ARIA 〜cavaliere storia〜   作:ソール

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第十六話 夜光鈴とアリシアとの関係

遂に暑い季節

 

夏がやってきました

 

このアクアはマンホームより太陽が遠いとはいえ、ここ火星のアクアでもやはり暑い

 

 

無論本部に居る

愛人は

 

「ついに来ちまったな・・・暑い夏休みの季節が・・・」

 

自分の仕事部屋でぐったりしていた

 

「愛人?水分は取ってくれよ?脱水症状でもしたら大変だからな?」

 

「わかっているって、でもよ!!暑くね?アクアにいるのにマンホームより暑い気がするぞ?」

 

「そうですね・・・今年はなんでも気温は高いみたいですね?」

 

「お?彩音じゃん?なんか涼しくなる方法知らね?この暑い中仕事なんてやってられねえんだよ?」

 

書類仕事が終わったウリエル隊長の彩音に涼しくなる方法を聞く

 

「涼しくなるような物ならありますよ?」

 

「マジ?それはなに?」

 

「これです!」

 

彩音が出したのは、綺麗なガラスで花柄が描かれた

夏の暑さを静かな音で和らげてくれる

 

風鈴だった

 

「お!風鈴じゃん!見るのは久しぶりだ!マンホームの田舎でもまだあるからな・・・アクアにもあるんだな?」

 

マンホームはもはや機械の都市で、風鈴を飾るような習慣は無い

あるとしたら、あまり機械を使ってない田舎くらいだろ

 

「ええ、でもこれは特別性で『夜光鈴』って言うんです」

 

「夜光鈴?」

 

「はい。これ夜光るんですよ。アクアだけの特産品なんです」

 

ガラスの中に小さな玉がついていた。これが夜になると光るのだろう

 

「へえ、すげえな明かりまでついているのか?」

 

「ですが、これ寿命が一ヶ月しか無いんです」

 

「なんで?」

 

「夜光鈴の中の玉が夜光石がありまして、その石に光の消失と共にどんどん小さくなり、最後には器から落ちてしまうんです」

 

「そうなのか・・・・俺も欲しいな?それ?」

 

「じゃあ僕と一緒にサンマルコ広場で夜光鈴市をやっているから買いに行かないか?」

 

「ああ、俺も行く」

 

夜光鈴を買いに、サンマルコ広場でやっている夜光鈴市へアクトと一緒に買いに行く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サンマルコ広場では、屋台が多く。夜光鈴が多く売られていた

 

「ほお〜、すげえあるな?」

 

「これの中から好きなの選ぶんだ?」

 

「そうだな〜、俺はどれにしようかな〜」

 

愛人は屋台に吊るされてある夜光鈴を見て。どれにしようか見て悩んでいた

夜光鈴は色は一つだけでなく、デザインも違う

 

愛人はできれば自分の好きな青色の夜光鈴を選ぼうとしていた

 

 

すると

 

「あれ?愛人さん!」

 

「あ、愛人じゃない?」

 

「兄さん!?」

 

「ぬあ?」

 

ここで灯里と藍華とアリスたちと出会う

本当に彼女たちと出会うのが多い。まるで轢かれ合うかのように

 

「お前らも夜光鈴を?」

 

「はい!」

 

「あんたも?」

 

「ああ」

 

「意外、あんたこういうのは興味ないと思った」

 

「まあ風習には興味ないが、こいつの音を聞いてみたいがために買いに来たんだ」

 

「兄さんはどんなのにしますか?」

 

「できたら、青色の奴がいいな〜」

 

「あんたって、青が好きなの?」

 

「まあな〜」

 

こう見えて愛人は青が好きなのだ。

夜光鈴はたくさんあるのはいいとして売り切れも心配ない

だが、彼が気に入るデザインの夜光鈴がなかった

 

好きな青色もたくさんある

 

問題はデザインだ

 

客観的で欲しい物があるのなら、それを選んだりはする。だが彼には、どうせなら変わったデザインを手に入れたい

 

夜光鈴なんて、どれ選んでも同じじゃないのか?と一般人に言われてもおかしくない

 

だが

 

たまにはこういう物にこだわりを持って選ぶのもいいのでは無いかと彼は思っている

 

別に自分はデザイナーでもないし、そういうのは今まであまりに興味がなかった

 

でも、こだわって選んでみたかった

 

自分に合いそうな趣味のあうデザインの夜光鈴を探すのは、初めて物に興味を持ったからだ。興味を持ったのなら、それなりのデザインにこだわりたい。例えそれが無価値だったとしても、

 

自分の興味が出た物くらい、自分の手でこだわって探したかったのだ

 

それだけの価値があるのではないかと思っていたからだ

 

「あら?愛人くんに灯里ちゃん!」

 

「あ!アリシアさん♡」

 

「アリシアさん!」

 

「アリシアか・・・・」

 

こんなとこに偶然に友人のアリシアに会う

久しぶりではない。ほとんど最近夜によく外食を誘われるためよく会うせいか、偶然会うことなど、驚きはしなかった

 

「夕食誘って以来だな?アリシア?」

 

「ええ、愛人くんも夜光鈴を?」

 

「ああ、久しぶり見たからな、ま俺が知っているのは風鈴だけどな?」

 

「なにかいいの見つかった?」

 

「それがさ?俺の好きな色の青をベースイにした奴を探しているんだけどな・・・なかなか見つからなくて?」

 

「なら、私がオススメなの紹介するわよ?」

 

「お?いいのあるの?」

 

「ええ、私が愛人くんが気に入りそうなの探すわ?」

 

「ああ、じゃあ頼むわ?」

 

アリシアが愛人に似合いそうな気に入りそうな夜光鈴を探してくれた

探してくれるのはいいが、なんか前よりもアリシアが愛人に積極的になったというか、なんか愛人との関係が変わった気がする

 

愛人自身ももうアリシアのことをバカにしなくなったし、大分彼女との対応が変わっていた。

 

そんなやりとりを見て灯里たちは

 

 

「アリシアさん・・・・愛人さんにくっ付きすぎです」

 

「く!やはりあいつは私たちアリシアファンの敵よ!!」

 

「灯里先輩もアリシアさんも・・・・やはり私たちにとって危険な存在です」

 

「アリスちゃん?犯罪は起こさないでね?」

 

灯里は愛人にくっ付くアリシアに少し羨ましく思っていた

藍華はいつも通り、アリシアファンの敵である愛人をどうにかしないかと何か計画をたてようとする

 

アリスは・・・・・・本当に灯里やアリシアを殺そうとしそうで怖かった

 

と、見ていたアクトは思った

 

 

「それで?お前がオススメするのはどれだ?」

 

「愛人くんはただの青のカラーをした夜光鈴は嫌でしょ?」

 

「まあ・・・・・それは普通過ぎて嫌だしな?」

 

こだわりなら、ガラスの柄が綺麗なのがよかった

柄なんてどれもみんな一緒だが、できれば見たことの無い柄が欲しかった

 

「やっぱりね・・・・じゃあこれなんてどうかな?」

 

「っ!?それは・・・・・」

 

アリシアと一緒に歩いて案内したお店は屋台が続いた奥に遠くから一つだけ残された屋台があった

 

「おや?アリシアさんこんばんは?また来てくれたんだね?」

 

「こんばんは?おじいさん?」

 

屋台の店員のおじいさんとアリシアは知り合いらしい。

去年もこの店の夜光鈴を買ったのだろうか

 

アリシアこの屋台の常連さんらしい

 

 

「おや?アリシアさん?今日は男を連れて来ているのかい?もしかして彼氏さんか?」

 

「ふえ!?いえそんなんじゃあ/////」

 

「俺はただの友人だぞじいさん?」

 

「おや、誰かと思えば何でも屋騎士様の愛人くんだったのか?」

 

どうやら屋台のおじいさんもニュースくらいは見ているらしく。愛人のことは知っていたようだ

 

おじいさんから彼氏扱いに関しては愛人は無視していた

 

「お前さんがうちの夜光鈴を買ってくれるのかい?」

 

「まあ、ここになんかいいのあるか?」

 

「いいのか・・・・・それはワシがオススメするよりも、この屋台の常連さんであるアリシアさんに選んでもらうほうがいいぞ?」

 

「そうか・・・・それでアリシアは俺ならどんなのが似合うと思う?」

 

「あ、うん・・・・・・」

 

アリシアは一度落ち着いて、愛人に気に入りそうな夜光鈴を探す

 

しばらく、夜光鈴の品を見ていると、一つだけ奥にちゃんと目でよく見ないと見えない夜光鈴が並びに外れて置いてあった

 

アリシアはその夜光鈴の柄が綺麗だったので、彼にオススメしてみた

 

「これなんてどうかしら?」

 

「それは・・・・・・」

 

「おや?アリシアさん?相変わらず選びもうまいんだね?それはいいものだよ?」

 

アリシアがオススメした夜光鈴は

 

「綺麗です!」

 

「なによこれ!?」

 

「柄が・・・・・」

 

「まるで小宇宙みたいじゃないか?」

 

「・・・・・・」

 

そう、その夜光鈴のガラスの柄がまるで宇宙を見ているかのような、小宇宙のデザインの柄をした夜光鈴だった

 

ガラスの一つ一つに小さな星のような輝きもあり、宇宙は普通色は黒なんだが、小さな星が青かったため、蒼く輝いていた

 

「ありがとう。アリシア?」

 

「え?」

 

「俺これにするわ?選んでくれてありがとうな?」

 

「ええ」

 

愛人はアリシアがオススメしてくれた夜光鈴を迷う事なく買った

アリシアが自分のために選んでくれたからこれにしたのか・・・

 

それとも本当にこの柄に見とれたのか

 

どちらにしても愛人はこれを見つけてくれたアリシアに感謝した

 

「ありがとうな?選んでくれて?」

 

「ううん、全然構わないわ」

 

「そうか・・・・礼はしっかりしとくな?」

 

「別にいいのに?」

 

「させてくれ?それだけいい物が手に入ったんだ?お前のおかげだ?」

 

「愛人くん・・・」

 

もう二人は、灯里たちがいるのにも関わらず、完全に二人だけの世界に入っていた。この二人なにを話しても他のみんなが居ようと二人の世界に入りやすいだろう

 

そんな二人の世界を

 

「アリシアさん!!二人の世界禁止です!!」

 

「え?」

 

「は?」

 

灯里が止める

 

「そうよ!!愛人もアリシアさんを誘惑するの禁止!!」

 

「何言っているんだ藍華?」

 

「アリシアさん!!それ以上兄さんに近づくのでっかい禁止です!!」

 

「おい?お前らどうした?なんでもかんでも禁止って言えば解決すると思うなよ?」

 

「愛人も愛人でアリシアの乙女心理解してないのかよ?」

 

「え?」

 

 

愛人は完全の無自覚なんだが・・

アリシアはその気にさせようと思ったが、やはり度がありすぎたようで、部下達に止められてしまった

 

もういっそのこと付き合ってしまえばいいのにとアクトは思って入るが、愛人が無自覚以上は無駄だった

 

ま、アリシアに付き合ってる彼氏がいるなんてアリシアファンが聞いたら、愛人は毎日命を狙われるかもしれないだろう

 

 

 

なんだかんだで気に入りそうな夜光鈴が見つかって嬉しい愛人だった

 

 

 

気に入りそうな夜光鈴を見つけてくれたアリシアや灯里たちに愛人は昼飯を奢った。その途中でアラエルにネットで夜光鈴の中に光る玉・『夜光石』について調べていた

 

『『夜光石』アクアだけでしか採れない石。石の中にルシフェリオンがルシフェリーゼという酵素作用で酸素と結びついて、分解する時に効率よく光るのです。夜光石が放つ光は『冷光』といって温度がとても低く、光の減少とともに石も小さくなっていって大体、一ヶ月で消えてしまうらしいです』

 

「へえ〜、これ一ヶ月しかも持たないのか・・・・・」

 

『ですが、ごく稀に綺麗な結晶となって残ることがあるようです。滅多には無いみたいですが』

 

「へえ、つまり夜光石の結晶か・・・・」

 

愛人はさっそくチリーンと鳴らしてみる。懐かしくて夏の暑さを吹っ飛ばしてくれる音色だった

 

この音を聞いていると、なんだか穏やかな気持ちにもなった

 

風鈴の音色は昔の地球いわばマンホームでは魔除けの役割もある

風鈴を吊るす事で綺麗な音色を嫌う鬼を遠ざけていたとか

 

そんな不思議な話を愛人はたまたま覚えていた

 

「そういえば、愛人の買った夜光鈴だけ、微妙に音が違くないか?」

 

「そういえば、なんか兄さんの夜光鈴だけでっかい違うです?」

 

「そうか?」

 

「あ、あたしも思った!なんか愛人のだけ少し音色が違うことに!」

 

「なにが違うんだ?」

 

「愛人さんのはなんか・・・・・・・私たちが買った夜光鈴よりも鳴らす音色が長いような?」

 

「音色が長い?」

 

「もしかしたら、愛人くんが買った夜光鈴は他の夜光鈴とは違う特別な物なのかもね?」

 

「そうか・・・・・・もしそうなら見つけてくれたお前に感謝しなきゃな?」

 

「そ、そう?別に私は愛人くんのためにしたかったことだから気にしないでね?」

 

「でもな・・・・・・昼飯奢るだけじゃあ礼としては小さいんだよな・・・今度なにか礼をする」

 

 

こんな綺麗で宇宙のように輝きが無限に続くような柄の夜光鈴を見つけてくれたアリシアに、昼飯を奢るだじゃあ、礼としては及ばなかった

 

本人は礼はいらないと言うが、いつか大きな礼をしたいと愛人は考えている

 

だが

 

その大きな礼がとても考えつかなかった

女性にプレゼントしたことも無い愛人はなにをプレゼントしていいか、わからないまま、礼は昼飯を奢るだけでその大きな借りは返す事ができないままその日を終えた

 

一ヶ月間、彼はその夜光鈴の輝き見とれたのせいか

手放すことはなかった

 

自分の仕事場の机の上に飾っていた。ほこりが付くとすぐさま彼は拭いて綺麗にしていた。それほど大事にしていたのだ

 

アリシアが選んでくれたから大事にしているのか

それともこんな綺麗な柄の夜光鈴を見て見とれているのか

 

果たして彼はどんな想いでこの夜光鈴を大事にしているのだろうか

 

 

でも、この夜光鈴も寿命というのは存在する

 

もう3週間に経つと、光がどんどん小さくなってきた

愛人はこれが寿命があると聞いた時は覚悟していたらから、悲しいとは思わなかった

 

どんな命や物にだって寿命は存在する。だから知っていたからこそ、それを受け入れて最後くらいは夜光鈴と一緒に居てからお別れしようと考えていた

 

「そういえば今日だったな?夜光鈴のお別れ?」

 

そう、等々その日がやってきたのだ。あの綺麗な音色も今日でおしまいのだと少し寂しい気もしてしまった愛人

 

「お別れって?」

 

アクトの夜光鈴のお別れの言葉に気になった

 

「石は光の消失と共にどんどん小さくなっていって、最後には器からポトリと落ちてしまうんだ?」

 

「そうなのか・・・」

 

「ネオ・ヴェネツィアではな?夜光鈴の最後のお別れを惜しんで水辺に繰り出す風習があるんだ」

 

「それってまさか?」

 

「そう。夜光鈴を買ったみんなは海で集って石を海に帰すんだ?」

 

夜光鈴は夜光鈴市の3日間でしか売られない

だから今日あたりから夜光鈴を買った街中の人たちが海に集ってくるのだ

 

 

そして夜

 

ついにお別れの夜がやってきたのだ

アクトや愛人もエンジェル騎士団のゴンドラに乗り、夜光鈴持って海に出た

 

「すげえな、こんなにたくさん、夜光鈴の光がたくさん見える」

 

もう既に海で集っていた。そこには

 

「あ!愛人さん!!」

 

「灯里・・・アリシアも・・」

 

「お!来た来た!愛人よ!」

 

「お!アクトも来たか!」

 

「兄さん!でっかい遅いですよ!」

 

「お兄ちゃん・・遅かっかたね?」

 

「団長!みんなもう来てますよ?」

 

「愛人くんも到着!」

 

「愛人さん。今日でお別れですね?」

 

「ああ」

 

もうすでにARIAカンパニーのアリシアと灯里

姫屋の晃と藍華

オレンジぷらねっとのアテナとアリス

 

そしてエンジェル騎士団、四大天使のアレクシアやアイナや彩音も居た

 

「すげえ勢揃いだな?」

 

「みんな夜光鈴を買って大事にしているんですよ?」

 

みんなが集って海に居るというのは、みんな自分の夜光鈴を持って、石を海に返すためにもう集っていたのだ

 

それだけではない

 

愛人は集まってくる人を見て驚く

 

今は夜で暗い海なのに、みんなが夜光鈴を持って集まってくるせいで海が一層に輝いて光っていたのだ

 

「!」

 

すると、その光が海に落ちていくのが見えた

 

「まさか」

 

「ああ、もう始まったんだ。ほら?僕たちのも?」

 

見とれている間に愛人と灯里以外の夜光鈴の光が落ちてゆく。

もう別れが近づいていたのだ。自分の夜光鈴の光を愛人は夜光鈴と過ごした一ヶ月間の思い出を思い出してしまった

 

彼はそれを思い出して。『いろいろ楽しかったよな・・・・』

と思っていた。

 

愛人が物に興味を持って、大事にしたことなど、全然なかったのだ

それを思い出していると

 

心から、物も命も儚いよな・・・・と思った

 

だが、その儚さと共に美しかったのだ

 

愛人と灯里以外の人の夜光鈴の光が落ち終わる

 

 

そして

 

「じゃあな?また来年会えたらな?」

 

「またね?」

 

二人はお別れをする。決して二人は『さよなら』とは言わなかった。

夜光石はアクアの海底でしか採れない鉱石

だから最後の輝きを見送りながら、こうして海に還してあげなければならない

 

だが永遠のお別れではないのだ

 

また会えるのだ。来年に、また海底で採られて、再び夜光鈴として帰ってくるのだから、二人はまた来年にと、自分たちの光が落ちてゆくのを最後まdまで見えなくなるまで見ていた

 

 

こうして夜光鈴の寿命は終えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが

 

「おい?なんだこれ?」

 

「これは!?愛人さんもまさか!!」

 

二人の光は確かに消えた

 

だが

 

愛人の夜光鈴にだけ、結晶なのがついていた

 

「おい!?まさかそれ!?」

 

「ごく稀に残らないって言う夜光石の結晶か!?」

 

「でっかいすごいです!!兄さん!!これで灯里先輩の次に残った人に入りました!!」

 

なんと愛人の夜光鈴に夜光石の結晶が残ったのだ

実は灯里も去年に夜光鈴の結晶が残ったのだ。今年はどうやら愛人の夜光鈴が残ったらしい

 

だが

 

「これがなのか?でもあまりにもまだ光ってないか?」

 

「ん?なんかそれ違うぞ?」

 

「去年の灯里ちゃんの夜光石の結晶と形が違う」

 

晃が去年から灯里の夜光石の結晶が残ったを見ているからわかる

だが、愛人の夜光石の結晶は、去年の灯里の夜光石の結晶と形が違うのだ

 

更に、光は落ちたはずなのに、結晶の中で輝きが反射を繰り返しているように見える。しかも宝石のような石のような形だった

 

「ん!?それって!!」

 

アクトがその結晶を見て驚いた。なぜならアクトという団長しか知らないお偉い人しか知らない。貴重な鉱石だからだ

 

「アクト?知っているのか?」

 

「団長?これをご存知で?」

 

「ああ!晃もアレクシアも聞いただろ?『夜光宝石』だよ!!アクアにたった一つ無い!!伝説の鉱石だよ!!」

 

「「「「「「夜光宝石!?」」」」」」

 

「なんだ?夜光宝石って?」

 

「知らないのか!?愛人!?それは家宝としても価値のある宝石なんだぞ!?」

 

「なんだ?夜光宝石って?」

 

 

夜光宝石とは

 

夜光石の中に一つだけ、結晶ではなく、宝石のような形をして中で光が輝き続ける宝石があるのだ

 

まだこのアクアには今まで一つしか存在しなかったのだ

そのもう一つはアクアの宝石展示店である

 

これはかなりの貴重なのだ

 

昔マンホームの地面からダイヤモンドの発掘と同じ様にアクアの海底にも宝石が存在した

 

しかも鉱石としても使えるため、それを材料に包丁などに使って作れば鉄よりも固い刃にもなるのである

 

アクアでも貴重な石である。マンホームやいろんな宝石にも負けない輝きを持っている

 

これの展示会でもできるほどに誰もが欲しくなるほど、貴重な石だった

 

「オークションに売れば3000億もする程の宝石だ。まさかたった一つしかない宝石がもう一つあったのか」

 

「愛人くん!すごいです!」

 

「でもどうするんですか?これ?」

 

「愛人くん?オークションに売るの?」

 

『オークションで今調べました。今では貴重らしく、7000億円もします』

 

アラエルがもうネットに調べていた

 

だが

 

「愛人くんはお金なんか興味ないでしょ?」

 

「愛人は器用ですから、自分の剣の刃に使うんじゃないんですか?」

 

「どうするんだい?愛人?」

 

「・・・・・・」

 

使い道は考えていなかった。こんな貴重な物が手に入ったのは嬉しいが、どうしたらいいか悩んでいた

 

これは宝石。愛人は宝石が欲しいなんてこれ一回も思ったことはない

だから、使い道がなかった。宝石なんてファッションに使うものだし、男の自分に宝石なんて似合わなかった

 

だから

 

「愛人?」

 

愛人はその宝石を紐からちぎり。ポケットからネックレスに使いそうな小さなチェーンを取り出した。宝石にはちょうど紐を通す輪があり、それをチェーンに通し

 

夜光宝石のネックレスが完成した

 

そしてそれを持ち

 

「愛人くん?」

 

アリシアの方へ、愛人は行く

そして彼女の後ろに行き

 

「そのまま動くな?」

 

「え、うん」

 

愛人はそのままアリシアの首にネックレスを通し、チャックをして彼女の首にネックレスを付けてあげた

 

「あの?愛人くん?」

 

「それはお前にあげる?」

 

「え?でも・・・・」

 

「俺には似合わない。これは大きなお礼だ?そんな輝かしい宝石は、綺麗なお前の方が似合うよ?」

 

「!?」

 

「だから、その宝石にようにいつまでも元気で輝いてくれ?俺にこんな面白くて楽しい夜光鈴を見つけてくれてありがとう」

 

「あ・・・・どう致しまして」

 

愛人はただ感謝がしたかった。

愛する女として見ているようには見えないが

夜光鈴と一緒に楽しかったこの日々をくれたのは、アリシアだった。こんな綺麗な夜光鈴の宝石が出て来たのもアリシアのおかげだと

 

彼はそのすべてに感謝して、愛人にプレゼントした

 

アリシアもそんな紳士の彼もっと好きになってしまった

 

あの日から理由なくバカにしたあの大バカ愛人は自分のためにしてくれた。一体なぜそんなことしてくれたのかはわからない

 

でも、なんだっていい

 

アリシアは彼が欲しくなった。本当に結ばれるような彼の愛人になりたいとアリシアは決意した

 

だが

 

「うう!愛人さん!!」

 

「ふふふふふふふ、もう殺るしかない!!愛人を殺るしかない!!」

 

「兄さん?兄さんはアリシアさんの色ではなく?私たちの色で染まるしかありません」

 

「アリシアちゃんを・・・・・・やる」

 

「おい!?藍華たちがヤンデルぞ!!!?アクト止めろ!!」

 

「無理だ晃!!僕に死ねと言うのか!!?アレクシア!!頼む!!」

 

「無理です!!神の力を使っても無理です!!ここは神の薬である!アイナです!!」

 

「ちょっと!?なんで私!?ここは彩音でしょ!?神の火でさ!!」

 

「無茶言わないで下さい!!こんな狂気な3人はどうしようもできません!!」

 

灯里は普通の嫉妬だからいいが、藍華は愛人を殺す気満々で、アリスとアテナはアリシアをどんな手段を使ってもやる気だった。この3人は目にハイライトがなかった

 

それを止めようと、晃とアクトとアレクシアとアイナと彩音はどうしようもできなかった

 

平穏に終わるかと思いきや

 

愛人はアリシアを惚れさせると同時に藍華に命を狙われる日々を手に入れた

 

こうして夜光鈴の涼しい夏の話は終わった

 

「なんか?藍華たちが騒がしいな?なんかあったのかなアリシア?」

 

「さ、さあどうなのかな?」

 

「なんか俺との喋り方おかしくないお前?」

 

「え?そ、そんなことないわよ?」

 

「?」

 

ていうか愛人はいつになったらアリシアの気持ちに気づくのだろうか

 


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