遊戯王が当たり前?→ならプロデュエリストになる!   作:v!sion

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お待たせしました、長いです。
そう言えばダークネオストームで初の20thシクでました!しかも[儚無みずき]ちゃんでした、すげぇ嬉しい



第百六話 光の妖仙 vs 獣戦士の白Ⅱ

◐月下-医療班駐屯地 / 午前5時40分

 

『大神!死なないで!』

『忍!生きろ!』

 

「ぐぅ....っ」

 

 

S・D・T(スペシャル・デュエリスト・チ-ム)の医療班は外傷だけでなく決闘撃痛(デュエルショック)によるダメージも診る。ここはゲートを通ってきたトラックとは少し異なり、医療用の設備が充実した簡易的な病室のような構造になっている

 

先客は黒川

(フロ-)のオキナに敗れた彼女は草薙と西条に連れられここまでやってきた。遅れて現れたのは同じく(フロ-)に敗北した大神と鬼禅。鬼禅は呻き声1つもあげずにただ硬いベットに倒れている。が、大神に関しては少し違う。彼のみに宿る精霊イデアとエイドスが必死の看病?に勤しむためか痛み以外の呻き声がチラホラ聞こえる

 

黒川もそうだ。まだ戦える等と必死に口にしているが、その度に傍らの医療班に窘められていた

敗北によるダメージは大きい。外部から決闘力(デュエルエナジ-)を安定させる装置が休み無く起動しているが、いつ回復するかも、この戦争にまた戻れるかも分からない

 

慎也の様に精霊が治せる訳でもない

すぐ外で彼らを守るために戦う音が聞こえても、ただ横になって身を預けることしか出来ないのだ。それがジレンマにも屈辱的にも感じられていた

 

 

「騒がし...わね.....」

 

「外の音かい?みんな頑張ってくれているんだ、君も諦めるな!」

 

「...ちが」

 

 

この医療班のスタッフは特に黒川の事が気がかりだった。精鋭としては若く、最初の敗北者に加えて相手は(フロ-)。そして専属のプロ達に負けない程に執着が強い。このように監視でもしていなければまた戦場に出てしまうかもしれない。

 

そして何よりもダメージが未知数だった。聞くところによると彼女は特殊敗北したらしい。まだS・D・T(スペシャル・デュエリスト・チ-ム)全体に決闘撃痛(デュエルショック)緩和の経験が浅い中で、実に初の試みでもある。このまま戦争が終わるまでベッドの上なんて事も考えられ、下手をすると後遺症の可能性もある

 

本人よりも心配だった

今は外への対応で人手が限られているが、幸いにもまだ運ばれてくる負傷者は少なく、ほかの2人も安定している。

だが黒川に毛布をかけ直すと、隣の大神がぎこち無い動きで起き上がろうとしている所だった

 

 

「ちょっと大神さん!貴方もまだ動いてはいけません!」

 

「外には...出ない」

 

 

彼の制止等構いもなしに大神は負傷負傷と言った具合に黒川の元までやってきた

また黒川もそれに気づき、何事かと大神の顔を見上げると、しばし沈黙が生まれた

 

大神にとって守るべき、未来を保証するべき生徒だ。それがこんな事になってしまったのが余程悔しいのだろうか。優しい手つきで彼女の額に手を触れると、黒川もまた瞳を閉じた

 

 

「何を...?」

 

「これは賭けだ」

 

 

一瞬黒川の決闘力(デュエルエナジ-)を読み取る機械が荒れた。決闘力(デュエルエナジ-)に変化が現れたのだが、あまり良い変化では無い。落ち着きがなく、忙しない”動き”が見られ始めた

 

大神が何をしているかなどこのスタッフには分からない。だが賭けという単語と、この変化を見れば彼が何かをしていることは分かる

止めることはできなかった

危険なら立場上止めるべきなのだが、これは彼には到底理解できない境地の話なのだと控えめには理解していた

 

村上慎也の報告にもあった

精霊による決闘力(デュエルエナジ-)の操作

だが彼女は精霊を持たないと聞いている。まさか他者の精霊でもそこまで干渉出来るというのか

 

 

「...大神さん、本当にそんな事が?」

 

「少し.....集中したい」

 

 

それが賭けという事か

相変わらず彼らの理解の外にある出来事だ

 

今彼に見守る以外に出来ることは何かあるだろうか

 

 

 

 

ーーー

ーー

 

 

 

失彩の道化団(モノクロ・アクタ-ズ)本部内通路

 

秋天堂 手札:4枚 LP 4800

 

モンスター/ [妖仙獣 凶旋嵐] ATK 2100

 

魔法・罠 / [修験の妖社] 妖仙カウンター4

 

     / [炎舞-「天璣」]

 

     / リバース1枚

 

スケール / [妖仙獣 右鎌神柱](5)

 

     / [妖仙獣 左鎌神柱](3)

 

 

ガンリ 手札:2枚 LP 1650

 

モンスター/ なし

 

魔法・罠 / なし

 

 

「私のターン!」

 

 

バウンスされたセットカードと今の通常ドロー。それらを合わせてもガンリの手札は3枚

フィールドには1枚もカードは残っておらず、少なからず1度は効果を無効にされてしまう

 

ライフも限りがある。誰が見ても劣勢

それなのにガンリは凛として、秋天堂は正体不明の悪寒すら感じていた

立場と感情は入り乱れている

 

 

「まずは«цпкпошп»を特殊する」

 

 

召喚権を使わない特殊召喚だ

先攻にあったようにまたサーチを行うモンスターだろうかと予想するが、それとは明らかに異なる点があった

 

それは

 

 

[海亀壊獣ガメシエル] ATK 2200

 

 

「これは...」

 

「あんたにやるよ、[凶旋嵐]を貰う代わりにね」

 

 

«цпкпошп»がこちらに移ると正体を現す事は知っていた。壊獣の性質上その殆どは«цпкпошп»化しないだろうと理解は早かった

 

だが問題はここから

[妖仙獣の秘技]の発動条件は妖仙カードがある時。まだスケールは残っているため発動可能に見えるが、妖仙獣以外のモンスターがいない時のみ発動可能というテキストもある。

故に発動不可能となった

 

通常妖仙獣では考えられない状況だ。壊獣のようなモンスターは本来の妖仙獣には刺さらない。[凶旋嵐]が残ってしまったばかりに産んだ誤算だ

 

 

「これでもう邪魔はないね」

 

 

だがガンリの手札は残り少ない

見えてきたモンスター達も攻撃力が低く、受け取った[ガメシエル]と手札の[大幽谷響]があれば守り切れるとも思える

 

 

「«цпкпошп»を特殊、効果でデッキから«цпкпошп»をサーチしてこいつも特殊。2体で«цпкпошп»をエクシーズするよ」

 

 

«цпкпошп» DEF ?

 

 

「効果でデッキから«цпкпошп»を特殊」

 

 

«цпкпошп» DEF ?

 

 

「こいつ一体でエクシーズ召喚する。«цпкпошп»の上に«цпкпошп»、さらに«цпкпошп»を重ねてエクシーズ」

 

 

«цпкпошп» DEF ?

 

 

「«цпкпошп»の効果ORUを使ってデッキから«цпкпошп»を特殊。んで«цпкпошп»を重ねる」

 

 

«цпкпошп» DEF ?

 

 

「«цпкпошп»の効果、ORU使って«цпкпошп»をサーチ。もう1回効果で今度はデッキから«цпкпошп»を特殊」

 

 

«цпкпошп» DEF ?

 

 

「じゃあ«цпкпошп»を通常する」

 

 

«цпкпошп» ATK ?

 

 

ここで漸く通常召喚権を使用した

恐らくサーチをしたモンスターだろう。何も無かったフィールドには気がつけば5体目のモンスターが並んでいる。

 

 

「効果使う。フィールドの獣戦士モンスターのレベルを8にする。んで3体の«цпкпошп»で«цпкпошп»をエクシーズ」

 

 

«цпкпошп» ATK ?

 

 

「効果、ドローする。んでそれがモンスターだと相手に800バーン与える」

 

「仕方ないね」

 

「んじゃドロー。ほら見なよ、モンスターじゃない」

 

「見えないけどね」

 

 

相手にも確認させる効果のようだ。秋天堂の決闘(デュエル)ディスクにもドローしたカードの詳細が映るが、案の定«цпкпошп»だ

 

バーンダメージはモンスターである事しか参照にしないため、引いたカードがモンスターか否かのみ判明する。結局の所こちらが得ることの出来る情報は限りなく少ないのだ

 

 

「この効果はターン1じゃない、ターン3だ。2回効果使う、モンスターとモンスターじゃない奴だ」

 

「800バーン...くうっ!」

 

 

秋天堂 LP 4800→4000

 

 

本来の効果であるバーンダメージは比較的少なく抑えられた。が、ガンリの手札は4枚まで増えている。そしてその殆どが魔法・罠だ。次のターンに控えられるセットカードは多くなりそうだと、落胆と警戒が強い感情が生まれていた

 

 

「«цпкпошп»を発動。墓地の«цпкпошп»5体をデッキに戻して2枚ドロー。そんで«цпкпошп»を発動」

 

 

そのカードは手札から発動され、フィールドに残った

ペンデュラムスケールか永続魔法なのだろうが、恐らく後者。片割れを用意する気配も無く、そのまま効果を発動しようとしているからだ

 

 

「«цпкпошп»の効果、フィールドの«цпкпошп»を破壊してデッキから«цпкпошп»を特殊する」

 

 

«цпкпошп» DEF ?

 

 

「«цпкпошп»に重ねるよ。«цпкпошп»をエクシーズ。さらに重ねて«цпкпошп»。効果で墓地の«цпкпошп»を特殊。さらに効果でデッキから«цпкпошп»を特殊」

 

 

«цпкпошп» DEF ?

 

«цпкпошп» DEF ?

 

 

「最後に«цпкпошп»を重ねる。効果で墓地の«цпкпошп»をフィールドの«цпкпошп»の素材に。さらに効果でデッキから«цпкпошп»を特殊」

 

 

«цпкпошп» DEF ?

 

 

またもフィールドに5体のモンスターが並んだ

異常なアクセスの強さと展開力に最早驚くことなどしない。

 

 

「2体の«цпкпошп»で«цпкпошп»をエクシーズ。そして私はカードを2枚セットしてターンエンド」

 

 

ガンリ 手札:2枚 LP 1650

 

モンスター/ «цпкпошп» ATK ?

 

     / «цпкпошп» DEF ?

 

     / «цпкпошп» DEF ?

 

     / «цпкпошп» DEF ?

 

魔法・罠 / «цпкпошп»

 

     / リバース2枚

 

 

 

「...これは」

 

 

秋天堂に通常ドローが許された

5枚目の手札なのだが、その内の殆どが相手に露呈したもの。

 

そして何よりも相手フィールドのカードが多すぎる。攻撃こそされなかったが、気がつけばたった2枚の手札で、厳密にはたった1枚のカードからここまで展開されてしまった

 

妨害札は何枚あるのだろうか

こちらは無駄に使えるカードなど無く、スケールもエンドフェイズに消えてしまった

[「天璣」]の回収も前のターンで出来ていない。[秘技]も[大幽谷響]も使うタイミングすら存在していなかった

 

 

「...」

 

 

圧倒的で絶望的な状況だ

何が悪かった?

[凶旋嵐]を残して[ガメシエル]を許してしまった事が?

[大刃禍是]の存在から攻めに回りすぎ、[「天璣」]の回収を怠った事か?

[ドロール&ロックバード]と[増殖するG]を見誤り、プレイングに支障を出してしまった事か?

そもそも前のターンで削りきれなかった事か?

 

そして何よりこの盤面を覆す事が可能なのだろうか

 

 

「ほら、早くしな」

 

「...うん」

 

 

手札は[神颪]、[閻魔巳裂]、[鎌弐太刀]、[大刃禍是]と今ドローしたカード。[妖社]のサーチは可能だが、恐らく通らない

 

セットカードは未知数

何を囮にするべきか等考える余裕は無い。最悪の場合全てのカードが無効にされる恐れもある

 

突破は不可能なのだろうか

 

 

 

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‐3年前‐

 

秋天堂に”それ”が見えるようになったのは彼女が聖帝大学に入学して半年が経つ頃。

 

 

「でさー、千夏もうちの大学目指してるんだってよー」

「へぇ、例の彼氏も?」

「いやその子は暁星だって」

 

「...」

 

 

何気なく世間話をする女大生。秋天堂が、友人でも顔馴染みでも無い彼女達に目をやるのは、会話の内容が気になるからではない

 

その辺にいる”それ”が気になるのだ

 

 

『お前のマスターやっぱ見えてねぇよ』

『あぁ、もう3日もこんな感じだ。やっぱ適合は無いんだな』

『そうだぜ、もう帰ろう』

『んだな』

 

 

聞こえる。見える”それ”は明らかに聖帝に通う学生では無い。この世のものとは思えないが、どこか見覚えのある姿

 

音ではなく耳に通るような声

輪郭はあれどもどこか溺れげな肉体

瞬きした刹那にはもう見えない姿

 

お互いに干渉し合うことも無く、ただ見えるだけ

 

 

「...」

 

 

初めは思春期特有か、受験疲れによるものかとも思えた。”それ”は人間と会話もままならず、また何かに触れる事も何かをしでかす訳でもない

 

そして何よりも彼女自信に語りかける事は無い

無論接触もない

何時も見える訳では無いが、見える時はいつもただ遠巻き”何かいる”程度の観察に終わるだけだった

 

 

「〜であるからして」

 

「...」

 

 

いつも突拍子も無くその時は訪れる

講義中だろうと、帰路に着いた時だろうと、自宅からぼんやり外を眺めている時だろうと見える時は見える

 

 

一度両親に相談した事があった

大学進学をきっかけに独り立ちした娘が帰ってきたと思えばこのような相談をするのだ

気が触れたのかと思われた

 

そこから提案されたのは医者へ進める事ではなく、神頼みだったのだ

 

 

「見える人って言うのは僕らの親戚にも何人かいたからね」

 

「はぁ...」

 

 

決して大きくは無い神社

秋天堂もどんな神様を祀っているのかは知らず、ただ親戚に神に仕える者達がいる程度の認識しかなかった

 

色んな人達に相談しておいてなんだが、特別見える事に困ってはいなかった秋天堂だが、その好意を無駄にするのも気が引けた

だがやはり効果は無かった。比較的忙しいその親戚の手を煩わせるのも、なんの変化が無いことも嫌に思えた頃、気がつけば手伝いも始めていた

 

これが彼女がバイトをするきっかけだった。

気がつけばどちらを目的として通っているかも忘れかけていた頃、彼女の出会いは訪れた

 

 

「...あれは?」

 

 

”それ”がデュエルモンスターズのモンスターと姿が酷似していると気づいたのはその男性との出会いがきっかけだった。

彼女の友人がそれと同じモンスターを使用している事から、”それ”の正体は直ぐにわかった

 

 

「...」

 

『大神、またあのすいーつが食べたいです』

『忍、前に食べれなかったアレが食べたい』

 

「...外では話しかけないでくれ」

 

「相も変わらず元気な精霊だな」

 

 

”それ”、いや”それら”は明らかにその人間と意思疎通出来ていた。今まで”それ”が見えてきた彼女にとっても、”それ”がこの世の人間と意思疎通出来ているのは初めて見た

 

 

「あれは...学園長?」

 

 

加えてそれは彼女も知る人物。隣にいる男性については見た事も無いが、大学関係者だろうか。そしてどうやら彼にも大神の肩に乗る”それ”が見えている様子だ

 

本当に偶然の出来事だ、5限終わりの暇に講義で使う書籍を探していた頃、偶然彼と”それら”の会話を聞いたのは

 

後を追うと決心する事は無かった。まさに無意識に秋天堂は彼の後を辿っていたのだ

人気も少ない構内をしばらく歩いていると、学園長室の前までやって来ていた

 

大神は”それ”を肩に乗せたままもう1人の男性と入室すると、扉は閉められた。ここまでだ、特に目的も無く行っていた尾行も終着点。

 

だが、意図せず聞こえた会話は彼女の興味をさらに引きたててしまった

 

 

S・D・T(スペシャル・デュエリスト・チ-ム)への資料、出来たのかね?」

 

「まだです」

 

 

S・D・T(スペシャル・デュエリスト・チ-ム)

普通に日常生活を過ごす秋天堂でも聞いた事のある単語だ。確か警視庁とで差別化された遊戯王の警察。平和な聖帝大学がS・D・T(スペシャル・デュエリスト・チ-ム)を呼ぶ事など聞いたことも無いが、何か事件でもあったのか

 

資料とは何か

学園長にS・D・T(スペシャル・デュエリスト・チ-ム)が求めるものとは何か

突如現れた不穏な空気と異質な会話を前に、秋天堂は立ち去る事など出来ないでいた

 

 

「現状で構わない。希望となり得る生徒はいたかね?」

 

「...」

 

 

また新たな単語だ

希望、生徒。やはりもう1人の男性はS・D・T(スペシャル・デュエリスト・チ-ム)関係者だ。それも大神に指示出来る立場にある人間

 

何故聖帝の学園長である大神がS・D・T(スペシャル・デュエリスト・チ-ム)の関係者と?

依然謎は深まるばかりだった

 

 

「3年の編風はやはりプロを目指すようです。4年の獅童もプロランクを上げたようですし、お声をかけたら良いでしょう」

 

「その2名は前に聞いた。今年の1年はどうなのかね?」

 

「...小鳥遊有栖という子が入りましたが、獅童と似た決闘力(デュエルエナジ-)が観測されました。恐らく精霊持ちかと」

 

 

精霊とまた新たな単語の出現と同時に聞き覚えのある名前も聞こえだした

編風に獅童。前者は構内のイベントでもよく見る凄腕の決闘者(デュエリスト)。前にプロを目指すという話も聞いたが、その事を話しているのだろう。

後者の生徒は見た事が無い。既にプロランクを取得しており、構内よりもテレビで見ることの方が多いかもしれないこれまた凄腕だ。小鳥遊という名前は聞いたこともない。学年は同じようだが、決闘力(デュエルエナジ-)とは何の事なのだろうか

 

だが希望と精霊については凡そ分かった。秋天堂が稀に見える”それ”が精霊であり、希望とは聖帝大学を通して一種のスカウトのようなものの対象か。

 

となるとやはり気になるのは大神の立ち位置。ただ情報を提供しているだけなら解せない。メリットもそうだが、それよりも彼がそんなことをするようにも思え無いからだ

 

何よりも生徒を尊重し、正しき方向へ導く学園長。自ら教壇に立つこともあり、入学式でもその筋の通った姿勢とカリスマに彼女自信心打たれたものだ

何故

何故彼はこんな事をしているのだ

疑問は膨れ上がり、思わず扉に体重を乗せすぎていたようだ。薄暗い廊下に光りさしたかと思うと、彼女の体は学園長の中へと倒れていた

 

 

「...あっ!」

 

「.....」

 

 

当然大神らの視線を集めてしまった

だが無言。嫌に居心地の悪い沈黙だ

 

やがて大神の向かいに座っていた男性はため息共に葉巻を取り出すと、丁寧に火を灯し煙を吸い込んだ

それを合図に大神は立ち上がると、近くにあった戸棚から灰皿を取り出し、その男性の前へ置いた

 

あまりにも秋天堂に意識がないからか、思わず彼女は大神に向かって声を上げた

 

 

「あ、あの!」

 

「...安山総帥、彼女の事は私に一任して頂けませんか?」

 

 

だが会話にはならなかった

安山と呼ばれた男性と何か別の話をし始め、また秋天堂は蚊帳の外に置かれた

 

何が何だか分からない

聞き耳を立てていた彼女は叱咤される事も、退室を命じされる事もなく、ただ存在を無視されているかにおもえた

 

自分はどうなってしまうのか、下手すると退学だろうか。それだけではなく正体不明の何かに巻き込まれるのだろうか

若しかすると既に足を踏み入れているのかもしれない

 

だとするとまだ口が自由な内に聞いておきたかった。彼女が口を挟むのはそれからすぐのこと

 

 

「が、学園長さん...どうしてですか?」

 

「...何がかね?」

 

「その人とはどのような関係なんですか?希望って、精霊ってなんですか!?」

 

 

大神の表情が曇るのが見えた

やはり聞かれていたと言いたげな表情は、その安山にも見える

 

聞くべきことでは無かったか、秋天堂がそう反省するよりも早く安山は立ち上がり短く告げた

 

 

「大神忍、初歩的なミスだ。最早彼女の記憶処置は避けられない」

 

「...」

『あ、あの子は図書館に居た!』

『お、あいつは本を見ていた!』

 

「何?君達、気づいていたなら何故...」

 

 

大神が自らの肩にのる”それら”と何か揉め始める。どうやら”それら”には秋天堂の存在が知られていたらしく、大神はそれを告げなかった事を攻めだした

 

大神は再び安山に向くと、秋天堂については全く逆の事を懇願し始めた

 

 

「安山総帥、この件は全面的に私のミスです。どうか彼女については私に...」

 

「それは無理な願いだ」

 

 

今度は安山と言い合いを始めた

秋天堂の処遇についてだ。安山が告げた記憶処置とは漫画やドラマの世界でしか聞いた事の無い事であり、全く想像がつかない。大神としてはどうやらそれを避けたい様子だ。最早口を挟む気力も無く、秋天堂はただ成り行きを見守る事にした

 

視線の先に困ったので、アワアワと慌てている2人の”それ”を見つめていた。今まで見えていた”それ”よりも、随分ハッキリ見えるからか見ていてあまり退屈はしなかった

 

が、それが彼女の運命を分ける行動となった

視線に気づいたのは安山が早く、秋天堂に”それ”が見えることは大神と安山に伝わってしまったのだ

 

 

「...まさか君は見えるのかね?」

 

「えっ...見えるって、大神の肩に乗ってる...イデタとエイドス...?」

 

 

 

 

 

*

 

 

 

 

 

そこからは早かった

大神とS・D・T(スペシャル・デュエリスト・チ-ム)の事

精霊、英世界、決闘力(デュエルエナジ-)について

 

そして秋天堂自身が希望としてS・D・T(スペシャル・デュエリスト・チ-ム)にスカウトされた事

まさか自らがそれに該当するとは思いもし無かったが、あれだけのことを聞かされて記憶処置したくださいと彼女には到底言えなかった

 

言うつもりもなかった

一度は疑いもした大神についても、自分が見えてきた”それ”の正体についても知った今、黙って日常生活に戻る方が無理があると思える

 

 

そこから3年がたった今も尚彼女は大神を慕っていた。S・D・T(スペシャル・デュエリスト・チ-ム)として、大神の部下として、聖帝の生徒として。実際に戦場へ駆り出された今この瞬間でさえ、大神への敬意は薄れた事が無かった

 

 

 

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

 

 

「...っ!」

 

 

絶望的な状況を前に、諦めにも近いそれを抱いてフィールドを見渡すと、とある兆しが見えた

 

相手のモンスターと、自らのセットカードだ

試してみる価値はある。と言うよりかはそれ以外に商機は恐らく存在しない

 

 

「.....まずは[鎌弐太刀]を通常召喚するよ」

 

 

[妖仙獣 鎌弐太刀] ATK 1800→1900

 

[修験の妖社] 妖仙カウンター4→5

 

 

「効果を発動するよ」

 

「...いいよ」

 

「じゃあ[ガメシエル]をリリースして、[閻魔巳裂]をアドバンス召喚する」

 

 

[妖仙獣 閻魔巳裂] ATK 2300

 

[修験の妖社] 妖仙カウンター5→6

 

 

「なるほどね、召喚成功時«цпкпошп»をチェーン。デッキから«цпкпошп»を落として、同じ効果を使う。あんたのヤマミサキを破壊して除外する」

 

「[奈落]...かな?」

 

 

まずはフィールドのモンスター効果を使わせた。風属性以外のモンスターとの戦闘に強い[閻魔巳裂]を失うのは少し辛いが、バトルフェイズに急ぐ事はしなくて済む

 

前のターンに突如バトルに移った事と、効果を温存しすぎた事を悔やんだようなプレイングだ。このターンでは確実に秋天堂の一手を止めにかかっている

 

 

「じゃあ...[妖社]の効果を発動するよ」

 

「それもダメ。«цпкпошп»の効果をチェーン。ORUを使ってそのカードを破壊」

 

 

永続魔法故にフリーチェーンの破壊により簡単に不発となる。これで想定していたモンスターによる妨害は終焉を遂げた。後は背表紙を見せるセットカードがどのような効果を持つか

 

通常召喚を使った今、残されたカードは少ない

 

 

「じゃあ[神颪]だ。デッキから最後のスケールを持ってきたい」

 

「いいよ」

 

 

秋天堂の手札には[大刃禍是]が控えている。スケールの用意と、ペンデュラム召喚さえ宣言さてしまえば2枚のカードを奪う事が出来る

 

だが最早悠長な事は言ってられない

[次元障壁]で動きを制限しても、フィールドをがら空きにしても彼女は独自の展開力で秋天堂に立ち塞がってくる

 

ここは手を緩めてはいけない

残りライフ1650を削るにはモンスターが多く、その殆どが守備表示だ。セットカードも2枚残っており、一見難しくも見えるが穴はある。そしてここまでは想定通りにガンリは動いてくれた

 

 

(....あのモンスターはやっぱり)

 

 

ターン3とガンリが宣言していたモンスター。素材も多く、ランクは8と分かっている。そして唯一無二の効果。知っていれば分かるモンスターだ

 

 

([ベアーマン]からの[ジャイアントレーナー]だ。確か攻撃力は...2800)

 

 

高い攻撃力からか、攻撃表示で鎮座している

そこに超過ダメージ1650を与えるには、実に攻撃力4450のモンスターが必要。

 

ガンリは恐らく無意識のうちにカードの温存を避けている。召喚反応系と、フリーチェーンによる破壊を既に使い切ったのは、これが関係しているだろう

 

無理もない。今はライフも少なく、気がついた時に発動タイミングがなかった等とこの終盤にはあってはならない事だ。

カードのやり取りだけでなく、相手の心理までプレイに組み込むのはとある決闘者(デュエリスト)の受け入りだった。

 

 

(...大神さん、相手の心理を読むプレイング、上手くできていますか?)

 

 

初ターンから今までを見据えていた訳では無いが、彼女が慕う決闘者(デュエリスト)のように心理を組み込むことは出来たと自負した

 

あの日秋天堂が大神の直属の部下となった時から、今の今までS・D・T(スペシャル・デュエリスト・チ-ム)という肩書きだけを受け取っただけでは無い

時には生徒と教授の関係、時には上司と部下の関係として大神の後に続いてきた

月下との戦争中の今。まさにこの時のために今まで技を磨いてきたのだと言える。彼が得意とする心理学。それを自らの決闘(デュエル)に応用し始めたのはつい最近の事だが、それも今は上手くいっている

 

 

(相手に複数の選択肢がある場合、自分が確実に取れる手を温存するよりも、相手が最も嫌悪するパターンを示唆する事で誘導する)

 

 

大神の教えだ

展開力とカードの数に優れた先攻を秋天堂が突破した事により、ガンリはこのターンカードの温存を避けるべく誘導通りにカードを発動した

既述だがここまでは秋天堂の想定通りなのだ

 

 

「じゃあ[右鎌神柱]の効果を発動だ、自身のスケールを11に変更するよ」

 

「チェーン。«цпкпошп»を発動、手札を捨ててそのスケールを除外する」

 

 

やはりスケールが狙われた。スケールを置く、スケールを変更すると優先権が何度も移る関係上チェーンブロックを作らないペンデュラム召喚とはいえ隙が非常に大きい

 

だがこれも想定内

一瞬お互いに存在を忘れていたあのカードの出番だ

 

 

「セットしていた[妖仙獣の秘技]を発動するよ、今は発動条件を満たしているからね。その発動を無効にして破壊だ!」

 

「あったねそんなの...チッ、仕方ないね」

 

 

最も発動したかった相手ターンには[ガメシエル]がその発動条件を阻害していた

まさか自分のターンに発動するとは思っていなかったが、ガンリの意表を突く事には成功した

 

[右鎌神柱]のスケール変更が済むと、いよいよペンデュラム召喚だ。ペンデュラム召喚が無効化されない[大刃禍是]がフィールドに降り立つのはほぼ確定している。召喚反応系もフリーチェーンの破壊も使用済み。

 

問題の攻撃力もペンデュラム召喚後に解決可能だった

 

 

([大幽谷響]のサーチ効果で[辻斬風]を持ってくれば...)

 

 

[大刃禍是]と[大幽谷響]をペンデュラム召喚する手筈だ。ダメージは大きいが、[大幽谷響]で攻撃表示の«цпкпошп»に自爆特攻すれば[辻斬風]がバトルフェイズ中にサーチできる

ダイレクトアタック可能な[鎌弐太刀]は単体で950ポイントのダメージが稼ぐ事が出来きる。

加えて[辻斬風]の効果を使用し、[大刃禍是]でそのモンスターに攻撃すれば超過ダメージは1200。合わせるとガンリの残りライフを上回る値になる

 

残るセットカードも悩まされるが、3枚目の除外効果はあまり考えられず、あの先攻に発動された効果無効のカードなら問題は無い

 

考えはまとまった

ならばさっさとこの決闘(デュエル)を終わらせ、須藤達に追いつかなければならない

ペンデュラム召喚

そう宣言した声は虚空に霞んだ

 

 

「僕はペンデュラム召喚を...な、何故だ...?」

 

 

ディスクはその召喚を拒んだ

操作ミスを疑ったが、よく見るとディスクはチェーン確認画面を移していた

 

[妖仙獣の秘技]へのチェーンかと思い確認ボタンを押そうと指を伸ばすと、発動済みカードは«цпкпошп»となっていた

 

ガンリが[妖仙獣の秘技]解決後に何か発動したのだろう。顔を上げるとソリッドヴィジョンも何らかの«цпкпошп»を写している

 

何を発動した

最早発動出来るカードも無い秋天堂はそれを見逃す事しか出来ず、結局それの確認ボタンを押した

するとガンリは呟いた

これから秋天堂が行おうとしている召喚方法を

 

 

「ペンデュラム」

 

「...何がだい」

 

「私はペンデュラムを宣言してこのカードを発動するよ」

 

 

秋天堂に旋律が走った

召喚方法を宣言して発動するカード。秋天堂も愛用しており、なんならこの決闘(デュエル)中にも発動していた

 

 

「まさか...」

 

 

先程の[増殖するG]か[ドロール&ロックバード]の時のように、直ぐに確認する事が可能な状況だ

 

ディスクの《エクストラデッキ》の項目をタッチし、ペンデュラム召喚を選ぶだけだ

案の定と言うべきか、そこには赤く大きな罰点のマークがある

 

現在ペンデュラム召喚が不可能という提示

スケールもあり、ペンデュラム召喚するモンスターもある。このターンペンデュラム召喚を行ってい無いにも関わらずそれが不可能。するとガンリが発動したあのカードだ

 

 

「[次元障壁]...?」

 

「あぁ、お返しだ」

 

 

召喚権は使用済み

ペンデュラム召喚も不可能

何度目かの絶望は今までの物よりも重く大きかった

 

何が出来る?

どうすれば勝利できる?

 

 

「...はは、やられたよ」

 

「そう、早くしな」

 

 

何も無かった

このままターンを返したところで恐らく勝機は無い。また召喚反応系とフリーチェーンが復活するだけだ

 

次またそれらが襲いかかれば、無駄にできるカードもスケールも無い彼女には文字通り何も残され無くなる

だがこのターンに出来ることも最早無い

 

そこで彼女が取った行動は、諦める事だった

 

 

「...バトル、[鎌弐太刀]でダイレクトアタックだ」

 

「無駄は事を...チッ!」

 

 

ガンリ LP 1650→700

 

 

あと少しだった。これ以上続けても間違いなく疲弊は秋天堂の方が早い。ならばもう勝利は諦める

そう考えた秋天堂はひとまず攻撃宣言だけは済ませた

 

たった700という少ないライフすら削りきれずにバトルは終わってしまった。攻撃可能なモンスターがいないのだから仕方ない

 

敗北だ

まだ早い諦めだが、決して勝負を捨てたわけではなかった

 

 

「メイン2、僕は[命削りの宝札]を発動するよ」

 

「...何、まだ諦めないの」

 

「いや、多分もう勝てない。だけど続けるんだよ、手札が3枚になるようにドローする。まぁたった1枚のドローなんだけどね」

 

 

手札の[大刃禍是]も[大幽谷響]も召喚できなかったため、本来の要であるはずの[命削りの宝札]はあまり実力を発揮できない。それどころかエンドフェイズに手札を全て捨てる処理があるため、今ある防御札[大幽谷響]を失う事は確定だ

 

では何故そこまでして新たなカードに賭けるのか。それはフリーチェーンの破壊がある以上[大幽谷響]だけでは次の攻撃は防ぎきれないからだ

ライフはまだ4000あるとはいえ、たった1枚の手札からあれほどの展開力を見せた相手だ。残る1200の攻撃力等簡単に用意出来るだろう

 

彼女の師である大神が黒川へ何かを賭けていた時、その弟子である彼女もまた賭けに出ていた奇しくも似ている。

そしてドローを終えた彼女は直ぐにそれをセットすると、[命削りの宝札]の処理で手札を全て捨ててから場の妖仙獣を手札に戻した

 

つまりターンエンドだ

削るつもりの無かった命まで賭けた成果は次のターンに分かるだろうか

 

 

秋天堂 手札:1枚 LP 4000

 

モンスター/ なし

 

魔法・罠 / [炎舞-「天璣」]

     

     / リバース1枚

 

スケール / [妖仙獣 右鎌神柱](5)

 

     / [妖仙獣 左鎌神柱](3)

 

 

「...あんたやっぱりムカつくよ」

 

「うん」

 

「チッ...«цпкпошп»の効果、墓地の«цпкпошп»を素材して、«цпкпошп»を重ねる。バトル、«цпкпошп»でダイレクトアタック!」

 

 

メインフェイズは控えめに終わった

となると既に合計攻撃力は4000超えているのだろうか。対して秋天堂はカードを発動した

 

そう、[大幽谷響]よりも確実な防御札を引くことは出来ていた

 

 

「直接攻撃宣言時、僕は[波紋のバリア-ウェーブフォース-]を発動するよ!」

 

「チィッ...運がいいやつだね」

 

守備表示モンスターは残ってしまうが、これで攻撃力のあるモンスターの攻撃は防ぐ事ができる

デッキへのバウンスと強力な効果よりも、この一ターンを凌ぐことに成功した事に安堵した

 

ガンリのフィールドにはセットカードが無く、フリーチェーンと召喚反応系の効果が復活した所でこのカードの前ではなんの意味をなさない

そして手札には[鎌弐太刀]がある。ターンが回ってくれば次のドローと合わせ、まだ可能性はありそうだ

 

 

「まだ勝機はある、とか思ってんでしょ。本当にムカつく」

 

「え?」

 

 

ガンリがチェーンを重ねた

それは今まで苦しめられてきた効果では無く、新しく見るそれ。

それは[ウェーブ・フォース]にチェーンする形で発動されているが、効果はその無効化

 

 

ガンリ LP 700→350

 

 

「ライフ半分払って手札から«цпкпошп»を発動。あんたのその発動を無効にするけど、デッキから好きな罠選んでそのカードと一緒にセットしていいよ。その代わりこのターン罠の発動は許さないけど」

 

「れ、[レッド・リブート]...っ!?」

 

 

ライフポイント半分をコストに、手札から発動可能なカウンター罠がある。効果は無効にした後に相手の好きな罠と共にセットさせるその場しのぎの効果

その後の罠の発動も抑制出来るため、非常に強力なその場しのぎだ。

 

そして何よりもカウンター罠

チェーンできるスペルスピードを持つカードどころか、他に何もカードが無い秋天堂にとっては必要以上な効果だが、兎に角[ウェーブ・フォース]は通らない

 

 

「...[妖仙獣の秘技]をセットする」

 

「そう、«цпкпошп»でダイレクトアタックね」

 

「ぐぅっ..!」

 

 

秋天堂 LP 4000→2200

 

 

「ここで手札の«цпкпошп»の効果、自身を«цпкпошп»の素材にする。そして«цпкпошп»でダイレクトアタック!」

 

「また...手札効果か...」

 

 

敗北

完全なる敗北だ

2枚の強力な罠があるというのにその発動は出来ず、フィールドに守るモンスターは存在しない

墓地にも何も無い

 

ただあるのは目の前に迫る確実な敗北のみ

 

 

「...ごめんなさい」

 

 

秋天堂 LP 2200→0

 

 

「.....皆」

 

 

ーーー

ーー

 

 

-R D C-

 

ーー城外ーー

 

○医療班駐屯地

S・D・T(スペシャル・デュエリスト・チ-ム)医療班20名

→黒川美姫(負傷中)

→大神忍 (負傷中)

→鬼禅義文(負傷中)

▷近藤虎鉄(交戦中)  ▶黒服残り30名

▷草薙花音(交戦中)

▷西条麗華(交戦中)

▷古賀拓郎(交戦中)

▷海堂一樹(交戦中)

▷東野圭介(交戦中)

 

◐北大通り

▷齋藤健太(交戦中)  ▶︎オキナ

▷早乙女哲夫(交戦中) ▶︎ジャヴィ(負傷中)

▷???(交戦中)   ▶︎黒服残り46名

S・D・T(スペシャル・デュエリスト・チ-ム)部下残り39名 

 

〇南大通り→北大通り

▷皇崇人(移動中)

▷劉毅透織(移動中)

▷永夜川文佳(移動中) 

 

◐南大通り

▷山本薫(交戦中)   ▶︎カムイ(交戦中)

▷南結衣(交戦中)   ▶︎黒服残り34名

▷新田優介(交戦中)

▷新妻友奈(交戦中)

▷島崎春磨(交戦中)

 

ーーー城内ーーー

 

失彩の道化団(モノクロ・アクタ-ズ)本部内通路

→秋天堂光(敗北)   ▶︎ガンリ(勝利)

 

失彩の道化団(モノクロ・アクタ-ズ)本部内通路

▷須藤余彦(移動中)

▷蛭谷颯人(移動中)

▷灰田輝元(移動中)

▷灰田光明(移動中)

 

 

S・D・T(スペシャル・デュエリスト・チ-ム)

▷戦闘可能 : 41名

▷精鋭   : 22名

→負傷中  : 4名

→非戦闘員 : 20名

→消息不明 : 5名 

 

失彩の道化団(モノクロ・アクタ-ズ)

▷戦闘可能 : 110名

(フロ-)    : 6名

→負傷中  : 41名(ジャヴィ含む)

→捕虜   : 93名

 

◐ガルナファルナ

▷戦闘可能  : ???

▷天禍五邪鬼 : 1名

→捕虜    : 104名

 

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  • 読むのが億劫

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