魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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よし、ついに乗り込みます、サーカス団に!!

でも、それはな~~…




潜入捜査!?

 

 

 

 

 ”カバレル・サマダ大サーカス”へ乗り込む事にしたROSE。

 

 

 そこで、何人か先に潜入捜査をする事にした。しかし…

 

 

 「私が潜入してくるから!!私の方がスカウトされまくりだわ!!」

 

 

 「スカウトなら見た目もキュートで、腕も立てないといけなんだよ!?それなら私の方がたくさん来るもんね!」

 

 

 「スカウトはないから!! 弟子入りとかでいいから!!とにかく落着けっ!!」

 

 

 「「黙ってて!!」」

 

 

 「偵察なら…、私もやってみたい…。ボリボリ…。得意…だから…。」

 

 

 潜入捜査をすると決めて、誰が行くかを選任しようとして、名乗り出たるーじゅちゃんとし~ちゃんが激しく衝突した。最初はどっちが相応しいかという喧嘩だったか、なぜか話がヒートアップして、”どちらか可愛くて、観客の目を惹きつけるパフォーマーになれるのか"という潜入捜査とは全く関係のない方へと喧嘩が広がっていた。寧ろ潜入捜査という事を忘れて、本格的にサーカス団の一員になりたいと思いを募らせていっている二人。

 話がずれてきたので、くろちゃんが仲裁に入って、話を戻そうとしたが、二人にあっけなく撃墜されて、落ち込み中…。

 

 その二人を…、落ち込み中のくろちゃんも除いて、みんなで潜入捜査をする人の選任を考えていると、火龍人が挙手して名乗り出る。

 火龍人は真面目だし、与えられた仕事も完璧にこなすし、失敗した所は見た事がないほどの手際の良さを持っている。それに今まで、ROSEのみんなからダメ出しされる姿とかは見た事がない…。

 得意魔法も精神干渉系魔法だし、確かに潜入捜査には向いている。情報も多く集める事が出来るだろう。…ただし、コミュ症が垣間見られるのが難点だが。まぁ、それが意外に役に立つ時だってある!

 必要最低限の事しか話さない火龍人は影を薄める事もでき、相手の懐近くまで潜り込める事もできる。

 

 ROSEのみんなからかなり信頼の厚い古株メンバーの一人だ!!

 

 

 くろちゃんの代わりに司会進行役をしていたちゃにゃんが異議がないか確認し、みんなの了承も取れたので、火龍人に潜入捜査をお願いする。

 

 

 「じゃ、みんなからも適任という一致の意見を受けたので、火龍人に潜入捜査を任せるにゃ!!」

 

 

 「…うん、頑張る…!!」

 

 

 いつもの無表情より、若干気合の入った表情をする火龍人を見て、みんな、火龍人に拍手する。

 その拍手で、ようやく現実世界に戻ってきたくろちゃんと喧嘩が終わってボロボロになって戻ってきたるーじゅちゃんとし~ちゃんはいつの間にか決まっていた潜入捜査実行人に対し、それぞれ違った表情を取る。

息を溢し、安堵するくろちゃんに対し、自分達ではないと知り、口を大きく開けて衝撃を受けるるーじゅちゃんとし~ちゃん。

 

 するとこれは必然なのか、るーじゅちゃんとし~ちゃんが火龍人の補佐でも荷物持ちでも御茶汲みでもいいから、行かせてと強請ってきた。

 

 決定事項だと言っても、二人は強請り続け、解散し、準備をし始めた後も、頑なに行かせてくださいと土下座のまま、サササッとホームズの後を付き従う。

 

 

 それはもう、必死の思いでやっているのは分かるけど、付き従われているホームズにしては動きにくいし、怖い!!

 

 だから、火龍人にお願いし、るーじゅちゃんとし~ちゃんを連れて行ってほしいと頼んだ。ちなみに二人の見張り番としてホームズも行く事にする。

 

 火龍人は即答で了承し、ポテトチップスを食べ続ける。

 

 

 潜入できることに抱き合って喜び合うるーじゅちゃんとし~ちゃんを他のみんなは乾き笑いで見守っていた。

 

 

 (かなり醜いおねだりだったな~。あれでは、スカウトは無理だろうな~。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ★★★

 

 

 

 

 

 夜のナイトショーが終わった時刻、火龍人とるーじゅちゃん、し~ちゃん、ホームズは曲芸一座のテント前に来ていた。今日のショーを終え、後片付けをし出した団員に紛れ、潜入する作戦だ。

 

 

 「いや~、後片付けでもこんなにたくさんの機材があるんだね~。」

 

 

 「団員もかなり多いな~。どうやらおいら達が鑑賞していた時はその一部だけだったみたいだな。」

 

 

 「それが当たり前っていえば、当たり前なんだろうけど、あの情報を考えると、あまり楽観視はできないな。」

 

 

 「とりあえず、中に入ってみない? いつまでもここにいる事自体が目立ってしまうよ…。ボリボリ…。」

 

 

 四人はすぐ様、近くの団員の荷物持ちを手伝って、テントの中に入っていこうとする。しかし、セキュリティーが厳重にしているテントの中に入ろうとすると、団員の証のバッジがないとは入れない。あっけなく、すぐに潜入は終わった。

 

 バッジがない限り、テントの中には入れず、どうするか考える火龍人、るーじゅちゃん、し~ちゃんを置いて、ホームズはテントの前に設置されている大きな門に鉄拳をお見舞いする。

 

 その勢いで、鉄製の門は思い切り吹き飛び、煙を立てる。

 

 その行動に、火龍人達も目玉が飛び出る。

 

 

 「「「ちょっと~~!!何してるんだよ!!ホームズ!!」」」

 

 

 三人はホームズの飛ばした門を悲鳴を上げて、嘆いていると、案の定、警備員がやってきた。しかも数十人も。

 

 もう終わった…。

 

 

 三人はホームズの破天荒な行動で潜入は終わったと思った。

 

 

 「お前達、門を壊して、ただと済むと思うな!何しに来た!!」

 

 

 ほら、警備員達も血相を変えて、警戒しているよ~!!

 

 

 「ハハハ、ごめんなさい。でもベルもないし、ああしないと来ないじゃないですか~!用事があったんで。」

 

 

 「用事だと?」

 

 

 「はい、おいら達、ここの曲芸一座のショーを見てから、凄い感銘を受けてしまい、食事ものどを通らないほど、もう感動しちゃって…!!ですから、おいら達、ここで曲芸魔法師としてデビューしたいと思い、お願いにあがりました!!」

 

 

 満面の笑みで堂々と訪問理由を述べるホームズの顔には真実が告げられているように三人は感じた。

 

 

 (((ホームズ…、お前もか…!)))

 

 

 そんなホームズを警戒心丸出しのまま、一定距離をとる警備員の一人に連絡が入る。その連絡を受けた警備員は徐々に畏まった態度をし、連絡を切るときはここにはいない相手に深々とお辞儀をした。

 その警備員がホームズたちに近づき、他の警備員達に手で合図をして警戒体制を解かせる。

 

 

 「君達の入門をカバルレ様がお認めになられた。いいか!これは特別な事だぞ!お前の熱意に感激したカバルレ様の寛大な配慮に感謝するように!」

 

 

 「はい!ありがとうございます!精一杯このムチでMっ子の心を掴みますよ♪任せてください!」

 

 

 「ええ~~~~~~!!!あっさりOKゲットした~!( ; ゜Д゜)」

 

 

 「ホームズもさっそく溶け込みすぎ~!Σ(゜Д゜)」

 

 

 「てか、カバルレ、どこから私達を見てたんだよ~!!Σ( ̄□ ̄;)」

 

 

 「………さすがホームズだね。潜入テクその1をさっそく使いこなすなんて。私が教えた甲斐がある。ボリボリ。(*ToT)」

 

 

 「「潜入テクだったんかい~~~!!」」

 

 

 るーじゅちゃんとし~ちゃんが突っ込みを入れながらも無事?に潜入ができましたとさ。

 (;・ω・)




結局目立ってしまって、動きにくくなるのでは…。これは…?

でもそれがほーちゃんです!!(グッジョブ)

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