込んでいたらしい。

ふと奴の体は何かに圧し潰されたかの様に無様に地についていた。

『!?!?…(な、なんで体が重く!?何をしたあ!?)』

「その鎖は【愛の重鎖<ラブ・グラビティングチェーン>】…重い愛情、それを具現化させた新しい恋愛武装さ。

未だに邪な気持ちしか持ち合わせず、愛や絆の力を知ろうとさえしないアンタにのしかかったその重力には耐え切れない筈だ!…」

成程…それは凄い武装だな。

『ギイィ!?…(なんでこの俺がここまで!?…)」

そしてしばらくして鎖と一緒に先程投擲した闇切りも回収される。

「何度も言った筈だぞ元愚兄…いつまでも他人を一切顧みず己の欲望と強引に奪った力に飲まれ成長しないお前に大切なものを持ち得た俺達は負けないと!」

『ナニヲォ!テメエラハダマッテオレノテノヒラノウエニイレバイインダヨ!』

「はあ…アンタの様な身勝手なエセ先導者に未来は担えない!

〔真の先導者の名と責務〕において今此処でアンタとの因縁を完全に断ち切る!

行こうイチカ兄さん!」

「ああ!」

相も変わらず己の欲求のみを満たそうとする秋彦に俺達は呆れ、それぞれの一撃にありったけを込めて構えた!

「残影…一突斬!!」

「鳳亜流恋愛奥義、≪重愛天輪拳≫!!」

『ヤ、ヤメロ、ヤメ…ギャ、ギャアァァァー!?……』

再び春の鎖によって奴は動きを完全に拘束され、俺の一撃が心臓部にあったコアに突き刺さる。

そして最後に春の放った拳の強力な一撃によって奴のコアは砕け散り断末魔の叫びを上げ触手毎崩壊していった。

「ン?…」

「『セリヴィア!…』」

ホムンクルスと秋彦の姿が完全にこの世から消え去り、力の大半を失い気を失ったセリヴィアらしき少女の姿が出てきたのだった。

「一件落着…といきたい所ではあるが…」

「『…』」

「悪ィ…奴のせいでとてもじゃないが時空間に穴を空けられる様な余力は残っちゃいねえ…」

「俺もだ…」

「そうか…春は?」

「すまん…あの天才(笑)のせいで恋愛磁場は空っ切しだし、他は戦闘が長引いたおかげで出力不足のようなんだ…」

この時空間からどうやって俺達が脱出し元の世界に帰還するかを話し合うがどうやら皆自身の武装を保つのに精一杯のようだ。

リザさんも俺達のハンドレッドの強化にほとんどを注ぎ込んでいた為に同様であった。

 

 

 


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