ARIA 〜cavaliere storia〜   作:ソール

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アクト「これ絶対。愛人が関わった時点で、地獄の合宿で決定だな」

愛人「ば、バカ言ってんじゃねえよ。地獄になるわけないだろ?(笑)」

アクト「ああ、やっぱりダメだ。灯里ちゃんたち泣くの決定な合宿だ」



第二十二話 グランドマザーの合宿

幽霊事件から数日、まだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだ。

 

暑い夏は続きます

 

「いやどんだけまだって言ってんだよ!?簡単に『夏はまだ始まったばかり』だとかでいいじゃん!?どんだけまだって言う言葉を使ってんだよ愛人!?」

 

「夏バテ気味なんだよ。夜勤なんで辞めるんだよ?夜勤の方が涼しくてよかったのによ?」

 

「もう夜の方は異常がないと判断した結果だよ。そんなことよりしっかり始めなさい」

 

「はいはい。わかったよ」

 

降り注ぐ灼熱の太陽の下。

 

いや

 

プロミネンスのようなエクスプロージョンのような、燃え上がる炎の如く。すべてを焼き尽くす。まさに勝利の剣。レーヴァテインのようにアースガルズのすべてを火の海に焼き尽くす。世界を焼き尽くす破滅の剣のような太陽

 

「どんな太陽!?お前暑くて死ぬのはわかるよ!!始めのあらすじだけでいいから!?レーヴァテインのような太陽ならもうアクアは無事じゃないからな!?しっかりあらすじしろ!!」

 

「はいはいはい。もう俺。マジでヘルな気分だよ。あ、ヘラの間違いか?『アクアに死よ!』てか?」

 

灼熱の太陽の下。ジャスティスルシファーこと、七海愛人はここに来て夏バテ気味となっていた

 

「たく、最初からしっかりやれ」

 

「へいへい」

 

「それと愛人?さっきアリシアから連絡が来たぞ?今から ARIAカンパニーに行ってくれ?」

 

「何?あいつから任務依頼?久しぶりだな」

 

「内容は聞いてない。君にしかできないことらしいから、とにかく君が行ってくれ?」

 

「え〜、嫌だよ。あいつメチャクチャ強いもん。俺があいつに剣を投げたら、あいつ俺の剣の刀身で掴んで、握り潰して壊す気だぜ?そしたら次はアクアを焼き尽くす気だぜ?」

 

「まださっきのあらすじの話続いてんのかよ!?アリシアさんをあの死の女神と一緒にすんなよ!?お前まだアリシアをバカにしてんのかよ!!?」

 

「最近あいつのいじくるの忘れててさ?」

 

「忘れろよ!!!死ぬのお前なんだぞ!!物を忘れてたみたいに言うなよ!?」

 

「とにかく嫌だ〜。めんどくさい」

 

「だろうね?」

 

「え?」

 

その瞬間。俺は眠ってしまった。アリシアの依頼をめんどくさいが為に、本部の部屋を出ずに粘っていたら、突然眠ってしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺、読者のみんなが何考えているのか分かるよ?

 

どうしてこうなったのかって?

 

長い話になる

 

 

目を覚めたら

 

 

 

 

 

いつの間にか私服に着替えさせられて、大きな鎖に巻きつけられて身動きが取れないまま。小さな電車に乗せられていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

灯里と藍華とアリスとアリアと一緒に

 

「あ、兄さん。でっかい目が覚めました?」

 

「・・・・・・・・」

 

「愛人さんの着替えのバックもここにありますよ?今着ている服はアクトさんが着替えさせましたから?」

 

「・・・・・・・・」

 

「あのさ?愛人?」

 

「・・・・・・・・・・何?」

 

「何があったの?」

 

「こっちが聞きたいわ!!?」

 

やっぱりごめん読者のみんな。俺にもわかんない。なんでこうなったのか。なんで私服に着替えてて、大きな鎖に巻きつけられて身動きが取れない。状態で電車に乗せられてたなんて、説明がつくはずない!どうしてこうなったのかなんて俺が聞きたい!!

 

長い話になっていると思うけど

 

「は!?」

 

俺は、さっきの灯里の言葉に気づいた

 

『愛人さんの着替えのバックもここにありますよ?今着ている服はアクトさんが着替えさせましたから?』

 

俺の服をアクトが着替えさせたってことは、灯里が事情を知っているということだ

 

「灯里?俺何があった?」

 

「え〜と、アリシアさんの依頼から逃げようと愛人さんが本部の裏から逃げたんですが、アリシアさんが先回りして逃げられなくなり、愛人さんが反撃するも、剣をアリシアさんに壊され、アリシアさんが彩音さんの剣を借りて、愛人さんを焼き尽くして気絶しました。その後アクトさんが無理やり愛人さんを私服に着替えさせ。逃げないようにアリシアさんが大きな鎖で巻きつけて、私たちと一緒に城ヶ崎村まで電車に乗っているんです」

 

「・・・・・思い出した」

 

そうだ。読者のみんな。思い出したから説明するよ。

 

俺はあまりの暑さにアリシアの依頼が嫌で本部の裏に逃げ出したけど、アリシアが本部の裏で待ち伏せしてやがった。あいつ俺が逃げるってこと分かってやがった。もちろん逃げ場なんてなかった。アリシアを倒さないと逃げられなかった。だから愛用の剣を投げて反撃したが、まさかあの女素手で俺の剣の刀身を掴みやがった。ちゃんと刃はあるっていうのに、血もたれずに素手で俺の剣の刀身を握りつぶしやがった。俺の剣は大きな石や鉄も斬ることのできる強度の硬さのある剣だって言うのにあいつは腕力でぶっ壊しやがった。剣も無くなった以上、今度は足で逃げるしかないと思ったんだが、あいつ。俺が暑さで弱っているのわかっているせいか、灼熱の炎が出る剣。彩音の愛用の剣を借りてやがった。その灼熱の剣で俺は燃やされ、気絶した

 

そんでアリシアはいないが、灯里と藍華とアリスと一緒に城ヶ崎村に向かっていた

 

「たく、ところでまだ依頼内容聞いてないぞ?なんでわざわざネオ・ヴェネツィアを出て、アクアの田舎ルート『城ヶ崎村』まで向かっているんだ?あそこにはあいつの家しか何も無いんだぞ?」

 

「そう!そこよ愛人!私たちはそこへ向かっているの」

 

「あ?お前らまさか?」

 

「はい。私たちはでっかい夏バテになっている状態の私たちをグランマに鍛えてもらうために!」

 

「今からグランマの家に行くんです!」

 

「それって・・・・合宿じゃねえか」

 

 

 

グランマ

 

通称グランドマザー

 

本名は天地秋乃。

 

灯里の勤めるARIAカンパニーの創立者。元は姫屋で働いていたが、突然アリア社長と出会い。一緒にARIAカンパニーで独立を始める。30年間に渡りウンディーネ業界のトップに君臨した「伝説の大妖精」。「グランドマザー」とは、その業績から現代ウンディーネの母と称えられた彼女に対する敬意と共に付けられた呼び名である。アリシアの師であり、いろんなウンディーネの憧れ。アリシアがプリマになったその日に引退し、今はこの村でのんびり暮らしている

 

そんなお偉いさんの家に向かい。合宿する

 

「でもなんで俺?俺付いてくる意味ある?」

 

俺はウンディーネじゃない。なんで俺が灯里たちの合宿に付き合わないといけないんだ?

 

「本当に合宿か?秋乃のはなんて言ってんだ?」

 

「普通にいらっしゃいとかしか言ってないわよ?」

 

「海もないこの田舎でどうやって合宿するだが?」

 

こんな緑いっぱいの田舎で秋乃の家で合宿することになった

 

 

 

 

 

 

 

電車で城ヶ崎村駅に着いた。

 

「それで?秋乃は駅まで迎えにくるんだろ?」

 

「アリシアさんの話によるとね?ていうか愛人?」

 

「何?」

 

「グランマって呼びなさいよ。名前で呼ぶなんて図々しいわよ!私たちからすればおこがましいわよ!」

 

「俺初めて会った時から名前で呼んでんじゃん。それに俺はウンディーネじゃないし。別にグランマって呼ぶ必要はないだろ?」

 

俺はグランマって呼ぶ理由はなかった。お前らが憧れているのは知っている。だからと言って俺がグランマって呼ぶ理由はない

 

「藍華ちゃん。灯里ちゃん。アリスちゃん。アリア社長。そして愛人くん」

 

「よう秋乃。久しぶり」

 

後ろから日傘をさした秋乃が居た。

 

「ようこそ城ヶ崎村へ、アリシアから話は聞いているよ」

 

「ぷいにゅー!」

 

「あらあら、元気だった?アリア社長」

 

「今日はお願いします」

 

「ええ、明日まで楽しんできてね?」

 

「あのさ秋乃?アリシアから話は聞いているんだよな?」

 

「ええ」

 

じゃあ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いい加減この鎖解いてくんない?」

 

電車に降りても俺は鎖に巻きつけられたままだった。灯里や藍華やアリスに解くように頼んだが、硬くて解くことができない。その鎖はまさに天の鎖だった

 

「わかったわ。じゃあ・・・・・えい♩」

 

秋乃は小さなげんこつで、鎖を砕いた

 

「なあ?なんでお前まで素手で壊せるの?もしかしてアリシアに素手で物を壊せる技を教えたのお前?」

 

「・・・・・うん」

 

「お前かよ!?お前のせいでアリシアがとんでもないほど強くなっているぞ!?お前今日俺が何があったか知ってる!?」

 

「アリシアに剣を壊されたんでしょう?アリシアの依頼から逃げ出すためだけに?」

 

「そうだよ!だって俺まだ他の依頼があったんだぞ!そっちの方が前々から依頼があったんだからそっちを優先するに決まっているだろ?俺なんて言えばいいんだよ!?前から頼んでた依頼の人たちに!?」

 

「それなんだけど、前から頼んでた依頼の人たちにアリシアが『お願い♡』って頼んだらしくてね?そしたらアリシアの美しさに見とれて前から頼んでた依頼の人たち。また今度でいいってアクト君から聞いたよ?さっき?」

 

「あの女ああああああああああああああああ!!!自分の美貌を使って、前から頼んでた依頼の人たちをお色気しがった!?あの泥棒女!ネオ・ヴェネツィアに帰ったらタダじゃ済まさねえ!!」

 

愛人の優先の依頼まで、アリシアは手を打っていた。アリシア。恐ろしい子。愛人を手に入れるなら。自分の体を使ってお色気をするなど、恐ろしい以外ない。ていうかあれが本当にウンディーネのスノーホワイトさん?

 

 

 

「ところで、そいつらを海のないここでどうやって鍛えるつもりだ?ていうかなんでお前のところで鍛えたいって言い出したのこいつら?」

 

「なんでも、夏バテ気味で私のようなプリマになれないって言い出して、そこで私に鍛えてもらうのがいいのでは?ってアリシアが言ったのよ」

 

「なるほどね、まあプリマになるためにお前に鍛えてもらうのはいい。でもなんで俺まで連れていく必要がある?」

 

「アリシアが何かしらの考えがあるってことじゃない?」

 

「前から頼んでいる依頼の人たちに色気をしてまでか?おかしくねえかそれ?」

 

「アリシアの場合。愛人くんを手に入れるためなら暴力をしてでもやるかもしれないわよ?」

 

「それウンディーネとしてまずいよね?何冷静に言ってんのお前?」

 

もしそんなことになったら、アリスやアテナよりもやることが悪党にしか、俺には思えなかった

 

とりあえず説明を受けて歩いていると、いつの間にか秋乃の家に着いた

 

「それで?まずは何をさせる気だ?あいつらに?」

 

「そうね・・・・・・まずは荷解きを済ませて、畑のとうきびを取ってきてもらおうかしら?」

 

「それ絶対にウンディーネと関係ないよね?お前?まさか・・・・」

 

「は!了解しました!」

 

「は、はい!」

 

「わかりました」

 

「お前らは秋乃の要望に文句無いのかよ?」

 

とりあえず家に着き、荷物を置き。秋乃の家の庭にトウモロコシの畑があった。もう採れたてのトウモロコシ。これを取ることにした

 

「ふふふ、これは数多くのとうきびの中から瞬時に最高のものをい見極めると言う。認識判断力の修行にようね?」

 

「そんなわけ無いだろ?全部採れたて。今のうちに取れなないと、このトウモロコシがうまくならないだけだ」

 

「じゃあ全部取ればいいんですか?」

 

「ああ、見たところよくみんな実っているからな、全部取っていいからな!秋乃の奴。トウモロコシの育て方がうまいな、ここまで綺麗なトウモロコシは見たこと無いからな?」

 

「いっぱい取れた?すぐに茹でるからね?」

 

「は!?秋乃!トウモロコシは茹でるより、焼く方がうまいに決まっているだろ!!」

 

「あら?そうなの?」

 

「待ってろ!!」

 

俺は秋乃の家のキッチンから、七輪を持ってきた。七輪の中に火をつけ、トウモロコシを焼く。焼くだけでなく、手作りソースでトウモロコシを塗る

 

「香ばしい匂いがします!」

 

「出来上がり!ソーストウモロコシ!トウモロコシならこれだろ!!」

 

俺は灯里たちが取ってきたトウモロコシをどんどん焼く

 

「美味しい!」

 

「兄さん。どんどんデッカイお願いします!」

 

「相変わらず料理うまいよね?あんた?」

 

「本当に美味しいわ。さすが愛人くんね」

 

「ぷい!ぷい!」

 

なんだかんだで、取ってきたトウモロコシを全部焼き。五人とアリアで全部食べてしまった。より多く食べたのアリアとアリスだが

 

「で?次はどうする気だ?秋乃?」

 

「次は・・・・・・虫取りでもどうかしら?」

 

「もうウンディーネの訓練関係ない」

 

「「「はい!わかりました!」」」

 

「そんでお前らは相変わらず文句はないと、出かける前に麦わら帽子かぶって行けよ?今日は暑いから?」

 

そして次はまったく関係のない虫取り。もはやウンディーネの訓練関係ない

 

「うし!取った!でっかい蝶々!!」

 

「すごい!」

 

「私も大量に捕まえました」

 

藍華と灯里とアリスは虫を大量に捕まえた。と言っても蝶々だけしか捕まえてないが

 

 

「捕まえるのはいいが、その後はちゃんと逃がしてやれよ?かわいそうだから?」

 

「はーい!」

 

「愛人は何匹捕まえたの?」

 

「俺か?俺は・・・・」

 

俺は後ろからカゴではなく、紐をひっぱた。俺が捕まえたのは

 

「デビル大蛇」

 

「おかしいでしょうが!!?なんでアクアに絶対に生息することのない生き物がいるのよ!?」

 

「今日の夕飯はデビル大蛇ステーキな?」

 

「これ食べれるの!?ていうかどうやって捕まえた!?」

 

「あらあら立派なデビル大蛇ね?洞窟から捕まえてきたのね?」

 

「おう秋乃?森から何捕まえてきた?」

 

「私はね・・・・・・」

 

「あの・・・・グランマ?それ?」

 

秋乃はとんでもないものを担いで着た

 

「般若パンダよ」

 

「絶対におかしい!?明らかにこんな綺麗な田舎な自然に生息することのない生き物がいるわよ!?」

 

「蒸すか、アリシアが居たら何捕まえてくるかな?」

 

「昔は私と一緒にここに来たけど、アリシアはリーガルマンモスの大人を捕まえてきたわ」

 

「なんであんたたちそんな凶暴な猛獣を捕まえることができるの!?あなたたちどれだけ強いのよ!?」

 

明らかに俺たちの捕まえる生き物が違った

 

「すいません。兄さん私はあまりそういうものは捕まえることはできませんでした」

 

「後輩ちゃん真似しちゃダメだから!?あんな猛獣を相手にしたら死ぬから!?」

 

「気にするな。代わりに何を捕まえてきた?」

 

「テラーフォマー1000匹分です」

 

「おかしい!?確かにここ火星だけど、ここアクア!!そんなものをよく捕まえてきたわね!?」

 

「でっかいスズメバチですから」

 

「愛人さん!私も捕まえてきました!」

 

「おう?何をだ?」

 

「あ・・・・・灯里?それ?」

 

灯里が両手に上を上げ持っていた食材は

 

「キングベヒーモスです!」

 

「何でここにキングベヒーモスがいるのよ!?ていうかどうやって捕まえてきた!?」

 

「父王の剣で!」

 

「何であんたがそんなもん持っているの!?」

 

「よし、今日はご馳走だな?」

 

「アリスちゃん、そこのテラーフォマーは薬にしましょうか?ワクチンの」

 

「はい、そうしましょうグランマ」

 

「わーい、キングベヒーモスのお肉おいしそう!」

 

「どうしよう。私以外の人がとんでもないものを捕まえてきているんだけど!?」

 

藍華の捕まえてきた蝶々は逃した。アリスの捕まえたテラーフォマーは愛人がワクチンの薬にして作った。愛人と灯里と秋乃が取ってきた、デビル大蛇と般若パンダとキングベヒーモスはこの後の夕飯になった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「美味しかった!」

 

「うん、確かに美味しかった。キングベヒーモス食べれるんだ・・・」

 

「でっかい美味でした」

 

「だとさ秋乃?」

 

「それは良かったわ」

 

あんだけ大量にあった食べ物が一瞬かのように無くなった。ほとんどアリスとアリアが食べた

 

「そろそろじゃねえか秋乃?」

 

「そうね?みんなちょっと来てくれないかしら?」

 

「はい!」

 

「やっと講習会始まるのね!」

 

かと藍華はウンディーネの講習会でもやるのかと思いきや

 

「・・・・・なにこれ?」

 

「蚊帳。ここは蚊や虫が多いから、この中なら刺されずに済むぞ?」

 

「明日は早いから、早く寝てね?」

 

「そんじゃさっさと休めよ?」

 

そう言って愛人と秋乃はこの部屋に三人を残して他の部屋に行った。

 

「どうした?なんか言いたげだな藍華?夜怖いからトイレ一人で行けないって言うんじゃねえだろうな?」

 

「違うわよ。グランマ!」

 

「はい?」

 

「どうか私たちに立派なプリマになれるよう!貴重な助言をください!」

 

藍華はグランマにお願いした。それもそうだろうさっきから遊びのようなことしか、今日1日過ごしていない。灯里たちは遊びに来たのではなく、あくまで合宿できているのだ

 

 

「たく、ほらだから言ったろ秋乃?こいつらはなから遊びに来ているわけじゃないって?」

 

「そう見たいね?」

 

「そもそも合宿なんてできるわけないだろ?」

 

「え?」

 

「お前らの話を聞いて、夏バテ状態だから訓練して立派にプリマになるってこと自体の考えが間違いだ。夏バテしそうな状態で訓練なり激しい運動すれば帰って体を痛めるだけだ」

 

「愛人くんの言う通りよ。三人は少し暑くなりすぎよ?そういう時こそ、少しは体を休めるようにして、それでから練習したほうがいいわ」

 

「正直お前ら頭の中が暑いほど考えすぎだ。そんな状態で秋乃から助言をもらっても頭に入んねえよ!」

 

「う!」

 

「なんかたまにあんたの言葉が正しいって思える」

 

「はい、兄さんはいつでもでっかい正しいです」

 

三人は起き上がり、愛人と秋乃の方へ向く

 

「たく、アリシアが俺をここへ連れてきた理由がわかったよ。秋乃の代わりにお前らに助言を与えるために俺がここへ連れてきた依頼だったわけだ」

 

「は!?なんであんたが!?」

 

「俺なら秋乃の分までまとめて助言できるからだろうな?」

 

「兄さんがですか?」

 

「って言いたいけど?この依頼はアリシアじゃなくて、お前だろ秋乃?」

 

「あらやっぱりわかってたのね?」

 

「あいつの依頼なら直線言ってくるはずだしな、でも今回は連絡で伝えたってことはそういうことだろう」

 

だからと言って無理やり俺を捕まえるのはどうかと俺は思うがな、まあ逃げ出した俺が悪いが

 

 

「まあとにかく、お前らはウンディーネの仕事が好きか?」

 

「え?ええ」

 

「それは・・・そうよ」

 

「はい。それはもう」

 

「だったら楽しめよ?」

 

「「「え?」」」

 

「ウンディーネの仕事が好きなら、楽しめよ?お前らに足りないのはそこだ」

 

「え?」

 

「どういうこと?」

 

「俺もちょっとしかお前らの合同練習しか見てないが、少しプリマになろうと焦っているようにしか見えない。そういう奴はお客様も楽しませることもできない」

 

「本来はね、ウンディーネと言う仕事はお客様に案内させるのが仕事。その案内をただするだけでなく、お客様を楽しませることも大切なの」

 

「それができないとプリマになれない。言っておくがこれはウンディーネにとって基本中の基本だ。アリシアやアテナや晃だってそうだろ?お前らアリシアとアテナと晃の普段乗っているだろ?乗っててつまんないか?」

 

「い、いえ」

 

「楽しいです。練習よりも」

 

「はい、アテナさんの歌も聞いたりして楽しいです」

 

「そう、そこからはお前らの工夫だ」

 

「え?」

 

「私たちの工夫?」

 

「そう、アリシアや秋乃はお前らに助言を与えることはこれぐらいしかない。なぜならお客様やゴンドラの操縦も楽しむ方法はお前らのやり方でしかないからだ」

 

「私たちのやり方で?」

 

「そう、アリシアやアテナや晃のようにお前らにしかできない方法で楽しめ。言っておくが今まであいつら三人がお前らに教えてきたのは技術だけだ。お客様を楽しませるのは当たり前なのはお前らもわかっているけど、その方法は三人には教えてもらってないだろ?」

 

「それは・・」

 

「確かに・・・」

 

「ゴンドラの操縦と街の案内以外教えてもらったことがありません」

 

「お前らがシングル止まりなのはそこだ。操縦や町の案内はまあまあだ。あとはどうお客様を楽しませ、自分が無茶せずに現場やお客様の顔の表情を判断して己もその仕事に楽しめるかだ!そうすればプリマになることができる」

 

「私たちの・・」

 

「やり方で・・」

 

「楽しむ」

 

「この仕事が好きなら楽しめよ?まあ俺はこの仕事がめんどくさいからやればいいだけの考えをしているだけだからこんな中途半端なやり方しているだけ。秋乃はお客様とか人と触れ合うのが好きだから、ウンディーネ時代でもかなり仕事をバンバン出してたんだぜ?休む気なんてないみたいにな」

 

「え?なんで愛人くんそんなこと知っているの?」

 

「アラエルは情報を調べることができるの、あんたのウンディーネ時代くら簡単に調べられるわ」

 

「グランマも・・・ですか?」

 

「ええ、夢中で仕事を休むことすらも忘れてたくらいにね?」

 

「やってみろよ?お前らも?プリマになろうとするな。楽しむことだけ考えろ。そうすればいつの間にかプリマになっているよ。アリシアみたいに、じゃなかったら ARIAカンパニーで一人でプリマにやっていけるわけないだろ?休まずにな?」

 

「「「・・・・・・」」」

 

「無理して考えるな。楽しめ。それだけが助言だ」

 

「はい!楽しみます!」

 

「まあ、確かにね」

 

「この仕事が好きですし」

 

「じゃあ寝ろよ?」

 

「明日は早いからね?」

 

「「「はい!!!」」」

 

灯里たちならできる俺は信じた。いや、信じる必要もない。三人ならできるとしか思ってないから

 

「そういえば、明日朝早いけど何をするの?」

 

「それはな・・・・・・・・・・・テラーフォマー100万狩り」

 

「・・・・・・・・え?」

 

「さあ明日は楽しめ、壮大な狩りの日だぞ?」

 

「テラーフォーマーがこの田舎の近くの森にいるの、何匹か捕まえに行きましょう?」

 

「うわー、楽しみです!」

 

「でっかいワクワクします」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その楽しむは明らかに間違いよね!?」

 

次の日、藍華はただ見ていた。四人の獣がテラフォーマーを狩る姿を見て思うことは一つ

 

これはもはや楽しめない。ただの蹂躙だった

 


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