オドリ―の獲物を得たような目つきをする。
すると、その目付きに観衆たちは目をハートにして涎垂れ流しで黄色い歓声を上げまくる。
そんな観衆の中には、もちろんくろちゃんとホームズもいる。
その観衆たちに計算されつくした可愛く見せる傾きで小首を傾げ、お願いのポーズを取る。
『出た~~~~~!!!オドリ―ちゃあんの試合開始合図のお願い~~~!!もうそれで頼まれたら、断る男はいな~~~~~い!!!もしいたなら~~~!!!即刻処刑に値する~~~~~!!!』
実況の暑苦しい熱血野郎の言葉に観衆は大歓声でこたえる。
それを確認すると、実況の熱血野郎が再びマイクを持って、実況席を立ち、開戦宣言を唱える。
『では、これより~~~!!麗しきオドリ―ちゃあ~~んが率いるオドリ―愛乱舞親衛隊会員~~~精鋭部隊100名VS!!
オドリ―ちゃ~~んを排除しようとするっ!!憎きROSEの二人が今回の対戦相手だ!!』
「え?………二人?…って、どういう事にゃ?」
「お~~~~い、こっちは4人だけど?」
熱血野郎の間違いを指摘するちゃにゃんと御神だったが、熱血野郎は鼻で大笑いし、指をさしながら、解説する。
『い~~や!!君たち二人が今回の敵だ!! なぜなら…二人は我らのオドリ―への熱い愛と信念に~~~共感し~~~加入してくれたからだっ!!!』
なんだか嫌な予感がちゃにゃんと御神の脳裏に流れ、実況の熱血野郎の指さす方へと顔を向けると、相手側の最前列に…、しかもオドリ―のすぐ後ろに親衛隊たちが着ている親衛隊公式会員にのみ配布されるハチマキとTシャツを身に付け、敵に向けるはずの闘志が何故か味方であるはずのちゃにゃん達に向けられていたのだった。
((あの二人~~~~~!!! ヘムタイ欲に完全に負けて裏切りやがった~~~~~!!!))
鬼の形相、…と角を頭から生やして、くろちゃん達に殺意込の視線で貫くちゃにゃん。御神はあのアホ面で睨みつけてくるくろちゃん達を憤りを感じつつ、面白くて、携帯用カメラで連写モードで写真を収めていく。
御神の行動にもう般若のお面をつけているかのように(そうあってほしいが)なっているちゃにゃんが観察し続けていると、何かを思いついたようで、元の表情に戻る。…もう鬼ではなかったが、眉間には深く刻まれた太い脈がくっきりと前髪から見えていた。
ちゃにゃんはROSEのアイドルと言える可愛い少女だが、最近は特にNSTやくろちゃんとホームズのヘムタイ行動や思想が過熱してきているので、それを止めるストッパー役のちゃにゃんは精神的にも身体的にも疲労を感じていた。だから、今のこの状況はちゃにゃんにとって苦痛なのだ。悪ふざけを通り過ぎて、ここまで悪化したヘムタイを前にちゃにゃんの今まで溜めてきたヘムタイへの我慢の限界バロメーターはとうとうオーバーし、鬼になったのだ。
………ヘムタイたちよ。
命が欲しくば、超えてはいけない境界線を踏み越えてはならぬ!!
警告したからな!!
…そう、御神がちゃにゃんの様子を隣で伺いながら、全国のヘムタイたちに念を送った。
そして、御神が見守る目の前で、ちゃにゃんは笑っているけど、その笑顔に優しさの欠片も感じない氷の笑みでくろちゃん達を見つめる。
ちゃにゃんの完全にキレたオーラと笑顔を見て、顔色真っ青で見つめる二人はちゃにゃんが取りだした物を見て、悲鳴を上げる。
その取りだしたものとは、くろちゃんが大事にしているヘムタイが愛する最大手のヘムタイ専門雑誌『ヘムヘム』とそれに付属する数々のヘムタイアイテム。そして同じくホームズが大事にしている調教アイテムを次々と目の前に放り出し、山積みにする。
そして、それをくろちゃん達の目の前で加熱系魔法『爆熱』で派手に跡形もなく、塵にした。
「「キャアアアアアアア~~~~~~~~!!!!!」」
燃やされる…、爆破されたヘムタイ秘蔵のアイテムたちの悲惨な最期に悲鳴を盛大にあげ、その後は、悔いをたっぷりと残す事になったが、再び目の前に生贄とされていくヘムタイアイテムたちを守るため、くろちゃんとホームズはとぼとぼと歩き、ちゃにゃん達の元へ戻っていった。
こうして、ちゃにゃんの痛~~~~~い拷問を受けたくろちゃん達は涙を流しながら、ROSEと快楽幹部こと、オドリ―が率いるカバルレ戦闘員100人のコロシアムでの闘いが始まる事になった…。
ヘムタイオタクにはきっと辛い仕打ちだったろうな~~。
拷問を受けたのは、アイテムたちだけど!!