遊戯王が当たり前?→ならプロデュエリストになる! 作:v!sion
午後12時以降から朝まで何も食べれません
◐月下-
「では、私はここで失礼します」
「あ、はい...ありがとうございます...」
数十個のコンロに、数え切れないほどの調理器具。さらには扉を隔てて別の空間に食材専用の貯蔵庫まであった。また、無数のレシピを記した書籍も大量にあり、背表紙のラベルから各国事に分けられている事も分かった。その中には宗教に関わる、禁じられた食材や断食についてまでも詳しく載っている。パラパラと流し読み程度だが、詩織は一先ずそれを閉じた。
「さて...」
バシュと約束した昼食作りのために詩織はここにいる。傍らにはお腹を空かせた小さなバシュ本人もおり、早速取り掛かろうと詩織は近くにあったまな板を手元に寄せた
そして止まった
様々な器具や食材が用意されているが、一体何を作ればいいのだろうか。道中考えていたのは全て消え去ってしまっていた
「どうしたの」
「あ、いえ...何を作ろうかと」
空腹も限界なのか、バシュが珍しく自分から詩織に話しかけた。バシュ本人が求めるものが分かれば詩織もそこまで悩む事は無いのだが、当人は何も好みは無いとまで言う
唯一分かっているかぼちゃを使おうか、一先ずその食材を手に取ろうとまな板に背を向け、貯蔵庫の方まで進もうとしてみたがそれも叶わなかった
先程までは何も無かったはずのその空間で何かにぶつかり、目の前が真っ暗になった。しかし、痛みは無く、寧ろ柔らかいその性質からか何処か安心させられるような感覚に陥っていた
顔を上げると納得した
数日前から顔を合わせていない、ガンリが頭上にいた
いつものように、眉を釣り上がらせ苛立ちを隠さない表情をしていた
「が、ガンリさん...」
「希望さんよ、こんな所で何してるんだ?」
「あ...えとご飯を」
「あぁ?飯ならあいつらがやるってのに...どうしてわざわざ」
話している間ガンリは一切相槌を打たなかったが、バシュの好物の話になると少しだけ意外そうな表情を見せた
「なに、バシュあんた南瓜好きなの?」
「そうみたい」
「珍しいじゃん。あんたが自分の好きな物言うなんて」
「...そんなに珍しいんですか?」
「私も初めて聞いたよ」
そう告げるとガンリは1人貯蔵庫の隣の部屋に消えていった。少し物音を立てたかと思うと、片手に菓子パンを持って再び詩織達の前に現れた
彼女の口には既にメロンパンが咥えられており、彼女もまた空腹でこの場所を訪れた事が分かった
「じゃあ私は行くから、ゆっくりやんな」
「えっ、ガンリさんはそれでいいんですか...?」
「何?私の分も作ってくれんの?」
大きな1口であっという間にメロンパンを平らげると、ガンリは早くも2つ目のパンにかぶりつこうとしていた
詩織はここまでの設備と食材が揃っていながら、菓子パンで済ませてしまうのも些か勿体ない気もしたが、長くこの環境にいるのならそこまで気にする事では無いのかと静かに1人納得した
しかし、菓子パンでの孤食は少し見逃せなかっ
「えっと...一緒に作りませんか?」
「...」
今まさにコロネを齧ろうとした瞬間、詩織の提案にガンリは固まった。
そしてその菓子パンを食す事無く、空いた口で詩織に語りかけた
「...希望さんよ、あんたも変わってるね」
「そうですか?」
「言ってみればあんた誘拐されてるんだよ?よくそんな事思いつくね」
「そうかも...しれないですね」
沈黙が気になるのか、詩織は耳に髪を掛け直してはまた触るを繰り返し行っている。バシュもいつも通り黙っており、それが見てられないのかガンリはため息を着くと、自らその異質な空気を破った
「はぁ...何作るの?」
「あっ...えと実はまだ何も...」
「そっからかよ」
少し名残惜しそうにチョココロネを置くと、ワイシャツの袖をまくった
何もしようとしないバシュを引っ張りまな板の前に立たせると、ガンリはまたため息をついた
「パスタとかでいいんじゃない。簡単だし」
「は、はい!」
自炊は一人暮らしをしていた時を思い出す
少し、懸念していた行いだった
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聖帝大学 / 午後13時
「...早乙女クン、今何人倒した?」
「10人から先は覚えておらん!」
聖帝大学中央にある、見晴らしのいい大通りには、黒い塊と3人の聖帝の選手たちがあった
前者はその戦士達に敗北し、何も語らず倒れる謎の
斎藤はやっと倒した
ディスクのログを確認すれば今何人目を相手にしてるかなどすぐに分かるのだが、それが出来ないのは間髪開けずに現れる次の敵のせいだろう
語らずとも疲弊は見えていた
既に1時間以上
この異端に慣れるよりも、疲労が先にあった
「なんじゃ?斎藤、お前さんもうバテおったのか!?」
「...そんな事ないよ。オレはまだ戦えるよ」
ふと少し離れた位置で戦う秋天堂が目に入った
彼女もまた戦いの最中にあるようだが、少し違和感を覚えた
詳細は分からないが、明らかに一方的な流れを掴んでいるようだ。しかし、先程から敵と何かを話している
表情は固く、雑談出ない事など考えなくても分かる
だが今はそれを確認する時間は無かった
「おい!次は俺様が相手だ!」
「くっ...本当にきりがないね」
「全くそうじゃな!」
早乙女が力強く声を発すると、ジャージの上を解放した。そのまま脱ごうとしたのだろうが、ディスクが引っかかり上手く脱げない
改めて気合いを入れ直し、ジャージを引っ張ると、布は音を立てて引き裂かれた
そのまま上着の役目を放棄した布キレをその場に投げ捨てると、早乙女はタンクトップ姿に変貌していた
「俺はまだまだ物足りんぞぉ!さぁ!来い!!」
「な、なんだこいつ...」
突然上着を破り捨てたからか、それとも露出させた見事な筋肉にか、敵は狼狽を隠さなかった
背中越しにそれが見えた斎藤は薄く笑い、何故か激励でもされた気分になった。終わりは見えないが、友がここまで全力を出しているのだ、自分も負けていられないと
「...オレだって負けないよ」
斎藤は小さく短くつぶやいた
その刹那に早乙女は新たな敵を前に火蓋を切っていた
「「
«цпкпошп» LP 8000
早乙女 LP 8000
「俺の先攻だ、俺は«цпкпошп»を召喚する」
«цпкпошп» ATK ?
「«цпкпошп»の効果により俺はもう一度«цпкпошп»を召喚する事が出来る!」
«цпкпошп» ATK ?
「そして俺は«цпкпошп»と«цпкпошп»で«цпкпошп»を召喚!」
«цпкпошп» ATK ?
「«цпкпошп»の効果発動だ、デッキから«цпкпошп»を手札に加える。カードを1枚セットしてターン終了だ」
«цпкпошп» 手札:3枚 LP 8000
モンスター/ «цпкпошп» ATK ?
魔法・罠 / リバース1枚
「俺のターン、ドローだ!」
細かい事を考えない早乙女でも、召喚されたのがエクシーズモンスターだと言う事は理解出来た
しかし、推測はそこまでだった
早乙女にとって«цпкпошп»であろうと、ライフを削り切ることが出来れば勝利できる相手でしかないのだ
「ぬ?なんじゃ故障か?」
「どうした、早くしろ」
メインフェイズに入った早乙女だったが、何かに手間取っている様子だった。敵に急かされたからな、発動しようとしていたカードを握り直すと、別のカードをディスクに預けた
「仕方ないのう、俺は[
[
「そしてフィールドに
[
「俺はレベル3の[
[彼岸の旅人 ダンテ] ATK 500
「効果を発動ぉ!デッキトップ3枚を墓地に送り、攻撃力を上げる!」
あくまで攻撃力上昇の効果のため、墓地送りはコストにあたる。故にほぼ確実に目的の墓地肥やしが行う事が可能だ
早乙女の宣言後、公開情報である墓地へと3枚のカードが姿を現した
[トリック・デーモン]
[超量士ブルーレイヤー]
[
「...なんだそのデッキは?」
「ガハハハッ!俺のおりじなりてぃ溢れるデッキじゃい!墓地に行った[トリック・デーモン]の効果で俺は[デーモン・イーター]を手札に加える!」
今の所見えているカード達ではデッキの推測は非常に難しい。強いて挙げるのならランク3を作り上げた
しかし、墓地には超量テーマがある。超量と
「俺は手札から[レッドレイヤー]を捨て、[ワン・フォー・ワン]を発動!デッキから[超量妖精アルファン]を特殊召喚する!」
[超量妖精アルファン] ATK 0
「墓地にいった[レッドレイヤー]の効果を発動!墓地の[ブルーレイヤー]を特殊召喚する!」
[超量士ブルーレイヤー] ATK 1200
「[アルファン]の効果を発動![ブルーレイヤー]を対象に取り、俺のモンスター全てのレベルをそいつと同じにする!」
[超量妖精アルファン] ☆1→3
「俺はレベル3となった[超量妖精アルファン]とレベル3の[ブルーレイヤー]でエクシーズ召喚!超量騎乗、行きやがれ[超量機獣グランパルス]!」
[超量機獣グランパルス] DEF 2800
「[グランパルス]の効果を発動!お前さんのそのセットカードを破壊する!」
「チェーンする。«цпкпошп»を発動!手札の«цпкпошп»をデッキに戻し、デッキから«цпкпошп»を手札に加える」
チェーン発動により被害を抑えられた。行われたのは手札交換であり、早乙女にはあまり関係の無い事だった
あまり上手く破壊出来なかったが、早乙女にとってはセットカードを恐れて発動したつもりは無い。ただ、発動出来たからしてみただけだった
その積極性故に、[ダンテ]への攻撃命令もあまり熟考せずに果たしてしまっていた
「バトルだ![ダンテ]でそのモンスターに攻撃!」
「...ふん」
ダメージ計算に入ると、双方の攻撃力をディスクが計算を始めた。攻撃力の高い方が戦闘に勝利する。簡単な事だが、«цпкпошп»である以上このタイミングに入らなければ相手モンスターの攻撃力は分からなかった
相手モンスターの攻撃力は[ダンテ]を上回っていた
「ぬおっ!?」
早乙女 LP 8000→7950
「残念だったな。俺のモンスターの方が攻撃力が高い」
「なんの!たったの50ダメージじゃ、こんなちっぽけなダメージ初めて受けたがな!」
「...なんだこいつ」
通常ではありえない自爆特攻となったが、早乙女は相変わらず呵呵と笑っていた
相手ターンに戦闘破壊されるならともかく、自分のターンにわざわざ特攻するなど自殺行為にも取れる。早乙女だからこそ、こんな状況下でも平然でいられるのだろう
«цпкпошп»と何度も戦った
「メイン2だ!俺は墓地の[サイレントブーツ]の効果発動!デッキから[幻影霧剣]を手札に加える!ついでに[錬装融合]をデッキに戻してドロー!そして3枚伏せて!ターンエンドだ!」
早乙女 手札:2枚 LP 7950
モンスター/ [超量機獣グランパルス] DEF 2800
魔法・罠 / リバース3枚
「...ドロー」
まるで早乙女の事を不審者でも見るかのように敵は見据えている。実際には逆の立場なのだが、早乙女自身聖帝では異端児のように見られている以上否定も難しい
ドローフェイズを終えると、敵はメインまで飛んだ
「俺は«цпкпошп»の効果を発動し、デッキから«цпкпошп»を手札に加える。そしてフィールド魔法«цпкпошп»を発動」
最後のORUを使用し、またも何かカードをサーチして見せた。そして発動された何かのフィールド魔法。先の戦闘ダメージも加味すると、勘のいいいいプレイヤーなら直ぐにテーマが分かるが、早乙女は最早考えてすらいなかった
「«цпкпошп»を発動。«цпкпошп»をリリースし、エクストラデッキから«цпкпошп»を特殊召喚する!」
«цпкпошп» ATK ?
「«цпкпошп»を通常召喚、効果を発動する。墓地の«цпкпошп»を除外し、墓地の«цпкпошп»を手札に加える。さらに«цпкпошп»を通常召喚できる!」
「よく分からん効果だのう!」
«цпкпошп» ?カウンター ?→?
«цпкпошп» ATK ?
「さらに«цпкпошп»を通常召喚する」
「...なんだと!?お前さん何回通常召喚するんだ!?」
«цпкпошп» ATK ?
「...«цпкпошп»2体で«цпкпошп»を召喚!」
«цпкпошп» ATK ?
「うむ...分からんの」
「«цпкпошп»の効果だ、デッキから«цпкпошп»を手札に加える」
やはり早乙女には«цпкпошп»を推測するための頭が足りていなかったようだ。最早敵もそれを気にすることなく勝手に進めていた
「«цпкпошп»の効果を発動、貴様の[グランパルス]をバウンスする!」
「ならば[グランパルス]の効果を発動!」
[グランパルス]の効果はフリーチェーンの魔法・罠の破壊。相手のフィールド魔法を割る事が考えられるが、既に発動を許している以上それは些か遅い
しかし、早乙女が対象に取ったのは全く予想していなかったカードだった
「俺は[グランパルス]で俺のこのセットカードを破壊する!」
「なんだと?」
破壊され、裏向きだったカードは表返り姿を現した。そのカードは、魔法でも罠でも無く、通常そこにはセットできないモンスターカードだった
「破壊された[アーティファクト・アキレウス]の効果を発動!相手ターン中に破壊された時、特殊召喚できる!」
「...なるほど、少しは考えているようだな」
アーティファクトは魔法・罠ゾーンにセットすることが出来る少し異質なモンスター達だ。相手ターン中に破壊されると特殊召喚され、相手ターン中に特殊召喚される事により効果を発動発動する。
少し難易度も高いように見えるが、[グランパルス]が用意にトリガーを担う事が可能だ
レベル5という事もあり、超量のエクシーズ素材にも貢献でき、[アレキウス]は相手ターンに特殊召喚されるとアーティファクトへの攻撃を抑制する。[アレキウス]飲みがフィールドに存在する場合なら攻撃そのものも制限できる
しかし、これらは特殊召喚できる場合に処理される
「...ぬ?なんじゃ、なぜ[アレキウス]の効果が発動しない!?」
「...«цпкпошп»がいる限りお互いにレベル5以上のモンスターは召喚できない」
「なんじゃと!そんなの聞いておらんぞ!?」
「...こいつ本当に«цпкпошп»を突破してきたのか?」
チェーンを解決した結果、[グランパルス]はバウンスされ、[アレキウス]は只々墓地へと送られてしまった
非常にダイナミックなアド損だ
「...バトルだ、«цпкпошп»でダイレクトアタック!」
「ぬぉっ!?」
早乙女 LP 7950→5200
「続けて«цпкпошп»で攻撃!」
「ぬうっ!」
早乙女 LP 5200→2450
「«цпкпошп»で攻撃!」
「ぬんっ!」
早乙女 LP 2450→800
「流石に効いたのう!」
「強がりを...カードを2枚セットしてターンエンドだ」
«цпкпошп» 手札:0枚 LP 8000
モンスター/ «цпкпошп» ATK ?
/ «цпкпошп» ATK ?
/ «цпкпошп» ATK ?
魔法・罠 / リバース2枚
フィールド/ «цпкпошп» ?カウンター ?
「俺のターン!」
2回目の早乙女のターンだが、既にカードもライフも無駄にしてしまっている。大きくライフを削られてもなお、早乙女は未だに相手のデッキが分かっておらず、このターンも自分の出来る事を貫くだけを考えている
切り札である[グレート・マグナス]を召喚するためにはランク5の[マグナライガー]の召喚が必要であり、そのためにはレベル5のモンスターが必要
ここで早乙女はサーチしていた[幻影霧剣]を確認した。発動を忘れていた訳では無いが、どこで誰に撃てばいいのかが分からなかった
「うぅむ...一体どいつがレベルを制限しているんだ!?」
「...」
教える訳ないだろうと言わんばかり敵は呆れている。その敵が黙っていると、早乙女も珍しく沈黙しだした
彼なりに色々と計算しているようだ
ドローフェイズを終えたと同時にそれも終わりを迎えた
早乙女の暗算は完了した
「分かったぞ!」
「ほう?ならその[霧剣]を打ってみろよ」
「言われんでもそうする!俺は[幻影霧剣]をそのモンスターを対象に発動!」
早乙女が選び抜いたモンスターは、2度目に攻撃を行っていた攻撃力2550のモンスターだった
「良ぉく考えてみたがのう、最初のターンで何故か[レッドレイヤー]が特殊召喚出来んかった。その時いたお前さんのモンスターと、今受けたダメージが同じじゃった!」
「...少しは考える頭はあるようだな」
「俺は賢くはないが数字には強い!そのモンスターの効果を無効にする!」
敵の皮肉にも取れる発言が、実質的に早乙女の推測に赤丸を与えた。しかし、早乙女にとってモンスターを特定した段階で通るものだと錯覚していた
故に敵のリバースカードが目に入ってなかった
「チェーンして«цпкпошп»を発動、このターン俺の«цпкпошп»は他の魔法・罠の効果を受けない」
「なんじゃと!?」
カードを消耗させたと考えれば無駄になったとは一概には言えない。そもそも攻撃宣言時に発動していればダメージも抑えられたのだが、早乙女の頭では時間が足りない
しかし、対象に取ることは可能である事に変わりない
エンドフェイズになれば効果を受けない効果も終了し、今も尚発動し続けている[幻影霧剣]の効果を受ける
このターン中は依然としてレベルの制限があるものの、次のターンからは望める可能性がある。
しかし、次のターンが来ればの話だ
早乙女には次の攻撃を耐えられる程のライフは残っていない
それでも早乙女は動揺などしない
それどころか自らの活路にもなる[幻影霧剣]を放棄するようだ
「仕方ない!ならば[マジック・プランター]を発動![幻影霧剣]を墓地に送り2枚ドローする!」
「自らそのカードを...」
堅実さが欠けたドローだった
これにより手札は4枚となったが、いよいよレベル制限は逃れられなくなってしまった
後先を考えていないのか、それともこれが最善の手なのか。一見分からないが、早乙女は間違いないかのように
「俺は[緊急テレポート]を発動!デッキから[ブルーレイヤー]を特殊召喚する!」
[超量士ブルーレイヤー] ATK 1200
「効果でデッキから[グリーンレイヤー]を手札に加えるぞ!」
「ほう、動くつもりか?」
「当たり前だ!俺は[グリーンレイヤー]を召喚!」
[超量士グリーンレイヤー] ATK 1600
「効果を発動!手札の超量モンスターを特殊召喚する!俺は[超量妖精アルファン]を特殊召喚!」
[超量妖精 アルファン] ATK 0
「そして俺のフィールドに魔法使い族がいる時!こいつは特殊召喚できる!」
[デーモン・イーター] ATK 1500
「俺はレベル4の[超量士グリーンレイヤー]と[デーモン・イーター]でエクシーズ召喚!行きやがれ[エアロボロス]!」
[超量機獣エアロボロス] ATK 2200
「効果を使う!お前さんのその2550のモンスターを裏にさせるぞ!」
「くっ...モンスター効果への耐性は無い」
これによりようやく[レッドレイヤー]の召喚、及び[マグナライガー]のエクシーズ召喚も可能にはなった
しかし、既に手札は使い切ってしまった
だが、十分とは言えないが、墓地は肥えていた
「俺は墓地の[幻影霧剣]の効果を発動!除外すると墓地の
[
「またランク3か?」
「その通りじゃ!俺はレベル3の[
[彼岸の旅人 ダンテ] ATK 500
「また効果を使うぞ!デッキトップ3枚を墓地に落とす!」
「今更墓地を肥やしたところで...」
2体目の[ダンテ]だが、役割は同じく墓地にカードを送る事。手札の無い今行う事に必要性を問われるが、第2の手札と言われるそれは無意味とは言い難い
現に早乙女は狙い通りのカードを落とすことに成功した
「[
、[幻影翼]、[超量必殺アルファンボール]を墓地に落とす!」
「なに...なんだその落ちは!?」
「知らん!俺は墓地の[ダスティローブ]の効果を発動!デッキから[
«цпкпошп» ?カウンター ?→?
[
「カードを伏せてそのまま発動![シェード・ブリガンダン]!俺の墓地に罠がなけりゃセットした瞬間発動可能!レベル4闇属性通常モンスターとして特殊召喚する!」
[
「俺はレベル4の[
[ダイガスタ・エメラル] ATK 1800
「効果発動!俺の墓地の[トリック・デーモン]、[アレキウス]、[ダンテ]をデッキに戻して1枚ドローする!」
「なるほど、そいつのためにわざわざ動いていたのか」
敵も合点がいった様子だ
たった1枚のドローだが、
構内大会では[マグナキャリア]のコストとしてしか活躍しなかった
この唯一の手札こそが、早乙女の勢いに拍車をかけることになった
「いい引きじゃ!俺は[エクシーズ・ギフト]を発動![エメラル]と[ダンテ]から素材を取り、2枚ドローする!」
「くっ...次から次へと」
次に2枚になった手札も、見事に噛み合ったものだった
少ないライフもレベルを制限されていたのも思わず忘れるほどに
「[死者蘇生]を発動!墓地の[レッドレイヤー]を特殊召喚できる!やっと場にでれるの!」
[超量士レッドレイヤー] ATK 2000
「[レッドレイヤー]の効果を発動!墓地の[ブルーレイヤー]を手札に加える!これで準備は整った!」
「フィールド魔法が...そうか、墓地にそれがあるのか」
早乙女の墓地のみが公開情報となっているため、敵にのみ相手の墓地の確認が許されている
そのため、相手には早乙女の墓地にある[超量必殺]の存在に気づくことが可能だった
だが、バレた所で早乙女には問題無い
どうせ発動するつもりだった
「そうじゃ!墓地の[超量必殺アルファン・ボール]の効果を発動![アルファン]と共に除外するとデッキから[マグナキャリア]を発動できる!」
「...」
«цпкпошп» ?カウンター ?→?
「そのまま効果を発動!手札の[ブルーレイヤー]を捨て、[レッドレイヤー]を超量騎乗!行きやがれ[マグナライガー]!」
[超量機獣マグナライガー] ATK 2600
既に墓地にある[グランパルス]と合わせると、超量の最終兵器の召喚が見えてきた
素材の数は6つと[グレート・マグナス]の効果をギリギリ適応できる分に達している。
制圧力を兼ね備えた非常に優秀なモンスターだが、召喚する過程が長すぎたようだ
「俺は[マグナキャリア]を墓地に送り、場の[エアロボロス]、[マグナライガー]そして墓地の[グランパルス]を対象に効果を発動!」
「その効果にチェーンする!」
[マグナキャリア]はコストとして墓地に送られるため、チェーンによる妨害は比較的少ない
しかき、[サイクロン]のようなカードならその前にいつでも破壊することが出来るため、妨害に強い訳では無い
今回は[グレート・マグナス]まで何も反応も見せてこなかったため、慢心していたのかもしれない。対象にとった方のモンスターが狙われることは無いと
「俺のフィールドの«цпкпошп»の除外し、«цпкпошп»を発動!貴様の[マグナライガー]と[エアロボロス]を手札に戻す!」
「な...なんじゃとぉ!?」
ディスクには、[マグナライガー]達が[マグナキャリア]効果対象になった事を示すマークが施された
しかし、重ねられたチェーンにより、その上に相手の効果対象を示すマースが上書きされた
しかし、[マグナキャリア]は少し特殊な効果だ
発動を無効にしに限り、本来の効果に含まれる[グレート・マグナス]の召喚は適用されるのだ
«цпкпошп» ?カウンター ?→?
[超量機神王グレート・マグナス] ATK 3600
「な、なんじゃ!特殊召喚はされるのか!?」
「チッ...だがそいつの素材は1つもないだろ!」
敵の言う通り、[グレート・マグナス]は自信が持つORUの数により効果を得るモンスターだ
素材がひとつもないのなら、バウンス効果も使えず、効果耐性も無く、ドローの抑制も出来ない
つまり只の攻撃力の高い超量エクシーズモンスターというわけだ
だが、この裁定を知らなかった早乙女にとっては、召喚に成功しただけでも御の字なのだろう。あまり気にすしている様子は無い
「墓地に送られた[レッドレイヤー]の効果を発動!墓地の[ブルーレイヤー]を特殊召喚する!」
[超量士ブルーレイヤー] ATK 1200
「[アルファン]の効果を発動!」
「なんだ、またそいつにレベルを合わせてランク3か?」
「少し違う!俺は[アルファン]自身を対象に発動する![ブルーレイヤー]のレベルを1にする!」
「なに...ランク1だと?」
レベル変動を経た[アルファン]と[ブルーレイヤー]を素材にしたエクシーズ召喚は前のターンでも行っていた。[ダンテ]が2枚入っていた事からランク3がメインかとも思われていたが、どうやらランク1も採用されているらしい
何かを含んだ様な笑で早乙女はエクストラデッキからカードを抜いた
「俺はレベル1の[超量妖精アルファン]と[超量士フルーレイヤー]でエクシーズ召喚!元を辿りゃー皆同じ、でかくても小さくても関係ない!己自身を超えてゆけ!行きやがれ[No.39 希望王ホープ・ルーツ]!」
[No.39 希望王 ホープ・ルーツ] ATK 500
「なに...」
「バトルじゃ![ダンテ]で裏側に攻撃!」
「チッ...」
まずは1体壁を排除した
早乙女の残り攻撃可能なモンスターは3体で、相手のモンスターは1体だが、恐らく突破可能なのは[グレート・マグナス]だけな
それは全ての攻撃を受けたからこそ分かった攻撃力で判断できる。相手がコストで除外したモンスターこそ早乙女には分からないが、仮に攻撃力が高い方を残したと仮定すると、あの残りモンスターは攻撃力2750だ
「俺は罠![超量機神剣-マグナスレイヤー]を[グレート・マグナス]を対象に発動!ランク×100ポイント攻撃力をアップさせる!俺は[グレート・マグナス]でそのモンスターに攻撃!」
[超量機神王グレート・マグナス] ATK 3600→4800
超量専用の装備罠カードにより、[グレート・マグナス]の攻撃力は4000を超えた
しかし、早乙女の目的はこれではなかった
「この時![ホープ・ルーツ]の効果を発動!モンスターの攻撃時に、その攻撃を無効にする!」
[No.39 ホープ・ルーツ] ATK 500→6500
「そして!攻撃したモンスターがエクシーズモンスターならそのランク×500ポイント攻撃力がアップする!」
「...なるほどな。効果を受けるからこそできるわけだ?だが俺のライフに届くのか!?」
[ホープ・ルーツ]の攻撃力が大台に乗ったが、肝心の[グレート・マグナス]の攻撃は無効化されてしまった
[ダイガスタ・エメラル]ではその代わりになるほど攻撃力は高くない。ならやはり[グレート・マグナス]に攻撃させるべきだ
「そして[マグナスレイヤー]の効果を発動!墓地に送り、装備しいた超量モンスターはこのターン3回攻撃が出来る![グレート・マグナス]で攻撃!」
「くっ...」
[超量機神王グレート・マグナス] ATK 4800→3600
攻撃力こそ下がったが、これで[グレート・マグナス]はまだ攻撃が許される事になった
勘のいいプレイヤーならもう分かるかもしれない
早乙女の狙いはとっくに[グレート・マグナス]から[ホープ・ルーツ]へと移っていることに
「ここで![ホープ・ルーツ]の効果をもう1回発動!攻撃を無効にする!」
「ま、まさか!?」
[No.39 ホープ・ルーツ] ATK 6500→12500
「[グレート・マグナス]が狙いでは無かったのか!?」
「ガハハハッ!安心せい!まだもう一回残っておる!!俺の剣はのぅぅ![グレート・マグナス]でそのモンスターに攻撃!!」
「ぐぅっ!」
«цпкпошп» LP 8000→7150
「[ホープ・ルーツ]でダイレクトアタックじゃぁあ!喰らいやがれ!俺の...俺たちの剣!”ホープ・剣・マグナスラッシュゥゥウ”!!」
「くっ...くそっ!!」
[ホープ・ルーツ]が掲げた剣は、すぐに場を離れた[マグナスレイヤー]を模した形に変化した
[ホープ・ルーツ]がここまで攻撃力を上げられたのもその剣の恩恵であり、超量の力があったからこそのものだ
[ホープ・ルーツ]が攻撃名として名を借りるのに、相応しい仕事ぶりだっただろう
LP 71500→0
«цпкпошп» LOSE
ーーー
ーー
ー
「...ぐはっ」
[ホープ・ルーツ]が敵を切り裂いたその刹那
早乙女もう膝から崩れ落ちた
数多のダメージが蓄積できる限界を越えてしまった
[ルーツ]と[マグナスレイー]の相性バツグンですね
ぶっちゃけどうですか?
-
読みたいからやめて欲しくない
-
読みたいけど無くなったら読まない
-
普通
-
無くてもいい
-
読むのが億劫