墓守達に幸福を   作:虎馬

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 想像を絶する難産になりました。
『どうしてビーストマンは今更攻め込むのか』? という疑問を持ってしまった以上はその理由付けを考えて、更に鬱陶しくならない程度に作中で書きこまなくてはならないという難業。
書き手としては楽しいものの、やはり難しいです。



40.悪魔の土地で

 大陸中央部、現在6つの種族が中心となった6大国が覇を競う戦火の中心。

 多くの種族が衰退と滅亡を逃れるため、存続と繁栄を求めて戦いを繰り返す修羅の巷。

 

 そんな種族も所属も異なる彼等であったが、唯一つ共通の認識を有していた。

 

 約500年前に大陸を席巻した悪夢。種族、部落によって呼び名こそ異なるが、凡その意味は変わらない。

 

 即ち『大虐殺』。

 

 500年程前に突如現れた『悪魔』達によって多くの種族が絶滅の憂き目にあい、そうでなくとも多くの種族が森林地帯や山岳地の奥地に追いやられた悪夢の時代。特に2度行われた『悪魔』達の虐殺は今尚多くの種族に爪痕を残す。

 

 大陸中央部においてほぼ全ての種族に伝わる悪夢の記憶は、文明レベルの高い種族ほど色濃く残る。

 

 曰く、悪魔は大陸北西部からやってくる。

 曰く、ニンゲンと同じ姿でドラゴンをも上回る力を持つ。

 曰く、その名は『六大悪魔』と『八魔王』である。

 

 程度の差こそあれ、全ての種族がこれらの知識を共有している。

 

 これらの知識を共有するがゆえに、大陸中央部北西よりにあるビーストマンの縄張りは長らく平穏が続いていた。近くまで大国の領地が近付く事があったとしても、このビーストマンの縄張りは悪魔の地との緩衝地帯として手を出されなかったのだ。

 

 しかし悪魔達による爪痕は種の繁栄によって埋まり、忌避感は時間と共に薄れ、結果伝説の悪魔達に対する畏れもまた消えていった。

 更に6大国の一つ、とある賢者が残した予言を基に最強の兵器を完成させたミノタウロス王国が大規模な侵攻を始めた事も大きい。中原北部を領有する彼等は列強との戦争を有利に運ぶべく周辺の中小部族を侵略、次々に呑み込んでいったのだ。

 勿論その手は長らく緩衝地帯として存在したビーストマンの縄張りにも及ぶこととなった。

 

 

 

 

 

 人間種とビーストマンの縄張り、その境に流れる大河は飛龍使いの部族が住む山地からスレイン法国と竜王国を分かつ海に向けて南北に走る。

 

 その河の程近くの丘にビーストマンの一団が立っていた。

 

「先遣隊は、まだ戻らんか」

 

 中心に立つ一際大柄な個体が声を漏らす。

 彼こそがビーストマン連合軍の指揮官、唯一人のライガー族【新たな星】である。レオ族族長とタイガー族の神官の仔であり、氏族を超えた連合の象徴でもある。

 

 激化する他種族からの侵攻を前に、ビーストマンという種族単位で連合を組むべきとのレオ族の呼びかけによりビーストマンの各氏族は結束したが、周辺地域の二大巨頭たるレオ族とタイガー族の同盟が無ければ連合の成立は到底達成し得なかったことだろう。

 かつては忌子と呼ばれた混血であったが、幸いにして多くの者達の希望を背負った彼は大きく強く成長し、今では連合の若き盟主として前線の指揮を執っている。

 

 勿論血筋のみで得た地位ではない。その身長はビーストマン種族の中でも最大であるレオ族の平均身長を遥かに上回り、体重に至ってはほぼ倍である。白兵戦における強さを尊ぶビーストマン社会において、この身体的優位性は重大な意味を持つ。更にレオ族で尊ばれる勇壮な鬣とタイガー族の証である縦縞もくっきりと入っている為、両氏族からは勿論他の氏族からも一目置かれている。誰もが一目でその力強さを認め、これまで指示に逆らわれた事が無かったほどだ。

 狩猟生活を主とした原始的な生活を営むビーストマンにとって、強さとは全てに勝る正義なのだ。もっとも他種族の強者は認めない意固地さもこの種族の多くに見られる特徴ではあるが。

 

 そんな【新たな星】であるが、父から受け継いだ勇壮な鬣を風になびかせるその顔は晴れない。神官達の占いでは晴れが続くと出ていたが、河上の山地は雲で覆われている。空気も湿っており、上流地域では既に雨が降っているに違いない。遠からずこの辺りも雨雲に覆われるだろう。

 そうなれば河は氾濫する。如何に強靭なビーストマンであっても増水した河を渡るのは危険に過ぎる。

 このような状況で悪魔の土地と伝えられている河向こうへ行くのは躊躇われる。行けば最後、増水した河に隔てられて容易に戻れない状況とあってはなおさらである。

 

 これまで散発的な襲撃を続けた結果、河の向こうには3つの要塞がありそれぞれが連携して後方の領地を守っていることがわかっている。その何れかを落とし今後の足がかりとする事が今回の遠征の主目的となっている。

 それに先立って、ビーストマン連合に参加する氏族の中では弱小とはいえ3つの氏族が先日河を渡っている。何れも過去に幾度も襲撃を行ってきた者達であり、脆弱な人間種に討取られるような事は無い程度には有力な者達だ。

 

 そんな先遣隊の連絡が途絶えている。余りにも不吉な状況だ。

 悪魔の土地と言われている場所であるならば、尚の事に。

 

「臆したか総長!」

 

 腕を組んで思案する【新たな星】にタイガー族の族長は苛立ちを隠すことなく声をかける。

 

「どうせ先行したジャガー族達は今頃獲物を喰らっておるのだ! このままでは儂等の取り分がなくなってしまうではないか。とっとと渡河の命令を出さんか!!」

 

 レオ族に次ぐ戦闘能力を誇るタイガー族の族長は【新たな星】に詰め寄る。何を恐れるのかと。

 

「しかし族長、河上の天候がいささか……撤退の際に障りとなります」

「攻め込む前から撤退の心配だと?! この臆病者めが! 狩りに頼らず家畜を飼うような一族の出であるからか?! そもそも退路を考える余裕など儂等には無かろうがッ!!」

 

 族長の言葉は概ね正しい。ミノタウロス族の侵攻を受けるビーストマン族は臣従か滅亡かの二択を迫られている。しかし他種族の下に付く事を良しとしない彼等は第三の選択肢を求め、現在縄張りの防衛をレオ族に任せてその他の種族全てを用いた遠征軍を編成しているのだ。地続きの縄張りではミノタウロス軍の侵攻から縄張りを守りきれないという共通認識を持って、河向こうの新たな縄張りを目指している。

 

 森や平原で獲物を獲って暮らす狩猟民族である彼等からすれば、土地自体はそれほど重要ではない。獲物がいなくなれば別の土地に出向いて狩れば良い。

 これは群全体で羊を囲っているレオ族も近い考えを持っている。羊達の餌となる草木が無くなれば次の平原に向かう程度の認識でしかない。

 そして全体としては、障害物の無い平原と侵攻の妨げになる河川を挟んだ土地ならば後者が良いと考えたにすぎない。

 レオ族としては、出来る事ならば人間種を傘下に加えたいとも考えているが。

 

 平原での狩猟生活を軸としつつ近頃は食料の増産の為に羊を飼うようになったレオ族は、食料の安定供給に成功し近隣の氏族の中では最多の戦力を有している。個々の戦闘力においてもまた、屈指の実力者とみなされている。つまり周辺のビーストマンとしては最強の集団という事になる。

 

 そんなレオ族が圧倒される程の力を今のミノタウロス軍は有している。

 

 過去に行われた合戦において、攻めかかるレオ族とタイガー族の戦士達に対しミノタウロスの軍勢が突如爆音を轟かせ、その次の瞬間には同胞達が地に伏していたあの瞬間は多くのビーストマンに衝撃を与えた。

 爆音を轟かせるあの槍をどうにかしない限り、勝利は無いと全ての者たちが確信を持ったほどに。そしてその時間を稼ぐためにも防衛に適した縄張りに移るべきと結論を出したのだ。

 

 万一に備えて食料の確保の為にも防衛に残ったレオ族は、同時にもっとも危険な役割を担っている。

 脆弱な人間種とあの『槍』によって同胞達を蹴散らしたミノタウロスであれば、どちらに攻め込むべきか考えるまでも無い。伝承にある悪魔は今までに現れた事も無く、実在するかすら怪しいのだ。

 

 ならば、

 

「全軍、渡河を開始せよ。攻撃目標は、最寄りの要塞とする!」

「漸くか! 待ちくたびれたぞ!!」

 

 意気揚々と陣に戻っていく族長の後ろ姿を見やり、【新たな星】もまた覚悟を決める。

 伝承の悪魔が現れない事を切に祈りつつ。

 

 

 

 幸か不幸か、河上の天候の影響が出る前に全軍の渡河が終了した。

 増水による被害が出なかった事は喜ばしいが、どういう訳か、不吉な気配が全身を襲う。

 

 日頃から獲物の探索を行う「猟師」達に先行させ、河向こうの安全を確保した上での渡河であったが、それでも無防備なこの状態で攻撃を受けずに済んだ事は僥倖だった。

 

「あの鳥は何と言う鳥か知っているか?」

 

 河を渡ってから妙に目に付く黒い鳥。何故か不吉な気配を感じた【新たな星】は周囲にいる戦士達に問いかける。

 

「ああ、アレは屍肉を漁る【レイヴン/大烏】ですな。戦の臭いにつられて出てきたのでしょう」

「死の臭いにつられて、か」

「……あいつらは鼻が利く、単に嗅ぎ慣れない臭いに反応したのだろう」

 

 【新たな星】の守役を務めてきた【黒い縦縞】は顰め面で追加する。

 

「【新たな星】、土地が変われば見慣れぬ生き物が出るのは当然だ。総長足るもの――」

「つまらない事でうろたえるな、だろう? 解っている、見慣れない鳥がいたから名を訊いただけだ。そんなことで一々気をもんだりしないさ」

「なら良いが」

 

 渡河を終え、軍を纏めて進軍するビーストマン連合軍に緊張の色は薄い。

 

 そもそも人間種の脆弱さは誰もが知る常識ですらある。彼等が護る城砦にしても、単に今まで落とさなかっただけでしか無い。落としても維持できないと見て本格的な侵攻を行わなかった、それが共通認識である。

 

 あくまで狩りの標的でしか無かったのだ、先行させた者達の報告を聞くまでは。

 

「総長! 前方に、その、同胞達の死体が!」

 

 最初に齎された報告は、単にジャガー族の死体が見つかったというものであった。

 どこぞの魔物に倒され捨て置かれたのだろうと認識していたが、続々と齎される情報に認識を改める必要が出始めてきた。

 

 木の柱が乱立し、その先端に串刺しにされる形で同胞達の死体が曝されているという。

 

「おのれ人間共め! 死者を辱しめるとは何事か!!」

 

 報告を聞き激昂する族長は即座に全軍へ檄を飛ばす。

 比較的温厚な【新たな星】もまた不快感をあらわにして同胞達の亡骸を回収するように指示する。

 戦い倒れた者は、倒したものが敬意を持って喰らう。それこそが狩猟民族である彼等ビーストマンの流儀であるからだ。

 しかしその指示はすぐには叶えられない。

 

「人間達がそばで陣を張っているだと? 同胞達の死体を曝しものにしたその先でか?!」

 

 これまで人間達が野戦を挑んできた事、それ自体がなかった。渡河の最中に弓を射かけられた事はあったそうだが、それ以外ではひたすら砦に籠り守るばかりであったと聞いている。

 

「挑発のつもりか! おのれ舐めおって!! 皆殺しにしてくれるわァッ!!」

 

 これまで圧倒的優勢を誇っていた同胞達がどうして倒されたのか? それを一切考慮せず、怒りに我を忘れる同胞達を見て【新たな星】は幾らか迷う。このまま進んでも、本当に良いのだろうかと。

 しかしここで進軍を止める事はタイガー族の離反を招きかねない。そもそも撤退する事で得られる命はあくまで一時的なものでしか無い。人間族を攻め落とすか、ミノタウロス族に攻め落とされるか、今のビーストマンにはその二つの道しかないのだから。

 

「敵陣の前面まで兵を進める」

 

 結局、騒々しく飛び回る【レイブン】の群の下、進軍以外に出せる命令は無かった。

 

 

 

 両岸が平地となっている渡河に適した瀬から最寄りの城塞に向かう途中にある草原地帯、その左右に乱立した木の杭の先に突き刺さる形で同胞達の亡骸は曝されていた。

 そして更にその奥に、武装した人間達が整然と並んでいた。

 

〈我が名はブラム・ストーカー・デイル・ランテア伯爵! リ・エスティーゼ王国の貴族にして、竜王国への援軍として馳せ参じた将である!!〉

 

 平原の東端に布陣したビーストマン連合軍に対して、居並ぶ人間達の代表と思しき老人が前に出て〈名乗り〉を上げる。

 

 同胞達の亡骸への冒涜は見過ごせないが、それでも戦場で指揮官が先ず名乗りを上げるという礼儀は弁えているらしい。ならばこれに応えないのは誇り高きレオ族の仔としても、勇猛なるタイガー族の仔としてもありえないことである。

 

「御丁寧なあいさつ痛み入る、人間種の貴族殿! 私はビーストマン連合軍指揮官、レオ族族長【勇猛なる鬣】の仔、【新たな星】である!」

「……【希望】か、中々皮肉な名前だな。しかしそちらにも礼儀を知るものがいるようでなによりだ。

 対話が可能であるならば警告しよう! 此処は我々の土地である、速やかに立ち去るがいい! さもなくば、諸君等は生きてあの河を渡る事はないだろう……!」

 

 強者特有の気配は無い。しかし同時に感じる言い様の無いこの圧力。その身に纏う鎧や片手に持つ槍も逸品だ。他の兵達は穂先を下げている為草に隠れて解らないが、柄の様子から老人の槍ほどではないだろう。人間種の指揮官は他の者達より豪奢な装備をしていると聞く。

 何より、戦えば死ぬ、そう思わせる何かがこの老人にはあった。

 

 実際のところ強者特有の気配を微塵も纏わず、こうして対話できるだけでも大したものである。

 

「ブラムとやら、一つ訊ねる! 我が同胞達に無残な姿を曝させているのは、お前の仕業か?!」

 

 戦場の礼儀を知るこのニンゲンが、何故このような非道を為しているのか。彼の指示か、部下の独断専行なのか。そもそも本当に彼等が殺したのか。知っておかねばならない。

 後々彼等を支配するのなら、指導者である彼を生きたまま捕えて他の者達を従える材料にしたいところだ。その為にも捕えさせる理由が欲しい。

 何より同胞達を殺してのけたのが真実であるなら、脆弱な人間族の兵を用いてジャガー族を皆殺しにし、タイガー族に野戦を挑める指揮官であるという事になる。来たるミノタウロス軍の侵攻でも役に立つ事だろう。

 

「……ふむ。〈そこにいるケダモノ共であれば、私の『手勢』が仕留めたものだ。態々この場で敵将に聞く事かね? 勿論串刺しにしてやったのも私の指示だとも! 次はお前らだと、その野蛮な頭でも解るようにな!!〉」

 

 穂先をこちらに突き付けつつ返された言葉は、残念ながら想定していた中では最悪のものであった。むしろ〈挑発〉され兵が怒り狂っている。もはや生かして捕えろ等と言っても聞くまい。

 しかし嘘を言っていないのなら、ビーストマンの軍勢をあの脆弱な人間種の軍勢で討取ったということでもある。穂先を隠したあの兵達の槍に何か仕掛けでもあるのだろうか? ミノタウロス軍のような仕掛けが……?

 

 未だ冷静さを保ち思考を巡らす指揮官とは裏腹に、兵達は完全に頭に血が上っていた。誇り高きタイガー族が脆弱な人間種にここまでコケにされているのだから無理も無い。

 そもそもビーストマンの戦士3000に対して人間種の軍勢5000程度で挑むというのが無謀なのだ。地勢の効果を得られない平地での野戦とあっては尚の事。

 

「おのれニンゲン風情が……!」

「舐めやがって、同胞達の仇だ!」

 

 血気盛んなタイガー族の若者達がいきり立っている。

 これ以上挑発されれば統率を失いかねない程に。

 

 ジャガー族を血祭りにあげたその手腕には興味があるが、その戦い方はこれから見せて貰えば良い。身を以て知る事で得られるものもあるだろう。

 幸い他の者達より遥かに長身な自身であれば、戦場の出来事を凡そ把握することが可能だ。ある程度の犠牲は始めから覚悟の上での遠征でもある。

 

 対峙を長引かせぬ様、むしろ兵が勝手に戦端を開かぬよう、【新たな星】は速やかに最後通牒を申し渡す。

 

「人間よ、我々はこの河向こうの地に我等の縄張りを持つ事こそを目的としている。我等の傘下に収まるというならある程度の自由を許し、可能な限り殺さぬようにしよう。どうだ?」

「私からも今一度言ってやろう。〈今すぐ尻尾を巻いて逃げるならば追わないでやる。とっとと消えうせるがいい、侵略者ども!!〉」

 

 

 

 戦場を冷たい風が包み込む。

 湿気を孕んだ冬季特有の、冷たい風が。

 

 

 

「―――勇猛なる戦士達よ、この戦いに我等の未来がかかっている!! 〈全軍前進〉、前衛部隊は先行、〈突撃〉ィ!!」

「―――〈兵達よ、愚昧なる蛮族どもに血の制裁をッ!! 恐怖と! 苦痛と! 絶望の果てに死を与えよォオオオッ!!!〉。〈陣形構築〉、『密集陣形 ファランクス』!! 迎え撃てェェエエエエエ!!!」

 

 

 

 死臭に誘われた【レイブン】達が飛び交う平原で、遂に人間とビーストマンの生き残りをかけた戦いが幕を開ける。

 死を運ぶとされる怪鳥達の頭上は、既に厚い雲で覆われていた。

 




やめて! 「将軍」の特殊能力で強化された密集陣形に〈挑発〉されたビーストマンが突っ込んだら一人残らず殺しつくされちゃう!
お願い、死なないで【新たな星】! あんたが今ここで倒れたら、【勇猛なる鬣】との約束はどうなっちゃうの? 兵力はまだ残ってる。ここで勝てれば、人間種の領土が手に入るんだから!
次回「大虐殺」。バトルスタンバイ!



 ずっとやりたかったネタバレ次回予告、遂にかけました! 感慨深いですね・・・。

元々帝国騎士団を相手に使う筈だったネタですが、より「らしい」展開に進んだので良しとしましょう。

ちなみに帝国騎士団は4パターン程の『大虐殺』と2パターンの滅亡を超えて生存に至っています。
妄想段階ではブラムさんがネクロロリコンとして暴れる可能性や、死の支配者「アインズ・ウール・ゴウン」を召喚して吸血鬼に転生するというルートもありました。そして帝国騎士団は基本的に全滅か狂気発症の二択だったりします。
書いていてジルは戦わないのでは? と思って丸ごと消えてなくなりましたが・・・。
吸血貴族ブラム・ストーカーの誕生フラグは結局折れてしまいましたが、キャラ設定を煮詰めた結果ゴール地点がずれていたのでやむお得ませんね。

しかし盛り込むべき情報と削ってやらないと冗長になるという狭間で頭を抱えている間に時間ばかりが過ぎる有様、原作者様方が新刊を出すのに時間がかかる理由もホンの少しですが解る気がしてしまう今日この頃です。他人の褌で相撲を取っている身ですらこの有様とは、原作者様の気苦労も察して余りあるというものです。
とりあえず作中にあったミノタウロスの設定についてはまたいずれ、機会があれば。まあ概ね予想している通りかと思いますが・・・。

次回は開戦ですが、どちらかというとナザリックの皆さん視点が多くなるかもです。
ビーストマンvs人間軍をしっかり書いて欲しいというコメントが多ければそちらをメインにしようと思いますが、読み手の皆さんとしてはどちらがみたいのでしょうか? オリ主とオリ敵がぶつかるだけの話なので書き手としては少しばかり悩み中です。
一応構想としては各地で戦況を見ているシモベ達の様子と、ドヤ顔でギルメンの解説をするモモンガさんを挟みつつ戦況を解説する星君目線で進める予定ですが、視点がごちゃごちゃするから切り替えしないで欲しいという意見が多ければそのようにしようと思います。
この辺は作者たる私の表現力が問題と言えますが、解りにくい文章というのは個人的に嫌いなので忌憚ない意見を聞かせて貰えればと思います。





以下ちょっとした解説や独自設定など。

【新たな星】等のビーストマンの名前
 イビルアイは現地だとラージア・エレという音ですが、邪眼の意味を持って名のるためナザリック勢にはイビルアイと翻訳されて聞こえるそうです。やや原始的な生活をしているという設定にしたビーストマンの命名方式も~~な者という形式としたため多少の誤訳が起きています。
その結果部族の希望として付けられた【新たな星】は、翻訳されるとそのまま【希望】となった、みたいなノリです。細かい事は気にしないことです。
ネクロさん的には、これから部下が虐殺され絶望する指揮官の名前が【希望】とは……とか思った訳ですね。


河川について
大陸北西部にはライン河や長江の様な船で渡らないといけない程に大きな河は無いという独自解釈です。なんとなく本州より広いけど大陸という程広くもないような気がしています。
日本の急で短く狭い河川がそこそこあり、その一つがビーストマンと竜王国の境に流れる河という設定です。

実際河や山などの地勢が勢力圏の境になる事は基本ですし、山だとビーストマンはあっさり踏破しそうなので河を境界にしました。


『大虐殺』の『悪魔』
凡そ御察しかと思いますが、あの人達です。
人間種の味方として動いていたと思われるあの2勢力、敵対する羽目になった異形種からすれば正に『悪魔』です。
ところで悪魔とは神と同格な敵対者を意味するものであり、いわば零落した神そのもの。それはある人にとっては最大の・・・だったりします。

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