遊戯王が当たり前?→ならプロデュエリストになる! 作:v!sion
◐月下-南大通り / 午前7時40分
永夜川 vs シッド
「さぁて、俺はまず«цпкпошп»を発動するかな。デッキから«цпкпошп»をサーチするぜ」
「構いません」
「あー次は...«цпкпошп»を発動するかな。俺は2枚ドローして手札の«цпкпошп»を除外するぜ」
静かに
どうやら後者の先攻らしいが、あまりにも覇気が無い
のらりくらりと手札や新しく引いたカードを眺めてはあぁでもないこうでもないと1人静かに嘆きながら1枚1枚プレイしている
だが永夜川には目の前の敵がその情報の
「...よし、手札の«цпкпошп»を捨てて«цпкпошп»を特殊召喚するぜ」
«цпкпошп» ATK ?
「そのまま効果発動だ。手札の«цпкпошп»を捨ててデッキの«цпкпошп»を墓地に落とす」
「随分手札を捨てるのですね」
永夜川は今作作戦に参加している学生の中でも唯一プロランクを取得している
だが相反して敵の使う«цпкпошп»に対する経験が他と比べて非常に浅い
故に相手ターン中の観察も念入りに行っていた
今感じたのはシッドが手札を捨てるという行動を多く取っていること。コストなのか効果なのかもイマイチ不明だが、他の効果に繋がる気配が無いことから目的は墓地肥やしにあると見た
「俺はカードを1枚セットして...なんだよそんなに気になるか?墓地の«цпкпошп»の効果を使うんだよ、除外すりゃ手札の«цпкпошп»を特殊召喚できる」
«цпкпошп» DEF ?
「んで«цпкпошп»の効果だ、墓地の«цпкпошп»を特殊召喚するぜ」
«цпкпошп» ATK ?
「特殊召喚に成功した«цпкпошп»の効果だ。デッキから«цпкпошп»をサーチするぜ」
「効果を無効にしない蘇生、テーマ指定ですか」
「聞かれても困るが、まぁそんなもんだ。月に俺は«цпкпошп»2体で«цпкпошп»をエクシーズ召喚するぜ」
«цпкпошп» ATK ?
「効果発動だ、デッキトップ3枚を墓地に落とす」
「また墓地肥やしですか」
「あぁ、まただ。んでさっきサーチした«цпкпошп»を発動するぜ。墓地に送れば墓地の«цпкпошп»2体を特殊召喚できる」
「...?」
«цпкпошп» DEF ?
«цпкпошп» DEF ?
永夜川は今の効果に違和感を覚えた
手札から発動されたためカードの種類は魔法
効果も2体蘇生をアドが取れる効果だが、コストとしてそのカード自体を墓地に送っていた
つまり永続魔法
思い出せそうで至らない記憶に思わず眉間に皺を集めていた
「«цпкпошп»の効果で墓地の«цпкпошп»を特殊召喚するぜ。んで特殊召喚に成功した«цпкпошп»の効果だ、次の«цпкпошп»をサーチするぜ」
「...まさか」
またも効果を維持したままの蘇生だった
それもサーチ効果は先程も使っていたため、名称指定の制限も無い事が予測できる
何かを感じとった永夜川が«цпкпошп»の向こうにいるシッドを見据えると、彼は意味ありげにサーチしたカードの裏表紙をゆらゆらと降ってみせている
そして分かりやすいようにそれをセットした
すると手札は0枚
消費しきったからではなく、わざわざメインフェイズ中にセットを経て作り出したハンドレスだ
「イン...インフェルニティ...ですか」
「ご名答だぜ永夜川の嬢ちゃん」
インフェルニティ
闇属性悪魔族を中心としたシンクロデッキだ
凄まじい展開力のテーマなのだが、それらを可能にする効果は手札0枚の時にでしか発動出来ないと言う重すぎる制約を持つ
プレイングは勿論、構築にも腕が問われる上級者向きのデッキとも言える
つまりあの永続魔法は[インフェルニティ・ガン]だと自ずと分かる
だがシッドの言う事が本当ならば2枚目の[ガン]がいま魔法・罠ゾーンにセットされたと言う事になる
強力すぎるこの1枚は制限カードに設定されているはずなのだ
「これが...
「無視とは少し違うんだが...まぁいい。もう1体の«цпкпошп»で墓地の«цпкпошп»を特殊召喚しておく。んで2体の«цпкпошп»で«цпкпошп»をエクシーズ召喚だ」
«цпкпошп» DEF ?
「効果発動だぜ、デッキから«цпкпошп»を特殊召喚する」
«цпкпошп» ATK ?
「んじゃ、先ずは目付きの悪い兄ちゃんを倒したギミックだ。«цпкпошп»の効果発動、フィールドの«цпкпошп»2体をリリースして、永夜川の嬢ちゃんに1200バーン与えるぜ」
「1200...っ!」
永夜川 LP 8000→6800
「...ダメージを受けた時、手札の[DDD 反骨王レオニダス]の効果を発動します。このカードを特殊召喚し、受けた数値分ライフを回復します」
「お?」
[DDD 反骨王レオニダス] ATK 2600
永夜川 LP 6800→8000
「そしてこのカードがある限り、私は効果ダメージを受けません」
「なんだ、ターン1じゃないのはバレてるのか」
2体ものリリースが必要なだけあり、バーンダメージは比較的高いものだった
が、結果としては永夜川のフィールドにモンスターが増え、今後のダメージが通らなくなったためシッドは2体のモンスターを失っただけに終わった
凛と構えたままの永夜川だが、その頬に一筋の汗が滴っている。安心出来ないのだ
「んじゃぁ...とりあえずセットしていた«цпкпошп»を墓地に送って、«цпкпошп»2体を特殊召喚するぜ」
«цпкпошп» DEF ?
«цпкпошп» ATK ?
「効果でデッキから3枚目の«цпкпошп»をサーチアンドセット。んで«цпкпошп»の効果で墓地の«цпкпошп»を特殊召喚するぜ」
«цпкпошп» DEF ?
「さっき本部で戦った兄ちゃんにトドメを指したモンスターを見せてやるぜ。俺は«цпкпошп»と«цпкпошп»に«цпкпошп»をチューニング、この日の元を我らに...«цпкпошп»をシンクロ召喚」
«цпкпошп» ATK ?
「効果発動だ。永夜川の嬢ちゃんの[レオニダス]を破壊してその攻撃力の半分のダメージを与えるぜ」
「...構いません」
永夜川 LP 8000→6700
破壊とバーン効果により、先程回復した数値を上回るダメージを受けてしまった
が、問題はそれよりも[レオニダス]を失った事にある
このままあの1200のバーン効果を繰り返し使用され続ければ当然いつかはライフが尽き、シッドにとっても難しいことでは無い
「んじゃ、セットした«цпкпошп»。墓地に送って墓地の«цпкпошп»と«цпкпошп»を特殊召喚するぜー」
«цпкпошп» ATK ?
«цпкпошп» DEF ?
「«цпкпошп»の効果で«цпкпошп»をサーチ、んで今度はこいつを通常召喚だ」
«цпкпошп» ATK ?
「«цпкпошп»の効果で墓地の«цпкпошп»を特殊召喚するぜ。そして«цпкпошп»と«цпкпошп»に«цпкпошп»をチューニング、«цпкпошп»をシンクロ召喚だ」
«цпкпошп» ATK ?
「ここで通常召喚した«цпкпошп»の効果を発動。リリースすりゃ墓地の«цпкпошп»と«цпкпошп»を特殊召喚できるんだぜ」
«цпкпошп» ATK ?
«цпкпошп» DEF ?
「«цпкпошп»の効果で«цпкпошп»をサーチ、アンドセット。んでもって«цпкпошп»の効果発動だ。«цпкпошп»と«цпкпошп»をリリースして嬢ちゃんに1200ポイントのダメージを与えるぜ?」
頭が痛くなるような展開力を見せつけながら、シッドは再びバーン効果を発動させた
リリースされたのはサーチ効果を持つ«цпкпошп»と、シンクロ召喚された«цпкпошп»。
また墓地から蘇生しサーチ効果を使うためなのだろうが、問題は永夜川に防ぐ手段があるか否かにあるだろう
「それは通せません。私は手札から[無限泡影]をそのモンスターを対象に発動します。その効果は無効です」
「おっとぉ」
フィールドにカードが存在しない時手札から発動可能な罠。通常今の永夜川のように先攻を取られたプレイヤーが妨害に使用する
まさに命を繋ぐための1枚になり、2枚目のカードを使ったことを加味してもこのターンを生き延びる可能性は広がった
さらにチェーンした事により、コストによるリリースも無駄に終わらせられた。
まだ勝負はわからない
「そんなカードを持ってたんか。じゃあ最後に«цпкпошп»の効果だ。自身と«цпкпошп»をリリースして1200ポイントのダメージを与える」
「それは...仕方ありません」
永夜川 LP 6700→5500
リリースがコスト故に自らを巻き込めば無効効果の範囲外に逃げられる
その性質を利用しシッドは3度目のバーンに至ったのだが、彼の狙いはフィールドを開けることにあるようだ
これでセットカードを残してフィールドにカードが無くなった
「墓地の«цпкпошп»の効果で«цпкпошп»と一緒にデッキに戻すぜ」
その後のシッドはまるで何事も無かったかのように
先程まで先攻で
「最初にセットしていた«цпкпошп»を発動だ。墓地の«цпкпошп»を特殊召喚した後、«цпкпошп»の効果で«цпкпошп»を特殊召喚する」
«цпкпошп» DEF ?
«цпкпошп» ATK ?
「«цпкпошп»の効果でさっきデッキに戻した«цпкпошп»をサーチして発動するぜ。墓地の«цпкпошп»と«цпкпошп»を特殊召喚する」
«цпкпошп» DEF ?
«цпкпошп» DEF ?
「そして«цпкпошп»と«цпкпошп»に«цпкпошп»をチューニング。«цпкпошп»をシンクロ召喚だ」
«цпкпошп» ATK ?
「«цпкпошп»の効果。墓地の«цпкпошп»を除外して同じ効果を使うぜ。自身をリリースして墓地の«цпкпошп»と«цпкпошп»を特殊召喚だ」
«цпкпошп» ATK ?
«цпкпошп» DEF ?
「効果で«цпкпошп»をサーチアンドセット。さらに2体の«цпкпошп»の効果で墓地の«цпкпошп»と«цпкпошп»を特殊召喚するぜ」
«цпкпошп» ATK ?
«цпкпошп» DEF ?
「そして«цпкпошп»をサーチしてセット。んで«цпкпошп»と«цпкпошп»に«цпкпошп»をチューニング、«цпкпошп»をシンクロ召喚」
«цпкпошп» ATK ?
「効果発動だ。墓地の«цпкпошп»を除外して同じ効果...あぁ、リリースして墓地の«цпкпошп»と«цпкпошп»を特殊召喚するぜ」
«цпкпошп» ATK ?
«цпкпошп» DEF ?
「«цпкпошп»の効果で...«цпкпошп»をサーチしてセット。んで«цпкпошп»の効果で墓地の«цпкпошп»を特殊召喚するぜ」
«цпкпошп» DEF ?
何度も見せつけられてきた連続蘇生効果
それに飽き飽きしているのは永夜川の方なのだが、何故か段々とシッドの方に疲れが見え始めていた
手札0枚という枷もあり、インフェルニティは非常にプレイ難易度の高いデッキだが、それにしては失速が分かりやすく見えている
「...眠い」
「は?」
絞り出すような声で呟いたのは三大欲求にもある睡眠欲だった
目の下のクマが物語るように彼が極度の眠気に襲われているのはわざわざ言われなくても分かっている
シッドのその掴みどころのなさに呆気に取られたのか永夜川も不思議な表情を浮かべていた
「眠いんだよ、最高に眠い」
「...」
「あぁあ分かっているよ、«цпкпошп»をシンクロ召喚するぜ...」
«цпкпошп» ATK ?
随分投げやりにシッドはターンを終えた
戦争中とは思えない程緊張感の無さに永夜川は一瞬気が緩んでしまったが、何とか回ってきた自分のターンだ
手札は後攻でありながらも4枚からのスタートとなる
永夜川にとって通常ならなんとかなる圏内だが、フィールドの«цпкпошп»を見ると言葉も浮かんでこなかった
シッド 手札:0枚 LP 8000
モンスター/«цпкпошп» ATK ?
/«цпкпошп» DEF ?
/«цпкпошп» ATK ?
魔法・罠 /リバース3枚
「...私は[ハーピィの羽根帚]を発動します。貴方の魔法・罠カード全て破壊します」
「セットしていた«цпкпошп»を発動だ。その発動を無効にして...破壊する」
サーチしていた«цпкпошп»がその猛威を見せつけた
効果は単純且つ強力な発動の無効と破壊
インフェルニティデッキと分かっているため、自ずと[インフェルニティ・バリア]だと判明する。[バリア]はカウンター罠であり、やはり強力なカードである事を再認識させられた
だがそれだけでは無い
シッドはサーチした3枚のカード全てをセットしている
余程のことが無ければそれら3枚とも[バリア]だと思っていた方がいいだろう
対して永夜川の残り手札は3枚
未だ止まらない冷や汗が瀬戸際に立たされている事を示していた
「なら手札の[DD スワラル・スライム]の効果を発動します。手札のこのカードを含む含む融合素材を墓地に送り、DD融合モンスターを...」
「いや、ダメだな...«цпкпошп»でその発動を無効にして破壊だ」
2枚目
永夜川の手札は残り2枚
シッドのセットカードは1枚となった
[ケプラー] ATK 0
「効果を発動します。デッキから契約書カー「ダメだ、«цпкпошп»で無効だ」
「ですがこれで...」
3枚目
シッドのカウンター罠全てをくぐり抜けた後には、たった1枚の手札しか残らなかった
故にその発動を悩む必要も無い
空いた魔法・罠ゾーンを睨みながら発動した
「手札から永続魔法[地獄門の契約書]を発動します。1ターンに1度デッキから...っ!」
サーチするカードは決まっていた
だが、シッドもチェーンする事を決めていたのだった
セットカードでは無くフィールドに鎮座していた«цпкпошп»の効果を
「フィールドの«цпкпошп»の効果発動」
「なっ...」
「ターン1で相手の魔法・罠を無効にして破壊する...ぜ」
音を立てて永夜川の永続魔法が砕け散った
最後の1枚が
「良くやったよ、永夜川の嬢ちゃんは」
「...まだ」
「いや、もう終いだ」
何もプレイするカードも手段も無い永夜川にはターンを進行する権利が無い
故にターンが回る
だがシッドも唯一の手札を確認すると、それを消費する手段が無いようで悩んだ末バトルフェイズに入った
もうハンドレスを維持する必要も無いからだ
「«цпкпошп»でダイレクトアタックだ」
「...くっ!」
永夜川 LP 5500→2500
「次に«цпкпошп»で殴ったら俺の勝ち...だかもしかして1ターン恵んで欲しかったりするか?」
「...」
まるで本心かのような口調で問うた
絶対的勝利を確信しているからではなく、後1ターンと1枚あればどうにかできるのかと期待の意味もあるようだ
だが永夜川の沈黙は続かなかった
凛とした姿勢は、どんなに窮地になっても崩さないでいた
「...いいえ、要りません」
「......いい
呆気なかった
短い会話の末に命じた攻撃命令も、シッドの期待も永夜川の
永夜川 LP 2500→0
永夜川 LOSE
ーーーR D Cーーー
ーーー城外ーーー
○医療班駐屯地
→大神忍 (負傷中) →オキナ(負傷中)
→鬼禅義文(負傷中)
▷黒川美姫
▷近藤虎鉄
→
◐北大通り
▷皇崇人 →ジャヴィ(負傷中)
▷劉毅透織 →海堂晶(負傷中)
▷海堂一樹 ▶氷染菫
▷草薙花音 ▶形谷操人
▷西条麗華 ▶︎黒服 31名
▷
◐北側大通り→駐屯地
▷東野圭介(移動中)
▷古賀拓郎(移動中)
→齋藤健太(負傷中)
→早乙女哲夫(負傷中)
◐南大通り
▷村上慎也 →カムイ(負傷中)
▷渡邉逸之 →グラス(負傷中)
→永夜川文佳(敗北) ▶シッド(勝利)
→山本薫(負傷中) ▶
→南結衣(負傷中)
→新田優介(負傷中)
→新妻友奈(負傷中)
→島崎春磨(負傷中)
ーーー城内ーーー
〇
→秋天堂光(負傷中) →ガンリ(負傷中)
▷灰田光明
〇
▷蛭谷颯人 →蛭谷楓希
〇メインコンピューター室
→灰田輝元(負傷中)
→須藤余彦(負傷中)
〇???
▶知樹
◑
▷戦闘可能 : 24名
▷精鋭 : 13名
→負傷中 : 13名
→非戦闘員 : 20名
→消息不明 : 2名
◐
▷戦闘可能 : 71名
▷
→負傷中 : 129名
→捕虜 : 93名
◐ガルナファルナ
▷戦闘可能 : 0名
▷天禍五邪鬼 : 1名
→負傷中 : 30名
→捕虜 : 104名
ぶっちゃけどうですか?
-
読みたいからやめて欲しくない
-
読みたいけど無くなったら読まない
-
普通
-
無くてもいい
-
読むのが億劫