ARIA 〜cavaliere storia〜   作:ソール

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第四話 彼は意外と便利屋

カタカタカタカタカタカタカタ

 

報告書

 

今日のパトロールは問題なし

被害や損害もなし、街の治安は問題ありませんでした。そろそろ春が終わり、夏が近づいてきました。近々夏休みもやってくるでしょう観光客はもっと増えると考えています

 

ですから、事故が無いよう。しっかりと明日からパトロールしていきます

 

 

 

 

 

ただARIAカンパニーにテラフォーマーが生息しています

それはオレの手で駆除しておきます

 

「これでよし」

 

「よくねえよ!!なにさりげなくアリシアさんのことを入れているんだよ!?」

 

「大変だぞアクト?ARIAカンパニー本社にテラフォーマーを確認した。すみやかに駆除せよ」

 

「殺すな!!なにアリシアさんを殺そうとしているんだ!?お前自らが犯罪者になる気か!?」

 

「は?何言ってんの?テラフォーマーだぞ?住民の人たちがやられるかもしれないんだぞ?『エンジェル騎士団』の団長であるお前が住民の人を見捨てるのか?」

 

「ついにお前は殺す側になったのか!?」

 

「というわけでアクト?オレに薬をくれ?住民の人を守らなきゃ」

 

「だからアリシアさんは人間だから!!!?テラフォーマーでもなんでもねえ!!人間なんだよ!!!」

 

愛人はアリシアを殺る気満々だった。

さすがにもうやられて飽きたのか、そろそろやり返しても面白いと考えている。彼はアリシアに恨みでもあるのだろうか

 

 

いや、ただ彼がバカなだけ

 

「まあ、そんなことよりもさ・・・・・アクト?」

 

「なんだ?」

 

「これなに?」

 

 

 

「まあー」

 

「・・・・・・火星猫だね?」

 

いつの間にか愛人の靴の上のズボンを噛んで来る火星猫がいた

 

その火星猫はあのアリアよりもましてやヒメよりも小さい体をしていた

更に顔は猫の顔と言うより、パンダに近い顔の火星猫だった

 

そんな猫が『エンジェル騎士団本部』の中にいた

 

「おい?うち猫なんて飼っていたのか?」

 

「いや、そんなはずないけど・・・」

 

「ていうかどこから入って来たんだ?しかもなんでオレのズボン噛んでいるんだよ?」

 

「見た感じ、愛人のこと気に入ったんじゃないのか?」

 

「まさか・・・・おい!いい加減オレのズボン噛むな!」

 

愛人はズボン噛んでた猫を無理矢理捕まえて上に上げた瞬間

 

「まあーー!まあ!」

 

「ぐへ!」

 

今度は愛人の鼻を噛んで来た

 

「おい?噛むな?オレの鼻は肉まんじゃねえんだぞ?」

 

「なんで肉まん?」

 

「放せよ!!放・せ!たく!」

 

「まあーー」

 

「なにがまあーだ。お前はどこから来たんだ?」

 

「まあー」

 

「それじゃあ、わかんねえよ。もっと具体的に」

 

「まあー、まあー」

 

「だから、わかんねえよ」

 

「まあー、まあー、まあー」

 

「だから!!!わかんないって言っているだろうがああ!!」

 

「わからないに決まっているだろうがあああ!!!なんで猫に聞くんだよ!?火星猫でも喋れないって前に説明したろ!!」

 

愛人は火星猫本人に場所を聞いていた

だから喋れないって、何度聞けばわかるのだろうか

 

「ああ?そうだっけ?・・・じゃあこいつ・・・どうするか?」

 

「飼い主を探すしかない。その火星猫が冠っている帽子、間違いなく『オレンジ・プラネット』の帽子で間違いない」

 

帽子は小さいが火星の猫の頭に冠ってあった

 

「オレンジプラネット?なにそれ?」

 

「そこもアリシアさんたちと同じウンディーネ業界の会社さ」

 

「へえー、じゃあこいつも社長か、こいつの目青い瞳しているし」

 

「ん?そうなのか?よく気づいたな?僕には青い瞳には見えないぞ?」

 

「確かに遠くから見るとパンダみたいな黒い目をしているが、近くで見れば、こいつが青い瞳をしているのが見えるさ」

 

そういって愛人はまた自分の顔の近くまで火星猫を近づけると

 

「まあ、まあー」

 

がぶりとまた鼻を噛まれる

 

「だから肉まんじゃねえよ」

 

「なんで肉まん?」

 

とにかく愛人はこの火星猫を連れて、飼い主探しにパトロールしに行った

 

ちなみに報告書はあのまま提出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とりあえず、飼い主探しでゴンドラに乗って探していた

 

「このパンダみたいな火星猫は知らねえか!!!」

 

まずは街の住人に聞いてみた

 

「このオレンジプラネットの?会社の帽子冠っているけど、知らね?」

 

住民の人に聞いてみると

 

「おや?まあくんじゃないか?オレンジプラネットの会社から出来たのか?」

 

郵便屋のおじさんが愛人に言って来た

どうやら知っているようだ

 

「お?郵便屋のおっさん、知っているのか?」

 

「ああ、その子はオレンジプラネットの従業員の『アリス』って子のペットでその会社の社長なのさ、名前はまあくんって言うんだ」

 

「へえー、でも、なんで名前がまあくん?」

 

「なんでも『まあー』としか言わないからまあくんって名付けたそうだよ」

 

「ふ〜ん、そうなのかまあ?」

 

「まあー」

 

「ああ・・・普通に返事したってことはそうなんだろうな、けど弱ったな」

 

実は愛人はオレンジプラネットという会社を知ったのも今日であり、無論場所も知らなかった

 

「たく・・・・とんでもないことに巻き込まれたな・・・」

 

「もしかして・・・・・その蒼い髪に蒼い瞳にエンジェル騎士団の制服、君は七海・愛人くんかい?」

 

「ああ?そうだけど?」

 

「おお!君が『エンジェル騎士団』の新入騎士の愛人君か!!・・・」

 

「なに?オレ?そんな有名なの?」

 

「ああ!有名だよ!なんでもこの前道に迷っている人を助けたとか、洗濯機でもなんでも治せる便利屋とかで今ネオ・ヴェネツィアじゃあ噂になっているのさ!」

 

「オレ?どんな噂されてんの?なんでも屋じゃねえんだぞ?」

 

どうやらこの前の洗濯機を治したことや、道に迷っていた観光客を案内したことが噂になっていた。

 

ちなみに彼のうわさはそれだけでなく、ここ2ヶ月で入ったばかりだと言うのに、パトロールの途中で美品を治したり、迷子になった観光客を無事案内することなど、普通の『エンジェル騎士団』の仕事じゃないところまで、仕事する

何でも屋な騎士と、噂になっている

 

「なにそれ?随分変な噂が経っているなオレ?」

 

「だから頼みがあるんだよ。悪いんだけどあの郵便箱を治してくれないか?」

 

「マジで?たく、わかったよ。その代わりオレンジプラネットの本社の場所まであんたの船で連れてけよ?」

 

「お安い御用だよ。じゃあこれなんだけどさ?」

 

「ああ、これはネジが外れかけているな、まあネジ変えたりすれば問題ないさ」

 

とにかく郵便屋のおじさんの依頼を受け、

各郵便箱のネジを次々と変えて行く

 

そのついでに少し箱に入っていた手紙を回収するなど、少し郵便屋のおっさんの仕事も手伝った

 

 

 

郵便屋のおじさんの依頼は終了し、ゴンドラでオレンジプラネットの本社まで連れてってくれた

 

「ふ〜ん、ここがか」

 

「すまんな、今日は本当に」

 

「ああ、じゃあな?おっさん?」

 

「今日はありがとな、できればまた修理など頼みたいんだが」

 

「ああ、『エンジェル騎士団』本部で言え。またなんか治してやるから」

 

郵便屋のおじさんと別れる

 

「さて行くか。いくぞ?まあ?」

 

「まあー」

 

まあくんを連れて、オレンジプラネットの本社に入った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「でさ?このまあはお前らのところだよな?」

 

受付のところに行き、まあくんを受付の人に見せる

 

 

「あ!はい!私たちの社長です!!探してくれたんですか!?ありがとうございます!!」

 

「いや、ウチの本社にいたんだけど、とにかく悪いんだけど、こいつの飼い主の『アリス』って奴呼んでくんない?」

 

「それがですね・・・・・」

 

「あ?」

 

「実はその子を探しに外へ・・・・」

 

「ああマジかよ!?くそ!じゃあいいや、お前さこいつ預かってくんない?そんでそのアリスって奴が帰って来たら渡してやってくんねえ?」

 

「はい!わかりました!アリスさんにしっかり渡します!!」

 

「おう!じゃあな?まあ?」

 

愛人は受付の人にまあくんを渡し、本部へ帰ろうとするが

 

「まあー!」

 

「あ!まあ社長!」

 

「あ?」

 

だが、まあくんはそんな帰ろうとする愛人をズボン噛んで引っ張って止める

 

「なんだよまあ?家に帰って来れたんだから黙って飼い主待ってろ?」

 

「まあー!!まあ、まあ、まあ!!」

 

突然まあくんはズボンを引っ張るのやめ、突然どこかに走り出した

 

「あ!?おい!!どこ行く気だ!!」

 

「え!?ちょ!?どこに行くんですか!?」

 

愛人と受付の人は、まあくんを追った

 

一体まあくんはどうしたのだろうか

 

しばらく社内を走り続けると

 

「おい!!一体どこまで・・・・・・・」

 

「まあ!まあ!」

 

まあくんがたどり着いたのはゴンドラ倉庫だった

その倉庫の中に

壊れたゴンドラの上にまあくんが立っていた

 

「おい?どうした?こんなところに来て?」

 

「まあ!まあ!まあ!」

 

まあくんは壊れたゴンドラに向いて吠えた

 

「なあ?この壊れたゴンドラがどうかしたのか?」

 

愛人は受付の人に壊れたゴンドラについて聞いてみた

 

「実はこれ、この会社の先代社長のゴンドラなんです」

 

「先代社長のゴンドラ?なんで壊れているんだ?」

 

「実は先代が引退してから、誰も使わないもので、もうゴンドラのボディが腐っているんです。もうかれこれ30年も経っているんです」

 

「なるほどね、つまりなに?まあ?お前これをオレが治せってか?」

 

「まあ!!」

 

どうやら、マジらしく。まあも返事するかのように縦に頭を振った

 

「たく!これじゃあマジで噂に言う名の『何でも屋騎士』じゃねえか!!まったく・・・・・・・・・おい?」

 

「は、はい!」

 

「こいつ治すから、この部屋に誰も入らせない様にしろ?」

 

「え!?治すんですか!?ほとんどボロボロですよ!?」

 

「治せるよ。オレが治すからとにかく誰もこの中に入れるな?仕事の邪魔になるから?いいな?」

 

「は、はい!!わかりました!!」

 

受付の人に倉庫の扉に『危険!!立ち入り禁止!!』と張り紙を貼ってもらう様にした

 

 

愛人も仕事とはまったく関係ないが、まあくんがうるさいせいなのか、仕方なくこの壊れたゴンドラを治そうとする。

 

「さてと、まずは腐っている部分から変えるか、そのためには材料がいるな、買い出しに行ってこよう」

 

彼はまずは材料集めというわけでをまあくんと一緒に買い出しに言った

 

 

 

 

 

 

 

30分後

とりあえずゴンドラを治すだけの材料は買った

彼は鉄や木を使い、次から次へとゴンドラのボディを治して行く

 

無論彼はゴンドラの構造もわかっていたうえで治している。もちろん治すのも今日が初めて

 

彼は一体なんだろうか、と受付の人は彼の治す仕事を見て思った

 

元はゴンドラ職人なのだろうか、なのになぜエンジェル騎士団ってものをやっているのだろうかなど、受付の人はずっと思っていた

 

さすがに『どうしてゴンドラの構造がわかるの?』とは言えなかった

 

なぜなら、もの凄く真剣にやっているもので、話しかけて邪魔する訳にはいかないほど、彼女はゴンドラを生で治すとところを見て驚ろかずにはいられないほど、彼が治していくゴンドラの姿が美しかったからだ

 

当時先代社長が扱っていたゴンドラの姿そのものだった

 

彼はその当時のゴンドラの姿を再現したかのように、彼はゴンドラを治した

 

 

 

 

 

3時間後

 

時間は大分経ってしまったが

なんとかゴンドラを治す事には成功した

 

「本当にありがとうございます!!」

 

「ああ、これでいいだろ?まあ?」

 

「まあーーー!!」

 

どうやら喜んでくれたらしい、

まあくんがこのゴンドラと何の関係があるかはともかく、愛人の昼の郵便屋の仕事を見て、まあくんは彼なら治せるのではないかと、試したのではないかと愛人は考えている

 

まさか火星猫にそんな判断があるとは思えないが、とにかくまあくんは愛人の器用さを理解した様子

 

「まあーーーくーーーん!!」

 

「ん?」

 

「まあ!!」

 

廊下の方から、まあくんの名前を呼ぶ女の子がこちらに走って来た

まあくんもその人を迎える様にその人のところに行き

お互い抱きしめる

 

名前を呼んだと言う事はもしや・・・

 

「アリスさん!?」

 

「あいつがアリスか・・・・・・」

 

「もうどこに行っていたんですか!!心配したいんですよ!!」

 

「まあ〜」

 

どうやら、見た感じ1日中まあくんを探していたらしい

 

 

それだけでなく

 

「アリスちゃん!!見つかったって・・・・・・愛人さん!?」

 

「うわ!?なんであんたがここに居るのよ!?」

 

「灯里に・・・・・藍華テラフォーマー!?」

 

「なんで私だけテラフォーマーが付けられるのよ!?」

 

アリスが走って来た後ろから、なんと灯里と藍華が出て来た

二人はこの会社の人間じゃないはず、なのになぜここに?

 

「なんでお前らもここに?ていうかあのアリスって女の知り合いか?」

 

「はい!アリスちゃんとは友達なんです」

 

「だからお前らはここにいるのか?」

 

「あたしたちはまあ社長を探していたのよ。朝からいなくなったって連絡あって、街中探していないと思ったらあんたのとこにいたなんて」

 

「オレだってびっくりだよ。朝書類仕事していたら、こいつがいつの間にかオレたちの本部に入って来たんだ。どこから入ったかは知らないが、今日ずっとこいつの飼い主探してたんだぜ?おかげでそのついでにいろんな人から手伝いを申し込まれるしよ。今日はめんどい1日だったぜ」

 

「本当にありがとうございます!!でっかいありがとうございます!!」

 

「なんだ?そのでっかいって?」

 

「ところであんたこそ、ここでなにをしているのよ?」

 

「オレ?オレはこいつの飼い主がここに居るって分かって来たらそいつはいないし、こいつをここに置いて帰ろうとしたら、今度はまあがオレに手伝いの依頼言い出しやがって、ここにある壊れたゴンドラを治したんだよ」

 

「え!?ゴンドラを治したの!?あんた本当に何者!?」

 

「あ?ただの『エンジェル騎士団』の騎士だけど?これも本を読んで見れば分かるさ?」

 

「あんたって本当に天才の領域を越えているわ」

 

「こんなのゴンドラ専門の本を読めば誰でも治せるわ」

 

「いや、それはあんただけだから」

 

「すごいです!!愛人さん!!ゴンドラを治すなんて!!まるでゴンドラのことを分かっている人みたいです!!愛人さんは『ゴンドラマスター』です!!」

 

「恥ずかしいセリフ禁止!!!」

 

「ええーー!!」

 

「なんだ?ゴンドラマスターって?それと藍華?恥ずかしいセリフでもないだろ?むしろ『変なセリフ』だろ?」

 

藍華も、愛人の器用さに驚かずにはいられなかった

まさかゴンドラの傷を治すだけでなく

ゴンドラのボディすべてを治すなど、ゴンドラ職人として呼んでもいいぐらいな技術

 

もはや天才だった

 

「そんじゃオレは帰るな?」

 

「え?もう帰るんですか?」

 

「ああ、まだ仕事あるんだよ。もう5時半だって言うのに、めんどくせえーこれじゃあ定時に帰れねえよ」

 

「ごめんなさい!私のせいで・・・」

 

「お前のせいじゃねえよ。とにかくもうまあを放すなよ?確か・・・アリスだっけ?」

 

「はい!オレンジ・プラネットのまだ半人前ですけど、アリス・キャロルです」

 

「そうか、アリス・キャロルね?」

 

「あなたはその制服からして、『エンジェル騎士団』の方ですか?それに確か愛人って?」

 

「ああ、オレは・・・ARIAカンパニーにいるアリシア・フローレンスを理由も無いのにバカにする男で、住民の人には『何でも屋な騎士』って呼ばれる。七海・愛人だ」

 

「あんた最初の自己紹介からおかしいわよ!?やっぱりただアリシアさんをバカにしてただけじゃない!?」

 

「でも?なんすか愛人さん?その『何でも屋な騎士』って?」

 

「ああ、今日オレも知ったんだけどさ、なんか街でさなんでも雑用できて更にはなんでも修理できる便利なエンジェル騎士がいるって噂に流れていているんだけどさ、それを『何でも屋な騎士』ていう噂、それがオレだってさ?」

 

「なんで愛人さんなんですか?」

 

「いや、その噂が流れたきっかけが、オレ初日の騎士の仕事でさ、洗濯機治したわけ、それを治された人が流したらしいんだよ。まったく余計な事してくれたぜあの姉ちゃん」

 

「は!?あんた洗濯機も治せるの!?」

 

「ああ、あれも昔その専門の本読んで、治しただけ」

 

「あんた。そんなもん治せるなら、本当になんでも治せるんじゃない?ここにあるゴンドラのボディまでも治せるんだから」

 

「オレにとっては冗談じゃないぜ?おかけで今日街の人に会う度にこれ治してくれだとか、いろいろ言ってくるんだぜ?もう疲れたぜ?」

 

「エンジェル騎士なんだから人のために役立つの当たり前でしょ?それぐらいしっかりしなさいよ?」

 

「なんでお前に説教されるんだか、とにかくじゃあな?」

 

「はい!」

 

「本当にありがとうございました!!」

 

「バイバイ」

 

愛人は本部の方までまっすぐ帰った。

サボる事もできたが、今日はそんな気分では無いため、まっすぐ残った仕事を終わらせにまっすぐ帰った

 

残された灯里たちは

 

「これ?本当にあいつがですか?」

 

藍華はまだ愛人がゴンドラを治したことが信じられなかったため、受付の人に聞いた

 

「はい!彼が治しました。まるで構造もわかっているかのように」

 

「普通治すだけでも3日かかるのに、なんであいつは今日だけで治せるのよ」

 

ただのめんどくさがりやなのに、この器用さで1日でゴンドラを治す。これはありえないの一言だった。確かに前々から知識が強い奴だと思っていた。だが

 

これは知識云々とかではなく、

 

もはや天才とも呼ぶしかない程、驚いていた

 

まあ、そんなことはともかく

 

「心配したんですよー。まあくん」

 

「まあーー」

 

とりあえずまあ社長が無事に帰って来ただけでもよしにするかと藍華は思った

 

でも気になる

 

どうしてまあ社長は彼の本社にいたのか

それだけは彼女は気になった

 

そのことはまあ社長に聞いてもわからないだろう

 

ただ藍華はこう考えている

 

あのバカと一緒にいたということは、あいつの周りで面白いことでもあったのだろうと、だから一緒にいたのではないかと

 

なぜあんなバカといるだけで面白いことになるのか

 

それは

 

彼が私たちには今までに無い見たことのないようなものを見せてくれるからだ

 

彼の周りにみんな集まって来る。最近毎日あいつと会うのは偶然ではないと

 

藍華はそう考えていた


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