遊戯王が当たり前?→ならプロデュエリストになる! 作:v!sion
次話はデュエルから始まりますので...
◐月下-??? / 午前0時50分
「記憶だけじゃなくて精神まで...そんなの洗脳じゃ!」
《鷲崎と同じ事を言うんだな》
内通者について話が長くなってしまった
だが今も尚
紆余曲折は経たが本題の悪しき方は把握出来た。細かい
「...それでいいニュースとは」
《1つは三次日食が分かったため大神らを聖帝に派遣できた事だな。時間はまだあるが人払いも済んでいる。そちらは問題無いだろうな》
「...もう1つは?」
さらりと三次日食の地域が聖帝大学である事を告げられた。聖帝の生徒でもある慎也にとっては耳を塞ぎたくもなる事実だ。またか、と。
3度目の日食だが、実質その全てが聖帝大学への攻撃となっている。一体聖帝に何があるというのだろうか
だが今はそれを気にしている時では無い
わざわざ報告してきたのだ、恐らくこれから話す事の方が重要なのだろう
《«цпкпошп»についてだ》
「まさか!」
《あぁ、実は二次日食中に«цпкпошп»が発生しなかった
「...それで」
分からなかったという報告が良いニュースであるはずがない
だがもし仮に常に日本側にディスアドバンテージを生んでいる技術、«цпкпошп»を打開できるのならそれは非常に重要だ
そして«цпкпошп»が機能しない
慎也がそう願ったのも束の間だった
《隠す必要も無いだろうから名をあげるが、灰田光明だ。彼は二次日食後«цпкпошп»の存在すら知らないと言っていた》
「灰田が...?」
《何か知らないか?こちらも色々と調べてはいるんだが、彼の
「...」
とある記憶が過った
これは一次日食、あのビルでの出来事だったはずだ
「.....気をつけろよ、こいつら«цпкпошп»とか訳の分からない事するからな!」
「よくわかんないけど分かった!ここは任せろ!」
違法カードを制作していたであろう一室での出来事。詩織を追っていた慎也のために灰田が足止めを担ったのもまだ記憶に新しい。
既に«цпкпошп»を経験済みの慎也が灰田へ助言した。そして数分後に知樹らを追うため草薙らも加わりまた足止めに徹していた。その時の記憶はそれだけのはず
思い返せばそれ以来灰田とは会っていない。
故に慎也は灰田が«цпкпошп»を使用する
だが、その時の記憶に答えはあった
「...
《ディスクか?言っただろう、本部に帰還後真っ先に調べた》
「違います」
思い出した
そもそも慎也と灰田があのビルの中へ入場出来なかった理由と重なるそれだった
とあるイレギュラーの存在について
「
《何...
疑問を隠さず大泉に問われる
無理もない、慎也でさえ今の今まで忘れていた事だ。«цпкпошп»解明に繋がるのなら1秒でも時間が惜しいため、慎也は一気に結論から述べた
「あれはあいつが普段使ってる物じゃなくて、代替え機なんです!一次日食の日、八皇地のショップで借りたばかりの物なんですよ!」
《代替え機だと...?》
思い返すとそれ以外に理由が見つからなかった
灰田と彼らが異なる点は代替え機のディスク
調べるとしたらそれぐらいしか残っていなかった
《...分かった。直ぐに調べよう》
「お願いします」
《村上はそのまま南下してくれ。と言ってももうじき到着するだろうけどな》
「...分かりました」
《予想作戦開始時間は午前3時だ。それまでに何とか待機していてくれ、頼んだぞ》
最後は一方的に通信が途切れてしまった
物言わぬ端末はさっさとしまい込み、慎也は改めて目的地へと急いだ
タイムリミットはあと2時間も無い
不安分子だらけの
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◑日本-聖帝大学 / 午前1時30分
夜も更け、あと数時間もすれば朝日が登ろうとする刻
聖帝大学の中でも一通りが少ない、外と繋がらない大通りに1人の初老の男性がいた
一通りが少ない理由は旧校舎を取り壊している最中のためだ。鉄パイプや鉄骨が剥き出しの無機質な空間にただ1人携帯片手にそれを見つめてただずんでいるだけだった
「...」
彼は大神
聖帝の中でもあまり使われない区域を知るのも学園長ならではの知識。だが問題は時刻だ。
日付も代わり火曜日
遠方から通う生徒や早くに登校し予習を経る生徒達ならあと数時間もすれば現れるだろうか
それは無かった
大神が見つめる画面には天気予報が映されている
それによると関東地方に早朝から異常なまでの暴風雨が訪れるとあった
故に聖帝大学は祝日に連なり休講処置をとった
他にも闘叶や暁星らもそうだ
被害にあっだ大学らは
「...少し早すぎたか」
無論この暴風雨は偶然ではない
月下に誘導していた災害をもたらす
これにより月下に送った
人目や被害者を気にしなくていいなら存分に戦うことが可能。そしてそのために大神がこの地で構えているのだ
つまり今回ガルナファルナを尋問した結果得た日食の地は聖帝。聖帝は三度急襲されるのだ
「しかし...なぜここまで聖帝大学が...」
疑問と怒りは天秤を水平に保っている
純粋な気持ちで運営している彼の聖帝は、他国に恨まれる様な事など一切無い。そして狙われる理由も少なくとも彼には分からない。
だが今回はことが起きる前に間に合った
一次日食は他の
二次日食は到着が遅れてしまった
数十人の雑兵を狩るに終わり、また大事な生徒を
そして今回の三次日食だ
最早
そしてその時は来た
大泉の尋問で得た敵国の作戦はどうやら正しかったようだ。疑った事などないが、目の前に
ズズズズッッ...
「っ!...随分早いな」
奇妙な音だ
何も無かったはずの空間に生まれた歪みは広がり中が伺える。闇夜に映る純白な空間が酷く映え、その奥から見慣れた黒いロングコートの集団が徒歩でこちらに向かってくる
驚きを見せたのは黒服達
作戦が知られているのなら急襲は成り立たない
「...ようこそ私の聖帝大学へ。今夜は何用かね?」
精一杯の皮肉のつもりだった
黒の集団に向かって放った言葉だったのだが、見える範囲の人物らは驚きで声を忘れている様子だった
「ニホン見学に来マシた。お茶でも出してくれマスか?」
奥から言葉が帰ってきた
その主の姿は前衛の黒で見えなかったが、道を開けるようにそれらがはけていく
やがて殿を務めていたであろう声の主が日本の地に降りた。そして次に驚くのは大神
その男はこれまた純白のスーツを纏った、傷跡とタトゥーの目立つ厳格な顔立ちの男だったからだ
「これは...まさか
「お気づきカとも思いますガ、我々は月下から参りましタ
「...ご丁寧に、私は聖帝大学学園長大神忍と申す」
「ニホンのブシドーというものデスか?自己紹介有難いデスが、貴方は
「
「ナルホド...」
敵意すら感じられない
のらりくらりとも、余裕の顕れとも、友好的とも取れる雰囲気を醸し出す男だった
「私も名乗るべきなのでしょうが...イヤハヤ真名を名乗るべきか”SIN名”を使うべきか悩ましいですネ」
「...」
「オット!SIN名とは快凪ガ月下の国民に与えた新たな名前の事デス...ブシドーに乗ッ取りたいですが私も今は
冷静でいようと心がけた
この男に聞きたい事が山ほどあったのだが、快凪の事やSIN名など訳の分からない単語等で頭がパンクでもしたら元も子も無い
月下の事は快凪に一任していた
新たな名前など聞いた事も無いが、それを名乗ると言うのなら聞くのが礼儀
敵への礼儀など笑えもするが、何にせよ倒すべき相手なのだ。いずれは終わらせるつもりだった
「私は
「...」
悠長に会話を続けているが、ジャヴィや他の黒服達は臨戦態勢に入らない
不吉にも感じられるが、まだ聞き出せる情報があるかもしれない。捕縛後の尋問でも構わないが、相手は黙秘する気配が無い。ダメ元で大神は最も気になる件について問いだした
「今回私が前もってこの地にいるのはガルナファルナの
「ワオ!尋問だナンテ野蛮デスね」
「答える気はないのかね」
「私はお喋リで...全部話してしまいそうナノでヒントだけデスよ!」
調子が掴めない男だ
聖帝を襲うのが目的だと言うことは凡そ掴んでいる。しかし今思えばそれはガルナファルナの情報。今対峙しているのは
ガルナファルナと繋がっているのは確かだ
そう思い直した瞬間ジャヴィはこう告げた
「実は我々
「...なんだと?」
嘘だろうか
あいにく大泉のように便利な
それ故にか思わず質問攻めになっていた
「ガルナファルナの内通者が
「質問が多いデスよ。強いて言うナラ...協力や同盟が無クてもガルナファルナの情報を得ることは出来マスよ」
「...まさか」
身勝手な憶測だったのだと思わされる
同じ次元に存在する2国が同盟のようなものを組み、日本を交互に攻めてきているのだとしか考えていなかった
鷲崎の部下の中に内通者がいた事で幹部らが騒いでいたのは記憶に新しい。なのに何故その線を考えなかったのだろうか
大神の頬を一筋の汗がなぞると、ジャヴィは大神の頭の中を見透かしたように真実を語った
「ガルナファルナの内通者が
内通者の単語を強調している
指先を自分に向け、悪戯気で似合わない笑顔で続けだした
「元々私は
「何...」
ジャヴィは自身が内通者である事を知っている前提で己の話を始める。大神にとっては早速理解し難い事実が現れたが、横槍を入れるのも億劫に感じ、一先ず耳を傾けることに専念した
「イギリスの田舎からニホンに憧れて遥々来たんデスよ。若い時にイッパイ働いて、タクサン勉強して。でも留学は難しかったので数週間の観光として来ていまシた」
「...それはいつの話なのかね」
「もう10年以上も前デス」
ため息が出そうだった
だがまだ考える事を諦めてはいない
10年も昔だと
大神はその頃既に
無論本人の意思を尊重し、尚且つ日本が管理する月下に送られるはずだ。それが何故最近まで把握すらしていなかった
「ニホンが月下に私みたいな人を呼んでいたのは知ってます。デモ人材確保としてそれを考えたのはニホンだけじゃなかったって事デスよ」
「まさか10年以上も前から
「
「...
ジャヴィは指を鳴らし、言葉の代わりに肯定を示した
慎也が
これもまた勝手な憶測だった
後付で
最早驚いている暇もなかった
「”
「規格外だな。
「簡単ではありません。ですが
日本国内の行方不明者は少なくない
一体その内の何名が
そしてジャヴィの傷跡や言葉から、
倒すべき敵は二国あるが、絶対に
犠牲の中に日本国民は間違いなくいるだろう
「...頭が痛くなるものだ」
「いえイエ!これからデスよ」
有意義な情報ではあった
だが今回の目的はそれではない
それを大神に示すようにジャヴィは右手を天へ向けた
「私はコノ
「...」
「そしテ今回私の、
人差し指が弾かれる
パチンと軽快な音が闇夜に響くと旧校舎の無効に白き稲妻のようなものが輝いた
またあの奇妙な音だ
ジャヴィが通ったゲートの2回り以上も大きな純白な空間が姿を見せた
別のゲートだ
連なってエンジンの音も聞こえだした。聞かなくても理解出来る、ガルナファルナの部隊だろう
「貴方達は
「何処までも想像以上だね...だが」
ゲートの出現と同時に黒服らに取り囲まれた
大神をこの場所に固定させ、足止めの目的とは本当の事らしい
だが大神ら
「待機班!こちらは囮だったため作戦Bに移行する!」
「...オヤ?」
「ゲートは...法学部生徒支援棟前だ。A班は旧食堂下の通路を、B班は14号館前を通り現場へ向かい給え!」
了解の言葉も聞かずに大神は端末をしまい込んだ。突然の出来事に
遅れて
「ナルホド!貴方もまた囮だったのデスね」
「その通りだ。
聖帝の生徒、もしくは
だがまだ囮の役割は終わっていない
寧ろこれからだ
この
「さぁ、こちらも始めよう」
戦況は著しくこちらが不利
囮の数も、舞台全体の規模もあちらが多い
四方八方黒に包まれる居心地の悪さにも屈せず、大神は決意を新たにした。日本を、聖帝を守るためには敵を蹴散らすと
「ガルナファルナも
「罪...ミミが痛いですネ」
幹部同士、囮同士と何かと奇妙なカードだ
戦いの火蓋が闇夜に映る
〜おまけ〜
◎総監 最高責任者 : 安山清人
↓
〇
→大神忍
→草薙総司
→鷲崎貴文
→快凪直人
→化野雅紀
↓
〇次世代希望育成課 責任者 : 大神忍
・私立聖帝大学管理部
→大神忍直属部下 : 秋天堂光
(→→→職員、教授...)
・次世代希望スカウト・教育部
・プロ
→専属プロ
〇技術支援・対策課 責任者 : 草薙総司
・クサナギOCG(株)管理部
(→→→社員...)
・
→ソリッド・オプションヴィジョン管理部
→
・
→
・遊戯王デュエルモンスターズ開発部
→→専用印刷工場
(→→→下請け子会社...)
〇メディア対策課 責任者 : 鷲崎貴文
・直属部下
・情報処理部
→SNS対策班
→情報隠蔽班
・
(→→→各地派出所勤務警官...)
・直属新聞社
→直属記者
(→→→印刷会社...)
〇月下(別世界)管理課 責任者 : 快凪直人
・断絶金発掘・応用部
→現場責任者
(→→現地班・月下住民)
・月下生活安全部
→...
・月下警備部
→月下内
→現場
・日月間ゲート管理部
→警ら隊
→実力行使班
・日本待機班
→一ノ宮一也、須藤余彦...
〇刑事部 責任者 : 化野雅紀
→化野雅紀直属部下 : 灰田輝元
・
→
→実力行使班
(→→→各地派出所勤務警官)
↓
※電気設備部
※水道管理部
※物資管理部...
↓
↓
↓
※各地派出所警官
矢印が3つ続く部署の人間らは
要所要所に警視庁と差別化を測ったかのような箇所も存在していた。上層部に人事部は存在しない。上層部には
世襲する者も認められる事も少なくない。電気設備等にも数人程度は
ぶっちゃけどうですか?
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読みたいからやめて欲しくない
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読みたいけど無くなったら読まない
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普通
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無くてもいい
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読むのが億劫