この世界の片隅で(更新停止)   作:トメィト

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二章のはじめなので特に書くことはありません。
内容もないです。


なんかもう、カルデア側が永続狂気な第二特異点 セプテム
プロローグ


 

 

 

 

「ふぁー………ねむ……」

 

「ほら、安珍様(ますたぁ)起きてください」

 

「……………ほんと、当然のごとく何時もいるよなぁ。清姫」

 

「えぇ、もちろんです。何故なら私は貴方様の嫁であり、良妻ですからっ」

 

「それなら部屋の主に断りを入れてから部屋に入るくらいの常識を見せてほしいなぁ……」

 

 清姫が来てから毎日繰り返される夜這い擬きに完全に慣れてしまった仁慈は当然のごとくとなりで寝ていた清姫の言葉を軽く聞き流しつつ、着替えを始める。生まれつき狂化がかかっている清姫もいつぞや言ったように初心な少女であり、思うことだけはできても実行となると固まってしまうくらいである。そんな彼女の目の前で着替え始めればどうなるか、想像に難くないだろう。

 

「―――――――――ッ!もうっ、着替えるなら先に言ってください!」

 

 顔を真っ赤にしながら部屋を飛び出していく清姫。これも少しの間ながらも濃密な時間の中で培った経験からわかっていた仁慈は特に気にすることなく着替えを続行した。

 

 丁度着替え終えたとき、再び部屋の扉が開いた。清姫が帰って来たのだろうかと視線を向けるとそこには戦闘態勢を取っているマシュがいる。これは今度のレイシフト先は決まったのだろうと過去の経験から推測した仁慈は持つべきものだけを持ち彼女の方へ向かう。

 

「おはようございます先輩」

 

「おはようマシュ」

 

「フォーウ!」

 

「フォウもおはよ」

 

 マシュの肩から顔をのぞかせ自分の存在を主張するカルデア産不思議生物系マスコットの存在に気付いた仁慈はフォウにも挨拶をかわすと軽くそのもふもふの頭をなでる。かつて一心不乱にフォウをもふった経験のある彼はそれで満たされたような表情を作った。

 そんな中、唐突にマシュが仁慈に対して口を開く。

 

「ところで先輩。今日の夢見は如何でしたか?何か夢を見たというのはありますか?」

 

 マシュにしては珍しく何の関係もない話を振ってきたことに少し疑問を覚えつつ、仁慈は彼女の問いに対して素直に返す。

 

「いや、特にこれといった夢は見てないけど……どうかした?」

 

「いえ。ダ・ヴィンチちゃんの話では契約したマスターとサーヴァントは同じ夢を見るらしいのでもしかしたらと思ったのです」

 

「へぇ」

 

 今の言葉で仁慈はマシュの問いかけの意味が分かる。要するに彼女は何かしらの夢を見たのだろう。だからこそ、同じ夢を見ていないかと仁慈に問いかけてきた。彼女が夢を見なければ特に問うてくる理由はないからだ。

 

「なるほどなるほど……差し出がましいかもしれないけど、マシュはどんな夢を見たの?」

 

 自身の予想を信じて今度は仁慈がそう問うた。

 仁慈の質問に対してマシュは恥ずかし気に頬を赤らめる―――――ことはなく、どこか戸惑い気味にその夢の内容を口にしていく。

 

「えっと……なんといいますか………銀髪の先輩が、巨大な鎌を持って未知の怪物を仲間たちとなぎ倒しまくっているという内容で……」

 

「なぁにそれぇ?」

 

 驚きの声を上げる仁慈。その反応にまぁそうなりますよねと返すマシュ。この世界にいる二人にはどう頑張っても意味不明な光景だった。しかし、マシュにはわずかでも感じるものがあった。それ即ち、仁慈は何処の世界に居ても仁慈なのだということである。こればっかりは本人に言わないことにするできた後輩だった。

 

 そんな、異常系マスターの仁慈と常識系後輩デミ・サーヴァントマシュの朝の一幕である。

 

 

―――――――――――

 

 

 

「やぁ仁慈君、マシュ、おはよう」

 

「おはようございます、ドクター」

 

「おはようロマン。で、今回のレイシフト先は何処?」

 

「単刀直入だね。そこで寝ぼけている天才様に関してかける言葉はないのかい?」

 

「果てしなくどうでもいい」

 

「わぉ、辛辣ぅ!おかげで目が覚めたけどね」

 

 流れるような会話をしつつも、ロマニが一つ咳ばらいをして雰囲気を変えようとしていることを察するとマシュも仁慈も真面目な雰囲気を醸し出す。ちなみに、ダ・ヴィンチはそこら辺の雰囲気を察しつつも我関せずを貫くことにした。

 

 

 ロマニが言った次のレイシフト先は一世紀のヨーロッパ、詳しく言うと古代ローマ帝国らしい。ローマということで歴代皇帝に興味を持っていたらしいダ・ヴィンチが先ほどのわれ関せずな雰囲気を自ら壊して会話に割り込んでくるも、ロマニに両断されて隅でいじけるという事件が発生したが、彼らはそれを軽くスルーした。彼らはこのカルデアで確実に図太くなっているのである。

 

 そんな精神的にも成長した彼らに言い渡されたのは今回も舐めてんのかと言いたくなるような情報量だった。レイシフト先は帝国首都ローマというところこそは設定されているものの聖杯の在り処はわからず、何が原因で特異点となったかどうかすらあやふやという有様である。冬木、オルレアンと続くこの待遇には流石にどうかという思いがないわけでもないが、ロマニをはじめとするスタッフが手を抜いていないことも彼らはよく知っているためいつものことだと笑った。

 

「まったく!どうしようもないわね!大体……『ドンッ!』……ヒッ!」

 

 自分がレイシフトするわけでもなく文句を垂れるオルガマリーを仁慈が地面を思いっきり踏みつけて大きな音を出すことで強制的に黙らせる。そして視線を合わして今日お前はレトルトなとカルデアにおけるもっとも重い罰を執行した。オルガマリーはそのアイコンタクトを受け取った瞬間目の前が真っ暗になり、先程まで嫌味を言われていたスタッフはこぞって彼女に同情した。

 

 

 大まかな方針を決定した彼らはコフィンの中へと乗り込んでいく。そして、前もって知らされていた英霊メンバーも彼らとともにレイシフトの準備を行う。今回ついていくメンツも前回のオルレアンと同じだ。アイルランドの大英雄である光の御子クー・フーリン。十中八九アーサー王であろうヒロインXである。ちなみに清姫は仁慈の精神衛生上の健康を加味してお留守番となった。

 

 これからすぐレイシフトが始まる。そんな時、事件は起こった。

 魂レベルで相手をストーキングする清姫がこれについていかないわけがないのである。正妻であるなら隣で支えるのが当然と思っている彼女はあろうことかレイシフトの直前でクー・フーリンを押しのけ自分がレイシフト先へと向かってしまう。立場を奪われたクー・フーリンは静かに泣いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 このようなことが起こりつつも、彼らは一世紀ヨーロッパのローマ帝国へと旅立っていった。彼らがどのようにして人理を復元するのか、それは今のロマニ達や当の本人でさえも予想はできないが、少なくとも敵――――正確には仁慈が敵と認識したもの――――がひどい目に合うことは間違いないと、彼らを送り出したロマニは考えた。

 

 

 

 

 大体あってる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




現在のパーティー。

魔力ほぼ無限、完全脳筋魔術師兼マスター。仁慈。
セイバー&アルトリア顔絶対殺すウーマン、自称セイバー他称アサシン。ヒロインX。
旦那様の為なら何でもやるしなんでも燃やす嘘つき焼き殺すガール。清姫。
チームの鎮静剤、仁慈やカルデアの癒し、彼女に手を出したら主に仁慈が黙っていない。肉盾(?)系後輩マシュ。
マスコット兼マラソンランナー。フォウ。



うーん、何だろうこの不安になるメンツ。

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