遊戯王が当たり前?→ならプロデュエリストになる!   作:v!sion

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こんにちわ!すっかりさむくなりましたね。カードをシャッフルする手が冷たいです。

登場人物まとめをあげたのでよかったらどうぞ




第三十話 飛翔への流転

決闘(デュエル)終了。それはソリッドヴィジョンの停止、身を粉にして戦ってくれたモンスター達との別れの時でもある。[マスター・ダイヤ]は大剣を大地に預けると、腕を組む。そのまま主である慎也を見据え、最後に一礼してモンスター界に戻った

 

「おつかれさま」

「はい!おつかれさまです!」

 

「いやいや、一時はどうなるかと思ったよー」

「でも最後はいつもの村上さんでしたよ!」

 

墓地や手札、除外ゾーン等、散らばったカード達をデッキにまとめ、ディスクの自動シャッフル機能を用いた後、腰のデッキケースに仕舞った

 

「...さて、君がジェムナイトの精霊だね?」

 

慎也が振り返る。ソリッドヴィジョンの機能は停止しており、そこに残っている者は精霊、具象しているシエンと...

 

「...初めましてマスター。セラフィと申します」

 

「うん、よろしくね!」

 

2人目の精霊を招いた慎也。それに伴い決闘力(デュエルエナジ-)も安定した。慎也も対戦相手の詩織も満足そうに笑っている

 

「さて、詩織ちゃんどうする?」

「ふえ?何がですか?」

「もう21時回ったけど」

 

時計の針は9を示していた。終電を気にする時間ではないが、これからを決めるにはいい時間だ。そこに詩織のスカートからピロンと軽快な音が響いた

 

「あ、すみません...美姫ちゃんからです」

「うん。そういえばまだ呑んでるのかな」

 

端末に指を添える。

 

           ϖ みっきー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 既読(ちょっと目眩がするだけなので大丈夫ですよ!}

        

             今日

 みっきー

{告白終わった?)

                        

             既読(告白じゃないですよ!}

 みっきー

{照れなくてもいいじゃなーい)

     

                   

           既読(でもお話は終わりました!}

      既読(これからどうしようかなって所です!}

 

みっきー

{ならこれからカラオケオール行かない?)

{灰田君が行きたいって)

{村上君にも聞いてみて)

                  

            既読(ちょっと聞いてみます!}

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「村上さん、灰田さんがカラオケ行きたいそうです」

「カラオケ?」

 

シエンとセラフィの方を向く。その2人にはカラオケの知識が多少あるようだ

 

『宴のようなものですな』

『機械を用い、歌唱力の向上や余興として楽しむ事を目的に使用される店舗の事ですね』

 

「偏ってるねー」

 

精霊達との会話を見て、詩織は一つ疑問を抱く

 

「...そう言えばシザー・タイガー達の事は内緒にした方がいいですか?」

 

名前の上がったシザー・タイガーは眠りについていた。彼に触れずにシエンが語る

 

『zzZ』

『...そうですな、見えていないですし混乱を招くだけだと思います』

 

「分かりました。...それでどうしますか?」

「うん、行きたいな」

 

『我らの事は気にせず楽しんで来てください』

『ワタシ達はお留守番してますので』

 

「うーん...じゃあ行ってくるね!」

 

 

 

*

 

 

 

翌日午前9時。駅前の賑わう人集りの中慎也達はいた。灰田は相変わらず元気だ、黒川と詩織は伸びをして筋肉を伸ばしている。慎也は無表情だ

 

「オールって聞いてない...」

「アハハ!お腹空かない!?」

「うーん...それよりもお風呂入りたいわ」

「そうですねーどうしましょうか?」

 

「じゃあ銭湯でも行く!?」

「なんにも用意してないけど」

「ちょうど服見に行きたかったし...買ってから行くならいいわよ」

「私もいいですよ!」

「意外にも女性陣が乗り気だった」

 

 

 

 

午後10時10分。デパートで衣服を物色する詩織達をベンチで灰田と慎也は待っていた

 

「慎也はもういいの?」

「うん?インナーぐらいしか買うもの無かったしね。灰田こそどうなの?」

「俺はリュックにお泊まりセット入ってるから!」

「そか」

 

缶コーヒーを傾け、中身を流し込む。やはり女性の買い物は時間を要するようでしばらく待っている。服屋に入ること無く彼らは待ち続けるようだ

 

「ごめん、一服してくる」

「いってらー!」

 

ベンチから立ち上がり、ゴミと化した缶をゴミ箱に入れる。すると少しだけ離れた喫煙所に向かい歩を進めだした。目当ての場所に付くとドアを開き、煙草を口にくわえ火を放つ

 

「フゥー...なんか久しぶりに吸った気がする」

 

立ち上る煙を見ながら一息つく慎也。土曜日とはいえ開店直後のため、あまり人はいない。喫煙所内に至っては慎也一人の貸切状態にある。そこに扉がひらき、短い青髪の青年が入ってきた

 

「...」パチンッ

 

「フゥ-...」

(格好いいジッポだな...)

 

蓋を開ける音、金属の擦れる音が静かな部屋に反響する。2回、3回と続けたあと、その青年の口元から発声された

 

「あの...すみません火借りていいですか?」

「あ...どうぞ」

 

慎也の手から熱を貰う。熱はその青年の咥える紙に火を灯した。煙を吐き出すと再び口を開いた

 

「どうも...って君は...村上慎也?」

「え?そうですけどどうして...?」

「いや、昨日聖帝の大会見てたからね」

 

煙で一息つくと続ける

 

「そうなんですか、他構ですよね?」

「俺たちは同い年だよ。タメ語でいいさ」

「あ、そうなの?...それで?」

「俺も関東大会にでるんだ。“暁星工科大学“の機械科3年の“島崎春摩“だ!」

「なるほど、そういうことか」

 

ライバルに当たる。これから戦うことになる可能性のある島崎に対して、期待に胸を踊らす慎也

 

「君の決闘(デュエル)は全部見せてもらったよ。紋章獣もSR(スピ-ドロイド)もカオスソルジャーもジェムナイトも!」

「研究済みってわけか...まぁ小鳥遊さんか及川ちゃんとの可能性もあるけど?」

「もう順番は決まってるのかい?」

「いいやまだだよ。そっちは?」

「俺は次鋒。...どうだい?君も次鋒で戦ったら」

 

ニヤリと口元を曲げる。今にも決闘(デュエル)を申込みそうな勢いだ。かなり好戦的で、たまたまだがこんなに早く出会ってしまったライバルに高揚しているようだ

 

「...おもしろい!俺も次鋒で参加する!」

「そう来なくては面白くない!」

 

両者笑みを浮かべる。沈黙の中煙だけが己を主張する。無を切り裂くように機械音が鳴り響いた

 

「あ、ごめん電話だ」

「どうぞ、きにしないで」

 

「ありがと...もしもし?」

《もしもしー?村上さん?お待たせしました!お買い物終わりましたので戻ってきてください!》

「うん。分かった、今行く」

《はーい!》

 

通話終了をタップした。ふと顔をあげると島崎はまだニヤニヤとしていた

 

「なんだい、彼女か?」

「い、いやー違うよ?」

「可愛い声が漏れてたよ、照れることは無いじゃないか」

「うぅん...付き合ってはないんだよホントに...」

「へぇ?」

「こ、この話はもういいよ!...今度はそっちの携帯みたいだよ?」

 

次に振動したのは島崎の端末だ。失礼と一言放つと島崎は耳にあてがった

 

「もしもし?」

《春くん?今駅に着いたんだけどどこにいるの?》

「着いたのか、今はデパート内と喫煙所にいる」

《分かったー、改札の所にいるねー》

「了解、今すぐ行く」

 

慎也はニヤニヤしていた。お返しと言わんばかりに立場が逆転させた

 

「彼女?」

「まぁ聞こえるよな...そうだよ、今日はデートの約束だったんだ」

「へぇ〜可愛い声じゃん?」

「...やめてくれ恥ずかしい」

 

短く燃えた紙を押し付け消火する。端末をポケットに押し込み、ドアに近づく

 

「すまない、そういう訳で俺はここで失礼するよ」

 

「うん。次は大会で会おう!」

「ああ!」

 

関東大会の対戦相手が決まると同時に島崎は退出した。再び一人の空間をしばし味わった慎也も、灰田達の元へと向かった

 

ーーー

ーー

 

午前10時30分。慎也達は灰田の希望で最近出来たばかりの少し大きめの銭湯に来ていた。みんな出来ているとはいえ、ここで2度目の男女別行動になる。慎也は灰田と2人、湯で体温を高めていた

 

「足が伸ばせるお風呂っていいよねー!」

「そうだねー」

 

真昼間の銭湯。チラホラではあるが他の客もいる。普段から大きい灰田の声は反響し、より一層うるさい

 

「今更だけどここ規模でかすぎない?」

「うん!露天風呂まであった!」

「いろんな種類のお風呂あるし...すごいね」

 

看板に書かれた効能を読みながら灰田と言葉を交わす

 

「温泉だね!」

「そうだね」

「後で牛乳飲みたい!」

「分かってるよ」

 

「...」

「...」

 

「慎也今何時?」

「...11時過ぎてるよ」

 

「そろそろ出ようか!」

「うん...」

 

灰田に続く慎也。脱衣場で体の水分をタオルに吸収させると慎也は先程購入したインナーに着替え、灰田はカバンから取り出した変えのシャツに着替えた。髪の量が多いため慎也は温風を用いて乾かそうと試みる。しかし灰田は先に脱衣所の外へ出ていってしまった。仕方なく慎也も乾ききってない髪のまま脱衣場を出る。すると一歩遅れて詩織達も現れた

 

「あれ?女の子はもっとかかるかと思ったよ!」

「いやいや、40分近く経ってるわよ?」

「私たちが言うのもあれですけど長かったですね?」

「そうだねー」

「...村上君、もう少し乾かした方がいいんじゃない?」

「...」

(水も滴るいい男ですね...)

 

「やっぱり...ちょっと待ってて」

「慎也戻ったらレストラン行こ!」

 

数分後に慎也が再び現れた。向かうのは施設内に設置されているレストランだ。

午後11時40

分には遅めの朝食、又は早めの昼食を取り終えた。慎也達は次の行き先を相談していた

 

「この後はどうする?」

決闘(デュエル)したくない!?」

「ていうか君たち元気だね..」

「そうですよね...」

「あら、村上君眠い?」

「別に大丈夫だけど」

 

各々ドリンクバーから受け取ったジュースを片手に話す。慎也はコーヒーで喉を潤すと灰田の提案に賛同した

 

「まぁ決闘(デュエル)でいいんじゃない?どっかショップ行こうか」

「そうね、私もそれでいいわ」

「私もです!」

「じゃあ早速行こうか」

 

賑やかなテーブルを去るとレジで会計を済ませた。銭湯を後にすると最寄りの駅に向かう。土曜日の街中、右往左往する人集りを避けながら駅にたどり着けば、次に向かうのは都心部の方向だ。少しばかり移動距離があるが、彼らは楽しそうに会話をしながら電車に揺られていた

 

「慎也SR(スピ-ドロイド)に[竹-U()-MAX(マックス)]入れたの?」

「もちろん、他にも色々入れ替わったよ」

「そうなんですか、楽しみですね!」

「そうね、早く決闘(デュエル)したいわ」

「そう言えばあんまり黒川と決闘(デュエル)した事ないよね」

「ええそうね、お相手お願いできるかしら?」

「うん、やろう!」

 

会話に区切りがつくとタイミングよく扉が開いた。目的地だ、人の流れに合わせて外へ出る。階段を上がり改札を通ると地上へと抜け出した

しばらく歩くと、先日草薙と出会った大型カードショップにたどり着いた。相変わらず人で賑わっている。しばしカードを物色すると、目当ての決闘(デュエル)スペースに2人が屹立する

 

「さて...御手柔らかにね」 

「全力で行くよ!」

 

黒川と慎也は対面し、ディスクを構えて宣言する。詩織と灰田はそれを観戦するようで、近くのベンチに腰を下ろしている

 

      「「決闘(デュエル)!!」」

        黒川 LP 8000

        慎也 LP 8000

 

「俺のターン!早速[SR(スピ-ドロイド) タケウマックス]を召喚!」

 

   [SR(スピ-ドロイド) バンブー・ホース] ATK1100

 

「効果発動!手札からレベル4以下のSR(スピ-ドロイド)を特殊召喚する!行け[SR(スピ-ド・ロイド) 赤目のダイス]!」

 

   [SR(スピ-ドロイド) 赤目のダイス] DEF 100

 

「効果で[タケウマックス]のレベルを6にする!」

 

   [SR(スピ-ドロイド) バンブー・ホース]☆4→6

 

「俺のフィールドに風属性モンスターのみが2体以上いる時、手札の[WW(ウインド・ウィッチ)-スノウ・ベル]は特殊召喚できる!」

 

   [WW(ウインド・ウィッチ)-スノウベル] DEF 100

 

「レベル6の[SR(スピ-ドロイド) バンブー・ホース]にレベル1の[SR(スピ-ドロイド)赤目のダイス]をチューニング、輝く翼、神速となりて天地を揺らせ!シンクロ召喚、現われろ![クリアウイング・ファスト・ドラゴン]!」

 

  [クリアウイング・ファスト・ドラゴン] ATK 2500

 

「さらにレベル7の[クリアウイング・ファスト・ドラゴン]にレベル1の[WW(ウインド・ウィッチ)-スノウ・ベル]をチューニング、神聖なる光蓄えし翼煌めかせ、その輝きで敵を撃て!シンクロ召喚!いでよ[クリスタルウイング・シンクロ・ドラゴン]!」

 

 [クリスタルウイング・シンクロ・ドラゴン] ATK 3000

 

「[スノウ・ベル]を使用したシンクロモンスターは相手の効果で破壊されなくなる!」

 

「厄介ね...」

 

[クリスタルウイング]に効果破壊耐性がついた。美しき姿は清らかな風を纏い、更なる力を得た。戦闘破壊すればいいのだが、その龍にはダメステで攻撃力アップの効果も備えている

 

「ターンエンドだよ」

 

慎也 手札:2枚 LP 8000

 

モンスター/ [クリスタルウイング・シンクロ・ドラゴン] ATK 3000

 

魔法・罠 / なし

 

 

「私のターンね、[武神-ヤマト]を通常召喚」

 

     [武神-ヤマト] ATK 1800

 

「そしてライフを2000払って[同胞の絆]を発動するわ!バトルフェイズを放棄してデッキから[ヤマト]と同じ種族・属性・レベルのモンスターを2体特殊召喚するわ!」

 

光輝く[ヤマト]の左右に彼の仲間の武神が並ぶ。このカードの発動後は特殊召喚が出来ないため展開はここまでとなる

 

     [武神-アラスダ] ATK 1600

 

     [武神-ミカヅチ] ATK 1900

 

「カードを1枚伏せるわ、エンドフェイズに[ヤマト]の効果を使うわよ?」

 

[クリスタルウイング]の発動を問うている。[ヤマト]を通せば連続で武神が力を発揮してしまう。さらにエンドフェイズに入っているため答えは一つだ

 

「[クリスタルウイング]の効果発動!その発動を無効にする!」

 

[クリスタルウイング]が一つ咆哮を放つと[ヤマト]は怯む。処理を終える前にと黒川はチェーンを組んだ

 

「チェーンして[手札断殺]を発動!これには何かあるかしら?」

「なるほど、何も無いよ」

 

手札交換と[ヤマト]の破壊を終えると、新しく効果が発動された

 

「手札から[武神器-サグサ]が墓地に送られたため、フィールド上の[ミカヅチ]の効果発動!デッキから武神魔法・罠カード、[武神隠]をサーチするわ」

 

「さらにデッキからドロー以外の方法で武神カードが手札に加わったため、[アラスダ]の効果も発動!デッキから1枚ドローし、1枚手札を捨てるわ」

 

[ヤマト]を犠牲に手札を交換する。墓地にカードがたまり始めた

 

黒川 手札:3枚 LP 6000

 

モンスター/ [武神-ミカヅチ] ATK 1900

 

     / [武神-アラスダ] ATK 1600

 

魔法・罠 / リバース1枚

 

 

「俺のターン...墓地の[タケウマックス]の効果発動!除外し、デッキから風属性モンスターを墓地に送る![電々大公]を墓地に!」

 

「[ダブルヨーヨー]を通常召喚!効果で墓地の[赤目のダイス]を特殊召喚!」

 

  [SR(スピ-ドロイド)ダブルヨーヨー] ATK 1400

 

  [SR(スピ-ドロイド)赤目のダイス] DEF 100

 

「[ダブルヨーヨー]のレベルを5にする!レベル5の[SR(スピ-ドロイド)ダブルヨーヨー]にレベル1の[SR(スピ-ドロイド)赤目のダイス]をチューニング、シンクロ召喚!現われろ[スターダスト・チャージ・ウォリアー]!」 

 

 [スターダスト・チャージ・ウォリアー] ATK 2000

 

「効果でドロー...」

 

あるカードを警戒してかバトルフェイズに入ろうとしない慎也。しかしダメージを与えなければ勝てない、そう判断し戦闘態勢に移る

 

「バトルフェイズ![スターダスト・チャージ・ウォリアー]で[ミカヅチ]に攻撃!」

 

特殊召喚されたモンスターすべてに攻撃が彼はでにる。[クリスタルウイング]がダイレクトアタックできるフィールドを築くために敵を打たんとする

 

「ここね、[ブレイクスルー・スキル]を発動。[クリスタルウイング]の効果を無効にするわ」

「っ!やっぱり手札に!?」

 

「そうよ![オネスト]の効果発動![ミカヅチ]は[チャージ・ウォリアー]の攻撃力分力を得るわ!」

 

    [武神-ミカヅチ] ATK 1900→3900  

 

慎也 LP 8000→6100

 

光属性専用最強手札誘発。発動タイミングの関係上本来ならば[クリスタルウイング]の敵ではない。しかし今はそもそもの効果を無効にされている

 

「くっ...でも[オネスト]は使わせた...カードを1枚セットしてターンエンド!」

 

慎也 手札:2枚 LP 6100

 

モンスター/ [クリスタルウイング・シンクロ・ドラゴン] ATK 3000

 

魔法・罠 / リバース1枚

 

[クリスタルウイング]での追撃は行わなかった。黒川の墓地のカードを確認しているため、残す方が正しいと判断したからだ。だが、墓地のカード達は不穏な空気を醸し出していた

 

「私のターン、まずは[儀式の下準備]を発動!」

「うっ...くるか...」

「デッキから[祝祷の聖歌]と[龍姫神サフィラ]をサーチするわ!」

 

「そして私はレベル4の[武神-ミカヅチ]と[武神-アラスダ]でオーバレイネットワークを構築、エクシーズ召喚、行きなさい[武神帝-カグツチ]!」

 

    [武神帝-カグツチ] ATK 2500

 

「[カグツチ]の効果発動!デッキトップ5枚を墓地に送り、その中の武神カードの数×100ポイント攻撃力をアップさせるわ!」

「[クリスタルウイング]で無効に!」

「墓地の[ブレイクスルー・スキル]でそれを無効にするわ!」

「うぅ...」

 

出るだけで5枚ものカードを動かす武神。今恐ろしい事は武神カードが落ち、パワーアップされることよりも...

 

「デッキトップは[超電磁タートル]、[武神器-ムラクモ]、[武神器-ヤサカニ]、[武神-ヒルコ]、[光の援軍]...攻撃力は200ポイントアップするわ!」

 

   [武神帝-カグツチ] ATK 2500→2700

 

「やばい...」

「[祝祷の聖歌]を発動!墓地[リリーサ]と手札の[ライトロード・アサシン ライデン]で儀式!光の流転、この刹那に輝き、我に業を課す!儀式召喚、降臨せよ[龍姫神サフィラ]!」

 

     [龍姫神サフィラ] ATK 2500

 

「これで村上君は[サフィラ]が居る限り特殊召喚する事が出来ないわよ!」

「辛いなー...」

 

武神の手札交換を[サフィラ]のトリガーにした武神サフィラだ。慎也に分が悪すぎるようだ

 

「バトルよ、[カグツチ]で[クリスタルウイング]に攻撃!ダメステに墓地の[ツムガリ]の効果発動!ダメージの半減の代わりに戦闘する相手モンスターの攻撃力を貰うわよ!」

 

  [武神帝-カグツチ] ATK 2700→5700

 

慎也 LP 6100→4750

 

「[サフィラ]でダイレクトアタックよ!」

 

慎也 LP 4750→1250

 

「カードを2枚伏せてエンドフェイズ、[サフィラ]の効果により2枚ドローし、1枚捨てるわ。改めてターンエンド!」

 

黒川 手札:1枚 LP 6000

 

モンスター/ [武神帝-カグツチ] ATK 2700

 

     / [龍姫神サフィラ] ATK 2500

 

魔法・罠 / リバース1枚

 

[サフィラ]がいる限り特殊召喚が出来ずさらに墓地の[祝祷の聖歌]の効果により破壊も1度免れる。墓地には[超電磁タートル]も控えており、完全に制圧されている。慎也はどうするのか

 

「このターンは何も出来ないな..カード1枚をセットしてターンエンド」

 

慎也 手札:2枚 LP 1250

 

モンスター/ なし

 

魔法・罠 / リバース2枚

 

「ドロー、その伏せ何かあるわね?」

「さあね」

「あら...バトルよ[カグツチ]でダイレクトアタックアタック!」

 

慎也のライフは残り少なく、このリバースカードがブラフなら敗北する。だがそんな事は分かっていると罠は起動した

 

「リバースカードオープン、[王魂調和]!さらに[月の書]![サフィラ]を裏守備にし、[カグツチ]のダイレクトアタックを無効にする!」

 

「[月の書]...やるわね」

 

[王魂調和]は直接攻撃を止める効果と、その後に墓地シンクロを行う効果がある。[サフィラ]が表になっていなければこのバトルフェイズ中のみ特殊召喚が許される。さらに1度裏返すことが出来れば特殊召喚の制約も無くなる

 

「墓地の[WW(ウインドウィッチ)スノウ-ベル]と[スターダスト・チャージ・ウォリアー]を除外し、シンクロ召喚!現われろ[クリアウイング・シンクロ・ドラゴン]!」

 

 [クリアウイング・シンクロ・ドラゴン] ATK 2500

 

「やられたわね...一応[サフィラ]を反転召喚してターンエンドよ」

 

黒川 手札:2枚 LP 6000

 

モンスター/ [武神帝-カグツチ] ATK 2700

 

     / [龍姫神サフィラ] ATK 2500

 

魔法・罠 / リバース1枚

 

「俺のターン!スケールに[ギータス]をセットして効果発動!手札を捨ててデッキから[サイザス]を特殊召喚する!」

 

   [音響戦士(サウンドウォリア-)サイザス] DEF 1900

 

「墓地の[電々大公]を除外し、墓地の[赤目のダイス]を特殊召喚!」

 

  [SR(スピ-ドロイド)赤目のダイス] DEF 100

 

「レベル4の[音響戦士(サウンドウォリア-)サイザス]にレベル1の[SR(スピ-ドロイド)赤目のダイス]をチューニング、シンクロ召喚!現われろ[TG(テッグジ-ナス)ハイパー・ライブラリアン]!」

 

  [TG(テッグジ-ナス)ハイパー・ライブラリアン] ATK 2400

 

「[ダブルヨーヨー]を通常召喚、効果で墓地の[赤目のダイス]を特殊召喚する!」

 

  [SR(スピ-ドロイド)ダブルヨーヨー] ATK 1400

 

  [SR(スピ-ドロイド)赤目のダイス] DEF 100

 

「[赤目のダイス]の効果で[ダブルヨーヨー]のレベルを5にする。レベル5の[SR(スピ-ドロイド)ダブルヨーヨー]にレベル1の[SR(スピ-ドロイド)赤目のダイス]をチューニング、十文字の姿を持つ魔剣よ、その力ですべての敵を切り裂け!シンクロ召喚!現われろ[HSR(ハイスピ-ドロイド)魔剣ダーマ]!」

 

  [HSR(ハイスピ-ドロイド)魔剣ダーマ] ATK 2200

 

「[ラリアン]の効果でドロー。そして[ダーマ]の効果発動!墓地の[マイクス]を除外して相手に500ポイントのダメージを与える!」

「[ギータス]で捨てたのね...」

 

[ダーマ]が黒川に狙いを定め、[マイクス]を除外した時。慎也は効果を発動させた

 

「ごめんね![クリアウイング]の効果発動!レベル5以上のモンスター効果を無効にし破壊する!」

「...え?」

 

味方同士のはずが、[ダーマ]を沈黙させた[クリアウイング]。慎也も心境は良くないだろう、苦い顔をしながら[ダーマ]を見送った。[クリアウイング]の効果の続きには攻撃力加算が待っている

 

[クリアウイング・シンクロ・ドラゴン] ATK 2500→4700

 

「墓地の[サイザス]の効果発動!除外し、除外されている[マイクス]を特殊召喚!」

 

   [音響戦士(サウンドウォリア-)マイクス] ATK 2300

 

[ダーマ]の除外がコストだから出来たコンボ。しかし先が見えないこのコンボに黒川は困惑を覚え始めていた

 

「[貪欲な壺]を発動!墓地の、[クリスタル・ウイング・シンクロ・ドラゴン]、[魔剣ダーマ]、[赤目のダイス]、[ダフルヨーヨー]2体をデッキに戻して2枚ドロー!」

 

「[ジェット・シンクロン]を通常召喚。レベル5の[音響戦士(サウンドウォリア-)マイクス]にレベル1の[ジェット・シンクロン]をチューニング、シンクロ召喚!現われろ[スターダスト・チャージ・ウォリアー]!」

 

 [スターダスト・チャージ・ウォリアー] ATK 2000

 

「[ラリアン]と[チャージ・ウォリアー]と[ジェット・シンクロン]の効果により、2枚ドローし、デッキから[ジャンク・チェンジャー]を手札に加える!」

 

「[タケトンボーグ]を特殊召喚!効果でデッキから[電々大公]を特殊召喚!」

 

    [SR(スピ-ドロイド)電々大公] DEF 1000

 

「さらに[ワン・フォー・ワン]を発動!手札の[ジャンク・チェンジャー]を捨ててデッキから[赤目のダイス]を特殊召喚!」

 

    [SR(スピ-ドロイド)赤目のダイス] DEF 100

 

「レベル6の[スターダスト・チャージ・ウォリアー]にレベル1の[SR(スピ-ドロイド)赤目のダイス]をチューニング!シンクロ召喚、現われろ[クリアウイング・シンクロ・ドラゴン]!」

 

  [クリアウイング・シンクロ・ドラゴン] ATK 2500

 

「[ラリアン]でドロー、レベル5の[TG(テッグジ-ナス)ハイパー・ライブラリアン]にレベル3の[SR(スピ-ドロイド)電々大公]をチューニング、シンクロ召喚!再び敵を撃て![クリスタルウイング・シンクロ・ドラゴン]!」

 

 [クリスタルウイング・シンクロ・ドラゴン] ATK 3000

 

「すごいフィールドね...」

 

五回連続シンクロ。眩い光を発し、龍たちが林立した。黒川の手札は2枚。墓地には[超電磁タートル]。モンスターは2000オーバーが2体。[クリスタルウイング]により3000ダメージがそのまま入るため、[オネスト]が無ければゲームエンド。冷静に攻めるのならばこのターンは[超電磁タートル]を使わせる事が重要だが...

 

「バトルだ!」

「忘れてない?罠発動![武神隠]!私のフィールドの武神エクシーズモンスターを除外し、フィールド上の全てのモンスターをバウンスする!そして2ターンの間お互いにモンスターの召喚とダメージが与えられなくなる!」

 

[カグツチ]が闇に紛れる。その闇は広がり、空間すべてを飲み込んだ。暗中に輝く光の球体は5つ。[サフィラ]は黒川の手中に収まり、慎也の球体は連なりながらエクストラデッキにへと連打された。重々しい効果音ともにエクストラデッキに厚みが生まれる

 

「クソ!正直忘れてた...」

「どうする?」

「ターンエンドだよ」

 

慎也 手札2枚 LP 1250

 

モンスター/ なし

 

魔法・罠 / なし

 

スケール / [音響戦士(サウンドウォリア-)ギータス](7)

 

「私のターン...モンスターをセット、ターンエンドよ」

 

「俺のターン...カードセットしてターンエンドだ」

 

[武神隠]により、決闘(デュエル)の勢いは完全に殺された。来るべき終わりに備え、慎也は攻撃の準備を。たいする黒川は召喚が最初に可能になる慎也の攻撃を防ぐ準備を始めた

 

「私のターンね、[手札抹殺]を発動!3枚の手札を入れ替えるわ!」

 

「俺は2枚だ」

 

モンスターの召喚以外での行動を行う。墓地の武神が増えた。慎也も少なからず墓地が肥えているが、蘇生魔法カードも捨ててしまっている

 

「エンドフェイズに[武神隠]で除外した[カグツチ]が戻ってくるわ。さらに効果で墓地の[武神-アラスダ]を素材に出来る、ターンエンドよ」

 

黒川 手札:3枚 LP 6000

 

モンスター/ [武神帝-カグツチ] ATK 2500

 

     / 裏守備

     

魔法・罠 / なし

 

「俺のターン!やっと動ける!!」

 

ドローフェイズに新たに迎えたカードを含め、3枚のカード。何も制限が無くなった今、この手札で慎也とSR(スピ-ドロイド)は全力の展開を見せるだろう。

 

(...とその前に墓地確認しとこう)

 

黒川の墓地は誘発効果持ちのモンスターも存在する。ディスクを通し、公開情報を把握する

 

([超電磁タートル]、バトルフェイズ終了...[サグサ]、武神の破壊耐性...[ヘツカ]、武神を対象にとる効果の無効化...)

 

[カグツチ]1体だが、墓地の武神器の存在が突破の選択肢を減らす。[カグツチ]自身に元々破壊体制があるため、慎也は[カグツチ]を対象に取らずに3回破壊しなければならない。バトルフェイズも1度は強制終了されてしまう

 

「[ベイゴマックス]を特殊召喚!効果発動!」

 

  [SR(スピ-ドロイド)ベイゴマックス] DEF 600

 

「[エフェクト・ヴェーラー]を使うわ、その効果を無効にするわ!」

 

慎也の展開の要、初めの第1歩に水を指すように天使が嘲笑う。しかしこれでエンド宣言する慎也ではない

 

「だったら...墓地の[タケウマックス]を除外して効果発動!デッキから[SR(スピ-ドロイド)パッシングライダー]を墓地に送る!」

 

「そして墓地の[スピードリバース]の効果発動!墓地のSR(スピ-ドロイド)を手札に加える!墓地の[パッシングライダー]を手札に!」

 

[手札抹殺]により落ちてしまったカード。そしてそれにより墓地を経由した間接的なサーチ。[バンブー・ホース]、[スピードリバース]の2枚が墓地に揃っていれば好きなSR(スピ-ドロイド)を手札に加えることができる

 

「[ベイゴマックス]をリリースし、[パッシングライダー]をアドバンス召喚!」

 

 [SR(スピ-ドロイド)パッシングライダー] ATK 2200

 

「効果発動!召喚時に墓地の[赤目のダイス]を特殊召喚する!」

 

   [SR(スピ-ドロイド)赤目のダイス] DEF 100

 

「効果で[パッシングライダー]のレベルを1にする」

 

 [SR(スピ-ドロイド)パッシングライダー]☆5→1

 

「リバースカードオープン、[リビングデッドの呼び声]!墓地の[ラリアン]を特殊召喚!」

「始まるのね...」

 

 [TG(テッグジ-ナス)ハイパー・ライブラリアン] ATK 2400

 

「レベル1の[SR(スピ-ドロイド)パッシングライダー]にレベル1の[SR(スピ-ドロイド)赤目のダイス]をチューニング、駆け巡るミニ四駆、シンクロの限界を見せろ!シンクロ召喚、現われろ[フォーミュラ・シンクロン]!」

 

   [フォーミュラ・シンクロン] DEF 1500

 

「[ラリアン]と[フォーミュラ]の効果で2枚ドローする」

 

ドローしたカードの中には先程まで存在していたモンスターがあった。少し考えると今引いた意味を知る

 

「なるほど、スケールに[パッシングライダー]をセットする!」

 

   [SR(スピ-ドロイド)パッシングライダー](3)

 

「そして[ペンデュラム・ターン]を発動![ギータス]のスケールを10にする!」

 

 [音響戦士(サウンドウォリア-)ギータス](7)→(10)

 

スケールの変動により、シンクロデッキからペンデュラム召喚が簡単に予測できた。[マイクス]を使用したシンクロデッキのため、一度使った[マイクス]を再利用することがなかなかむずかしかった。それもペンデュラムのギミックを組み込むことにより、エクストラデッキからも現れるようになった

 

「ペンデュラム召喚!揺れろ機械仕掛けの振り子、靡く風を吹き荒らせ!」

 

  [クリアウイング・ファスト・ドラゴン] ATK 2500

 

  [音響戦士(サウンドウォリア-)マイクス] ATK 2300

 

「[ファスト・ドラゴン]...ペンデュラムシンクロだったわね...」

 

「ああ!墓地の[電々大公]の効果発動![赤目のダイス]を特殊召喚!」

 

   [SR(スピ-ドロイド)赤目のダイス] DEF 100

 

「レベル7の[クリアウイング・ファスト・ドラゴン]にレベル1の[SR(スピ-ドロイド)赤目のダイス]をチューニング、何度でも敵を撃て![クリスタルウイング・シンクロ・ドラゴン]!」

 

  [クリスタルウイング・シンクロ・ドラゴン] ATK 3000

 

「[ラリアン]でドロー。レベル5の[TG(テッグジ-ナス)ハイパー・ライブラリアン]にレベル2の[フォーミュラ・シンクロン]をチューニング、シンクロ召喚!現われろ[クリアウイング・シンクロ・ドラゴン]!」  

 

  [クリアウイング・シンクロ・ドラゴン] ATK 2500

 

[ライブラリアン]は残しておきたかったが、フィールド上に空きが足りなくなってしまうため、ここで休みを与えた

 

「[ダブルヨーヨー]を通常召喚、効果で墓地の[赤目のダイス]を特殊召喚!」

 

 [SR(スピ-ドロイド)ダブルヨーヨー] ATK 1400

 

 [SR(スピ-ドロイド)赤目のダイス] DEF 100

 

「レベル4の[SR(スピ-ドロイド)ダブルヨーヨー]にレベル1の[SR(スピ-ドロイド)赤目のダイス]をチューニング、その躍動感溢れる食戟の魂!いでよ![HSR(ハイスピ-ドロイド)チャンバライダー]!」

 

  [HSR(ハイスピ-ドロイド)チャンバライダー] ATK 2000

 

「[死者蘇生]を発動!まだ頑張ってもらうぞ[ライブラリアン]!」

 

   [TG(テッグジ-ナス)ハイパー・ライブラリアン] ATK 2400

   

「そしてレベル5の[HSR(ハイスピ-ドロイド)チャンバライダー]にレベル5の[音響戦士(サウンドウォリア-)マイクス]をチューニング!」

 

「ペンデュラム非チューナーモンスターっ!まさか!」

 

「平穏なる時の彼方から、あまねく世界に光を放ち、蘇れ!シンクロ召喚!現われろ[涅槃の超魔導戦士(ニルヴァ-ナ・ハイ・パラディン)]!」

 

    [涅槃の超魔導戦士(ニルヴァ-ナ・ハイ・パラディン)] ATK 3300

 

「[超魔道戦士(ハイ・パラディン)]はペンデュラム召喚したペンデュラムモンスターをチューナとして扱うことが出来る!さらにこの方法で召喚すると墓地のカードを手札に加えることができる!墓地の[死者蘇生]を手札に加え、[ラリアン]でドローし、[チャンバライダー]の効果で除外されている[電々大公]を手札に加える!」

 

「嘘...手札が減らないじゃない...」

 

手札は蘇生札含め4枚。慎也のターンはまだ続く。黒川[ヴェーラー]の使用タイミングを後悔することになった

 

「[死者蘇生]を発動、墓地の[赤目のダイス]を特殊召喚!」

 

  [SR(スピ-ドロイド)赤目のダイス] DEF 100

 

「レベル7の[クリアウイング・シンクロ・ドラゴン]にレベル1の[SR(スピ-ドロイド)赤目のダイス]をチューニング、シンクロ召喚!まだまだ行け![クリスタルウイング・シンクロ・ドラゴン]!」

 

  [クリスタルウイング・シンクロ・ドラゴン] ATK 3000

 

「[ラリアン]でドロー、そして手札を捨て[ギータス]の効果発動!デッキから[音響戦士(サウンドウォリア-)ベーシス]を特殊召喚!」

 

   [音響戦士(サウンドウォリア-)ベーシス] ATK 600

 

「カードを1枚セット、[ベーシス]の効果発動!手札の枚数分レベルを上げる!」

 

  [音響戦士(サウンドウォリア-)ベーシス]☆1→3

 

「まさか!やるつもりなの!?」

 

「ああ、行くぜ!レベル5の[TG(テッグシ-ナス)ハイパー・ライブラリアン]にレベル3の[音響戦士(サウンドウォリア-)ベーシス]をチューニング、シンクロ召喚!一つ輝きて美しき翼翻す、二つ輝きて暴風唸る!三つ輝けば神をも超える威光を放つ!今ここに降臨せよ![クリスタルウイング・シンクロ・ドラゴン]!」

 

  [クリスタルウイング・シンクロ・ドラゴン] ATK 3000

 

3体目の[クリスタルウイング]。手札が多いと1枚伏せたが、実質手札3枚をのこして慎也のフィールドは...

 

[クリスタルウイング・シンクロ・ドラゴン] ATK 3000

 

[クリスタルウイング・シンクロ・ドラゴン] ATK 3000

 

[クリスタルウイング・シンクロ・ドラゴン] ATK 3000

 

[涅槃の超魔道戦士(ニルヴァ-ナ・ハイ・パラディン)] ATK 3300

 

素材にシンクロモンスターを必要とするシンクロモンスター4体が並んだ。モンスター効果の無効化は3回消費なしで使える。慎也にターンを与えてしまった事を黒川は再度悔やむ

 

「...詩織、アンタの彼氏酷いわね」

「か、彼氏じゃないですよ!//」

 

思わず目を背けたくなるようなフィールドを前に笑すら浮かべる黒川。詩織も灰田もそのフィールドに見入っている

 

「でも...綺麗なフィールドですねぇ...」

「うん!格好いいドラゴン!!」

 

「バトルフェイズだよ![クリスタルウイング]で[カグツチ]に攻撃!”クリスタロス・エッジ”!」

 

「...墓地の[超電磁タートル]を除外してバトルフェイズを終了する!」

 

「[クリスタルウイング]の効果発動!その発動を無効にして破壊する!」

 

スパークする壁が貼られるも、[クリスタルウイング]の輝きはそれを許さない。減速することなくそれを貫き、[カグツチ]との距離を詰める

 

「...まだよ!手札の[オネスト]の効果発動するわ!」

「それもダメだ![クリスタルウイング]!」

 

攻撃体制を取っていない待機中のシンクロ龍が雄叫びを上げる。ダメージステップ中も関係無く手札のモンスターを撃ち落とす

 

「クッ...[カグツチ]のORUを取り除き破壊を免れる...」

 

黒川 LP 6000→5500

 

「[涅槃の超魔道戦士(ニルヴァ-ナ・ハイ・パラディン)]で[カグツチ]に攻撃!”トゥルース・スカーヴァディ”!!」

 

「墓地の[サグサ]を除外して[カグツチ]に破壊耐性を与えるわ...!」

「駄目だ!![クリスタルウイング]!!」

 

攻撃に参加してなくとも仕事はある。次は墓地のモンスターに睨みを効かせ、制する。超魔道戦士の金色の装飾品と共鳴し、神々しい軌跡を描き、[カグツチ]を沈めた

 

黒川 LP 5500→4700

 

[涅槃の超魔道戦士(ニルヴァ-ナ・ハイ・パラディン)]の効果発動!戦闘破壊すると相手のライフを半分にする!」

 

攻撃が終わり、慎也の元へ着地する。その後に再び光を帯びると黒川のライフポイントそのものに干渉した

 

黒川 LP 4700→2350    

 

「[クリスタルウイング]で裏守備に攻撃!”増風のクリスタロス・エッジ”!」

 

裏守備は[マンジュ・ゴット]。反転召喚からの効果により、次の儀式召喚に使用するつもりだったのだろう

 

「終わりだ、[クリスタルウイング]でダイレクトアタック!”終焉のクリスタロス・エッジ”!!」

 

何ども攻めの姿勢を見せてきた大型ドラゴンの暴風を浴びながら、もう使用可能なカードが無いことを再確認した。

 

「...あんまり痛くしないちょうだいね」

 

まるでその懇願を拒否するかのように、最後の美風は黒川にその力をその身で味合わせた

 

        LP 2350→0

          黒川LOSE

        




30話にしてやっと初決闘(デュエル)ですね。ごめんね黒川ちゃん...


〜おまけ〜

午後22時。慎也と詩織は灰田達の待つカラオケ店にたどり着いた。階段を上り、受付で友が既に入店している旨を伝えた

「灰田様ですね...はいお待ちしておりました。明日の8時までのフリータイムで入ってますね」
 
「朝まで!?」
「あっ...そうです、オールだそうです」

「ええ、お部屋は8号室です...」
「どうもー」
「行きましょうか!」
「あ、お客様!」

振り向く慎也と詩織。キョトンとしていると不安そうに店員が尋ねる

「えと、年齢確認出来るものお持ちですか...?」

慎也の顔が曇る。詩織も慎也の顔色を伺いつつも財布から学生証を取り出し、提示した。慎也も仕方なく学生証を渡した

「ありがとうございます...21歳っ!?」
「...」
「あ、あはは...」

「失礼しました...お若く見えたもので...」

「...よくあるんで大丈夫です」

年齢確認を終え、8号室を探す慎也。ドアを挟んだ廊下でも聞こえてくる大声を頼りに歩くと8号室は簡単に見つかった。黒川がデスメタルを歌っていた

「いやあ”あ”あ”あ”あ”!!!」
「すげぇぇ!!」

「お前が歌ってたんかい!」
「美姫ちゃん相変わらずすごい...」

「あら村上君に詩織じゃない、やっと来たのね」
「うん、にしてもそういうの歌うんだね...」
「別にこんなのばっかじゃないわよ」テレレ-
「黒川すげえ!89点だ!!」
「デスメタルで!?」

「じゃあ詩織、歌いなさいよ」
「はい!」

黒川から詩織へとマイクが手渡される。機械を操り、席に座る。それを見届け、慎也も座って歌声を楽しむことにした

ーーー
ーー


「...最後に守れない約束なら〜くだらない〜くだらない〜...」
「...」
(上手いな)

完全に聞き入ってしまっている慎也。ずっと見つめられていた詩織は歌い終わると恥ずかしそうに笑った。

「いいねー!」テレレ-

「91点って凄いわねー」
「ありがとうございます!」
「次俺歌うー!」

次は灰田にマイクが渡った。望む曲を入れるとイントロが流れ始めた

「立ち止まる暇なんてないさー!!」
「すごい声量ね」

ーーー
ーー


「真っ赤な誓いぃぃぃいい!!!」

「灰田の時だけ音量下げよう」
「82点だ!やったぁ!!」
「上手たったわよ」
「そうですね!次は村上さん歌ってください!」
「うん」

慎也がマイクを手にする。咳払いを一つ二つすると、歌いだした

「Yo...I feel like floater 右に左 Sigh to get...」

(イケボね...)
(相変わらずイケボだ!)
(格好いいですね...)

「Fiery Monkey D's excursion like that My feather my fiffer feffer feff...」
(何でそんなに見てるんだろ...この曲知らないかな...?)


「Oh Christopher Colombus!」

「上手いね!」
「いい声ねー」
「かっこよかったです!」

「あ、ありがと...」テレレ-

「97って...凄いな!」
「圧巻ね...」
「...もう1曲歌ってください!」

「え?あぁ、うん...」

この後連続で歌声を披露することになった慎也であった...

ぶっちゃけどうですか?

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  • 読みたいけど無くなったら読まない
  • 普通
  • 無くてもいい
  • 読むのが億劫

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