夢物語   作:痛み分け

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落第騎士の二次書いてオチまでたどり着くのが非常にしんどくて息抜きに書いた。
とはいっても3000字位で超短い。
TABOOTATTOOの戦闘と設定は嫌いじゃない。
が、変な恋愛要素は戴けない。
素直にイージーとトーコのダブルヒロインでいい、・・・よくない?
アリヤバータもなんかヒロインのようなあやふやな存在にしか写らないし・・・。
と個人的な感想はこれくらい。
それではどうぞ。






その他
彼は煙草をやめられない。(TABOOTATTOO)


 

 

 

ぷかぷかとタバコの煙を口から吐き出す。

「隊長またタバコですか?」

隣から部下の呆れた声が聞こえた。

「うるせー。

吸ってなきゃ、やってられん。」

「この前禁煙してると言ってた人はどこに行ったんですか?」

「さぁな、星に消えたんだろうよ。」

「ちなみに結婚したくないランキング上位に、タバコはランクインしてるそうですよ」

「先にそれを言え。」

そうしめて、銜えていたタバコを地面に捨てて踏みつぶした。

「ほんと隊長は結婚願望だけは強いですよね。

ろくにその為の活動はしてないくせに。」

「くせに、てなんだ。

してるじゃないか、禁煙。」

「まぁこちらとしては、1日で終わってほしいですけど。」

「なんでだ?」

「そうしてくれれば、賭けは私の一人勝ちになりますので。」

「意地でも1日以上は続けてやるよ、副隊長殿。」

くだらない話を副隊長としていると気配を感じた。

「こうして毎日突っ立ってるだけで、金をくれたら最高なんだがなぁ。

そうは行かないようだ、なぁ新国王様。」

気配を感じた方へ眼を向けると一人の少女の姿があった。

「ふん、妾の知った事ではないわ。

お前は給料泥棒と詰られたくなければ、きりきり働け。」

新国王アリヤバータ。

色素の薄い白と銀の間と不思議な色合いにツインテールで纏めた髪型。

赤みがかった黒の瞳。

これでちんちくりんじゃなかったら、文句は無かった。

16くらいのガキに期待するだけ無駄か。

「で、隊長殿は失礼な事を考えなかったか?」

おお、おっかない。こいつはきっとさとりとか言う妖怪に違いない。

くわばら、くわばら。

「いいえ、何も考えてはいませんよ。」

「まぁ、良い。

さて仕事の時間じゃ。」

不意にタバコを銜えたくなった。ろくな仕事じゃないだろう。

「何が望みだ、我が主。」

「戦争を、しに征くぞ。」

このお転婆新国王は、この国だけでは収まらないらしい。

他も欲しいと来た。

まるで征服が生きがいの征服王のようだ。

胸のポケットから煙草を取り出し、銜えた。

「副隊長、あいつらを呼べ。

会議を始めるぞ。」

「了解しました、隊長。」

女、子供を撃ち殺すような戦場じゃない事を祈りますかね。

「結局、禁煙一日もってないじゃないですか。」

「バカめ。

まだ銜えてるだけで火はつけてない。

よって、ノーカンだ。」

「そんな屁理屈言って…。

子供ですか、全く。」

「男はいつになっても子供なのさ。」

おっと忘れるところだった。

「アリヤバータ。」

「なんじゃ、アーサー。」

「俺のとどめは?」

「妾が刺す。」

「上出来だ。」

最後はちんちくりんでも可愛い子に殺されるんだ。

死んだら次はヴァルハラへ行けるな。

 

 

 

 

去っていく後ろ姿を見ながら、妾はあいつの事を考えていた。

妾にとってアーサー・ボルナードは不思議な奴だった。

誰もが妾の事を化け物、もしくは仕えるべき主としか見ない。

化け物として見られても何とも感じない。

それは事実でしかないから。

主として見られても何とも感じない。

それは事実、妾が飼い主だから。

だが、奴は妾の事を個人として見た。

だから、他の者は絶対にしないだろう態度で妾に接してきた。

不遜な態度、と切り捨てるのは簡単だ。

でも、妾はそんな事をしなかった。

理由は分からない。

人間未満の化け物と自身を認めていたのに、心は人間として認められたかったのだろうか。

自問自答しても答えは出ない。

親衛隊たるブラフマンの隊員たちに問うてはみたが、要領を得ない言葉ばかり。

侍従に問うてみたら、恋だと騒ぎだす始末。

妾が本当に奴に恋をしているのだとしたら、それは非常に滑稽だ。

化け物が人に恋をする。

三文芝居でも始めるつもりだろうか。

きっと妾自身が戸惑っているに過ぎない。

初めての体験に。

ある時、暇つぶしがてらに奴の情報を洗い出した。

アーサー・ボルナードは正真正銘の本名。

年齢は25で身長178と小柄な体型。

名前の割には東洋系の風貌をした黒髪黒目の童顔。

近接能力、射撃能力ともに高く、意味不明な射撃技術を数種類持っている。

代々傭兵を生業とした家に生まれる。

自身も外れることなく、18で引き継ぐ。

時に正規部隊に、時に非正規部隊に、と転々としつつ徐々に頭角を現し始める。

そして、先代セリニスタン国王に雇われ守衛の任に着いて数年、今に至る。

変哲もないどこにでも居そうな系譜だ。

ただ、呪紋については知ってはいたようで、本人曰く戦場を渡り歩いてると、

おかしな入れ墨をした奴が時たまいて、戦闘中に物理法則に喧嘩を売り始める、らしい。

らしい、と言うのは妾にとって呪紋は見慣れた物でしかなく、

そういうものだと認識してるためだ。

つまり、あくまで奴の言である。

そこで妾は思った。

奴は呪紋をいらないのだろうか、と。

思っただけで止まらず、そのまま聞いてみたが答えは単純な物だった。

『いらねぇよ、そんなもん。』

『そんな物に頼らなきゃいけないほど、落ちぶれちゃいねぇし、

俺は人でいたいんだよ。

分かったか、怪物女王。』

次に疑問に思ったのは奴の人の定義である。

『俺の人の定義?

知るか、考えたこともない。

と、言いたいところだが、答えてやらんでも無い。

人である、と確固たる自信をもって断言出来りゃ人なんだよ。

他人がどう言おうが知るか。

大事なのは自分だ。

人と認められて初めて人になる、そうは言うが別に他人じゃなきゃダメだと誰が決めた?

いいのさ、自分で。

てめぇでそう認められたならいいじゃねぇか。』

考えたことない、なんて言う割には考えてるじゃないかと思った。

が、奴の言葉更に続いた。

『だからな、アリヤバータ。

お前が自分の事を化け物だと思おうが好きにしろ。

でもな、いつかきっとお前に手を差し伸ばしてくれる奴が現れるだろうよ。

その手を放すなよ。』

その時の奴の顔は酷く寂しいものだった。

『お前は、妾に手を差し出してはくれないのか?』

そんな言葉が不意に漏れ出していた。

我に返った時には遅かった。

『無理だ。

俺はきっと呪紋を手にして今より強くなっても、

お前ほど強くはなれない。

何より心が耐えられないだろうよ。』

その言葉を聞いて、何故か酷く沈んだ。

当たり前の言葉のはずなのに…。

『でもな、支える事は出来るだろうよ。

お前の伸ばす手を、少しでも高くするための踏み台位にはなってやるよ。

泣いて感謝しろよ、死んでやっていいなんて言った女はお前が初めてなんだぜ。』

若干赤くなった顔を隠すためか、後ろにそっぽを向いた奴の背中は何故だか大きく思えた。

父親の背中、と言うのを垣間見た気がした。

『ならば…ならば……妾の為に死ね。

勝手に死ぬことは許さぬ。

アーサーだけは妾のこの手で葬ろう。』

そのまま奴の背中に抱きついて、そういった。

『こんな斬新な告白受けたのは初めてだぜ。

クソガキの癖に生意気な事言いやがって。

と言うか、抱きつくな。

夜遅い分変な勘繰りされても困るから。』

『…思わせておけばよいではないか。』

『ヤだよ。

俺がロリコンだと思われるじゃねぇか。

ただでさえ、彼女いなくて焦ってんのに。』

そんな事言いながらも、アーサーは妾の手を振りほどこうとはしなかった。

 

 

 

 

思いの外、深いところまで思考していた。

「アリヤバータ様。」

声の方へ眼を向けずとも分かった。

カル・シェーカル。

妾の兵隊、ブラフマンの副隊長で側近。

長い黒髪に黒の瞳の美女。

少々真面目すぎるのが玉の傷か。

「なんじゃカルか。」

「準備が出来ました。」

「そうか、では征くとしよう。」

妾は世界を取りに征く。

 

 






副隊長の描写が欲しい?
どうしようか迷ってあえて書かなかったという実情があって…
呪紋を物理法則に喧嘩売ってるとか言ってるけど、
この主人公軽くウォンテッド要素混ぜる気満々で書いてるから(震え声)
イメージとしてはアリヤバータ側のトムさんポジ。
だから原作崩壊はできませーン。
え?BB出るまでのイージーが可愛すぎて短編書いてただろって?
もうイージーはBB(ロリコン)の嫁って決まったじゃん。
だから多分書かない、と言うか書けない。

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