魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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いざ、戦うぞ!同志たちよ!


おおおお~~~!!  …掛け声だけで息キレを起こすうち。


革命の灯火

 

 

 

 

 リテラが実は王族の末裔だと知ったホームズ達は納得した。

 

 

 リテラから発せられる雰囲気や奴隷達の慕われようを見ると、人を惹きつけ、導いていく姿が似合うのだ。

 それに、リテラが嘘をついているようには見れない。

 

 リテラの力になりたいとホームズ達は顔を見合わせ、意見が一致している事を確認する。

 

 しかし…

 

 

 「でも、まだ腑に落ちない事がある。この地下都市は革命軍のアジトだったわけだよね?どうして奴隷収容所になったわけ?」

 

 

 「そ、それは…。」

 

 

 「おいら達もこの国には闇が蔓延んでいる事は知っているし、今までも闇ギルドたちと戦ってきた。そして、それが国を脅かしている事も知っている。

  おいら達はそんな悪を断ち切るために、魔法を使って、仲間と共に動いているんだ。」

 

 

 「大丈夫だよ!私達はこういう事に慣れているから!ここまで聞いたら、もう友達だよ!!」

 

 

 「そうそう!!友達が困っていたら、助ける!!それがROSEのモットーだからね。」

 

 

 言いにくそうにしていたリテラを遠慮は不要と伝え、リテラの隠している話を聞く。

 

 

 ホームズ達のどんな事でも受け入れるという姿勢に目を潤わせると、袖で目を拭い、深呼吸をする。

 

 

 「実は、私があいつらをここに入り込ませてしまったの。自分が甘かったわ…。何度自分に叱咤した事か…。」

 

 

 「そんなことはないさ!リテラは俺達を助けてくれて…」

 

 

 「でも、結局はあなた達を苦しめているわ!! 私が何とかしないと!!」

 

 

 「…どういう事かな?話が見えてこないんだけど…?」

 

 

 奴隷達がリテラに責任がないと言い続ける中、リテラは事の経緯を語る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「私はこの地下都市で生活しながらも、帝国の情報を集めるため、度々地上に出て、帝都を見て回り、人々の兆候や魔法の発展状況、各ギルドの調査。色々自分の目と足で見て回ってきたわ。すると、この帝国には活気あふれ、お金も溢れて楽しそうに見えるけど、その裏では暗躍や隠ぺい、賄賂、詐欺…。悪意に満ちた方法で人を陥れる闇が存在していたわ…。その悪意が帝国に莫大な富を潤わせていた…。

  そんな帝国が許せなくて、でも私には帝国を相手にできるほどの知識も人脈も何も持っていなかった。帝都を見て回っていると言っても、それはこの帝国のほんの一部だけ。大陸中の国々をまとめ上げ、制覇した帝国に真っ向から戦いを挑むなんて間抜けがする事よ。

  でも、このまま帝国の悪意に巻き込まれる民を見捨てる事は出来なかった私は彼らを保護し、地下都市で一緒に暮らして、革命軍を発足したわ。

  おかげで、この帝国の情報がたくさん入ってきたし、仲間もできつつあった。

 

  そんなある時、私が異常な借金の取り上げに遭遇して、助けた人と地下都市に帰ってきたら、その借金取りが尾行してきたみたいで、この地下都市の事を知られてしまった。

  その借金取りの親玉が乗り込んできて、ここに降りてきて、言ったの。

 

 『今日からここは私の物だ。全員殺されたくないなら、言うとおりにしなさい。』

 

 

 追い出そうとしたけど、見たことない魔法で気付かない内に仲間が倒されていた。そして、仲間を人質に取られて、助けるためにはあいつらにこの地下都市を渡すしかなかった。

 

 

 それで、彼らがここを闇商売や実験場のアジトとして使うようになったのよ…!ここなら地上の民達からも目は届かないし、絶好の隠れ蓑だから。

 

 こんなところをご先祖様が見たら、嘆かれるわ!!私の不注意で…!!こんな…!!」

 

 

 強く拳を握りしめ、唇を噛み締めるリテラ。

 

 

 「そんな事はないさ、リテラ。俺達をあいつらから守るために身体を張ってくれたじゃないか。それにあいつらの犠牲にならないようにとミスした奴隷を庇ってくれたりしてくれた…!リテラがいなかったら、俺達は今頃、こうして生きていなかったかもしれないんだ。」

 

 

 「ああ…。あいつらを倒して、ここから出て、あいつらを野放ししている帝国を倒して、革命を成し遂げよう!!俺達はリテラと共に戦う覚悟はできているからっ!!」

 

 

 経緯を聞いていたホームズ達は立ち上がると、リテラや奴隷達に手を差し伸ばす。

 

 

 「今まで、よく頑張ったね!」

 

 

 「私達もそういう奴は許せない!!」

 

 

 「熱湯鍋に入れこんで、茹で上がらせればいいよ…。ボリボリ…!!」

 

 

 「おいら達も…、いや、ギルド”ROSE"もその革命に参加するぜ!!そうだろう!?みんなっ!!」

 

 

 『当たり前だよっ!! 俺達は悪を許さない!! 』

 

 

 『仲間が泣いている、助けを求めているなら、どこまでも私達は突き進んでいたぶってやるのさっ!!』

 

 

 『ROSEを甘く見てもらっちゃ困るよね~~!!』

 

 

 ホームズがいつの間にか繋いでいた連絡回線の先から外で待機しているROSEのみんなの声がする。

 その声を聞いて、溜めていた涙が零れだし、リテラはホームズ達に地面に手をついて、頭を下げる。

 

 

 「ありがとう…!! ありがとう!!」

 

 

 リテラ達の感謝を十分にもらったホームズ達はいつもの敵を倒す時の不敵な笑みを浮かべ、まだ見ぬ敵に向かって、宣戦布告する。

 

 

 「待ってろよっ!!おいら達ROSEがお前たち全員を粉砕してやるぜっ!!」




革命…か~。

そういえば、参議院選投票がもうそろそろだ~…。投票誰に入れようかな…。みんなも投票にレッツゴー!!

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