ARIA 〜cavaliere storia〜   作:ソール

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第十一話 四大天使騎士

ネオ・ヴェネツィアニュース

 

昨日の夜

 

ネオ・アドリア海で

輸送船の火災事故が発生しました

 

エンジェル騎士団の調査によると、ガスの漏れが原因で船内が炎上

エンジェル騎士団の救助により死人はいませんでした

 

その時に救助に手伝いをしてくれた人がいました。シルフの綾小路宇土51世さんです。配達の帰りに偶然出くわしたとして、救助に手を貸してくれました

 

それとカメラで捕らえた映像にですが、その事件にあの街で噂になっている『何でも屋騎士』の七海・愛人さんがいることが判明しました

 

彼は私たちの見たことないテクノロジーのような物を使い、機械で翼が生えるというテクノロジーで、輸送船の従業員を救助しました。

 

『まるで、天使のようですね?』

 

『はい、これは七海・愛人さんが趣味で作った機械だそうです。空を翼で自由に飛びたいという夢を実現したいがために、作ったそうです』

 

『そうですか、エンジェル騎士団も本物の天使になったということでしょうか?』

 

『これは、七海・愛人さんの趣味だそうですので、エンジェル騎士団とは何も関係ないとエンジェル騎士団・団長のアクト団長が言っていました』

 

『そうですか、ですがこれがあれば、すぐに駆けつけると思うのですが・・』

 

『ネオ・ヴェネツィアはゴンドラかエアバイクでの移動でしか無理ですからね・・・・』

 

『では、次のニュースに入ります!次は・・・・』

 

プツンと愛人はエンジェル騎士団本部の自分の仕事場の部屋のテレビを消す

もうこの事件のニュースはネオ・ヴェネツィアだけでなく、マンホームやルナワンやルナツーやルナスリーにもこのニュースが流れている

 

もう愛人のことが世界中どころか、宇宙全体にまで知れ渡ったのだ

 

 

「なるほどね・・・確かにあれがあればすぐに事件が起きたとき、駆けつけることができる。でもな・・・・・」

 

『私のようにAIシステムは二度と作れませんよ?』

 

「ああ、お前は本当にたまたまできただけだからな?」

 

アラエルは特別にできてしまった存在。たまたま作ろう気合い入れてやったもの、失敗は多くあった。そんなあるときたまたまプログラムコードをいじくっていたら、たまたまできるという現象をしてしまい

 

偶然に『アラエル』という人工知能が生まれた

 

だからそのスカイバードを作ることはできるが

 

アラエルという人工知能自身は作れない

それだけ彼女は特別ということだ。

 

無論、本人に頼んで作っても不可能

それだけむちゃくちゃなプログラムで作られている。愛人にしか理解できず、これをもう一つ作るのは無理だった

 

コンコン

 

誰かが尋ねて来た

 

「愛人くん?ちょっといいかな?」

 

「ん?上位の『ケルビム(智天使)』がなんで俺のところに?」

 

「アクト団長に会議室に来て欲しいと言っているんだ?来てもらってもいいかな?」

 

「会議室?嫌な予感するな?わかった今行くぞ?」

 

「それとアラエルも一緒にお願いと?」

 

『とんでもないことが起こりそうですね?』

 

「たぶん、今俺の嫌な予感が的中するはずさ?アラエル?スカイバードを連れて来て?」

 

『了解』

 

アラエルを連れて、エンジェル騎士団本部、最上階に会議室がある

この会議室はあの四大天使騎士しか入れない。もしくはその4人の騎士に呼び出された者のみが入る事ができる

 

愛人はそんな重大な場所に呼ばれたのだ

 

呼ばれた者はほぼ全員緊張で入ることを恐れていたが

 

愛人は緊張などできる余裕もなかった。それほどこの会議室で話す内容がとても嫌だったから

 

そしてその会議室前についた

 

「アクト団長?連れてきました!」

 

ノックの声をかけると、中からアクトの声が聞こえる

 

『ありがとう。二人を入らせて?』

 

「はい!ではここからはお二人で?」

 

「あんたは?」

 

「私はここで門番をやってないといけませんので」

 

「わかった。アクト入るぞ?」

 

「本当に礼儀を言わないんだ・・・・」

 

愛人は言われたとおり中に入る

案内してくれたケルビムの人は、愛人の礼儀の無さにびっくりした

 

扉を開けると、アクトと3人の女性がデカイ円卓の周りに座っていた

愛人のすぐ目の前に空いてる席があった

 

「来たぞ?アクト?」

 

「ああ、そこに座って?」

 

「アラエルは俺の前の円卓に座れ?」

 

『了解』

 

愛人は言われたとおり座り、アラエルはゆっくりと円卓の上に着地する

そして肝心の話が始まる

 

「まずは自己紹介をしよう僕の周りにいる人たちが・・」

 

「その必要はねえよ?お前の右にいるのがエメラルドのような髪をしたのがアレクシア・W・スピーナ。その隣のシルバーの髪をしたのがアイナ・シルバ。アクトの左にいる左にいるピンクがかったブロンドのような髪をしたのが桜坂・彩音だろ?」

 

「「「!」」」

 

「よくわかったな?」

 

「まあな、一応ここの情報網を見た。写真付きでな?」

 

「なるほど、みんなも見ての通りだ?これが七海・愛人だ。敬語も使わない礼儀知らずだが、悪い奴じゃない。これで街の人に好かれた『何でも屋の騎士』だ」

 

「初めして、七海・愛人さん。桜坂・彩音です。私と同じマンホームの人がここにいるなんて嬉しいです」

 

「ああ、そういやあんたもマンホーム出身だったな?名前的にあんたも日本人か?」

 

「はい、私も日本出身なんです。愛人さんも日本人ですか?」

 

「ああ、日本で警察やってたんだが、こっちの方に転勤したんだ」

 

「話は聞いてるよ。私はアイナ。どう?ここには慣れた?」

 

「まあここには慣れたさ?あんたと会う時がこようとはな、エンジェル騎士団のお姉様?」

 

「やめてよ。それを言うの隊舎にいる女の子たちだよ?私は普通に接して欲しいのに」

 

「それは無理があるわ。アイナちゃんは綺麗だもの。みんなの憧れだもの無理があるわ。初めまして愛人君?私はアレクシア。よろしくね?」

 

「ああ、あんたみんなの母さんって言われているけど?あんた20代だろ?なんでお母さん呼ばわりなんだ?」

 

「私は寮の管理人でもあるの。そこでみんなのご飯作ったり、洗濯もしているの。その家庭的なところからお母さんって言われているの?」

 

「ああ、それで・・・・」

 

「そろそろ本題に入りたいのだけど?いい3人とも?」

 

「その本題って?どうせアラエルのことだろう?」

 

「さすがだな鋭い。そう、アラエルのことについて話をしたかったのだ」

 

「あれはなんなの?愛人くん?」

 

アラエル

人工知能を持つAIシステム

 

 

今はドローンに搭載している

ネットを通じて地図の場所を把握するだけでなく

赤外線レーザーで、中にあるものを確認したりすることも可能

 

コントローラーは時計、普段はこっちに入っている

アラエルは時計かドローンに入っている

連絡も可能

 

ドローン自体の名前はスカイバード

 

 

ウイングモード

 

愛人の背中にリュックサックのようにくっ付き、スカイバードの背中からナノマシンの翼が出て来る。この翼が本物のように羽ばたき飛行することが可能

その翼は触れしない。

だから触っても害はない

 

つまりアラエルは、所有者を飛行させることもできる装備にもなれる

人工知能を搭載したドローンだ

 

「ということだ。」

 

「なるほど。確か趣味で作ったんだよね?」

 

「大学の時にな、スカイバードの材料はあるゴミ山からいらない器材を使って、作った。人工知能については違うけど」

 

「ゴミ山から!?君は相変わらずすごいというか、ありえないに等しいんだけど?」

 

『マスターはあるもんあれば、なんでも使って、変な物も作っちゃう人ですから』

 

「本当にすごいんですね?確かアクト団長から聞きましたけど?ゴンドラもうまいとか?」

 

「まあな、おかげでウンディーネどもがうるさいんだよな〜」

 

 

「それで実は頼みがあるんだ?」

 

「どうせアラエルをお前らの分と他の騎士団にもアラエルを作って欲しいってか?」

 

「やっぱり気づいていたか。空を飛んでいれば、事件に一瞬で駆けつけることができる。これだけすごい戦力は我々としてもぜひ使いたい。忙しい身であることは承知だ。どうか僕たちにも分も作ってくれないか?」

 

「もちろん。材料は我々で用意するわ。どうか受けてくれないかしら?」

 

「人の趣味を他人に渡すのは、嫌に思うかもしれないけど受けてくれない?」

 

「どうですか?愛人さん?」

 

『マスター?これは・・・・』

 

「ああ、別に作っても構わない。ただ作れるのはスカイバードのウイングモード状態のしか作れない」

 

「それはどういうことなの?」

 

「スカイバードというドローンのコントロールは時計でしているんじゃなくて、アラエルという人工知能だけで動いているんだ。」

 

「では、その時計は?さっきコントローラーと?」

 

「こいつはアラエルというコントローラーだ。俺の言葉を聞いてこいつが動いているんだ」

 

「では、その人工知能というAIシステムを作ればいいのでは?」

 

「こいつはたまたま出来上がった存在だ。もう一つは作れない。それほどこいつのプログラムもむちゃくちゃでうまく作れない。こいつはなぜかオレの言葉を聞いて動いてくれているけど。人工知能ってものすごく危険でもあるんだぜ?趣味で作っといてあれだけど」

 

人工知能って言うのは、人間の言葉を聞いてくれるようなペットのような存在じゃない。もしかしたら人工知能自体が人間に反発する可能性がある。プログラムを間違えれば人間に襲うようになったら、愛人でも止められない

 

「だから悪いが、時計で動かせる。スカイバードのウイングモードだけにしてくれ?」

 

「そうか。わかったそれで頼みたい!」

 

「街の人には手伝いは今はできないって?エンジェル騎士団のネットのお知らせに書いておけよ?しばらく俺は本部でスカイバードの量産型『エンジェルウイング』を作るからさ?」

 

「わかった。ところで材料は?」

 

『全部私がオークションで今ネットで買いました。その領収書はこちらです』

 

スカイバードの背中から、アームのような物が出て来てアームに領収書が握っていた。どうやらネットを使う事も可能らしい。さすがはAIシステム仕事が速い

 

「どれどれ?・・・やっぱり高いな・・・・仕方ないこちらで全部出そう」

 

「それにしてもすごいわ?アラエルはネットを通じることも可能なのね?」

 

『ちなみにこんなことも可能です』

 

突然、アラエルは愛人の頭を赤外線レーザーでスキャンした

 

「お前なにしているの!?」

 

『マスターの今考えていることを探る事が可能なんです』

 

「俺そんなエスパーなもん作った覚えないんだけど!!?」

 

『今考えていることは『今日夕飯アテナの大好物にしようか〜』と『アテナ何時に仕事終わるんだろう?いつ迎えに行けばいいんだろう?』や『アテナの明日の弁当の献立なにしようか〜』です』

 

「ちょっと!!?愛人!!君マジでアテナのお兄ちゃんになっているよ!!?なに?お前が普段アテナのお昼弁当作ってあげてんの!?主婦お兄ちゃんか君は!!?ていうか迎えに行くってなんだ!?もう同居しているのか!!?アリスちゃんと同じ部屋の寮に住んでいるじゃないの!?ていうか僕たちが頼んでいることすっぽかしているし!!?今はアテナの方が大事なのか!?」

 

「そういえば、アクト団長言ってましたね?愛人くん。オレンジプラネットの水の三大妖精のアテナ・グローリィの兄になったって?本人は認めていないけど」

 

「うるせえアクト!!!俺は今はそれどころじゃねえんだよ!!!アテナに栄養が偏ったらどうするんだ!!!」

 

「もう兄になってるわよ?自分で認めているわよ?」

 

「お前にはわかんねえだろう!!あんなかわいい小動物な妹!!!この前あいつに『お兄ちゃん大好きって言って?』言ったら『お兄ちゃん♡大好き♡!!』って笑顔で言ったんだぞ!!かわいいんだよ畜生!!」

 

「なにアテナに変な事言わせてんだ君は!!?君は妹が好みなんだな!!!妹フェチだな!!」

 

「うるせえ!!俺はただアテナのことが好きなだけだ!!」

 

「なにげにアテナに好意があるのね?愛人くん?」

 

「しかもこの前、おはようのキスとかもしてくれるんだぞ!!!」

 

「あの子限度っていうの考えてないのか!!?まるで夫婦じゃん!?兄妹じゃないじゃん!!?こんなことアリシアと灯里に言えないぞ!!!」

 

「は?なんで灯里とアリシア?」

 

「あ・・・それはなんでもない!」

 

『実はですねマスター?二人はあなたのこと・・・・』

 

「やめろアラエル!!それはダメ!!!あの子たちがかわいそうだから!!ていうか知ってたんだ!?」

 

『いつも時計にいますので、いつもマスターのやること見てます』

 

「君はアテナと結婚する気か!!?アテナに好きな人がいるかもしれないだろう!?」

 

「は!?アテナに好きな人!!??認めねえぞ!!!俺は認めない!!!アテナはいつまでも俺の妹だ!!!!」

 

「シスコンになってますよ?愛人君?」

 

「ふふふふ、面白いわね愛人くん!!あははははは!!!」

 

「愛人くんってボケ役なのね?」

 

とりあえず、愛人の友人はここにも増えた。それは四大騎士のアクト以外の3人だ

こんな面白い人を初めて見たらしく。彼に興味が出た

 

とにかく愛人はアクトたちとその騎士団たちの分の『スカイウイング』を作ることとアテナのお世話でこの1ヶ月の仕事のスケジュールが入った

 

 

エンジェル騎士団からのお知らせ

 

七海・愛人はこの1ヶ月は大事な仕事がありますので外には出られないので

住民の手伝いは出られません

 

申し訳ありませんが手伝いの依頼は1ヶ月後に復帰させてもらいます

 

申し訳ありませんが、ご了承ください


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