魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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地下都市の現支配者が登場~!!


支配者、降臨!!

 

 

 革命軍とROSEの共闘宣言が決まり、リテラの案内でこの地下都市の構図を探っていく。

 

 

 リテラはこの地下都市の手書きの地図を広げ、指で各重要な場所を指しながら、説明する。

 

 

 「まず、この地下都市は大きな円形の形をしていて、中心に向かって行く毎にあいつらの重要なアジトや施設があるわ。

  私達が今いるところが、ここの地下。」

 

 

 リテラが地図に指した場所は、地下都市の一番外側にある大きな建物だった。

 

 まわりにも建物が立ち並んでおり、マトリョーシカのように中心に向かう毎に建物で描いた円が小さくなっていっている。

 そして、中心の一番大きい円柱の赤い建物の周りに川が流れている。

 

 その赤い建物の四方に橋が架けられ、そのそれぞれの橋を渡った正面には地図に大きく丸で記された建物が4つあった。

 

 

 「この4つの丸で記された建物はあいつらの裏稼業の拠点なのよ。

  北のこの建物は、人外に影響を与える薬品の製作工場。南の建物はその薬品の実験場。西の建物は裏取引で手に入れた魔法アイテムや武器、薬品等の保管庫。そして東の建物は……売春宿舎…なの。」

 

 

 「な!! ば、売春!!?」

 

 

 「地上から連れてこられた人たちはまず、いくつかの選択をされるのよ。強い魔法師なら、洗脳して、サーカスの団員や誘拐の実行部隊、警備員として。一般人で若い男達は奴隷として。美しい女性たちはここであいつらの従う部下達への報酬金の代わりに売春させ、娼婦へと。反乱分子や年寄りは実験体に…。自分達の役に立つ用途に振り分けて、こき使うのよ。

  

 私達がすごしてきた民家も部下たちの住処となって、奴隷達はこの建物に全員、入れこんで閉じ込めるのよ…。」

 

 

 「何だよ、それ!!私達は道具じゃないわよ!!」

 

 

 「そうだよ!!乙女を乱暴に扱うなんて、愚図だわ!!!」

 

 

 「……全員、手足を錠につないで豚のように歩かせればいい…。ボリボリ…!!」

 

 

 「それはいいな!! まずは全裸にして、この首輪をつけて、このとがったヒールの先でぐいぐいっと… あだっ!!」

 

 

 し~ちゃんがホームズを殴って続きを遮る。

 

 

 それを目の端に入れつつ、るーじゅちゃんが中心の赤い建物を指差して問いかける。

 

 

 「じゃ、このいかにも怪しい赤い建物は何?」

 

 

 「…そこは、あいつらの本部で、底に闇の商人やら権力者やらが集まって、夜な夜な何かをしているのよね。でも、何をしているかは情報がどうしても入らないのよ…。

  一度本部に潜り込んでみたけど、どこかにあるはずの支配者の研究室も見つからなかったし、構造が複雑すぎて逆に罠にはまってあいつらに捕まった大勢の仲間たちがいるわ。」

 

 

 「ま、そう簡単にはいかないよね~。敵の心臓部分って訳だし。手が込んでいる秘密程、暴かれたくないもんだよ。」

 

 

 「そういう秘密こそが私達の大好物だけどね。」

 

 

 「ほんじゃ~…、その本部とやらにいこっか…。」

 

 

 顔中にたんこぶや痣を付けたホームズが提案する。リテラはあまりにも変わったホームズに驚いたが、見慣れているるーじゅちゃん達はホームズの提案に乗って、立ち上がって、上へと続く梯子を上っていく。その後ろを慌ててついていくリテラは奴隷達に戦闘準備をするように言って、この場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 監視の目を掻い潜り、なんとか本部の前まで来たホームズ達一行。

 

 

 しかし、ここから先は、姿を隠せる建物もなく、視界の良すぎる通りがあり、容易には近づけずにいた。

 

 

 「こうなったら、また『光学迷彩』でも…」

 

 

 「それは無理そうだよ…。相子の使いすぎで魔法は最小限でしか使えないし、入り口には探査機があんなに設置されてるよ。(。-∀-)」

 

 

 し~ちゃんの指摘で本部の入口に目を向けたら、どんだけつけたら気が済むんだ!っていうほどの探査機が入口を囲むようにして取り付けていた。

 

 

 「一体支配者は何を考えてあんなにつけてるんだよ!」

 

 

 ホームズが思わず洩らした独り言にリテラが答える。

 

 

 「私、精神錯乱魔法で何回もあそこに入っているからね。いつも、入られるから警戒されて、探査機取り付けられるし、警備員や実行部隊も増員されるし、この辺り、隠れる場所がないように改装させて見渡しよくされるしで困ってるのよね~。」

 

 

 それを聞いたホームズ達はリテラを恨めしそうに睨み付ける。

 

 

 「???何?(;・ω・)」 

 

 

 「「「「お前のせいか~~~~~い!!!」」」」

 

 

 リテラに文句を言うホームズたちに何で怒っているか分からず、首を傾げてると、本部から出てきた人物を見て、目を見開くと、まだブーブーっと文句を言うホームズ達をお構いなく蹴って、物陰に隠れる。

 ホームズ達はドミノ倒しのように効果音をつけて物陰に飛んで行った。

 

 

 リテラは額に汗をかき、本部から出てきた人物に鋭い視線を放つ。

 

 リテラの様子に文句は後回しにし、同じくリテラが睨む相手を見つめると、リテラが小声だが、はっきりとした滑舌で話す。

 

 

 「あの、本部棟から出てきたあいつこそ、ここを奪って、私利私欲のために私達を苦しめる、憎き支配者よ…!!」

 

 

 支配者だとリテラに言われた人物を見て、ホームズ達は口を開きっぱなしにするしかなかった…。

 

 




支配者はまだだしませーん。(。-∀-)ま、次の次にだします!
想像はつくとは思いますが。

明日は七夕と言うことで番外編をやります!

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