遊戯王が当たり前?→ならプロデュエリストになる! 作:v!sion
◐月下-南側大通り / 午前中9時
シッドside
どうしてこうなったのか
既にこの地の
それがどうしてだ
なぜあれだけいた兵士は自分を合わせても4人しかおらず、その内の3人は化野1人の相手に持っていかれている
シッドもそうだ
山本、島崎、渡邉に南と精鋭は残さず蹴散らした。だがこの誰だかわからない若く見える少女に捕まっている
「...あなたが...先攻」
「あぁ、そうだな」
初めてまともに発声したのはターンの催促
色々と必要以上に物事を考えているのはシッドだけのようだ
目の前の少女も、今は背中を向けている化野も戦う事だけを考えカードをプレイしていた
そうすると自分が馬鹿らしくもなる
「...そうだな、俺は«цпкпошп»を発動。お互いに手札を全部リセットするぜ。さらに«цпкпошп»でお互いに今度は2枚のカードを入れ替える」
「...」
相手が墓地を使用するデッキなら先攻に打つのは惜しいカードだ。だがそんな未知数よりも圧倒的に墓地が欲しいシッドが躊躇する方が有り得ない
まずは2枚
ハンドレスまでのカウントダウンが始まった
「次はこいつだ。墓地の«цпкпошп»の効果。除外すゃ手札の«цпкпошп»を...」
「ねぇ」
「なんだ」
「さっきから何を...言ってるの?」
何が引っかかっているのかシッドにも分からなかった
«цпкпошп»の事だろうか
やはりこの少女はこの戦争につい最近になって参加したのだろう。でなければ«цпкпошп»を知らないはずがない
シッドはそう睨んだが、それは全くの逆の事だった
[インフェルニティ・ネクロマンサー] DEF 2000
「...なるほどな」
«цпкпошп»だ
シッドだけではない
化野が手にしていた装置だろう
成程納得できる
これで対等だと言いたかったのかと
「カードをセット。んで[終末の騎士]を通常して効果だ、俺はデッキから[インフェルニティ・リベンジャー]を墓地に落とすぜ」
ならばカード名を«цпкпошп»と形容する必要も無い
そして何かを隠すようなプレイングも要らない
全力で手札を捨てるだけだ
「まったく、«цпкпошп»が見えてんなら...言ってくれよ、恥ずかしい。[ネクロマンサー]の効果だ、墓地の[デーモン]を特殊する」
[インフェルニティ・デーモン] ATK 1800
「[デーモン]の効果でデッキから[ガン]をサーチだ。んで[ガン]を墓地に送るぜ。墓地の[ネクロマンサー]と[リベンジャー]を特殊だ」
[インフェルニティ・リベンジャー] DEF 0
[インフェルニティ・ネクロマンサー] DEF 2000
「そして俺はレベル4の[終末の騎士]とレベル4の[インフェルニティ・デーモン]にレベル1の[インフェルニティ・リベンジャー]をチューニング。[氷結界の龍トリシューラ]をシンクロ召喚だ」
[氷結界の龍トリシューラ] ATK 2700
「効果発動だ。嬢ちゃんの墓地の...いいの落ちてんじゃねぇか。[妖刀-不知火]と手札のそれを除外だ」
場に出るだけで3枚のカードを奪う強力なシンクロモンスターだ
[手札抹殺]により墓地にカードを送っていたため、先攻の召喚でも2枚奪う事が叶った
しかしこれは序章に過ぎない
ただ都合のいいモンスターを墓地に送る手段としてシンクロを経ただけだ
「[ネクロマンサー]の効果発動だ。墓地の[デーモン]を特殊して、効果でデッキから2枚目の[ガン]をサーチしてセットしておく。んで[ネクロマンサー]2体で[インヴォーカー]をエクシーズ召喚。効果でデッキから[アマゾネスの射手]を特殊するぜ」
[アマゾネスの射手] ATK 1400
「さぁ、嬢ちゃんはどう交わす?[射手]の効果発動。[インヴォーカー]と[トリシューラ]を墓地に送って1200バーン与えるぜ」
「良いけど...駄目...チェーン」
幾多の
何も無ければインフェルニティの展開力を前に[射手]は暴れ狂い、あっという間にライフが尽きてしまう
無論この少女が簡単には勝たせてくれない事をシッドは理解している
案の定と言うべきかやはりチェーンが重ねられた
「[幽鬼うさぎ]...破壊する」
「ならダメージだけでも受けてもらおうか」
「...」
銀髪の少女 LP 8000→6800
効果自体を無効化しない[幽鬼うさぎ]の性質上バーンダメージは受けてしまう
しかし効果の元を破壊する事は出来る
1200ポイントは必要経費と割り切っているのか、なんの反応も無く少女は最初で最後のバーンダメージを受け入れた
「さて...ならセットしていた[ガン]を墓地に送るぜ。墓地の[デーモン]と[ネクロマンサー]を特殊。効果でデッキから3枚目の[ガン]をサーチしてセット。さらに[ネクロマンサー]の効果で墓地の[リベンジャー]を特殊」
[インフェルニティ・デーモン] ATK 1800
[インフェルニティ・ネクロマンサー] DEF 2000
[インフェルニティ・リベンジャー] DEF 0
「俺はレベル4の[インフェルニティ・デーモン]とレベル3の[インフェルニティ・ネクロマンサー]にレベル1の[インフェルニティ・リベンジャー]をチューニング、[ワンハンドレッド・アイ・ドラゴン]をシンクロ召喚」
[ワンハンドレッド・アイ・ドラゴン] ATK 3000
「効果発動だ、墓地の[ミラージュ]を除外すりゃ、同じ効果が使える。んで[アイドラ]をリリースして効果発動。墓地の[ネクロマンサー]と[デーモン]を特殊。効果でデッキから[インフェルニティ・ジェネラル]をサーチだ。[ガン]を発動して、効果で[ジェネラル]を捨てておく。これで0枚になったな、[ネクロマンサー]の効果で墓地の[リベンジャー]を特殊だ」
[インフェルニティ・デーモン] ATK 1800
[インフェルニティ・ネクロマンサー] DEF 2000
[インフェルニティ・リベンジャー] DEF 0
「レベル4の[インフェルニティ・デーモン]とレベル3の[インフェルニティ・ネクロマンサー]にレベル1の[インフェルニティ・リベンジャー]をチューニング、この日の元を我らに...[インフェルニティ・デス・ドラゴン]をシンクロ召喚」
[インフェルニティ・デス・ドラゴン] ATK 3000
「墓地の[ジェネラル]の効果発動。自身を除外すりゃ墓地のレベル3以下のインフェルニティ2体を特殊できる。俺は[ネクロマンサー]2体を特殊だ。んで、2体の[インフェルニティ・ネクロマンサー]でオーバレイ、[虚空海竜リヴァイエール]をエクシーズ召喚」
[虚空海竜リヴァイエール] ATK 1800
「効果発動だ。除外されてる[ミラージュ]を特殊。んでさらに効果を使って墓地の[ネクロマンサー]と[デーモン]を特殊。効果で[バリア]をサーチしてセット。[ネクロマンサー]の効果で墓地の[リベンジャー]も特殊だ」
[インフェルニティ・デーモン] ATK 1800
[インフェルニティ・ネクロマンサー] DEF 2000
[インフェルニティ・リベンジャー] DEF 0
「もう1回だ、俺はレベル4の[インフェルニティ・デーモン]とレベル3の[インフェルニティ・ネクロマンサー]にレベル1の[インフェルニティ・リベンジャー]をチューニングして、2体目の[ワンハンドレッド・アイ・ドラゴン]をシンクロ召喚」
[ワンハンドレッド・アイ・ドラゴン] ATK 3000
「さっき見せたな?墓地の[ミラージュ]を除外して効果をパクるぜ。リリースして墓地の[デーモン]と[ネクロマンサー]を特殊。効果で2枚目の[デーモン]をサーチしておくぜ」
[インフェルニティ・デーモン] ATK 1800
[インフェルニティ・ネクロマンサー] DEF 2000
「んでもって俺はフィールドの[虚空海竜リヴァイエール]と[インフェルニティ・デス・ドラゴン]を墓地に送って[旧神ヌトス]を融合召喚だ」
[旧神ヌトス] ATK 2500
「効果も使う。手札からレベル4のモンスターを特殊する。ここでさっきサーチした[デーモン]を特殊するぜ。勿論効果も使って2枚目の[バリア]をサーチだ」
[インフェルニティ・デーモン] ATK 1800
「んで...あ、レベル4の[インフェルニティ・デーモン]と[旧神ヌトス]でオーバレイ、[フレシアの蟲惑魔]をエクシーズ召喚だな」
[フレシアの蟲惑魔] DEF 2500
「[ネクロマンサー]の効果で墓地の[リベンジャー]を特殊。んでレベル4の[インフェルニティ・デーモン]とレベル3の[インフェルニティ・ネクロマンサー]にレベル1の[インフェルニティ・リベンジャー]をチューニング、[オーガ・ドラグーン]をシンクロ召喚だ」
[煉獄龍オーガ・ドラグーン] ATK 3000
「ここで[ガン]を墓地に送る。墓地の[デスドラ]と[デーモン]を特殊して、効果で最後の[バリア]をサーチしてセットだ」
[インフェルニティ・デーモン] ATK 1800
[インフェルニティ・デス・ドラゴン] ATK 3000
「墓地の[忘龍の戦慄-デストルドー]の効果発動だ。ライフを半分払い、フィールドの[デーモン]のレベル分自身のレベルを下げ特殊する」
シッド LP 8000→4000
[忘龍の戦慄-デストルドー] ☆7→3
「これで最後だ、俺はレベル4の[インフェルニティ・デーモン]にレベル3になった[忘龍の戦慄-デストルドー]をチューニング、[月華竜ブラック・ローズ]をシンクロ召喚」
[月華竜ブラック・ローズ] ATK 2400
「ふぅ...待たせたな、俺はターンエンドだ」
ソリティアと形容するのに相応しく長いターンだった
シンクロだけでなくエクシーズや融合まで経た結果、シッドのフィールドはおぞましい龍達が林立する物となった
シッド 手札:0枚 LP 4000
モンスター
[フレシアの蟲惑魔] DEF 2500
[煉獄龍オーガ・ドラグーン] ATK 3000
[インフェルニティ・デス・ドラゴン] ATK 3000
[月華竜ブラック・ローズ] ATK 2400
魔法・罠
リバース4枚
[フレシア]が落とし穴罠の効果による召喚反応系の妨害効果を
[オーガ・ドラグーン]が1ターンに1度魔法・罠の発動を無効に
[ブラック・ローズ]は[フレシア]と少し重複するが、レベル5以上の召喚に反応して強制バウンスを
そして何よりもあらゆる発動を無効にするカウンター罠[インフェルニティ・バリア]だ
そのセットカードに交じって未知のセットもある。ハンドレスにするためだけの意味の無いカードかもしれないが、とにかく盤面にカードが多すぎる
発動条件は[デス・ドラゴン]とハンドレスで満たしており、最も苦しい壁となっている
対して少女は途中2枚失った事から後攻と言うのに手札4枚からのスタートとなる
単純に無効効果が4つあるのに対して全く足りていないのだ
「...[光の援軍]」
「迷わず無効...おっと、そいつはあんまり意味無いな、いいぜ」
シッドは前のターン行った緻密なプレイングとはうって変わり大雑把な戦い方にシフトしていた
それは手札4枚全て無効にすれば勝てるというもの
実際問題永夜河の時はそれで倒す事が出来た
だが今回は[手札抹殺]によって墓地がある
加えて最初の1枚はコストで目的を果たす特殊な1枚
冷静になれ
眠気と疲労で朧気な思考に変わりつつある自分に言い聞かせた
「デッキトップの[ヴォルフ]、[隠者]、[トリック・クラウン]を墓地に送って...[ライデン]を手札に加える...」
「なんだよその頭おかしい落ちは」
「...知らない。[ウォルフ]と[トリック・クラウン]の効果で...自身を特殊召喚」
銀の少女 LP 6800→5800
[ライトロード・ビースト ウォルフ] ATK 2100
[Em トリック・クラウン] DEF 0
「...レベル4の[ウォルフ]と[トリック・クラウン]でオーバレイ、行って[Ark knight]」
[No.101 S・H・Ark knight] ATK 2100
「効果...あなたの[デス・ドラゴン]をこの子の素材にする...」
「させねぇよ。[インフェルニティ・バリア]を発動。その発動を無効にして破壊だ」
少女は[ライデン]の効果を使用せず、間違いなく無効にされるであろうエクシーズモンスターへと繋げた
まずは1枚
無効効果打破へのカウントダウンだ
「...フィールド魔法[不知火-転生の陣]を発動」
「....」
守備力0のアンデットモンスターにまつわる2つの効果を持つフィールド魔法
1つはフィールドに何もモンスターが無いことを発動条件もする、シンプルな蘇生効果
もう1つは除外されているモンスターを墓地の戻す効果
いずれも手札1枚を要求するものであり、可能であれば捨てさせてから無効にしたい
だが効果の発動にはチェーン出来ない[バリア]の性質上止めるなら今だ
「...いいぜ」
「なら効果。除外されている[妖刀-不知火]を墓地に戻す」
少女は手札コストを用いて[トリシューラ]によって除外されていた[妖刀]を墓地へ帰還させた
これからのプレイングが億劫なのか、少女は1度深く呼吸をし直してから続けた
「墓地に送られた[グローアップ・ブルーム]の効果...デッキから[ヴァンパイア・フロイライン]を手札に加えておく...」
「なんだよ、不知火かと思ったらライロにヴァンパイア...良くわかんねぇな」
「...わかんなくていい。墓地の[妖刀-不知火]の効果発動。墓地の[隠者]と一緒に除外して合計レベルと同じアンデットシンクロモンスターを特殊召喚する」
「そりゃ許せねぇな。2枚目の[インフェルニティ・バリア]発動。無効にして破壊だ」
「なら除外された[隠者]の効果。除外されてる守備力0のアンデットを特殊召喚...」
「それは...どうせ出てくるのは[妖刀]だろ、いいぜ」
[妖刀-不知火] DEF 0
[逢魔の妖刀-不知火] DEF 0
「...あ?」
「[隠者]は[転生の陣]がある時、この特殊召喚効果を2体にできる...」
「...あれか、[トリシューラ]の時手札から除外してたのか...許せねぇな、[フレシア]の効果発動。デッキの[姑息な落とし穴]を墓地に送ってその効果を使う。守備表示で召喚されたモンスター全てを除外するぜ」
「...」
あまり見ない落とし穴が発動された
効果はなかなか限定的な物であり、複数同時に巻き込み可能だがやはり使い勝手は良くない
しかしそもそも守備表示で特殊召喚するという効果が増えた今日では使いたい場面が増えているかもしれない
そして今回はシッドの確認不足を補うのに相応しい発動タイミングだった
残る[バリア]は1枚
[オーガ・ドラグーン]と[ブラック・ローズ]を交わしながら突破するにはやはり手札が少なく思える
「...墓地の[馬頭鬼]の効果発動。除外して...墓地の[ゾンビマスター]を特殊召喚する」
「随分墓地が肥えてんじゃねぇか。最後の[インフェルニティ・バリア]だ。無効にして破壊するぜ」
これで3枚
残るは2体のシンクロモンスターだけだ
「ならここで通常召喚、[ライデン]」
[ライトロード・アサシン ライデン] ATK 1700
「効果。デッキトップ2枚を墓地に送る」
「嫌な予感だな」
「デッキトップは...[ウォルフ]、[アンデット・ネクロナイズ]。[ウォルフ]を特殊召喚」
[ライトロード・ビースト ウォルフ] ATK 2100
「またお前か」
「...[ライデン]と[ウォルフ]でオーバレイ、行って[ミネルバ]」
[ライトロード・セイント ミネルバ] ATK 2000
「効果。デッキトップ3枚目を墓地に送って...その中のライトロードの数だけドローする」
「3枚ドローは勘弁してくれよ」
「さぁ...デッキトップは[フェリス]、[ライデン]、[ルミナス]。3枚ドローして...[フェリス]を特殊召喚」
[ライトロード・アーチャー フェリス] DEF 2000
「おいおい...当たり前のように3枚ドローするなよ」
「...知らない、[フェリス]の効果。リリースしてあなたの[ブラック・ローズ]を破壊...さらにデッキトップの[ドーハ・スーラ]、[馬頭鬼]、[異次元からの埋葬]を墓地に送る」
これにより等々残るのは[オーガ・ドラグーン]のみとなった
更には[フェリス]の後の処理、デッキトップ3枚の墓地肥やしが行われ、2枚目の[馬頭鬼]が落ちた
最高に強力な落ちだ
あれだけ苦労したシッドの布陣が音を立てて崩れていた
「...墓地の[馬頭鬼]の効果。墓地の[ゾンビ・マスター]を特殊召喚」
[ゾンビ・マスター] ATK 1800
「効果。手札の[ゾンビキャリア]を捨てて墓地の[ユニゾンビ]を特殊召喚」
[ユニゾンビ] DEF 0
「[ユニゾンビ]の効果。デッキの[馬頭鬼]を墓地に送って自身のレベルを1上げる...」
[ユニゾンビ] ☆3→4
「...レベル4の[ゾンビマスター]にレベル4になった[ユニゾンビ]をチューニング、行って...[戦神-不知火]」
[戦神-不知火] ATK 3000
「効果。墓地のアンデットを除外してその攻撃力を貰う...私は[ドーハ・スーラ]を除外する」
[戦神-不知火] ATK 3000→5800
「最後の[馬頭鬼]、墓地の[ヴァンパイア・スカージレット]を特殊召喚」
[ヴァンパイア・スカージレット] ATK 2200
「1000ライフ払って効果。墓地の[レッドバロン]を特殊召喚」
銀の少女 LP 5800→4800
[ヴァンパイア・レッドバロン] ATK 2400
「レベル6の[スカージレット]と[レッドバロン]でオーバレイ、行って[シェリダン]」
[交血鬼-ヴァンパイア・シェリダン] ATK 2600
「効果、あなたの[オーガ・ドラグーン]を墓地に送る。さらに効果で墓地に送られたモンスターを特殊召喚」
「...ほう」
[煉獄龍 オーガ・ドラグーン] DEF 3000
「...なるほどな」
「バトル」
少女は急ぎ足でバトルフェイズに突入した
狙いは邪魔なモンスターの打破ではなく勝利
だが攻撃力3000の上から殴る事が可能になった[戦神]でも、[デスドルトー]を使用しライフが半分になっているとはいえそこまでの火力差は存在していない
だが活路は見えていた
「[戦神-不知火]であなたの[デス・ドラゴン]に攻撃...この攻撃宣言時に手札の[フロイライン]の効果。特殊召喚」
「そう来ると思ってたぜ。チェーンしてセットしていた[戦線復帰]、墓地の[ブラック・ローズ]を特殊だ」
「...」
[月華竜 ブラック・ローズ] DEF 1800
[ヴァンパイア・フロイライン] DEF 2000
「おっと、レベル5以上を特殊したな?[ブラック・ローズ]の効果発動だ。嬢ちゃんの[戦神]をバウンスするぜ」
「...なるほど」
間違いやすいが、[ブラック・ローズ]のバウンス対象は特殊召喚されたモンスターに限らない
[オーガ・ドラグーン]を奪えたが、手札が残っているため効果も使えなかった
そして今はバトルフェイズの最中。少女は些か早ってしまったのかもしれない
「どうするんだ?」
「...[シェリダン]で[デス・ドラゴン]に攻撃。ダメージステップに[フロイライン]の効果発動。ライフを3000払い、その数値分[シェリダン]の攻撃力を上げる...」
「だろうな...」
「まだある。速攻魔法[アンデット・ストラグル]。さらに1000アップ...」
「...マジか、墓地の[インフェルニティ・ナイト]の効果で代わりに除外するぜ...っ!」
銀の少女 LP 4800→1800
[シェリダン] ATK 2600→6600
シッド LP 4000→400
「ぐぅ...危なかったぜ...流石に目が覚めた」
「メイン2」
これが少女の狙いだった
3種類の効果で[戦神]をパンプアップさせ、残りライフを一気に削りきる
しかし頼みの[戦神]がバウンスされてしまったため与えるダメージは予想よりも下がってしまった
そのためこのバトルフェイズでは倒しきれない
だからこそあまりやりたくなかった手段に出た
「[死者蘇生]を発動...」
「対象は?」
シッドは既に次のターンの事考えていた
[デス・ドラゴン]を残せたのでハンドレスにさえ出来ればまだ戦える
[オーガ・ドラグーン]が奪われたのは辛いが、この[死者蘇生]によってはもっと厳しくなるだろう
だが、蘇生対象は誰もが予想していなかったものだった
「...使えるのか分からないけど、この子」
「......は?」
[アマゾネスの射手] ATK 1400
「おいおい...まじか」
「効果。[シェリダン]と[フロイライン]を墓地に送って...終わり」
禁止カード
話に聞いていたのか知らないが、この少女は«цпкпошп»の中にあったそれらに全く興味を示していなかった
只の適応力かとも思えたが、どうやら関係なかったようだ
ただ自分も使えるのか、この
そしてそれは繋がった
少女の勝利に
シッド LP 400→0
「...これは.....効くな...」
今までに味わったことの無いような
痛みなど覚えた事の無い箇所が鈍く痛むし、五感全てが薄れている
だが不思議と心地よかった
ずっと共に生活してきた眠気と別れを告げられるからだ
深い眠りがすぐ側にある
「よく...寝れそうだ.....な...」
ぶっちゃけどうですか?
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読みたいからやめて欲しくない
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読みたいけど無くなったら読まない
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普通
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無くてもいい
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読むのが億劫