私は目の前の光景が信じられなかった。さっきまで一緒に話していた彼が鬼と渡り合っているのだ、複数の鬼にかこまれようが関係ない彼は怯む事なく戦っている。
「おらおらどうした!もっとこいよ‼︎まだまだお前らの実力はこんなもんじゃねぇだろ‼︎」
「くっ…こいつ人間のくせにそんじょそこらの天狗たちより強いぞ」
「人間だの天狗だの偏見持ってる時点でお前らはダメなんだよ!」
「嘘でしょ…時雨って人間でしょ?なんで天狗以上に鬼と戦えてるのよ…ありえないわ」
「あややや、なんかすごいことになってますね」
と声が聞こえて来たと思うと上から鴉天狗の少女が降りて来た。
「あら文じゃない何してるの?」
「いやぁ〜彼が山に入った時から見てたんですけどちょっと目を離してた間にすごいことになってるじゃないですかー!彼はいったい何者なんでしょう?」
「ただの人間だと思ってたんだけどもうわかんないわ、けど…彼の名前どこかで聞いたことがあるような気がするのよねーなんだったかなー?」
「名前を聞いても?」
「名前しか聞いてないんだけど時雨よ」
「ええっと…ちょっと待ってくださいね」
そう言うと文は何かメモ帳の様なものを確認し始める。あれは確か山以外で起きた出来事を纏めていた物だったはず。さっきまで笑顔だった顔が引きつっている。
「あ、あの〜天魔様…?もしかしてこの人かもしれないです」
そう言うと文はメモを見せてくれた。そこには諏訪大戦の事が記録された物だった、そこには諏訪の神の洩矢諏訪子と大和の神八坂神奈子が一騎打ちしたと書かれた記録であった。結果は大和の神の勝利であったが、その裏で活躍したもう1人の活躍があったとゆう。
その者は諏訪に住んでおり大和から宣戦布告文が届いた時には自ら大和に赴き他の神に臆する事なく一騎打ちの約束を取り付けるだけでなく諏訪の神と大和の神の戦いの最中に神社を侵略しようとしていたスサノオノミコトとその兵士達をたった1人で打ちのめしたとゆう。その者名前は天城時雨、種族は人でもなく神でもない現人神とゆう無二の存在。
「え?なにこれ…?まさかここに書いてあるのってあの時雨なの…?てか文こんなものどこで調べてきたのよ」
「それは企業秘密ですよ!いくら天魔様でも教えれませんよ〜」
「まぁなんでもいいわ、にしてもここに書いてあるのが本当にあの時雨の事だったらほんとお節介な神様ね。村の為にここに来ただけじゃなくこっちの山の問題まで片付けようとしてるんだもの、ほんとありがたいけど見てて心配になってくるわね」
「あやや?天魔様知り合ったばっかだと言うのにやけに彼のことをかっていますね〜なにか特別な思い入れでもあるんですか?」
「さぁね?あるかもしれないしないかもしれないわよ。まぁ信頼はしているのかな?」
「ふ〜ん……ところで天魔様彼止めなくていいんです?」
「あれを私が止めれるとおもう?」
私が指をさした方にはまだ鬼と戦っている時雨がいた…その近くには倒したであろう鬼の山が出来上がっているざっと見ただけで50は超えており数はまだまだ増す一方だ。よくみると戦っている鬼の他にギャラリーが集まってきて盛り上がっているようだあれを止めるのは至難の技だろう。
「あはは…難しそうですね、さすがに私も巻き込まれて鬼と戦う羽目になるのも面倒ですし、終わるまで見てましょうか」
「そうね〜終わるまで待ちましょうか」
半刻後………
「どうだ!もうかかって来るやつはいねぇのか!」
「なんだよあいつほんとに人間か?大半の奴がやられちまったぞ、次はお前がいけよ」
「お前あの山見て言ってんのかよ、冗談きついぜ」
そう言って鬼が指をさしたのは幾つにも連なってできた仲間たちの山だ。正直あの山を見てあいつに挑む勇気は持ち合わせていない。
「ふぅ…これ以上挑んで来るやつはいなそうだな、久しぶりに暴れれて満足満足」
「ねぇ…ええっと……時雨?大丈夫?いろいろと」
「ん?あぁ希か大丈夫大丈夫、こんなの暴れ足りないぐらいだよ」
「あれだけ暴れといてよくそんなこと言えるわね、正直信じられないわよ!一体あなたは何者なのよ!正直に言いなさい‼︎大体は話を聞いたから検討ついてるけどあなたの口からはっきりと言いなさい!」
「天魔様そんなに詰め寄って聞かれなくても」
「おや?君は俺が山に入った時あたりからずっと上で見てた子だよね?」
「あやや…まさか気付かれていたとは驚きです。なぜ私を放っておいたのですか?」
「放っておいても平気だと思ったからね、俺はここに攻撃を仕掛けにきたわけでもないからね」
「私のことを無視するなー!」
希がいきなり殴りかかってきたが軽く受け止めてやる
「わかったわかった説明するよ、けどどこから話したもんかな〜?」
「なんでもいいから全部!」
俺は自分が何者なのかを説明してやった、どうやら一緒にいた子から大体のことは聞いていたようだ、詳しく説明する手間が省けて助かったな
「本当に神様だったのねいろいろと信じ難いわ」
「まぁ神様って言っても半分だけどね、ところで君の名前は?」
「あぁ、私ですか?私は射命丸文って言います。気軽に文って呼んでください‼︎時雨様」
「その様って言うのはやめてくれ、気軽に呼んでくれて構わないよ」
「では改めまして時雨さん、いろいろと話を聞きたいんですけどいいですか?」
「なんだいなんだい一体何があったんだい!」
文に受け答えをしようとした瞬間近くの洞穴から声が聞こえてきた、声が聞こえてきた方向をみると長身の一本角の鬼と身長が小さい小柄な鬼が俺の作った山をみて驚きの表情をしながら話しているようだ
「誰がこんなんを作ったんだい?天狗の中にも腕の立つ奴がいたのかい?」
「もしそんな奴がいるなら私たちが見逃すわけないと思うけどね〜」
「あ、姉さん!天狗たちじゃありません、あそこにいる人間の仕業です‼︎」
そう言って傍観していた鬼が俺の方に指をさす。なぜだろう?心なしかあの2人のこちらに向ける目が輝いて見える。
「あんな人間にこいつらがやられたのかい?冗談を言ってるんじゃないだろうね?」
「嘘なんてついてないですよ!本当なんですあの人間1人にやられたんです!」
「ほほう…そりゃぁ面白そうだね」
「だね〜もしそうなら…」
何かを話しているようだがよく聞こえないがどうやらこちらに近づいて来るようだ。
「なぁそこの人間私たちと戦ってはくれないか?」
長らく待たせてしまって申し訳ありません
次あたりにあの2人と戦うことになるのでしょうかね
少し考えていることなんですけど時雨とユキのキャラ詳細を書くか悩み中です
次は5月2日までに投稿します