ARIA 〜cavaliere storia〜   作:ソール

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第十七話 愛人とアテナの間の赤子!?

それはある日、朝から始まった

 

「珍しいな、お前も休みだなんて?」

 

「うん、ここ最近ずっと仕事で忙しかったから、久しぶりに休みが貰えたの」

 

今日は愛人は久しぶりの休みで、アテナも仕事が休みだったため

たまには久しぶりに一緒に遊ぶことにしていた。

実は2人とも3連休の休みなので、久しぶりにどこかで遊びに行こうとしている

 

今は家に居るため、これからどこへ行くのかアテナと話し合っていた

 

 

「で?今日はどこへ行く?」

 

「そうだね〜、どこにしようか〜」

 

と言っても二人も昨日3連休だと知ったばかりなため、なにをしようか悩んでいた。アテナは今日愛人の家に居るのは、久しぶりに愛人の家に行きたいと昨日の仕事帰りに言い出して、そのまま会社の寮には戻らず、そのまま仕事帰りに愛人の家に寄り、そのまま泊まっていたのだ。

 

普段のアテナなら、アテナは休みの時間を利用して、アリスの指導に入るのだが、その肝心のアリスは今日明後日はミドルスクールという学校に通っているため、今日から明後日までは会社に出勤してこないのだ

 

愛人も、珍しく市民からの依頼も無し

更には、スカイバードの修理や調整も終わっている

書類もすべて片付いている

 

 

つまり二人はせっかくの3連休をどう使うか、考える前に暇を持て余していた

 

「とりあえず外に出てみるのはどうだ?街で出歩けば、なんか面白いものでもなんかやっているだろ?」

 

まずは街で出歩いてれば、なにか楽しむイベントでもあるのではないかと、街を出歩かないかと愛人はアテナに提案する

 

「そうだね?じゃあまずは街をお散歩で?」

 

アテナもその提案にのり、すぐに外に出かける準備をし、玄関に行き、靴を履き、玄関の扉を開ける

 

 

この時、二人は思っていなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二人そっくりな赤ん坊の面倒を見る事になるなど

 

プルルルルル、プルルルル

 

「ん?」

 

「どうしたのお兄ちゃん?」

 

『電話ですマスター。アクト様からです』

 

「アクトから?今出かけようとしたのになんかあったのか?」

 

愛人の腕時計から電話が鳴る。どうやら愛人の腕時計コントローラーはアラエルの操作だけでなく、電話としても使えるようだ。

 

それよりも愛人が休みだと知っているアクトは、なぜ愛人に電話をするのだろうか、また事件でも起きたのだろうか

 

「はい?もしもし?」

 

『ああ愛人か!?』

 

「ああ、どうしたよ?なんかあった?」

 

『大事な3連休の日にすまない!!実は・・・(おぎゃあ!!おぎゃあ!!)・・・ってことなんだ!!』

 

「なに言っているんだが赤ん坊の声で聞こえねえよ!!?ていうか本部に赤ん坊が居るんだよ?」

 

『いいから来てくれ!!』

 

「・・・・・・・・は?」

 

「なんだって?」

 

「エンジェル騎士団本部に来いだって?」

 

「なんかあったのかな?」

 

エンジェル騎士団本部から緊急要請の報告を受けた

どうやら緊急要請で休みの3連休は無しになり、愛人はすぐに制服に着替えて、すぐに本部に向かった。

 

アテナもその報告を聞いて、気になって愛人と一緒に本部ヘ向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本部に着き、まずはアクトから状況と内容と事情を聞く。

 

「エンジェル騎士団本部の玄関の近くに捨てられていた!?」

 

「ああ、僕も朝本部に着いた時は、朝玄関の扉を開けようとしたら、突然赤ん坊の声がしたんだ」

 

どうやら第一発見者はアクトらしい

赤ん坊はエンジェル騎士団の本部の玄関のチッ買うに捨てられていたらしい

放っておくわけにもいかず、エンジェル騎士団本部で預かることになったらしい

 

「酷い。赤ん坊を捨てるなんて!」

 

「僕も驚いたよ。こんな事件は初めてだ。一応騎士団はその赤ん坊を保護することになったんだ?」

 

「事情はわかったけど、なんで俺を呼んだわけ?」

 

赤ん坊を拾ったのはわかる。だが

なんで愛人を呼んだのかわけがわからず、愛人に赤ん坊の世話でもさせる気だろうか

 

「ああ、それなんだけどさ?とにかくその赤ん坊を見てくれる?ちょうどアテナも居てよかったよ?」

 

「どうして私?」

 

アクトは二人を赤ん坊の居る部屋に案内する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これ?君たちの子だろ?」

 

「ばぶ、ばぶ」

 

「「・・・・・・・・・」」

 

アクトの案内により、赤ん坊の居る部屋に案内された

 

その部屋に居たのは、アレクシアに抱きかかえられた

アテナと愛人の似ていた赤ん坊が居た

 

「これ?あなたたちの子よね?」

 

その赤ん坊は髪と目は愛人と同じ蒼髪のショートヘア。目もまるでサファイアのような瞳

体の色はアテナと同じ、褐色肌だった。更にアホ毛もあった

 

この特徴のある外見

 

まさしく、アテナと愛人の遺伝を継いでいるような、二人そっくりな赤ん坊が居た

 

 

「おい?なにアホなこと言ってんだ?バカ二人?」

 

「おい愛人!アテナと結婚しているならなんで言わなかった!!君たちが子供生んでいたなんて聞いてないぞ!!?」

 

「おいマジで殺すぞアクト?いつ俺がアテナと結婚した?いつ俺がアテナのお腹に種をバラまいた?」

 

「愛人くん!!お父さんならしっかり子供の面倒見なきゃダメでしょ!!ほら?パパとママですよ?」

 

「ばぶばぶ」

 

「私のお兄ちゃんの子?」

 

アレクシアから捨て子の赤ん坊をアテナに渡された

赤ん坊は嫌がる様子も無く。アテナを拒んだりもしなかった

 

「子供を捨てるなんて!親失格だぞ愛人!!!」

 

「おい?この街の海をお前の血で染めるぞ?こいつは俺のガキじゃねえ」

 

「まあ?パパは君に酷い事を言ってますよ。最低なパパですね?アテナさんその子をしっかり見守ってくださいね?」

 

「え?本当に私の子なの?」

 

「アテナ騙されるな!!そいつは俺たちに似ているが俺たちの子じゃねえ!」

 

アテナはなにを騙されたのか、生んだ記憶も無いのに、自分の子だと勘違いしていた。ぼんやりな生活しているから、すぐにでも自分の子だと勘違いしやすいアテナだった

 

 

「愛人さん!いくらなんでもそれはあんまりですよ!」

 

「そうよ!自分の子も責任も取れないの!!」

 

「なんでテメーらも俺ら二人の子だと勘違いしているんだ!!」

 

部屋に入って来たアイナと彩音にも二人の子だと断言して来た

こうも外見が二人に似ているだけで二人の子だと勘違いするものだろうか

愛人は誤解だと言うが、もうなにを言っても無駄だと愛人は文句を言うのやめた

 

「まさかあの水の三大妖精の一人アテナ・グローリィと愛人に隠し子が居たなんて」

 

「まあ、一緒に住んでいるのですから、薄々はそんな関係だとは思ってましたが、まさか子供も居たなんて・・・・」

 

「ある意味アテナさんと愛人くんはお似合いだと思うわね?兄妹にしては、仲が深すぎるものね?」

 

「まあ子供が居るのはめでたいが、これ?灯里ちゃんとアリシアには言えないな?」

 

「そうね?あの子達が愛人に子供が居るなんて知ったら、ショックを受けるわね?」

 

「逆にオレンジ・ぷらねっとのウンディーネたちは喜ぶんじゃない?遂にオレンジ・ぷらねっとのお兄さんとオレンジ・ぷらねっとのセイレーンが実は結婚していて子供も居るなんて聞いたらあの子たち、愛人がオレンジ・ぷらねっとの本物のお兄さんになることになるんだから?」

 

「なんでそうなるの?」

 

アテナと結婚して子供居たなんてことが発覚すれば、確実にオレンジ・ぷらねっとのウンディーネたちも黙ってはいないはず、果たしてこれを聞いたアリスたちウンディーネの反応はどうなるだろうか

 

どっちにしてもこのエンジェル騎士団四大天使騎士のようになにを言っても無駄なように、自分とアテナの子だと誤解をされるのがオチだろう。

 

もうこの赤ん坊を他の知り合いの連中に見せれば、面倒事が増えるに違いない。得に口の軽い藍華と晃に見られたら、街にとんでもないくらい言いふらされるだろう

 

とにかくこいつを連れて

 

 

 

 

逃げることにした愛人

 

「逃げるぞアテナ!!その子つれて逃げるぞ!!」

 

「え?でも・・・・」

 

「いいから行くぞ!!」

 

愛人は赤ん坊を抱いているアテナを連れて、赤ん坊ごと連れて逃げる

 

「どこへ行く!愛人!!」

 

「あの子!赤ん坊をまた捨てに行くのね!!」

 

「させるか!!」

 

「愛人を追いかけなさい!!!あの赤ん坊を取り戻すのよ!!!」

 

四大天使は赤ん坊を救うために、愛人を逮捕しようとする。仲間なのに

 

四代天使は愛人の敵になったのだ。別に愛人は本当の親を探しに行っただけ、これ以上誤解を生むと本当に厄介ごとになってくる。

これ以上の面倒ごと増えるのもごめんだろう。3日間の休みを貰ったのにも関わらず仕事は超面倒に巻き込まれるなど、最悪以外なかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく本部から離れ、建物の裏に隠れる愛人とアテナ

 

「たく、また面倒ごとかよ・・・・たくお前のパパはどこ言ったんだ?」

 

「ばーーばぶ」

 

「パパじゃなくてママなら居るだって?」

 

「なんでお前わかるのアテナ?この子がなにを言っているのか理解出来るの!?」

 

アテナがマジで母親になったかのように、赤ん坊の言葉を理解していた

 

「それでどうするのお兄ちゃん?このまま私と結婚してこの子を連れて私とこの子と一緒に住める場所を探すの?」

 

「その子の親を捜して、さっさとこの面倒ごとを済ますさ?あいにく俺はお前を妻にする気はないね。俺はいつまでもお前を妹にする方がいいんだわ?さりげなくお前らと一緒に逃げるような選択肢を俺に選ばせるのはやめてくれない?」

 

アテナはなにを血迷ったことをさせようとするのか、本気でこの赤ん坊を自分の子だと思い込んでいないだろうか?

 

「この子は私たちの子よ!!お兄ちゃん!・・・・いえ愛人!」

 

「フルネームで呼んでいるよ!!?こいつここまでぼんやりしてたけ!?お前の子じゃないから!!そいつは捨て子だから!!」

 

「愛人!!私とこの子を連れてどこか遠くに逃げよう!!」

 

「なにアホなこと言ってんだ!?思い込んでじゃん!!?自分の子だと思い込んでんじゃん!!こいつここまで思い込みが激しかったけ!?」

 

アテナはアリシアに愛人を渡すなど認めていない。だから自分と結婚すれば、いつまでも一緒に居られる。もう彼女は愛人の思うように兄妹だけの関係だけじゃあ満足できなかったのだ

 

 

アテナもますます面倒になってきた愛人

 

 

するとある放送が街に流れる

 

『エンジェル騎士団からのお知らせです!!!街の皆様!!エンジェル騎士団所属七海・愛人がオレンジ・ぷらねっと所属アテナ・グローリィと交際していたことが発覚しました!!更に子供も生んでいて、今その子を捨てようとしています!!ただちに七海・愛人を見つけたら、エンジェル騎士団に通達して下さい!!私たち七海・愛人は犯罪者です!!』

 

「なんてことしてくれたんだあいつらあああああああああああああ!!!???」

 

このことは誰にも見られず秘密にするはずが

エンジェル騎士団の緊急放送により、この子が自分の赤ん坊だと誤解をネオ・ヴェネツア全体に広まった

 

「くそ!このままじゃあまずい、とにかく逃げるぞ!!」

 

「え?私とこの子を連れて逃げるの?私と結婚してくれるの?」

 

「結婚はしないが厄介なことになった以上は逃げるぞ!!一刻も早く・・・・・本当の親を捜すんだ!!」

 

 

街ではもう愛人を探そうとしている人が居る。今のところウンディーネが愛人を捜している様子はなかった。

 

「どうするの愛人?」

 

「とりあえず海に出るぞ?ゴンドラで海の上を渡りながら本当の親を探す」

 

「でもどうやって?」

 

「ゴンドラはオレンジ・ぷらねっとの会社のを盗む。海の上なら奴らに掴まることもねえ!そして問題の本当の親は・・・・・アラエル!!」

 

『はい!』

 

「この子を!!」

 

『調べます!!』

 

アラエルのスカイバードの赤外線レーザーで赤ん坊をスキャンする。

 

『スキャン完了です!!本当にこの赤ん坊様がアテナ様とマスターの遺伝を引いているか調べます!!』

 

「テメーも誤解を受けているんじゃねえ!?この子の細胞を調べて本当の親を探せ!!そしてこの街の人をスキャンして調べれば本当の親が居るはずだ!!」

 

『了解です!!』

 

アラエルは誤解を受けるも赤ん坊の細胞データを活用して、本当の親を探しに行った

ここから先はアラエルを無しに進むしかない。一刻も早く誰も見つからずにオレンジ・ぷらねっとの会社を目指し、ゴンドラを盗んでひとまずは海の上に逃げる

 

「さてと、アテナこれを冠れ?」

 

愛人はどこからか麦わら帽子を出し、アテナに被せる

アテナの顔を見せないためだろう。愛人も帽子を冠って顔を隠す

愛人は制服をその場で捨て、どこからか私服に着替えた

 

「赤ん坊の方は顔を見せても問題ない。まだ住民の人は顔は知らないはずだからな?それにしてもこいつなんて名前だろうな?」

 

「この子はアレスよ!!」

 

「勝手に名前付けるな!!?だから俺らの子じゃないから!!ていうかアレスはやめておけ!!それは戦神としてはいいけど最後の結末は人間に殺されるから!!しかも親に反発な神の名前だからやめろ!!」

 

 

アテナも勝手にもう名前まで付けていた。お願いだからこれ以上厄介なことをしないでほしいしその子に変なことを吹き込まないで欲しかった

 

「さて?行くぞ?」

 

「バレないの?」

 

「大丈夫だ?帽子で顔を隠しているからな?」

 

二人は街の道を歩いている。街の人とすれ違うが、通報はされなかった。

顔をうまく帽子で隠れているため、愛人やアテナだとは街の人は気づかなかった

 

うまくまた人が居ない道に入ったが

 

 

 

しかし

 

 

「見つけたわよ愛人!!」

 

「っ!?藍華!?」

 

なんと後ろから藍華に見つかる

 

帽子で顔を隠しているのに、なぜバレたのか

 

その理由は

 

「アテナさんの褐色肌に気づかないとでも?」

 

「な!?」

 

そう、顔が帽子で隠れていても、アテナの特徴のある褐色肌は隠すことはできなかったのだ。赤ん坊を抱える腕は布で隠しては居ない。しかも暑い夏なため、身を隠すコートを着させるわけにもいかなかった。どうやら藍華は顔ではなく、アテナの肌に気づいたのだ

 

「そこまでだ愛人!」

 

「く!?晃まで!!」

 

更にもう反対方向に晃が出現した

完全に囲まれた

 

「アクトから話は聞いている。お前せっかくアテナと結婚して生んだ子供を捨てるとは親として責任を取ろうとは思わないのか?」

 

「だから俺の子じゃねえ!俺はまだ結婚もしてないから!!お前らも騙されているんじゃねえ!!」

 

「嘘を言わない愛人!!あんたとアテナさんの子に決まっているでしょ!!

このあんたと同じ蒼髪と蒼い瞳やアテナさんと同じ褐色肌でそしてこのアホ毛まさしくあんたとアテナさんの子よ!」

 

「外見は確かにそうだが!マジで俺とアテナの子じゃねえから!!」

 

「アテナさん!かわいいですねアレスちゃん?男の子ですか?」

 

「うん、男の子だよ?」

 

「おい!?だからそいつはアレスって名前じゃねえ!!?」

 

「まったく、あいつにアテナは勿体ないな」

 

「おい!?二人とも人の話を聞くないだろ!?」

 

「愛人がアテナさんと結婚してくれたおかげで、私たちのアリシアさんが結婚せずに済むわ!」

 

「なんで俺とアテナが結婚するから、アリシアが結婚せずに済むわけ?」

 

二人は、愛人の誤解を聞こうともせず、アテナの抱きかかえている赤ん坊アレスの方へ近づいて和んでいた

 

「ああ〜、いいな〜、私も子供欲しいな〜」

 

「ああ、私もこの子のような子を産んでみたいな〜」

 

「え?」

 

藍華と晃が子供を持つことが羨ましいと言った。その言葉を聞いた愛人がおかしいと変に思った

 

「なによ愛人?あたしだって女なんだから、子供くらい欲しいわよ?」

 

「そうだぞ愛人?それになにか?私のような女が子供持つ事がおかしいと言うのか?」

 

「いや、別にお前らが子供欲しがるのは女として当たり前だけどさ?俺が言いたいのはそこじゃなくて、お前ら二人はもう子供生めるじゃん?得に晃はすぐにでもさ?」

 

「「え?」」

 

愛人は二人が子供を欲しがることには変に思っていない。愛人がおかしいと思ったのはそこでなく、二人がまるで子供なんて作れないような言葉に変に思ったのだ

 

 

「だって?どうせ晃はアクトと結婚して子供生むだろ?」

 

「な!?なんで私とアクトなんだよ!!」

 

「え!?お前らてっきり付き合ってると思った!?だってお前らいつも一緒に居るじゃんかよ!!」

 

「アクトとは関係ねえよ!!」

 

「それに知っているだぜ俺?お前の携帯の待ち受け画面はアクトの写真だって?それにお前らお似合いだと思うぜ?」

 

「すわ!!なんでお前がそれを知っているだよ!?それに恥ずかしいから言うな!!」

 

「それと藍華?お前もそうだろ?」

 

「え!?なんで私もなのよ!?」

 

「お前にはアルが居るだろ?さっさと付き合って結婚でもすれば、すぐにでも子供が手に入るだろ?」

 

「禁止!!それ以上の恥ずかしいセリフ禁止!!!」

 

「お前ら二人がアルとアクトのことが好きなことくらい、みんな知っているっての?まあ本人は気づいてないがな、そんなに欲しいなら今あいつに電話して・・・」

 

「「それだけはやめて!!(やめろ)!!」」

 

愛人はアクトとアルに電話して、藍華と晃が好きだと伝えようとしたら二人に止められた。

 

「なんで止めるんだよ?」

 

「そりゃあ止めるでしょうが!!なんでアルくんに私が好きだと伝えるのよ!?」

 

「だってお前?欲しいんだろ子供?だったらまずは男を手に入れなきゃだよ?晃ももう20歳だろ?もうそろそろ婚活の時期じゃねえのお前は?」

 

「20だからアクトと付き合わなきゃいけない道理は無いだろ!?それにそういのはいろいろしなきゃいけないことがあるだろ!?告白するとか、結婚するならまずはご両親に挨拶するとか・・・」

 

「うわ!お前もうアクトとそういうことしようとしてたんだ?なんだよ?お前やっぱアクトにぞっこんじゃねえか?早くアクトが欲しいなら早くしろよ?あいつ案外いろんな女性にモテるから早くしないと取られるぞ?」

 

「なに!?あのアクトが!?」

 

「そういや、アルもモテるんだよな〜、この前なんかノームの女の子たちに囲まれていたぜ?」

 

「え!?アルくんが!?」

 

藍華と晃はアクトとアルがいろんな女性にモテると聞いた途端落ち着かずに居られなくなり、詳しい話を愛人から聞く

 

アクトはエンジェル騎士団の団長。24歳でかっこいい騎士様としても女性に人気なのだ。実はネットのサイトで、『ネオ・ヴェネツアに住んでいる結婚したい男ランキング』ってのがある。

 

そのランキングでアクトは載せられている。上位で第2位となっている。

エンジェル騎士団団長にしてイケメン騎士としても人気。まるで絵に描いた女の子に憧れる王子様のような顔つきなのだ

 

アルは3位、かわいい坊やとしてマスコットみたいなかわいい男子として女性に大人気。付き合いたいならあんなかわいい子と付き合いたいと言う女性も多く居る

 

だから二人はこの先結婚する可能性があるということだ

 

「まさか!!あの甲斐性なしのアクトがそこまでいろんな女性にモテるなんてな・・・・・」

 

「アルくんは確かにかわいいけど・・私からすればそんな感じじゃない・・・・でもありえるかも!!」

 

「というわけで電話するな?」

 

「「だからやめて!!(やめろ!!)」」

 

「なんで?別にお前らのためにやってあげてんじゃん?お前らがさっさと付き合わないからさ?」

 

「だから!!ここは私で自分ですることであってな!!」

 

「プロポーズは私たちがするからいいの!!」

 

「あっそ?じゃあ俺に協力してくれるよね?」

 

「「え??」」

 

「協力してくれないの?へえ〜じゃあこのことはアクトとアルに伝えて・・」

 

「わかった!!協力する!!」

 

「だからアルくんには言わないで!!」

 

「よし、なら俺たちをオレンジ・ぷらねっとの会社までゴンドラで連れて行け?俺たちを乗せていることは必ず他の奴らには隠せよ?でなければわかっているよな?」

 

「わかった!!オレンジ・ぷらねっとの会社だな!!」

 

「今すぐゴンドラを用意するわ!!」

 

愛人は悪巧みをした

もしも自分たちに協力しなければあの二人の異性の男に好きだと言いふらす。二人を脅した正直悪いと思っているが、今の状況は二人にはまずい。状況を変えるには二人を利用するしか、この状況を二人を利用しなければ乗り越えることは不可能だった

 

 

晃と藍華にゴンドラを用意してもらい。今は海の上に居る。

 

「ばぶばぶ」

 

「たく、お前の父ちゃんどこに居るの?」

 

「ばぶばぶー」

 

「あら?愛人みたいな面白いパパだって?」

 

「おや?だから俺のことを怖がらないのか?母ちゃんはどんな感じ?」

 

「ばーぶばーぶ」

 

「私みたいな子供想いのお母さんだって?」

 

「たく、道理で俺たちが一緒に居ても泣かないわけだぜ?とりあえずアップルジュース飲め?」

 

「ばぶばぶ」

 

「お前らもう夫婦だろ?話し方が完璧夫婦の喋り方だぞ?」

 

ゴンドラの上で赤ん坊を和んでいた。オレンジ・ぷらねっとに着くまでには時間があるため、捨て子の赤ん坊の相手をしていた

 

「それでその捨て子の親を捜しているんだな?」

 

「ああ、どうにか見つければいいんだが、アラエルまだ見つからないのか?」

 

『申し訳ありません。さすがの私も700万人程居る人口を調べるのは骨が折れます』

 

腕時計コントローラーからアラエルと連絡しているが、どうにも見つからない様子

 

「とにかくこのままオレンジ・ぷらねっと会社に向かってくれ!!」

 

「だけど!アリスちゃんたちが見たら驚くんじゃない?」

 

「アリスたちだって誤解だってわかってくれるだろ?俺の言葉を聞いてわかってくれるさ?」

 

「確かにわかってくれるかも・・・」

 

オレンジ・ぷらねっとの会社のウンディーネたちはもう愛人の手の中

アリスたちが愛人の言う言葉を聞かないわけがない

 

「とにかく会社に行けば、本当の親が見つかるまでアリス達に匿まってもらう。エンジェル騎士団からこの赤ん坊を守るんだ!!」

 

「あんたマジで神話通りになってんじゃん!?ルシファーがミカエルに逆らってんじゃん!?あんたエンジェル騎士団の裏切り者になってんじゃん!?」

 

自分の所属会社のエンジェル騎士団に追われるなど、前代未聞だろう

 

本当の親にこの赤ん坊を返すまでは、オレンジ・ぷらねっとの会社でこの子の世話をしながら、身を隠すしかなかった。ていうかいつになったら愛人とアテナの誤解が解けるのだろうか

 

 

こんなこと、ARIAカンパニーのアリシアと灯里が聞いたら、なにをされるか

 

 

「あら?晃ちゃん?藍華ちゃん?」

 

「あ!晃さん!藍華ちゃん!」

 

「お、おお!!アリシア!」

 

「アリシアさん!灯里!」

 

「あら?お客様?」

 

「ああ、そうなんだ?・・・・」

 

そう思っていた先から、後ろからゴンドラでアリシアと灯里がやってきた

見たところ灯里の練習途中らしい

 

晃と藍華は一応二人を隠すためにお客として隠している

 

愛人はアテナの帽子を顔を隠すように被し直す

 

「申し訳ありませんお客様・・・・楽しい観光の時に・・・・・・・・・・あら?愛人くん?にアテナちゃん?」

 

「え!?」

 

「あ!本当だ!愛人さんに!アテナさんだ!!」

 

帽子で顔を隠しているのにも関わらず。正体がバレた

 

「いや・・・・なにを言っているのですか?私はとある夫婦ですよ?」

 

愛人がお客様のフリをして芝居をするが

 

「なにを言っているの愛人くん?男とは思えない綺麗な手と、そのイケボイスな声と愛人くんの体から花のような香りもするし、帽子で隠しているかもしれないけど、その海の色のような蒼、綺麗な肌にファッションセンスのある服、完璧愛人くんだよ?」

 

「愛人さんの特徴がわかりやすいですもんね?愛人さんが仮面ライダーのコスプレや人為変態やテラフォーマーのコスプレやアイアンマンやブラックパンサーやアントマンやスーパー戦隊のコスプレで姿を隠したとしても、私とアリシアさんは瞬時に愛人さんだって気づきますよ?」

 

「お前らどうなってんの!!??なんですぐに俺だと分かるの!?普段お前ら俺のなにを見ているんだよ!!?ていうか体から花の香りがするってなに!?俺言っておくけど香水とかつけてないからな!!ていうかなんでお前ら俺の体の匂いがわかるんだ!!?お前らストーカーか!!?」

 

灯里とアリシアは愛人のなにを理解しているのだろうか・・・

愛人も冠っていた帽子を脱いで、姿を現した

あんな理由を聞いて姿を見せずにはいられなかった

 

どのみち、この二人から身を隠そうなど、無駄なことだった

 

「それでその子がそうなの?」

 

「見たいですね?エンジェル騎士団に追われているようですね?」

 

「ああ、言っておくがこいつは・・・」

 

「わかるわよ?この子は捨て子なのよね?」

 

「え?」

 

「わかりますよ?愛人さんとアテナさんの間の子じゃないですよね?」

 

「お前ら・・・・・・」

 

なんとここに誤解だと初めて理解してくれた人が居た

アリシアと灯里はやっぱり愛人のことも理解してくれるように、言う言葉も信じてくれた

 

誤解を信じてくれた二人にはじめて感謝の気持ちになった愛人

 

 

 

だが

 

「だって?愛人くんが違う女の人と結婚するわけないものね?」

 

「・・・・・・・は?」

 

「そうですよ?私たちのことも見ずに違う女の人とお付き合いしているうえに子供まで生んだなんてありえるはずがありません」

 

 

「なあ藍華と晃?なんか変じゃねえ?あの二人?まるで俺が女には縁がないみたいな言い方しているぞ?誤解だと理解しているんじゃなくて?」

 

「あの二人、なにがあっても愛人が結婚だなんて認めない気がする」

 

「自分たちを差し置いて違う女の人と結婚して子を生んでいたことなど、認める気はないみたいだな?」

 

誤解だと理解してくれたのではなく、単に認めないだけだった

 

「もうめんどい!晃!藍華!そのままオレンジ・ぷらねっとの会社へ急げ!!もう誤解だと言うのも信じてくれないなら、本当の親を見つけるまで!オレンジ・ぷらねっとの会社に隠れるしかない!!」

 

「わ、わかった!!」

 

愛人はもう誤解を話しても信じてくれないなら話しても無駄だと判断し

さっさと会社に急ぐ

 

無論納得いかないアリシアと灯里も追いかける

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無事エンジェル騎士団に見つからず。オレンジ・プラネットの本社に着いた

事情を話し、匿まってもらえることになった

 

そして今アリスとアテナ寮の部屋で赤ん坊の面倒を見ていた

 

「事情はわかりました。つまり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

兄さんが遂にアテナ先輩と結婚したんですね!!」

 

「まったくもってわかってねえじゃねえか!?だから俺とアテナの子じゃねえって言ってんだろ!!」

 

希望だったアリスにでさえ、事情を話してもやっぱり誤解だと信じてくれなかった

 

「まったく匿まってくれるのはうれしいが、結局誤解は解かれずか・・・・」

 

「大丈夫です!私は愛人さんとアテナさんの子じゃないって信じてます!!」

 

「テメーは信じているじゃなくて!!認めてないだけだろ灯里!!?」

 

アリスは誤解を信じてくれないどころか灯里は認めてない

ここまで信用のなさは初めてだった

 

「まったくここで匿まってくれるのはうれしいが、おかげで他のウンディーネたちが赤ん坊を和みにこのアリスの部屋に集ってくるのは骨が折れるがな?」

 

「アテナさん!アレスちゃんかわいいですね!」

 

「兄さんとアテナさんにそっくりです!」

 

「兄さんがアテナさんを選んでくれると信じてみました!!」

 

「これで兄さんもオレンジ・ぷらねっとの本当のお兄さんになれます!」

 

「これでこの会社も安泰です!」

 

「もうこいつら、俺とアテナが結婚しなきゃ気がすまないみたいだ」

 

もうオレンジ・ぷらねっとのウンディーネたちは愛人とアテナを結婚させなきゃ気がすまないらしい。もうこのままエンジェル騎士団やめて、オレンジ・ぷらねっとの会社に転職しそうだった

 

「ん?」

 

「ん〜〜〜、ん〜〜〜!!」

 

赤ん坊が突然様子がおかしくなった

 

「どうしたんだろ?」

 

「ああ、お腹空いてるんだろ?待ってろ?今ミルク持って来る」

 

愛人は本社の厨房を借りて、赤ん坊が飲むミルクの容器やミルクの元をどこからか持って来て、ミルクを作る。暑すぎるのもまずい。冷ましすぎるのもだめ、赤ん坊が飲めるその中間の暖かさで冷まさせる

 

愛人は完全にパパになっていた

 

「ほれ?しっかり飲めよ?」

 

「ちゅむちゅむ」

 

「飲んだ!しっかり飲んだ!」

 

「アテナ?もう少し頭を上げさせてやってくれ?それじゃあ飲みづらいから?」

 

「うん」

 

アテナもしっかり赤ん坊を抱きかかえて、ミルクの容器を持って飲ませる

アテナもさっきから赤ん坊を抱きかかえているせいか、赤ん坊を抱き方もうまくなった。完全にアテナもママになっている

 

「愛人?完全にパパになってるわよ?ついでにアテナさんも?」

 

「仕方ないだろ?こいつも本気で俺とアテナのことをパパとママだと思ってやがるし、親は相当俺らに似ているようだな?」

 

「その子の本当の親は一体どこに居るんだろうね?」

 

「この街に居る事は確かだろう?今アラエルが探しに行っている。それを待つしかない」

 

「でも、酷いよね?エンジェル騎士団本部の玄関に赤ん坊を捨てるなんて?」

 

「そうですよ!なんでこんな小さな赤ん坊を捨てるなんて」

 

アリシアと灯里はこの赤ん坊を捨てたことに酷いと言い張る

確かにこんな小さな赤ん坊を一人にして置いて行くなど親としてはありえない

 

だが

 

「それは違うんじゃないかな?アリシアちゃん?」

 

「え?」

 

「ああ、俺もこの子を捨てたとは思えねえ」

 

「え?どういうことですか?」

 

愛人とアテナは突然この赤ん坊は捨てられたのではないと言い出す

二人はなにを根拠に言っているのだろうか。二人はこの赤ん坊の親になったような口ぶりをする

 

「やっぱりアテナもそう思うだろ?」

 

「うん。アリシアちゃん?変だと思わない?」

 

「なにが?」

 

「この子が捨てられてた場所?」

 

「え?エンジェル騎士団本部の玄関の近くよね?それがどうかしたの?」

 

「それが変なんだ」

 

「え?」

 

「おかしいとは思わないのか?そんなところに捨てれば確実に騎士団に通報されやすいだろう?」

 

「確かにそれはそうだけど・・・」

 

「ああ悪い。言い方間違えた。俺の言いたいことは・・・・・・・・監視カメラが写るような玄関に捨てたってことがおかしいって言っているんだ」

 

「!?」

 

そう、赤ん坊を捨てるにしてはおかしかった。

普通は保護してもらう施設に捨てるのが常識なのだが

エンジェル騎士団も一応保護はできる。だが

エンジェル騎士団本部の玄関の近くに捨てるなんておかしいにも程がある

実は玄関や本部の周りには監視カメラがついている

赤ん坊はその明らかにカメラに移るような玄関に捨てられたのだ

 

そんなことすれば一発で捨てた人を捜して通報される

 

 

愛人はアクトに事情を聞いたのだが、捨てられた場所は監視カメラが写る玄関の近くだったらしい

おかしい

普通監視カメラに写ってでも、その子を捨てるのか

 

 

 

 

だから二人は深く考えた

普通監視カメラに写ってまで捨てるなんてありえない

捨てた本人もカメラに気づかないはずがない

もしかしたらこの赤ん坊を騎士団に守ってほしいために置いたのではないかと仮説で考えた

 

この赤ん坊はエンジェル騎士団に守ってもらうためにあそこに置いたのだと二人は考えた

 

「ってことはなに?その子は何か追われてたってこと?」

 

「仮説ではあるがな・・・・俺はとてもこの子の親が捨てたなんて思えない」

 

「うん。私も思う。その証拠に・・・」

 

「あ!?それって!!」

 

そう、確かな証拠になるような物があった

 

それは

 

赤ん坊が着ている服に血で描かれた手の跡がついていたこと

 

「おかしいだろ?普通こんな赤ん坊の服に血なんて付く分けないだろ?」

 

「どういうことなんだ!?誰かに追われているのか!!?こんなアクアに!!」

 

「今頃アクトが監視カメラに移っていた映像を調べているだろう・・(プルルルル、プルルルル)・・・ほら?さっそくだ?はい?もしもし?」

 

愛人の腕時計コントローラーから通話が鳴る

 

『愛人か!?赤ん坊と一緒に居るよな!?』

 

「捨ててないから安心しろ!!」

 

『疑ってすまなかった!あの赤ん坊は君たちの子じゃなかったんだな?』

 

アクトもやっと自分の子じゃないと信じてくれた。

 

「謝らなくていいから!わかったんだろ本当の親が?」

 

『ああ、監視カメラから捨てた人を見つけた。その人は母親だった』

 

「それで?その母親は誰なのかわかったのか?」

 

『ああ、しかも厄介な人だった』

 

「厄介な人?一体誰なんだ?」

 

『君も知っているはずだ?・・・・・・・マンホームの大財閥の家の者で『鹿波矢家』だ!』

 

「鹿波矢家!?こいつ!?あの鹿波矢家の子供だったのか!?」

 

「どうかしたのですか愛人さん?」

 

「灯里お前もマンホームの出身だから知っているだろ?こいつはあのマンホームの大財閥の子供。『鹿波矢家』の子供らしい!」

 

 

「鹿波矢家!?あの大企業でお金持ちの!?」

 

「なんなの灯里?鹿波矢家って?」

 

「マンホームで大企業としても有名な大財閥の家だよ?」

 

鹿波矢家とは

 

マンホームの大企業にして大財閥の家である

その家は初めはただの独立した小さな車の会社だったが、その鹿波矢の主人がマンホームで大人気な程の高級車を作り、その売り上げが上がり、会社は大企業になった

マンホームだけでなく、ルナワンやルナツーとしても人気だった

 

いろんな星からたらっふく財産を手に入れた鹿波矢家はセレブを越える程のお金持ちになった。マンホームでは鹿波矢家を知らない者はいない

 

「なんで?そんな大財閥の子がなんで本部に捨てられていた?」

 

『いや、捨てられてたんじゃない。その子は親と一緒にこのアクアまで逃げて来たんだ?』

 

「逃げてきた?どういうことだ?」

 

『調べたんだが、その鹿波矢の主人の部下の副社長に狙われているんだ?』

 

「狙われている?なんで?」

 

『実はマンホームの警視庁に調べてもらったんだが、鹿波矢家の主人が先週病気で亡くなったらしい。その赤ん坊はその主人の子だ。副社長は社長が亡くなった主人の財産を盗むためにその子供を会社に跡を付かせて、財産と権力を盗むつもりらしい』

 

「アクアに逃げて来たのはなんでだ?」

 

『鹿波矢の主人の奥さんはこのアクアの出身らしい。実家に戻って子供と一緒に身を隠そうとしたが、その副社長と財産を盗もうとする仲間と一緒にアクアまで追いかけてきたらしい』

 

「つまり母親は今は?」

 

『ああ、子供だけ我々に捨てたのではなく守ってもらうために本部に置いたんだ?ちなみにその子の名前は歩くんって言うんだ?』

 

「なるほど、事情も状況もわかった?」

 

『まさか?お前?変な事は考えていないよな?』

 

「はん。心配するな?とりあえず母親を見つけたら連絡するから逮捕する準備だけしてろよ?」

 

『あ!おい!?愛人!!』

 

 

通信を切る。

 

更に

 

『マスター!!母親が見つかりました!!ネオ・アドリア海に廃墟のある小島があります!!そこで変な男の5人の集団に連れてかれました!!』

 

アラエルから通信が入り、母親の場所がわかった

 

「さてと、場所もわかった。やることは一つだ!」

 

「うん、そうだね?歩くんを本当の親に返そう?」

 

愛人とアテナは突然立ち上がり、アテナは歩をしっかり抱きかかえ。愛人は剣を腰に付け、戦闘体勢に入るかのように部屋から出る

 

「まさか!?行くのか!」

 

「当たりだろ!!行こうぜ歩?お前の母に会いに行こうか?」

 

「ばぶ!」

 

「私たちは君の本当の親じゃないけど」

 

「最後までお前を息子だと思って・・・・・・・」

 

二人は部屋を出て、アテナは歩を抱いたまま、片手でオールを持ち、ゴンドラ置き場に行き。アテナは自分のゴンドラをオールで漕ぎ出す。歩は愛人に抱く。そして向かう先はネオ・アドリア海の廃墟のある小島へ

 

「「義理のパパとママとして!!君を本当の親のもとへ連れていくことを責任を持つよ!!」」

 

「ばぶ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネオ・アドリア海の有数の多島海がある。そのうちの一つが廃墟のある小島

 

その廃墟の中で、

 

「う!!」

 

歩の母親が縄で縛られていた。母親はアテナのように紫色の髪ではないが褐色肌をしていた

男の集団に水をかけられていた

 

「あのガキをどこへやった!!」

 

「知らないわ!歩は誰にも渡しませんわ!!あの子は私の子です!主人の会社の財産なんてあげますわ!でもあの子は渡しません!」

 

どうやら子供の居場所を吐かせようと、拷問に入るところだった

 

「だめです副社長!この女吐いたりしません」

 

「なら、体に聞くまでだ」

 

副社長の男が刀を取り出し、鞘を抜き、刃を母親の前に見せる

 

「どうだ?怖いだろ?死にたくなかったらガキの居場所を吐け!!」

 

「死んでも構わないわ!!あの子が無事なら私は自分の命を捨てる覚悟もありますわ!!」

 

「なら・・・・・・・仕方あるまい!」

 

副社長は刀を上に上げ、母親の顔を切ろうとする

 

「う!!」

 

だが

 

 

 

ドガン!!!!

 

「なんだ!?」

 

突然母親の後ろにあった壁が壊された。そしてそこから

 

「おいおい?お母さん困るぜ?歩のために命貼るなんて母親としてもかっこいいけどよ?」

 

「歩くんにはね?まだ小さいんだよ?命を貼るのはいいけど?」

 

壊した壁の穴から

 

「「子供には母親が必要なんだよ(なのよ)!!」」

 

「ばぶ!!」

 

「歩!!」

 

愛人とアテナと歩が出て来た

愛人は母親の縄を切り、アテナは歩を母親に抱かせる

 

「ああ!!歩!!」

 

「ばぶばぶ!」

 

母親も息子と再会して涙を流しながら歩を抱く

 

「おいお前か?副社長さんは?歩の母親を殺そうとするなんて随分と副社長とは思えないことするんだな?」

 

「黙れ!!貴様等は何者だ!!」

 

「ほう?知らないのか?」

 

「副社長!!エンジェル騎士団です!!」

 

「エンジェル騎士団だと!!どうしてここが!!」

 

「おい?俺はあいにくエンジェル・・・・天使じゃねえ?俺は歩の母親を殺そうとしたお前らを裁く・・・・・」

 

今の彼は正義のルシファーではない

ルシファーは初めは天使だった。だが神に墜されたルシファーはその後どうなったか、堕天使だけではなく

 

 

 

 

 

 

「魔王ルシファー様だ!!!」

 

悪魔の王、魔王ルシファーになったのだ

今の彼は息子の母親を殺そうとした副社長たちを犯罪人とみなし

天使ではなく魔王として裁きを下す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方、副社長たちはアクトたちが逮捕した。

あのあと母親の救出と共に副社長を含む犯罪人たちは愛人一人でボコボコにした

 

今はオレンジ・ぷらねっとの会社に居る

アクトは歩の母親とこれからのことを事情聴取をしていた

 

「本当にありがとうございました!」

 

「これから?どうするのですか?」

 

「マンホームに戻ります。夫の会社を置いておくわけにはいきません。社長は私がなり。歩のためにもこれからもあの会社を立て直して行きます」

 

「そうですか」

 

母親は夫の会社を立て直し、息子が継げるように会社をやり直すと決めた

 

「あれ?歩くんは?」

 

「歩なら・・・・・・・あそこに?」

 

「ん?おいおい、アテナと愛人?完璧に歩くんの親になっているじゃないか?」

 

歩はアテナと愛人と一緒に食堂で一緒にアップルジュースを飲んでいた

 

「くう!上手いか?歩?」

 

「ばぶばぶ」

 

「歩くん?今日だけで短かったけど楽しかったよ?君と一緒に入れて?」

 

「俺もだ!歩本当のパパやママじゃなくて悪いがお前と会えてよかったと思っている。お前と会えたことで俺はパパとして、アテナはママとして夫婦の気分を味わえた。もちろん・・・・・お前のことを本気で息子だと思っている。本当に楽しかったぜ?」

 

「でもね歩?私とお兄ちゃんは兄妹なの?私たちはあなたの親にはなれないし、あなたには本当のお母さんが居る。あなたは本当のお母さんと一緒に居て?」

 

「う・・う・・・」

 

「泣くなよ歩?また会えるって?またここに来い?俺とアテナはいつでも歓迎する。今度はお母さんと一緒にこの街を観光しよう?」

 

「約束しよ?大きくなったらあなたがここに来たら、私たちは必ず歓迎する」

 

「約束だ。男だろ?また会える。俺たちはずっとここに居るから?」

 

「う・・・う・・・・ばぶ」

 

歩は涙をこらえて

歩の小さな手に指きりげんまんをする

歩にとってもアテナや愛人もこの暑い夏に夫婦のような思い出を作れたことを歩に感謝し、今度はお母さんと一緒に観光しに来たら、必ず歓迎することをまた会えることを約束して、

 

 

歩は

 

 

本当のお母さんと共にマンホームに帰った

 

愛人とアテナは歩の親として生きられたことは、永遠に忘れない思い出になるだろう

 

この時間は短かったけど、夫婦のように生きられた歩と過ごせたこの夏を忘れないように

 

歩を『さよなら』は言わずに見送った


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