・英世界
通常人間達が生きる宇宙、地球、世界とは異なり、完全無欠の廃れることのない別の世界。こちらの世界とは本来干渉し合うことは無かった存在だが、何千年も前にゆっくりと互いに近づいていた。それらの影響で、我々の住む世界には存在しなかった未知の原子が流れてきた。遊戯王のカードはそれらを応用して制作されたツールであり、カードの元は英世界に住むもの達をモチーフにしている。
英世界の住人いわく、こちらの世界が決闘力で満たさられると英世界も活性化する相乗関係にあるらしい。その利害の一致により、日本のS・D・Tはそれを能動的に行うため、法律に組み込むなどを行い、国内で遊戯王という存在を”あたりまえ”の存在へと化した。
慎也に宿る精霊シエンは、英世界の事を”モンスター界”と称しており、慎也に合わせた言葉を選んでいた
・別世界
決闘力によって生まれた日本とは次元そのものが異なる空間。陣地が届くことの無い前代未聞の土地であり、自然豊かで資源が豊富に採取可能。日本はその広大な土地と資源を秘密裏に確保するために何十年も前から人材を派遣し、開拓をすすめていた
また、決闘力が引き起こすハリケーンや地割れといった謎の災害をその余った土地に誘導し、本国の災害を減らすという処置も取っている
また断絶金という未知の金属は非常に重要であり、それの加工や採取も行っている。それらを管理するためにS・D・Tの本部を置き、各国の戸籍の無い者やストリートボーイ、黒孫子等を集め新たな国を設置した
それが月下
◑月下
S・D・Tの幹部、月下管理最高責任者快凪直人が身を置く、別世界にある国。失彩の道化団はこの地の人間が集った集団。
◑失彩の道化団
月下から聖帝のインターンシップ説明会を襲った集団。部下は全員黒いロングコートで、フード深く被っていた。しかし、カムイやバシュはそれらと差別化された服装であり、階級が示唆されている。
階級は下から黒→灰→白とある。黒と灰の違いは未だはっきりとしていないが、白は一線を画している。顔をしっかりと見せ、バシュ以外は白いスーツを着用していた
◐灰被
失彩の道化団内で、余事象体質を宿した実力者を集めた特別部隊。隊員は全員灰で形成されており、総員100名
名前の由来は童話の「シンデレラ」
知樹は「エラも彼らも好きで灰を被っている訳では無い」と意味深な一言を残していた
◐LL∵Huna=E-t0S0n
別世界にある、月下とは別の国。今の今までS・D・Tが存在すら気づかなかった国であり、未だ謎が多い国。
その国のガルナファルナと呼ばれる部隊が日本を襲撃してきた。戦闘手段や衣服が同じ事から月下の失彩の道化団と手を組んでいると考えられていたが、どうやら失彩の道化団側の模倣だったようだ
他者の決闘ディスクと自分のそれを物理的に繋げ、決闘を強制させる技術を持つ。LL∵Huna=E-t0S0nではこれを「シャフト」と呼んでいた
人の余事象体質について研究を進めている国でもある。別神経を内蔵ごと他者へ移植し、後付けで余事象体質を宿す移植余事象と言う技術がある。失彩の道化団のジャヴィもこれの被害者
◐ガルナファルナ
LL∵Huna=E-t0S0nが所有する部隊。黒いロングコートを纏い、顔を隠すように深くフードを被っていた。また、断絶金で作られたアクセサリーを大量に飾っており、上下関係も確認された。
階級は下から初級→中級→上級。
◑S・D・T
一般的な警察とは異なり、遊戯王に関してはそれと同等かそれ以上の権限を持つ組織。
これの登場により、今まで裁けなかった事件等を罰せるようになり、世間からは遊戯王の警視庁と認識されている
だが、実際は決闘力や英世界、精霊や月下等の存在を明るみに出さないための国家組織だった。メディアに露出するプロ決闘者達も何名かS・D・Tに加入しており、世に知れ渡られない箇所で暗躍をしている
・日食
秋天堂が使用した言葉。
月下、正確には別世界によって日本が襲撃される事件をさした言葉。本来の日食、月食との関係は無く、ただ語感を優先させた呼称
一次日食は聖帝大学が開催した、プロ決闘者インターンシップ説明会を失彩の道化団が襲った事件を指す。二次日食は都内にある4つの大学がガルナファルナに襲撃された事件を指す。いずれも早急な対応により対処済み
しかし、月下(別世界)へ奇襲する作戦は日月戦争と呼んでおり、月食とは呼ばなかった。
・決闘原子
英世界からこちらの世界に流れ込んできた未知の原子。S・D・Tは一先ずそう呼んでいる。人や物に集まる習性があり、それを集める速さ、量、質には個人差がある。この原子の流れの事を決闘力と呼び、今日のあらゆる分野で活躍している
・決闘力
決闘原子の流れの事。これを技術に組み込み始められたのは最近の事だ。決闘ディスクの出力の殆どはこれによって賄われており、またその決闘によって随時決闘力が供給されるので非常に燃費がいい。
今日ではこれらを体内に大量に保有する個体も発見され、彼らが何らかの特異点を持つことが分かった。”別神経”と呼ばれる通常の神経とは異なるそれに決闘力は流れている。
また、その決闘力を標準より多く蓄えた人間には英世界の住人、カードの精霊を宿すケースがある。使用できるデッキの幅も広がり、その回せるデッキの事を”適合”と呼ぶ。慎也はそれに当たり、複数の精霊と適合デッキを持っている
現代の技術では解析が完全に出来ていない。このエネルギーの過多によりハリケーン等の自然災害、新たな次元をも創り出す等、人知でどうにか出来るものでは無い影響が見られた
・別神経
通常の神経とは異なり、決闘力の伝達のみを行う神経。通常の神経と繋がっており、外部から集めた決闘力や、自らが行った決闘によって発生した決闘力を通常の神経を介して身体中に運搬する役割を持つ。しかし、これが存在する箇所は個人によって異なる。複数持つ者もいれば、1つしか持たない者もいる。この別神経と決闘ディスクを利用した、決闘撃痛と呼ばれる痛みを錯覚させる技術もある
・決闘撃痛
月下の失彩の道化団が用いた技術の1つ。決闘ディスクに施した一種の改造であり、決闘でのダメージをプレイヤーへの痛みに変換させる技術。S・D・Tが解析し、新たに開発した決闘ディスクではこれのオンオフが可能になっていた
別神経が他の神経に決闘力を伝達させる際に、ディスク越しに一種のエラーを相手のディスクにワイヤレスで送り付けている。決闘ディスクが使用者の決闘力を利用して起動しているためこのようなことが可能になったのだが、これを使用する場合、その決闘中は双方に決闘撃痛が襲う事になる。これはディスクととディスクがお互いに通信している事が関係している
・«цпкпошп»
失彩の道化団が用いた技術。プレイふるあらゆるカード情報が«цпкпошп»と表示され、プレイヤーを困惑させる機能。カード名は勿論、攻撃力、守備力、属性等全ての情報が隠蔽されてしまう。カードデザインは遊戯王カードの背表紙の様なデザインに変わり、色は失われ白黒になる。
モンスターの場合は表示形式や、戦闘ダメージから大凡のステータスを把握するしか無い。また、こちらに影響を与える効果の場合はディスクの確認画面から大体の対策は可能となる。あちらのフィールドからこちらのフィールドにモンスターが移った場合、情報が解禁されることが分かった。逆にこちらのフィールドからあちらのフィールドに移った場合は«цпкпошп»化してしまう。墓地や除外ゾーン、コストとして公開する処理中でも«цпкпошп»表記になってしまう、非常に厄介な機能だ
・決闘力による記憶操作
S・D・Tが手にした、人間の別神経と外部の決闘力を利用した技術。微力な電気と決闘力により、脳の大脳新皮質や海馬のタンパク質等に干渉する事で人の記憶を操作する。しかし、全く新しい記憶を植え付ける、数十年前の記憶を消す等はまだ技術が伴っておらず、今現在では数年間までの記憶を変えることしか出来ない。また別神経の位置によっては副作用がある。喉に別神経を持つ男性が、記憶操作を経て声が変わってしまったというケースもあったようだ。また、微力な電気を用いることから処置後はその箇所に火傷のような跡が残る。
また、LL∵Huna=E-t0S0nも同じ技術を持っている。一線を画すのは処置後本人に全くの自覚が芽生えない所だ。また、嘘を見抜く余事象体質によっても判別が付かない程に驚異的。S・D・Tはこれを”洗脳”と呼んでいる
・余事象体質
高い決闘力を持つからか、先天性なのか詳しくは分かっていないが、特定の人物がその身に宿した一種の超能力。
カードの精霊を宿すのもこれに該当する。故に慎也や大神の様な人物も余事象体質を持つことになる
LL∵Huna=E-t0S0nはこれを後付けで対象の人間に宿す研究を進めており、既に成功例がある。余事象体質を宿した人間の臓器の移植と語られていた。この場合は移植余事象と別の名で呼ばれる
以下は登場済みの余事象体質及び移植余事象
◑心眼
大泉玄が持つ余事象体質。ガルナファルナの決闘者が持っていたこれの下位互換から名称を借りた
嘘か否かを判別するだけでなく、その言葉の裏までも読み取る超能力と呼ぶに相応しい力。S・D・Tの研究員だが、この力を所持している事から捕虜の尋問等にも赴く事が多々あるようだ
◐外潜門
日本と別世界を繋ぐゲートの精製と通過を可能にする余事象体質。簡易的で一度に通れる人数は限られているが、失彩の道化団ジャヴィが持つこれは数秒で移動出来るほどに高性能だった
またガルナファルナの移植余事象に似たようなものがある事が分かっている。日食の際敵国はこの余事象体質を利用したに違いない
◐条件反射
他者の決闘力の侵入を拒む移植余事象。S・D・Tの通信端末も機能しなくなっており、大神は奇妙な壁の様なものを肉眼で確認していた
自分自身と対象を閉じこめる役割を持つが、決闘者でなければ無理なく侵入が可能のようだ
ガルナファルナの決闘者が所持していた。
・八皇地-八皇地駅
慎也らが通う聖帝大学が存在する地域であり、慎也の自宅の最寄り駅でもある。元ネタは説明不要だろうか
バスや電車が多く通っており、交通の便では非常に優秀な地域。昔ながらの商店街や、デパート等が共存しており、多彩な業種が商われている。
慎也は自宅が近い事から商店街の方をよく利用する。森木鮨、喫茶店HAYASHI、木村理髪店等個性豊かな店が林立している活気溢れる商店街だ。苗字に”木”がつく店主が多いことから”ツリー商店街”と呼ばれる事もある
・聖帝大学
教育方針は「生徒の意思の尊重」
大神忍が運営する私立大学であり、キャンパスの広さと学部数が多い事で有名
決闘学部が存在しない代わりに全学部がオープン科目として決闘関係の講義を受講出来るように施されている。が、AO入試、推薦入試では決闘試験を含んでいる。そのため学力・決闘力が試される大学と言える。
また、講義外でも決闘が可能となるよう”決闘棟”と呼ばれる専用の建物まで設置されている。また、戦闘規模のシャワー室もあり、暮らせる程に設備が充実した大学だ
・暁星工業大学
教育方針は「創り出させる」
主に理系学科が連なる大学
決闘ディスクの開発、最適化、終了等の資格習得に強い大学。中には卒業制作として決闘ディスクのプロトタイプを0から創り出すという内容もあるようだ
・闘叶大学
教育方針は「願うのなら成せ、成さぬのなら闘え」
都内の中でも中心地に位置している
キャンパスの規模は全国でもトップクラス
決闘学部が存在しており、プロ事務所とのパイプも充実した決闘に強い大学
聖帝大学にある以上の専用施設が2つほど設置されており、外部からそれを利用する客が多い
・秀皇大学
教育方針は「のぞませる」
将来への明確なヴィジョンを持たせる意味として望む。何事へもチャレンジさせる意味として臨む、を掛けた教育方針。この大学にも専用の決闘施設があり、決闘者学部と遊戯王学部の2種類の学部が用意されている。前者は決闘者、決闘の技能向上や理解を深める学部。後者は決闘者の補佐を担うための勉学を経る学部。前者は絶大な人気を誇っており、毎年受験者が後を絶たない程だ。
また在学中にプロランクを取得した生徒もいる。