ついに野球好きがこうじてパワプロの小説を書くことになりました!
もちろん『ぱっつぁん奮闘記』の方も続けていきます!(何の話?って人はぜひ一回見てみてください)
ぱっつぁんのほうは結構ふざけてましたけど、この小説はマジメに書いていきたいとおもいます。
ではではどうぞ。
『入ったああああああ!逆転サヨナラ!優勝だああ!恋恋高校、奇跡の逆転サヨナラ勝ち!四番が決めたああ!歴史的戦いの幕切れだあ!』
ここはとある地方球場。夏の甲子園への切符をかけて二つの高校が戦っていた。
まずはあかつき高校。エースの猪狩守を筆頭に、その弟の猪狩進、七井=アレフト、九十九宇宙などといった大会屈指のメンバーが集まっている高校である。猪狩守の代で甲子園に三回出場、一回の優勝を飾っている。今大会の優勝候補であった。
もう一方は恋恋高校という三年前までは女子高だった高校。男子生徒が三十人もいない高校である。だがそんな高校が決勝まで来ているのだ。
その原動力は二人。まずは女性アンダースロー投手、早川あおい。抜群の制球力と切れ味抜群の『マリンボール』を使ってチームを勝ちに導いてきた。女子が大会に出れないという規定をチームメイトや沢山の人の協力でなくして、史上初の女子の大会出場にこぎつけた。
そしてもう一人はみんなから『パワプロ』の愛称で呼ばれる男。今大会だけで12HR、21打点をたたき出し、チームを引っ張ってきた。恋恋高校がここまでこれたのも彼の力があったからだ。
『猪狩守、がっくりとマウンド上に崩れ落ちます』
猪狩が座り込む。すると、ダイヤモンドを一周したパワプロが猪狩に近づき、手を差し伸べる。そして猪狩は立ち上がり、熱い握手を交わす。
『なんと先ほどまで熱い戦いを繰り広げていた両選手が握手を交わしている!これはものすごい光景だ!そんな二人にスタンドから大きな拍手が送られます!』
そのあと恋恋高校は見事大会制覇、パワプロは大会通算26HR、53打点をたたき出し、あおいは大会初の女子選手優勝を果たした。
そしてこの世代は後に『猪狩世代』と呼ばれ、日本野球界を席巻していった…。
「やべ!もうこんな時間だ!」
ここはとあるマンションの一室。そこで緑色の髪、青色の目をした少年があわただしく朝の準備をしていた。
「だからいったでしょ!入学式の朝から走りこみなんて始めて!時間を考えなさい!」
「もー、文句言うより手伝ってくれよ!」
「自業自得でしょうが!さっさと朝ごはん食べちゃいなさい!」
朝から騒がしい息子をしかりつけるのは同じく緑色の髪をした女性。少し顔にはしわがあるが、まだまだ元気そうな雰囲気だ。
「もー、
「わはっへるほ、それふらひ(わかってるよ、それぐらい)」
「飲み込んでからしゃべりなさい!」
この少年、名は実というらしい。実はご飯を食べ終え、家をでようとする。が、出る直前に止まって、奥の部屋にUターンした。
「ちょっとどうしたの!?」
「忘れ物!」
そう言って部屋に入る実。そこには仏壇と遺影が飾ってある。実はその前に座って手を合わせた。
「今日から俺も高校生だぜ、親父。俺も親父みたいに大きな伝説を作ってやるぜ」
小声でそういう実。何秒か手を合わせたあと、再び立ち上がって、玄関にダッシュした。
「家で走るな!」
「ヘイへーい」
しかってくる母を適当にいなして実は靴をはく。
「よし、それじゃあいってきます!」
「はいはいいってらっしゃい」
ばたんっ、とドアが閉まる。そして一人残された母は奥の部屋に向かって、さっきの実のように仏壇の前で手を合わした。
「ついに実も高校生だよ。昔のあなたそっくりににくいぐらいの野球少年になってるよ」
遺影に語りかけるその顔は嬉しいながらも少しさびしい表情を浮かべていた。
「どうか実が無事に三年間を過ごせるように空の上から見守っててね、あなた…いや、『パワプロ』くん…」
伝説のスラッガーパワプロと初の女子プロ野球選手の早川あおいが結婚してから数十年後、その息子、早川実は高校生になっていた…。
ZERO of LEGEND !!
はい、おしまいです。
短いとおもいますが、次回からは一話5000文字ぐらいを目安に頑張っていきたいとおもいます。
余談ですが、実はこの小説の原案は三年前から考えてました。いやまさかそれを文章にするなんて思ってもみませんでした。人間やれば出来るもんですね。