この世界の片隅で(更新停止)   作:トメィト

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今回登場人物のキャラが著しく異なる場合があります。ご注意ください。
今さらなのは承知ですけどね。


決戦前

 

 

「なんでこうもタイミングが悪ぃんだ?聖人見つけたとたんに敵の大将と遭遇するなんてよ」

 

「向こうも聖人を探していたと考えられますし、むしろ襲われる前に接触を図ることができたのは幸運と言っていいのでは?」

 

 そうとも言えるが、いくらなんでもこれはなぁ。

 

 

 

 ……マスターと別れた後、俺たちは西に位置している街に来ていた。そこではまだいくらか人が残っていて、そいつらを避難させているのが俺たちの探し求めていた聖人だった。名をゲオルギウスと言い、この国では有名な聖人だ。

 そのゲオルギウスは一度黒ジャンヌたちと交戦したこともあって、俺たち側に協力してくれると二つ返事で承諾してくれた。だが、聖人と言われるだけの人格者だからか、ひとまずは市民の避難が最優先ということらしい。普通に洗礼詠唱を発動するだけでいいのだが、最初にこの街のお偉いさんから頼まれたからそっちを優先するということ。せめて早く終わるように俺たちもそれに協力していたら黒ジャンヌが現れたというわけだ。マスターから言わせれば、フラグ回収と言うんだったか。こういう状況のことを。

 

「おや、まだそこのセイバーの呪いは解かれていないようですね。何をしていたのやら………聖人特有の偽善ですか?フフッ、それで負けていては世話ないですね」

 

「勝手に負けたことにすんなよ。おい、ゲオルギウス。ここは俺が引き受けた。だからさっさと避難終わらせて、ジークフリートの呪いを解いてくれや」

 

「……しかし」

 

「問題ないわ。だって私も残るもの。……これでも、私だって怒っているのよ?」

 

「ハッ、その意気込みやよし。向こうも大して人数はいないしあのバカでかい竜もいねぇ。個人の戦いだったら不満を抱いているところだが、今回は別だ。敵は倒せるうちに倒しておいた方がいいに決まってる」

 

「私を倒すと?マスターに活躍どころをことごとくと奪われている貴方が?」

 

「それは言っちゃいけねぇよ。それにあいつはな、師匠の弟子なんだ……弟子なんだよ」

 

 竜の魔女……黒いジャンヌ・ダルクが残念なものを見るような視線をぶつけて来るが、そんなことは関係ない。師匠が自ら見込んで会いに行ったやつが普通なわけねぇだろ。いい加減にしろ。

 

「それにな。マスターが強くて出番を奪うからって、俺が弱いとは限らねぇぜ?」

 

「……吐いた唾は飲み込めませんよ」

 

「発言の撤回なんて情けないことはしないさ。さぁ、口上での無意味な争いはここまでだ。後は戦闘で語ろうぜ!」

 

「脳筋が……」

 

「へっ、こういう戦いは何も考えない方が燃えるんだよ!時と場合によるけどなァ!」

 

 

 

 ――――――――――――――――――

 

 

 

 黒ジャンヌとクー・フーリンが、そして先程触れられていなかったがマリー・アントワネットとその彼女を処刑したシャルル=アンリ・サンソンが戦っている最中、何とか避難を終わらせた聖人組&ジークフリートは洗礼詠唱を行おうとしていた。

 

「今から洗礼詠唱を行います。ゲオルギウスさん、準備はよろしいですか?」

 

「えぇ、問題ありません」

 

 同意も取れたことで早速詠唱を行う二人であったがそこをクー・フーリンと戦闘中のはずである黒ジャンヌに見られてしまう。彼女自身はクー・フーリンの相手で邪魔する余裕などはないが、彼女が引き連れてきたワイバーンたちは別である。万が一を警戒してファヴニールを連れてくることこそしなかった彼女だが、ワイバーンだけは腐るほど連れてきていたのだ。

 竜の魔女と言うだけあり、声に出さずともワイバーンに指示を下す。ワイバーンたちも彼女の指示に従い一気にジャンヌとゲオルギウスのもとへと殺到した。

 そのことに気が付いた両者は一度その場で回避行動を行う。そして、反撃として襲い来るワイバーンに攻撃を仕掛けて絶命させた後、再び詠唱を開始しようとするも同じようにワイバーンに邪魔されてしまった。

 

「くっ、数が多い……!ここは一度撤退したほうが……」

 

「確かにそれが最善ですが……とても逃げ切れるとは思えません」

 

 確かに戦力の方ではジャンヌたちが有利だろう。英霊が五体もいるため、ワイバーンなど物の数にはならない。しかし、逃げるとなれば話が変わってくる。唯でさえケガしているジークフリートが居るのだ。ワイバーンを使って移動してくる相手から逃げることはできないし、そもそも足止めをすることができるのは聖人でないマリーとクー・フーリンだけ。その彼らも二人の英霊の相手をして手がふさがっている。移動にも微妙に支障をきたしているジークフリートを連れて逃げるのは難しい。洗礼詠唱を行うとなれば尚更だ。

 

「ですね……。くっ、ハァ!……仁慈さんがこちらに向かっているとのことですし、それまで持ちこたえましょう」

 

「耐久戦ですか。いいでしょう、我が名に懸けて完遂して見せましょう」

 

 気合を入れなおし、自分たちを襲うワイバーンを改めて蹴散らしていくジャンヌとゲオルギウス。それを視界の端に収めた黒ジャンヌはクー・フーリンと戦いつつも自身の頭をフル回転させた。

 

「(撤退をしないということはまだ理解できます。しかし、それだけではあの表情を浮かべることはない。あれは戦場で援軍が来るまで持ちこたえる兵士たちの顔によく似ている。ということは、ここにもうしばらくで援軍が来るわけですか……。いない人物を考えるとあのマスターと残りのサーヴァントでしょう。あまり長居はできませんね)」

 

「戦いの最中に考え事とは余裕じゃねえかよ!」

 

 クー・フーリンの槍が黒ジャンヌの衣服をかすめる。その攻撃は衣服だけにとどまらず、肌まで届いていた。黒ジャンヌの病的なまでに白い肌から赤い液体が宙を舞う。相手はケルトの大英雄クー・フーリン。考え事をしながら相手できるほど生易しい相手などではない。

 黒ジャンヌは思考を一度カットし、改めて目の前の強敵の相手を始める。

 

 

 一方、マリーとサンソンの戦いは一進一退の攻防を見せていた。防御特化と言われた性能は伊達ではなく、サンソンの攻撃を見事にやり過ごしてくマリーと生前のことにとらわれていていまいち攻め切ることができないサンソン。

 

「あぁ、どうして避けるんだい?おとなしくしていれば、最高の快楽を君に与えることができるのに」

 

「さっきも言ったでしょう?倒錯趣味の人はもう間に合っているの。それに口づけなら首じゃなくてほっぺたにお願いしたいわ」

 

「頬に(口づけ)が欲しいなんて、中々難しいことを言うんだねマリー。でも、君のためなら僕はそれすらもこなしてみせるよ」

 

「狂化がいけないのよね。きっと」

 

 交わされている言葉は漫才擬きなれど、実際には弾幕と刃が躍る戦場の中でのやり取りだ。周囲から見たらドン引きものであるが、ただひとつわかることは勝負はまだつきそうにないということであった。

 

 

 

―――――――――――――――――一方そのころ仁慈たちは

 

 

 

 

 

「ジャンヌさんのところまであとどのくらい?」

 

『あと十分ってところね。通信から戦闘に入っていることはわかっているし、正直もう少し速度を上げた方がいいわ。街に人が居たりしたら、彼女やゲオルギウスはきっと彼らを庇う筈よ。守りを考えなくちゃいけない分私たちの方が圧倒的に不利だわ』

 

「でしょうね。もっとスピードを上げましょう」

 

 ちょくちょく通信機をロマンから奪い取って話をしてくる所長にそう返事を返しながら、俺はワイバーンに向けている殺気の濃度を一段階引き上げる。するとワイバーンはブルリと身体を震わせるとさらに速度を上げた。

 

「マスターの騎乗スキルは中々のものですね。私も馬に乗っていましたが、竜を乗りこなすことはできませんでしたよ」

 

「そもそも竜なんていなかったのでは……?」

 

「というかこれは騎乗スキルに入れていいものかい?あれか、騎乗スキル(脅迫)とかそんなところか」

 

『そのスキル、仁慈君なら間違いなくAランク以上だね』

 

「お前らに騎乗スキル(脅迫)使ってやろうか……」

 

「そんな……!私の上にまたがるなんて……!いけません先輩、まだお昼です!」

 

「あっ(察し)」

 

「騎乗スキル(意味深)」

 

「やめろォ!」

 

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

「クッ、どうして……?僕はあれから何人も処刑してきた。そのたびに、腕を上げた。痛みもなく恐怖もなく、快楽すら感じるくらいのものを作り上げてきたのに……どうして……」

 

「……」

 

 遥か上空で仁慈たちが馬鹿みたいな会話をしている中、マリーとサンソンの決着がついていた。

 サンソンは地面に手を付き、致命傷を受けたにもかかわらず自問自答を繰り返している。マリーはそんな彼にゆっくりと近づいて語り掛けた。

 

「そもそもサンソン。あなた勝つ気なんてなかったんじゃないかしら」

 

「――――ッ!?違う、そんなことはない!僕はもう一度君を処刑するために……!」

 

「なら、おかしいわよ。いくらあなたが処刑人だとしても、いくらお互いがサーヴァントになったとしても、王室で過ごしていた私を一対一で殺せないなんて」

 

 マリーの言っていることは正しい。

 いくらサーヴァントになったからと言ってもそれはサンソンも同じことである。まして、マリーは戦闘など経験したことのない王妃。いくらサンソンが処刑人であり戦士でないからと言ってもこの結果はおかしい。まして、彼はマリーの死の原因である。伝説や史実をたどるサーヴァントたちにとってそれは絶対的と言ってもいいアドバンテージだ。にもかかわらず地面に手を付いているのはサンソン。このことが意味するのはただ一つ。彼自身がマリーを殺す気がなかった。それに尽きる。

 やがて観念したのかサンソンは静かに口を開いた。

 

「………僕は処刑が好きじゃなかった。当たり前だ、誰が好き好んで人を殺すこの職業を好きになるものか。当時は処刑人に対する差別だってあったこともそう思わせることに拍車をかけた」

 

 マリーは黙ってサンソンの言葉を聞いていた。これはサンソンの抱え込んでいたもので、彼女自身にも関係あるものだと感じていたから。

 

「でも、それでも僕は君と君が治めたこの国が好きだった。だからこそ、処刑が必要な人間を処刑し、それで培った医療技術で人々を癒したんだ。………愛していたんだ、君とこの国を」

 

 彼の独白は続く。

 その言葉には表現しがたい悲痛な想いが込められていた。

 

「それがどうだ!僕は最終的に、愛する君を手にかけた!誤解を受けていることをわかっていながら、君と同じ場所(断頭台)に立たされることに恐怖を抱いて手にかけた!僕はずっとそれを後悔していた………。だから、君に会った時僕はとても嬉しかったんだ。ここで君に殺されれば、許されると思っていたから………!」

 

 史実において、サンソンは自分がマリーとその夫を処刑した日に密かに鎮魂のミサを上げていたらしい。このことから当時どれだけ彼らを愛していたかがうかがえるだろう。何故ならこのようなことがバレてしまえば処刑は免れないからだ。いや、もしかしたら彼は見つかって処刑されたかったのかもしれない。彼女を殺したものと同じところに立とうとしたのかもしれない。

 

 そう瞳を潤ませながら言うサンソンに、マリーは慈愛の籠った笑みを浮かべてサンソンを優しく抱きしめた。

 

「もう、本当に可哀想でかわいい人なんだから。――――私は最初からあなたのことを恨んでなんかいないわ。元々、許される必要なんてなかったのよ。それに、私知っているの」

 

 ――――――――私を処刑するとき、貴方が気づかれないように泣いていたことを

 

「―――――ッ!あ、あぁ………!マリー……マリー……」

 

 サンソンは、マリーの言葉を聞いて今度こそ泣いた。それはまるで、迷子の子供がようやく自分の親と会えた時に流すような、安堵の籠った涙であった。

 

「―――――――ありがとう」

 

 その一言と、狂化を感じさせない笑顔とともに、苦悩の中でも生涯処刑人として生きたシャル=アンリ・サンソンは黄金の光となって消えていった。

 マリーは光が舞っていくその先をしばらく眺めた後、ジャンヌたちのところへと加勢をしに行ったのだった。

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

「……これで三人目。皮肉なものですね。見込んだもの程早く消えてしまうとは」

 

「人生なんてそんなもんだ。嫌な奴ほどしぶといもんだぜ。……さて、この状況圧倒的にお前さんが不利だと思うが………引き下がる気はあるか?ないならないで別にいいぜ。ここで討ち取って終いだ」

 

 黒ジャンヌは黄金の光となったサンソンを見ながらそう言葉を溢し、クー・フーリンはそれに軽口で返した。

 

「確かに、分が悪いですね。しかし、せめてあの竜殺しだけは始末させてもらいます」

 

 黒ジャンヌがパチンと指を鳴らす。

 すると、大きな咆哮と共にファヴニールほどではないものの巨大な竜がジャンヌたちの上空に現れた。

 

「んなっ!?」

 

「こんなこともあろうかと、というやつです。いいのですか?おそらく彼らだけでは足りないと思いますが?」

 

「チッ!」

 

 黒ジャンヌの言う通りである。

 ゲオルギウスという竜殺しが居るものの、数多のワイバーンに囲まれている状態では巨竜がいいところだろう。クー・フーリンは逃げていく黒ジャンヌを尻目にジャンヌたちの方向へと駆けて行った。

 

突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)!」

 

 走行中という、不安定な状態ながらも自身の宝具を解放しワイバーンの集団に向かって投擲する。その破壊力は仁慈の投擲と比べても強力なものと察することができ、直撃していないワイバーンたちも根こそぎ細切れにして吹き飛ばした。

 

「おい、上を見ろ上を」

 

「これは……!?」

 

「む?かなり巨大な竜ですね。それが二体とは……」

 

「これは結構まずいかしら……」

 

 一応全員が合流したが、気づくのが遅すぎたのだ。巨竜は既に目と鼻の先に来ており、二体同時に葬るのは難しい状態となっていた。イチかバチか、全員で宝具を解放して乗り切ろうかと考えていたのだが、そこでマシュからもらったカルデアの通信機が反応した。

 

『ジャンヌさん。そこから見て右側の竜に向かって宝具を解放して倒してください。残りはこっちで何とかします』

 

 聞こえてきたのはここで知り合ったマスターの声。人類の未来を取り戻すために数体のサーヴァントともにこのフランスに現れた人類の救世主。そして、常識はずれな行動を起こす頼もしい人。

 その言葉を聞いてから彼女とそのほかのサーヴァントの反応は早かった。既に宝具開放の構えを取っており、狙いを右の巨竜に定めているのだ。

 そして、全員が己の宝具を解放し右の巨竜を倒した時、同時に左の巨竜の首がゴトリと落ちてきた。視線を向ければ、黒い聖剣を召喚し首のない竜の体にまたがったヒロインXの姿が確認できた。

 

 そこで全員はひとまず何とかなったと体の力を抜くのであった。

 

 

 

 

――――――――――――――

 

 

 

 

 仁慈たちとジャンヌたちが合流するとジャンヌとゲオルギウスは早速ジークフリートに洗礼詠唱を唱えた。その間、マシュは疑問に思ったことを素直に口にする。

 

「さっきは突っ込みませんでしたけど、なにナチュラルについて来ているんですか」

 

「別にいいじゃない」

 

「私たちが居て何か不満が?戦闘も手伝って差し上げますのに」

 

「別にそれはありがたいんですけど……」

 

 そう言われてしまえばそれ以上踏み込むことができない。マシュはとても納得しがたい思いを抱きつつもそのまま引き下がった。

 一方、マシュからどうしてついてきたんだと言われた当の本人の片割れである清姫は何事もなかったかのように仁慈に声をかける。

 

「ところでマスター」

 

「それ俺のこと?」

 

「えぇ、そうです。突然で悪いのですが、私と仮ですけど、マスター契約を結んでくれません?」

 

「まぁ、かまわないけど」

 

「そうですか。では小指を出してもらえますか?そう、それで結構です」

 

 戦力が増えるという意味でも、手綱が握れるという意味でも仮契約してもいいと考えた仁慈はあっさりと小指を出す。それに対して清姫も自分の小指を出してその細い指を仁慈の小指に絡ませた。

 

「ゆーびきーりげーんまーん、うそついたらはりせんぼんのーますー」

 

「指きったっと……。これで契約になってんの?」

 

「はい。これで契約成立です。今後、私に嘘ついたら針千本丸呑みしてくださいね」

 

「笑顔で言い切りおったで……」

 

 仮でよかったと安堵する仁慈だったが、この選択が大いに間違ったものであったと感じるのはもうしばらく後のことである。

 戦慄しつつ安堵をするという貴重な体験をしている仁慈にマシュからジークフリートの解呪が完了したとの知らせが入る。

 

 ジークフリートは既に持ち前の回復力で傷を癒しきっており、先ほどまでの痛々しい姿はなりを潜めていた。ここにいるのは、邪竜ファヴニールを倒した大英雄、ジークフリートその人だ。

 

「俺のために態々骨を折ってもらい感謝する。これまでの恩返しとして、仁慈―――――いや、マスター。君にこの剣を捧げよう。今から俺はマスターの剣。マスターの盾だ。真名ジークフリート……この戦いにおいてマスターに勝利をもたらすために尽力させてもらおう」

 

 その佇まいは、今まですまないと謝っていた姿からは想像できない頼もしさを感じた。

 

「さて、戦力もそろった。後は何をするか当然わかってるよね?」

 

「「正面突破」」

 

 仁慈の問いかけに竜娘二人が答える。それについて問いかけた本人は大いにうなずいていた。しかしそこに待ったをかける人物が居た。集団を率いて戦った経験があるジャンヌとジークフリートである。ちなみにXは普通に沈黙を貫いている……というか仁慈が作った軽食をパクついていた。

 

「待て。確かに正面突破という発想は悪くない。個人個人の質はこちらが勝っているし大して人数もいない分固まって動こうとするのは当然の結論だ。しかし、それで行くならそれ相応の準備が必要となる。そこはどうする?」

 

 ジークフリートの質問に仁慈はこう答えた。

 

 

「敵が本拠地にしている場所はわかっているんだ。だったらさ、ゆっくりとある程度のところまで進軍して相手にオルレアンで決戦をするつもりと思わせてオルレアンに戦力を集中させる」

 

 ここで一度言葉を切り、仁慈は無駄にきりっとした表情で口を開いた。

 

「遠距離からオルレアンごと敵を吹っ飛ばす」

 

『…………』

 

 仁慈が放った言葉にサーヴァント全員が言葉を失ったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




流石仁慈、俺たちが思いつかないことを平然と思いつく。そこに呆れる、絶句するぅ!

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