遊戯王が当たり前?→ならプロデュエリストになる! 作:v!sion
私は行ってますよ?
◐??? / 午後14時31分
段々と景色と言えるものが無くなっていた
乾いた土と、途方に暮れるような地平線を慎也は未だ歩き続けていた
後ろを振り返ってみても、あの補給地点も小さな集落も見えず、自分がどこにいるかも見失ってしまいそうでいた
ここの土地は嫌に乾いている
所々ひび割れが目立ち、当分雨が降っていない事が分かる
2時間ほどしか歩いていないのにここまで土壌が変わるものなのか、あの局地的ハリケーンもそうだがやはり月下の土地は説明がつかないことが多いように思える
「ん...?」
どこか遠くで低いエンジン音が聞こえた
まさかもう追っ手が来たのかと身構えたが、どうやら違うようだ
トラックではなく、バイクのようだ。それも複数機が同時に走っている。慎也が前にいた補給地点とは異なる所からその音がだんだんと近づいているようだ
「
仲間ではない事は明らかだ
この地にいる仲間と言える存在は一ノ宮らのみであり、彼らは恐らく
戦いになるか、結局身構える事にした慎也は、その場で静かに立ち止まった
やがて、その音の持ち主達は姿を見せた
見たことの無い形状の、恐らく二輪車に跨る黒いロングコートを纏った数名だった
「おい見ろよ、こんな所にガキが1人でいるぜ!?」
「本当だ、例の集団から逃げてきた奴か?」
あちらもこの場に慎也がいる事に驚いている様子だった。慎也にも聞こえるほど近くにその二輪車を止めると、そのうちの1人が徒歩で慎也に近づいてきた
一歩一歩進む度に、金属の擦れる音を鳴らしながら近づいている。よく見ると黒いコートの上に、黒いアクセサリーのようなものを大量にあてがっていた。音はそれがぶつかることによるものらしい
「貴様、こんな所で何をしている?さては...「お前とおしゃべりするつもりは無い」
慎也は相手の言葉を遮りながら一蹴した
既に
この僅かな行動のみで、お互いが敵であり、戦うべき対象同士である事が顕著に現れることになった。つられたように黒服の男達もディスクを各々構えだした
「好戦的なガキだな...変な格好だが奴らの仲間に違いない。ここでやるぞ!」
「あぁ、そうしよう」
デッキは既にディスクに装填済みだったが、ここで1つ思い出した。それはバックパックに入っている
まだ必要は無いとも考えられたが、次にいつ
「もう多勢は慣れた。2人まとめてかかって来いよ」
「すぐにその減らず口を叩き直しやる...っ!」
「「「「
慎也 LP 8000
«цпкпошп» LP 8000
«цпкпошп» LP 8000
「先攻は俺だ、俺は手札から«цпкпошп»を通常召喚!」
«цпкпошп» ATK ?
「さらに«цпкпошп»の効果で手札から«цпкпошп»を特殊召喚できる。行け、«цпкпошп»!」
«цпкпошп» DEF ?
「«цпкпошп»が特殊召喚された時、«цпкпошп»の効果を発動できる。デッキから«цпкпошп»を手札に加える」
「特殊召喚成功時にサーチか...まだ良く見る効果だ」
慎也は自分自身に言い聞かせるように、相手の動きの観察と分析を始めた。«цпкпошп»を相手取るには自然な事だが、その行動で相手はなにかに確信したかのように低く唸った
「«цпкпошп»を知っているようだな、やはり貴様は...」
「早くしなよ」
「まぁいい...俺は«цпкпошп»の効果で手札から«цпкпошп»を特殊召喚する」
«цпкпошп» ATK ?
「«цпкпошп»の効果を発動する。デッキトップ2枚を捲り、«цпкпошп»を手札に加える。俺はカードを2枚セットしてターンエンドだ」
«цпкпошп» 手札:1枚 LP 8000
モンスター/ «цпкпошп» ATK ?
/ «цпкпошп» DEF ?
/ «цпкпошп» ATK ?
魔法・罠 / リバース2枚
「俺のターン...俺は«цпкпошп»を通常召喚する」
«цпкпошп» ATK ?
「そして永続魔法«цпкпошп»を発動!そしてこの効果により«цпкпошп»をリリースして«цпкпошп»をアドバンス召喚する!」
LP 8000→7500
«цпкпошп» ATK ?
「500ポイント...コストかな?」
「これぐらい構わん。«цпкпошп»の効果発動だ、墓地から«цпкпошп»を特殊召喚する!」
LP 7500→6500
«цпкпошп» DEF ?
「さらに特殊召喚に成功した«цпкпошп»の効果でデッキから«цпкпошп»をサーチするぜ」
「お前も特殊召喚成功時にサーチか」
召喚権を行使した後の、特殊召喚とサーチ効果と似たような動きを見せていた。大きく異なるのは2人目のプレイヤーは2度目の召喚権とアドバンス召喚を使ったかことだが、それだけで別のテーマだと分かる
LP 6500→6000
「俺はカードを2枚セットしてターンエンドだ」
«цпкпошп» 手札:1枚 LP 6000
モンスター/ «цпкпошп» ATK ?
/ «цпкпошп» DEF ?
魔法・罠 / «цпкпошп»
/ リバース2枚
連なって相手ターンを経ると、やっと慎也にターンが回った。残されたモンスターについてはよく分かっていないが、片方はライフコストが多く、片方は手札からの特殊召喚を繰り返すデッキ
そして2枚ずつリバースカードが仕掛けられている
後攻に許された1枚多い手札とバトルフェイズで、なんとか巻き返すことが出来るのだろうか
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◑聖帝大学 / 14時31分
その場は混沌としていた
黒いロングコートで素性を隠す集団と、それに抗う私服の一般生徒との戦いが数々繰り広げられている
敗北を期したものは立ってはいない
しかし、私服の生徒達には疲れが見えている。
数も圧倒的に生徒側が足りていない。それでも多くの黒服の男達はその場に倒れている。
一見しただけではどちらが優勢かは分かり兼ねる。だが、まだ疲れが見えない私服の生徒らの眼には、確かな闘志が宿って見えた
その内の1人が草薙だ
周りよりも少しだけ月下と日本の関係を知る彼女は、人一倍この戦場へかける思いが強かった。想い人との約束も関わることだった
「しかし...やっときた援軍も子供とは、ここの地の戦力には呆れてしまうな」
「あら、その子供達に倒され眠ってらっしゃるのは貴方のお仲間ではありませんの?」
「一緒にされては困る」
呟くようにはなたれた黒服の男の発言に、草薙はやや挑発気味な口調で答えた
2人のディスクは既に光の糸で繋がれており、対戦相手だと強く示している。お互い引く気は一切無いように見える
「俺はそこらの下級とは違う。我が部隊の上級に位置する
「上級や下級とは存じ上げませんが、私は負けませんわよ」
「可能であればその辺も話してやりたいが、どうやらもうそこまで時間はないようだ」
ディスク全体が強く輝くと、「
ディスクから飛び出した初期手札5枚を受け取ると、いよいよ
「俺の先攻、フィールド魔法«цпкпошп»を発動。手札の«цпкпошп»を捨て、デッキから«цпкпошп»を墓地に送る」
「...」
「俺は«цпкпошп»を通常召喚する」
«цпкпошп» ATK ?
「...ほう?効果を発動し、墓地の«цпкпошп»を装備する」
「珍しい効果ですわね」
装備カードがメインギミックとして活躍しているデッキは今日では珍しいと言える
それも召喚成功時にデッキから直接装備する効果は、コストがあるものの充分自由度の高い効果だ
相手の魔法・罠ゾーンに«цпкпошп»の文字が浮かば上がると、そのモンスターが装備カードを装着し終えたことがわかる。どんな効果を持つものかは全くわからないが
「«цпкпошп»の効果で自身を特殊召喚する」
「あら...」
«цпкпошп» ATK ?
魔法・罠ゾーンから«цпкпошп»の文字が消え、変わりにフィールドの«цпкпошп»が増えた
先程装備されたカードであることは間違いない。そしてそんな特殊な動きをするテーマなどあのデッキしかない。草薙の今回の相手はかなり早い段階で判明された
「そのような動き方をするデッキ、«цпкпошп»でもすぐに分かってしまいますわよ?」
「...やはり«цпкпошп»を知っているようだな」
既にこの場で«цпкпошп»と何度も戦ってきた秋天堂達なら既にある程度の«цпкпошп»に対する知識があっても自然だ
しかし、先程この戦場に参加したばかりの草薙までもが«цпкпошп»に対し、なんの反応を見せなかった事は、この黒服の男にとって解せないことだったらしい
すでにあのビルで«цпкпошп»と戦った事のある草薙にとっては特別反応を見せるほどでもないのだが、敵はどうして«цпкпошп»を知っているのか、未だ解せない様子を見せた
«цпкпошп» ATK ?
「俺程の実力者なら«цпкпошп»なんてものは必要無い。故にデッキが知られてしまった所で問題は無い。どこで«цпкпошп»を知ったか気になるが、それも後でゆっくり聞くことにしよう」
「...何をおっしゃっているのでしょうか。貴方達からこちらに攻めてきたのではありませんか」
「...俺は«цпкпошп»をリリースし、«цпкпошп»を特殊召喚する」
«цпкпошп» ATK ?
「特殊召喚に成功した«цпкпошп»の効果で墓地の«цпкпошп»を装備する。そのまま装備開始で特殊召喚だ」
«цпкпошп» ATK ?
「俺は«цпкпошп»に«цпкпошп»をチューニング、«цпкпошп»をシンクロ召喚する」
«цпкпошп» ATK ?
「«цпкпошп»の効果だ、デッキから«цпкпошп»を手札に加え、手札の«цпкпошп»を捨てる」
「これは...長くなりそうですわね」
既に敵のデッキに察しがついている者ならこれだけで万全な手札だったことは充分にわかるだろう
今日でた新規カードにより、新たな伊吹を纏ったあのデッキだ。«цпкпошп»があるとはいえ、まるで隠す気がない所やはりあの発言は本当のようだ
上級とはよく分からないが、実力者なのは確かだろう
「続ける。俺は«цпкпошп»と«цпкпошп»でオーバレイ、«цпкпошп»をエクシーズ召喚する」
«цпкпошп» ATK ?
「«цпкпошп»の効果でデッキから«цпкпошп»を特殊召喚する」
«цпкпошп» ATK ?
「«цпкпошп»の効果で墓地の«цпкпошп»を特殊召喚する」
«цпкпошп» ATK ?
「もう一度«цпкпошп»の効果だ。デッキから«цпкпошп»を手札に加え、«цпкпошп»を捨てる。手札から捨てられた«цпкпошп»の効果で自身を特殊召喚する」
«цпкпошп» ATK ?
「俺は«цпкпошп»に«цпкпошп»をチューニング、«цпкпошп»をシンクロ召喚」
«цпкпошп» ATK ?
「さらにフィールドの«цпкпошп»を手札に戻し、墓地の«цпкпошп»を特殊召喚する」
«цпкпошп» ATK ?
«цпкпошп» LP 8000→7600
「フィールドの«цпкпошп»を除外し、手札から«цпкпошп»を特殊召喚する。効果で墓地の«цпкпошп»を特殊召喚だ」
«цпкпошп» ATK ?
«цпкпошп» ATK ?
「«цпкпошп»に«цпкпошп»をチューニング、«цпкпошп»をシンクロ召喚」
«цпкпошп» ATK ?
「«цпкпошп»の効果を発動する。墓地の«цпкпошп»2体を装備する」
「また装備ですか」
「あぁ、そのまま効果で2体とも特殊召喚だ」
«цпкпошп» ATK ?
«цпкпошп» ATK ?
「«цпкпошп»に«цпкпошп»をチューニング、«цпкпошп»をシンクロ召喚」
«цпкпошп» ATK ?
「«цпкпошп»の効果を発動。墓地の«цпкпошп»と同じレベルになる」
«цпкпошп» ☆?→?
「さらに«цпкпошп»に«цпкпошп»に«цпкпошп»をチューニング、«цпкпошп»シンクロ召喚」
«цпкпошп» ATK ?
「シンクロ召喚に成功した«цпкпошп»の効果だ。墓地の«цпкпошп»を装備する。そしてそのまま特殊召喚だ」
«цпкпошп» ATK ?
「«цпкпошп»に«цпкпошп»をチューニング、«цпкпошп»をシンクロ召喚」
«цпкпошп» ATK ?
「俺はカードを1枚セットしてターンエンドだ」
«цпкпошп» 手札:1枚 LP 7600
モンスター/ «цпкпошп» ATK ?
/ «цпкпошп» ATK ?
/ «цпкпошп» ATK ?
魔法・罠 / リバース1枚
フィールド/ «цпкпошп»
「随分長かったですわね...ドローしますわ」
3枚のカードでここまでの展開力を見せつけれた。
だか草薙はその目まぐるしく変わるモンスター達を追い続け、何とか大体の推測は立て終わっていた
あの三体のモンスターは全てシンクロモンスターだ
しかし、最後のモンスターだけは分からない
それは使用したチューナーによって、2つのレベルが可能性として残っていたからだ。«цпкпошп»は必要無いと言っていたが、しっかりと«цпкпошп»とシナジーが噛んでいる
その謎のモンスターの位置を改めて確認すると、草薙は己のターンを開始した
奇しくも慎也と草薙達は、事なる地で重なった時間に双方の約束を全うすべく戦いを始めていた
ぶっちゃけどうですか?
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読みたいからやめて欲しくない
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読みたいけど無くなったら読まない
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普通
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無くてもいい
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読むのが億劫