魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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今日で、一周年記念だぜ!! 早いな~~!! あっという間すぎて、気分は二周年だよ!!

てことで、みんなに”どんな宴をしたい”か聞いて、決まったこのネタでお祝いしたいと思います!!


ではどうぞ!!


ROSE結成一周年記念番外編~みんなで肝試し大会!!(前篇)~

 

  太陽の日差しが強く、レーザービームでも降っているかのような暑い季節になった帝国。

 

 

 

 そんな帝国の唯一、帝都に近くて、人気スポットの海辺に自由奔放の彼らが飛び込んできた…。

 

 

 「やっほ~~~!! 海だ~~!!」

 

 

 「よし、おいらたちが一番乗りだぜ!!」

 

 

 そう言って、海辺まで猛ダッシュして、はしゃぐくろちゃんとホームズ。

 

 

 二人は、早速水着に着替えて、あたりを見回す。

 

 ほかのみんなは砂浜で場所取りをしたり、水着に着替えて準備体操したり、サンオイルを塗ったりしている。

 

 そんな中、くろちゃんとホームズは歓声を上げ、何やら楽しそう…!

 

 

 パラソルの準備も終わり、くろちゃんたちの楽しそうに雰囲気にミナホは声をかけた。

 

 

 「二人とも、楽しそうだね!何をしているの!?」

 

 

 「……至福の時を楽しんでいたのさ…。」

 

 

 「そう…。おいら達の純粋な夢を心のカメラで記録していたのさ…。●REC」

 

 

 遠くを仰ぎ見る二人の様子に顔を顰め、同じ方向に顔を向けると、そこには、準備体操を終え、ビーチボールで仲良く遊んでいるちゃにゃん、ルー、し~ちゃん、さっちゃん、るーじゅちゃん達がいた。

 

 みんな、個性的な水着を着ていて、ビーチボールを投げたり、動いたりする度に弾力のある豊胸がポヨン、ポヨン…っと揺れ動いている。

 

 その姿を少し離れた場所から眺めている二人は鼻の下を伸ばし、下心満載で嬉しそうにしていた。

 

 

 「…やっぱ、海はいいっすね~。(鼻血)」

 

 

 「いいっすな~。最高っす。(鼻血)

  

  …そうだ!!くろちゃん!!確か、カメラを持ってきてたよな~!! 早く、録画してくれ!!」

 

 

 「合点だぁ~!! 任せて!! この最新型の~超防水で、布一枚透かしてくれる夏に相応しいこの録画カメラで私たちの夢を~~!!実現させて!!ハァハァ」

 

 

 「布一枚……、透ける……!! ぐほぉ!! それは…!! なんとお得なカメラなんだ…!! くろちゃん、今度そのカメラを買った場所を教えてくれないか~!!

  (鼻血大噴出!!)←輸血必要!! ハァハァ」

 

 

 もう息を切らして、興奮し出し、カメラをちゃにゃんたちに向けて、●RECし始める。

 

 

 「おっと!! 忘れるところだった!! お~~い、NST出動~~!!集まれ~~!!出張NSTだ~~!!」

 

 

 

 

 

 ボコオオオオオオーーーーーッ!!!!! ドガアアアァァァァァァーーーーーーーッ!!!!!

 

 

 

 

 「いい加減にせ~~~い!!!!この煩悩星人共め~~!!!シバくよ!!」

 

 

 「いや、もうシバいちゃってるよ~…。みなっち…。潰れたアリみたいになってるから~。」

 

 

 あまりにも行き過ぎたヘムタイ行動に止めを刺したミナホ。

 

 それをパラソルの陰でのんびりと横たわりながら、アイスを食べる火龍人が軽く突っ込む。ちなみに、制裁を受けたくろちゃんとホームズは日差しで熱くなった砂浜に両手足を広げてうつ伏せで倒れたまま、指一本も動かずに気絶していた。その二人の頭には顔の面積の10倍以上の大きさを誇るドデカいたんこぶができていた。

 

 

 「まぁ、せっかくの休暇だし、みんな、のんびりしてもいいんじゃない?好きなことで日頃の疲れを取るっていいと思うけどな~。」

 

 

 「そうだよ~~~!! みなっち、今NSTに参加しようとしていたのに~~!!」

 

 

 『なんで私を誘わなかったんだ~~!!NST隊長は私だ!!』

 

 

 パラソルの中でさらに鑑賞していた御神、ホムラと通信モニター越しからのマサユキがNST参戦で準備運動をしていた。

 

 

 「参戦しなくていいから!!

  こんな公共の場で二度とすんな!!ここには出張警魔隊員が監視しているんだから!! 追い出されるだけはごめんだよ~~!!」

 

 

 ミナホはこの収拾のつかない、羽を休ませすぎるみんな…、(約半数だけど)をほかに意識を向けさせるために、頭をフル回転させる…。

 

 

 

 

 

 

 ピコーーーーーーーン!!

 

 

 

 

 そうだ!!この手があった!!海といえば、夏!!夏といえば、あれだよ!!

 

 

 

 「ふーーーーふっふっふ……!!!

  いいこと思い付いた!( ☆∀☆)」

 

 

 「みなっち、どうしたの?なんか笑みが不気味だけど?…( ; ゜Д゜)」

 

 

 「ふふふ…!

  みんな、今日の夜は、肝試し大会しよう!楽しいよ~!ε=ε=(ノ≧∇≦)ノ」

 

 

 「肝試し大会!?…なんか面白そう!その案に乗った!」

 

 

 「こ、怖いのは嫌だけど、賛成。」

 

 

 「おいらもさんせー。」

 

 

 ミナホの提案にみんなも頷いて、乗る。

 

 

 「じゃ、今日の夜、肝試し大会決定だ~~!!」

 

 

 そういうと、砂を巻き上げながら、どこかに走っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、日も落ちて、海風が心地よく吹く海岸のほとりにある洞窟の前にROSEメンバーが集合した。

 

 

 「はい!!みんな~~!!ここが肝試しする場所だよ!!雰囲気良くて、最適だと思わない!?」

 

 

 元気はつらつとしたミナホが洞窟の入り口を指差す。

 確かに、奥は暗いし、隙間風が吹いて聞こえる低い風の音が掠れた声みたいに聞こえてくる。

 

 

 「…よくこんな場所を見つけたね~。」

 

 

 「宿屋のじいちゃんにここの事を教えてもらったんだ~!!そして、この洞窟に伝わる言い伝えも聞いたよ!!」

 

 

 「言い伝えって…。」

 

 

 まだ始まっていない状態なのに、身体を震えさせて怖がるtoko。怖がりでも、やはり興味が沸くみたい。

 満面の笑みのミナホはその言い伝えを声のトーンをいつもより低めにし、薄暗い中で、自分の顔にライトを当てながら、話し出した。

 

 

 「実は…、この洞窟はね~…、いわくつきで~。

  昔、この海には守り神の心優しき水龍が縄張りを収めていたんだけど、ある時、その水龍が人間の姿で近くの村に海の魚を大量に持って、訪れている間、水龍が大事にしていた光り輝く宝玉を金稼ぎの目的で悪意を持った魔法師ギルドに盗まれたの…。

  それを知った後、水龍は信頼していた人間から受けた仕打ちに嘆き、悲しんだ。

  この海の豊漁と安全を自身の力を封じた宝玉を奉る事で平和を保っていたから…。

  一方、宝玉を手に入れた魔法師達はその宝玉をあろうことか、割ってしまった。

  それを気配で感じ取った水龍は自分の命が削られていくのに気づいた。

  水龍は人間に裏切られても、それでも人間を愛してやまず、人間を守るために、宝玉の代わりに自らの身を封じる事で、海の平和を守ろうと、海を見渡せるこの洞窟に入り、その身を氷の中に封じた…。

 

  それで、平和が訪れると思われていたが、海を支配する水龍がいなくなったことで、その跡目争いをする者が現れ、海は荒れ、近くの村の人々は略奪や殺傷を受けて、統率者のいないこの一帯は凄まじい波乱を迎えたそうだよ。

  

  だから、この洞窟にはそんな争いで巻き込まれた人達の怨霊が水龍様に助けを求め、夜な夜な集まるらしい…よ!」

 

 

 言い伝えられる洞窟の話を聞いて、みんなは半分怖がり、半分は悲しみに暮れた。

 

 

 「そんな事があったなんて…。」

 

 

 「水龍様、ショックだっただろうな~。」

 

 

 水龍様に同調し、入り口前で拝むと、満面の笑顔のミナホが一人ずつ、何かを渡していく。

 

 渡された物を夜空に掲げ、見てみると、月明かりに反射する綺麗なガラスの欠片だった…。

 

 

 「はい!!では、ルールを説明しま~す!!」

 

 

 ミナホの呼び声に欠片を見ていたみんなの目が向けられる。

 

 

 「みんなには今から、この洞窟に一人ずつ入ってもらって、洞窟にある水龍様が祀られている祠にこの欠片を置いてきて、その先にある出口から脱出してね!

  それでミッション終了!!簡単でしょ!!?

  ……ただし、もしも引き返したり、祠にこの欠片を置いてこれなかったり、出口に姿を見せなかった場合は……、罰ゲームが待っているからね!!」

 

 

 意味深な笑みを浮かべ、説明するミナホにホームズとくろちゃんが手を上げて、質問する。

 

 

 「そのば、罰ゲームとは一体どんなものなのかな? ハァハァ」

 

 

 「ヘムタイ罰ゲームなら、おいらにやってくれ!! ハァハァ」

 

 

 また変な妄想をし出したホームズとくろちゃんにちゃにゃんが拳骨を落とす。

 

 

 「ははは…。罰ゲームはお楽しみだね!! 絶対に言わない!!でも…、やばすなのは確かだね…。くくく…。」

 

 

 (絶対何か裏があるよ…!!その罰ゲーム!!)

 

 

 不敵な笑みを浮かべるミナホの表情に心の内でそう確信したみんなは罰ゲームを避けようと心に決め、肝試しの順番のくじを引いていく。…約2名は罰ゲームを狙いに行く気のようだが。

 

 

 こうして、ROSEの肝試し大会がスタートする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まず、一番に入るのは、toko!!

 

 

 入り口に立つtokoは足がガタガタ震えて、一歩も動けずにいた。

 

 

 「大丈夫?toko、しっかりして?」

 

 

 心配そうに声を掛けるさっちゃんに、tokoは震えながらもピースサインを作り、大丈夫とアピールする。でも、言葉とは裏腹に、足が更に震えだし、生まれたての小鹿のように立っているのがやっとの状態なのに、身体中から冷や汗全開で、涙を流し、魂が半分抜けているように見える。

 

 

 (((((いやいや!!大丈夫じゃないだろっ!!!!!)))))

 

 

 あまりにも怖がっているtokoの背中にミナホが優しく叩き、深呼吸するように助言する。

 

 

 「大丈夫…。パッと祠に行って、パッと洞窟から出れば、何も怖くないよ!!

  怖いと思うから、余計怖くなるんだよ。 何か楽しい事でも考えながら、行ってくればいいさ!…例えば、隣に誰かいるって思えば、怖さは半減すると思うよ。」

 

 

 ミナホの助言を聞き、震えは止まらないものの、頷いて、一歩ずつゆっくりと歩を進める。そして、姿を見えなくなってから、ミナホがみんなに振り向き様に教える。

 

 

 「あ、言い忘れていたけど、この洞窟、本当に出るらしいから? 頑張ってね~!!」

 

 

 「「「「「「「「「「………え?」」」」」」」」」」

 

 

 思いもかけない爆弾発言に余裕を扱いていたホムラも暁彰も身体が固まり、なぜか一生懸命に準備運動をし始め、さっちゃんやるーじゅちゃん達乙女は悪霊・怨霊退治グッズフル装備で身構え始めた。特に、し~ちゃんは、誰か判別できないほど鎧を隙間なく着込み、逆にみんなに”動き出す鎧”として怖がられる事になった。

 

 

 

 そんな、徐々に肝試しの雰囲気に呑まれているみんなの、怯えながらも洞窟に入っていく姿を見届けたミナホは笑ってはいたが、その眼には涙を流していた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 薄暗い洞窟の中を魔法ランタンで照らして、慎重に進んでいくホムラ…。

 

 

 「それにしても、さっきからみんなの悲鳴が聞こえてきて、怖くなってくるよ…。」

 

 

 洞窟だからか、さっきから前からも後ろからも悲鳴が聞こえて、その悲鳴が反響して、耳に嫌な響きを与えてくるのだ。身体がぞわぞわし出し、冷えてくる身体を動かし、温める作戦を実行する。その間、立ち止まっていると、後ろから、くろちゃんとちゃにゃん、御神、サガットと次々と合流してきた。

 

 

 「よかった~~~!! ホムホムがいた~~!! もうさっきから怖い目に遭ってっ!!」

 

 

 「うんうん!!心臓が止まるかって何度も思ったにゃっ!!」

 

 

 くろちゃんとちゃにゃんが涙を大量に流しながら、どれだけ怖がったのか手足をバタバタさせ、パニック状態になっていた。

 

 他のみんなもまだ祠についていない状態で既に疲労困ぱいといった雰囲気で肩の力を落として、顔を青ざめていた。

 

 

 「何かあったの?」

 

                             ..

 「ええ~~~~!!? ホムホム、何ともなかったの~~!!? あの中を潜り抜けてきたのに!!?」

 

 

 「……信じられない…。」

 

 

 「みなっち、かなり凝っているな~、あの仕掛け…。魂持っていかれそうだったよ…。」

 

 

 UMAでも見たかのような表情でホムラを見つめるくろちゃん達合流組。

 

 

 ま、くろちゃん達がそんな顔をするのも無理はない。

 

 

 

 

 

  ―――――なんだって、幽霊たちの群れの中を歩いてきたんだから。

 

 

 

 最初、肩や足を突かれた感じがしたり、妙に寒気を感じたり、肩や身体にやけに重みを感じたりするだけだったが、徐々に耳元に息を吹きかけられたり、足首を掴まれて、転ばされたり、ひんやりとした霊気が充満し出したりとなって、ようやく何かいると恐怖を感じたみんなは、ついに暗闇の中で淡く光りながら、宙を浮いて、こっちを見ている幽霊たちと遭遇する事となったのだ。

 

 肌寒く、自分の息が白く見える世界の中、右も左も前も後ろも、上にも幽霊が物珍しそうにみんなを見つめ、近づいてくる様に、動揺するなというのは無理なもので…。

 

 

 「きゃあああああああああ~~~~~~~~~~~~!!!」

 

 

 絶叫と悲鳴が洞窟の中を駆け巡り、みんなはとにかくこの場を離れたい一心で、全力疾走し、前進してきて、ホムラと合流したという訳だ。

 

 

 その話を聞いて、後ろから聞こえていたみんなの悲鳴に納得したホムラ。

 

 

  しかし、実はホムラにもその仕掛けはされていたのだ。

 

 肌寒いのは、夜だから!と思って運動しながら進んでいたし、幽霊が近づいても『何だか前が霧で見えにくいな…!』なんて、幽霊を霧だと思っていたから、すり抜けたりして、先に進んだのだった。

 

 だが、みんなはミナホが魔法で幻影を見せていたと思っているこの仕掛けを、実際はミナホが仕掛けた罠でない事に気づくのはもう少し後…。

 

 

 合流したので、一緒に歩いて、祠へと向かって進んでいると…!

 

 

 「うわあああああぁぁぁぁぁーーーーーーー!!!!!」 

 

 

 前方から絶叫が聞こえてきた。

 

 

 「うわぁあっ!びっ、びっくりしたーー!!」

 

 

 「な、なに!?今の声……!(´Д`|||)」

 

 

 「……toko の悲鳴にだった気がするけど。( ̄□||||!!」

 

 

 サガットの耳の良さを知るみんなは急いで先へと走り出した!

 

 

 そして、少し開けた場所に出て、ホムラ達が見たそこには、目を疑う光景があった…。

 

 

 

 

 

 

 後編に続く!φ(..)

 




一日で書こうって頑張ってたのに、懲りすぎて終わらず…!
溢れるみんなの勇姿を?書きたい一心に!
これは、一周年記念をもっと祝いたいと言う気持ちがこうさせたのか?…そうだ!きっとそうに違いない!ε=ε=(ノ≧∇≦)ノ

toko に一体なにがあったかは明日の後編で!

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