ースレイン法国神都ー
鬼のような形相をして漆黒聖典の本部の中を歩く“絶死絶命”の姿があった。彼女はスレイン法国の聖域。五柱の神の装備が眠る場所へとただ黙って歩き進んでいく。
「む? 番外よ。魔導国の潜入任務はどうしたのだ? 暗殺に成功したのか? 大儀式による監視もできないからな……。それに、隊長との連絡が途絶えているのだが、何があった?」と“絶死絶命”帰還の報を受けた最高神官長が、“絶死絶命”を呼び止める。
が、その問いかけを無視し、“絶死絶命”はそのまま最高神官長を素通りしていく。
「おぃ! 私の質問に答えろ!」と当然、スレイン法国の最高権力者たる最高神官長は“絶死絶命”の行動に対して叱咤をするが、
「—— お前、五月蠅い」
「なっ。なんだと!! お前、ルビクキューはどうした? まさかっ――」
“絶死絶命”が軽く右手を振った。そして、最高神官長の頭が吹っ飛ぶ。廊下の壁が真っ赤に染まる。
「彼奴ら…… 絶対許さない…… 絶対に殺す……」
“絶死絶命”は、聖域の扉を開ける。目的は、五柱の装備。自分に与えられていた生の神、アーラ・アラフが残した装備品だ。しかし、それ以外にも強力な武器、防具、マジック・アイテムなどが眠っていることを、聖域の守護役である“絶死絶命”は知っていた。
“絶死絶命”は、聖域に眠るスレイン法国の秘宝を物色し、そして思い出したように呟く……。
「あっ。あれを忘れてた」
・
「貴様、何者だ! カイレ様はご療養中であるぞ!」とカイレの治療や護衛をしている者達が、“絶死絶命”の前に立ちはだかる。が、それを
カイレは、“カースドナイト”であるシャルティアによって受けた傷がまだ回復していなかった。
「その装備ももらっていく……」と、キングサイズのベッドに枯木のように横たわっているカイレの首元を掴み、そして”
「なっ。カイレ様に何を!」とカイレの治療に当たっていたも
「お前達も五月蠅い」
カイレの部屋が真っ赤に染まった。
・
・
そしてその同時刻……。巨大地下洞窟……
「む? 儂を縛っていた鎖が途絶えたか……。人間め…… 儂を散々こき使っていたようだな……」と、“
「この代償は高くつくぞ……」と“
・
ー海上都市最下層ー
「ふあぁぁあ。よく寝た。って、百年も寝る人いないよね……。今回転移してきたギルドって何処のギルドなんだろう……? あれ? ボクに
ご愛読ありがとうございました。
では、オーバーロード10巻を楽しみましょう。
読者の方々の、発売日までの良き時間潰しとなっていたとしたら、作者冥利に尽きます。
最後にお礼。
誤字報告をしてくださった方々、ありがとうございました!
Menschsein