みんなが集めてきた情報で闇に潜む陰謀が明らかになっていく…。
その片鱗があの今大人気の曲芸一座、”カバルレ・サマダ大サーカス”と関わりがあると知る。しかし…
「だけど、あのサーカスには僕たちも鑑賞してきたけど、別に怪しい物とか動きとかなかったじゃん!」
「そうだよね…。あんなに観客達が楽しんでいたし、まだ状況証拠だけだし…。」
ペンダゴンとRDCが未だ信じられず、異議を唱える。確かに状況証拠で決めるべきではない。しかし曲芸一座がまったくの無関係だとは言いにくい。
あともう一押しあればなぁ~と唸りながら、みんなが考え込んでいると、着信メロディーが鳴かれてくる。
『われら!!ホームズ殿に~~♪忠誠を誓う~親衛隊~~!!頭脳明晰の~ホームズ様を~今称え~~♪ここ~に見~参~~♪』
ホームズの携帯連絡フォンから歌が聞こえてくる…。
それをホームズは「やっと来たか~!」と当然のように回線を繋ぎ、回線の向こうの相手と何やら話している。
それをBGMとして聞いているみんなは若干…、いやかなり汗をかきながら、呆れています満載の表情をしていた。まぁ、中には口を手で覆って、必死に笑いを押し殺している者も数人いたが。
そして、連絡が終わり、顔を上げたホームズがニヤッと笑って、不敵な笑みを漏らす。
その笑顔を見て、御神も呆れ顔を何とか笑いを作り、ホームズに問う。
「お疲れ!ホームズ、ホームズ親衛隊のレストレード警魔隊長から何かいい情報をもらったんだね!?
一緒に情報収集している時、話していたし!!」
そう、御神とホームズがバディとなって、中心街で情報収集していた時、偶然にもレストレード警魔隊長と遭遇し、頼み事をしていたのだった。その頼みごとの報告連絡がさっきの着信なのだ。ちなみに、着信メロディーはどこにも販売されていないオリジナルソングだ…。
それをなぜ着信メロディーにしているのかは目を瞑る事に…してくれたら幸いかな?
付け加えるなら、レストレード警魔隊長からの着信の時だけ流れるので、安心してください!!(どこを安心すればいいんだ!!?)
…とにかく、レストレード警魔隊長へ頼んでいた情報が入ったので、ホームズはそれをみんなに告げる。
「おいらの優秀な下僕のレスちゃんから耳寄り情報を手に入れたよ~。これでおいら達も動けるはずだ!」
「相変わらずだけど、レストレードもよくやるよね~。」
「ふふふ…!”ご褒美お待ちしています!!”って言ってたからな~。次は何をしようか…くくく…!」
「こらっ!!ドSオーラ満載にするな~~!ベシっ!!今は早く話して!!……後で私も混ぜて…。」
最後の方は小声で耳打ちする御神もホームズと同じくSっぷりが発揮された所で、話を戻す。
「レスちゃんが調べてくれたのは、ここ最近の行方不明者のリストなんだけど、前々から噂のあった魔法師失踪?事件より、遥かに行方不明者や失踪者が増加したみたいだな。しかも増加し出したのは、あの曲芸一座が帝都に現れた時期と被るらしい。」
「それで、あの件は?」
「うん、やっぱりそうだったらしいね。」
御神とホームズが二人で話し、視線で考えが一致している事を確認し、御神が続きを話す。
「実は、中心街で情報を集めている時、行方不明の母親を探している女の子と親せきがビラを配って目撃証言を集めていたんだ。それで話を聞いていくと、数が月前に父親も失踪したと聞いて、ショウリンの時と似ていると思って、もう少し詳しく聞いてみたんだ。疾走する前に何かしなかったか?って。そしたら…」
「母親が疾走する前に、サーカスを見に行ったって言ったんだ。更に驚く事に一緒に見に行った友達にも失踪した家族やしばらくして帰ってきた家族もいたようなんだ。」
「それを聞いて、思いがけない共通点を見つけた私達の傍をグッドタイミングでレストレードが通ったから、ここ最近の行方不明者リストとサーカス鑑賞日等を調べてみてってお願いしてたの。」
「その頼みごとが終わって、レスちゃんから報告を受けたって訳。まだ、確証もなかったから、みんなには言わなかったけど、これなら、あの曲芸一座が完璧な白じゃないって確信できるね。」
「…二人の反応からして…やっぱりなにかあったんだね?」
それまで御神とホームズの話を聞いていたくろちゃんは額に汗をかきながら、唾を飲み込む。
「…レスちゃんの報告は、おいら達が考えたとおり。行方不明者達は全員、失踪数週間~数日前に”カバレル・サマダ大サーカス”で鑑賞している事が分かった。更に、さっちゃん達が得た死体盗難事件に遭っている死体も生前にサーカスに行っている事が分かった。…ショウリン、ショウリンも母親と父親とでサーカスに行かなかった?」
ホームズの指摘にショウリンは顔を真っ青にして、ゆっくりと頷く。
「……僕、パパとママとでサーカスを見に行ったんだ…。ママがチケット手に入れたからって。それで、次の日にママがいなくなって…。パパはそれからおかしくなって…。」
気落ちするショウリンの肩をミナホは優しく包み込み、励ます。
それを目に焼き付けたみんなはある決意を固めた。
「よし!!これではっきりしたね!!”カバレル・サマダ大サーカス”には裏がある!!それを調べて、ショウリンのパパの仇を取るぞ!!」
「「「「おおおお~~~!!!」」」」
こうして、ROSEは曲芸一座の裏の顔を暴くため、サーカスに乗り込む事にした。
しかし、それはあいつが仕組んだ蜘蛛の糸に手を掴んだ瞬間だった…。
オリ御神とオリほーちゃんからSかMかと聞いて、書いてみました!
二人とも、Sじゃなかったら、話の展開が変わっていたかもだね…。
それにしても、レストレードにご褒美という名のあれをする場面が書けたらいいな~!(笑)