魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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はい、またあの男が出てきます。

マサユキ「あの男だけは許さない!!」

どうした?マサヤン


次なる仕掛け

 

 

 

 

 

 

 マサユキがROSEを去ってから2週間経ってからのROSEは仕事の依頼殺到がパッと消え、以前のROSEに戻ってきていた。

 

 

 「はぁ~、久しぶりに喉かだね~。」

 

 

 「そうだね~。」

 

 

 くろちゃんとちゃにゃんは今までの疲れを解き放つかのようにギルドのホールのテーブルにダラ~っと滴れていた。しかもどこで手に入れてきたのか、テーブルの真ん中に置かれた機械から手のアームが伸び、二人の身体を揉み解していた。

 そんなまったり気分を味わっている二人に鳥になる日が近づいて腰に手を当てながら、注意する。

 

 

 「ちょっと、二人ともっ!! ここでのんびりするんだったら、せめてやることやってからして。ここの掃除まだできてないんだから。」

 

 

 「でもさ~、なんかこの窓から入る太陽の日差しが気持ち良くて…。」

 

 

 「そうだにゃ。この暖かな温もりを与えてくれる日差しに感謝して寝てるのにゃ…。

  鳥になる日もどうだにゃ?」

 

 

 「二人は猫かっ!?シャ~~~~!!」

 

 

 肌を逆立てツッコミする鳥になる日の肩をRDCがぽんっと手を置く。

 

 

 「まぁ~、落ち着いて。二人ともあれで、気を和ませているのさ。二人は…、マサユキが好きだったからさ。」

 

 

 「…あ、なるほど。そういう事か。じゃ、しょうがない…なんていうと思った?

  それなら、きっちりと動かないと!!」

 

 

 そして、鳥になる日はテーブルのマッサージアイテムを没収して奥に引っ込んだ。その後ろ姿をくろちゃんとちゃにゃんは手を伸ばし、涙を流しながら悲鳴を上げ、今生の別れの如き、見送りをした。…マッサージアイテムに。

 

 RDCはため息を吐きながらこの光景を見届け、久しぶりのイベントクエストに行くことにする。

 RDC以外にもくろちゃんとちゃにゃんがマッサージアイテムを使ってホールで和んでいた理由は分かっていた。もし、マサユキがこの場にいて、あれを見ていたら、真っ先にカメラを持って、録画していただろう。

 

 『おお!!いいね~!!そんな所まで揉んでくれるのか…!ではもうちょっとあの辺りを!!……そうそう!!そこで…! ぶほっ!!』

 

 …という流れでROSEの名物を見る事が出来ただろう。

 

 

 そんな想像をし、RDCはマサユキなら絶対こうなるなと妄想笑いし、イベントクエストに参加する。しかし、RDCはそれにより、一番避けたかったことをしてしまう事になる。 それは誰も参加したくないイベントクエスト”八雲ロボとの組手修行”だと分かっていたのに、参加してしまうというオチだ。

 

 経験値が2倍になるというメリット以外はほぼ得がない最悪なイベだ。

 

 「しまったああああああぁぁぁぁ~~~~~~~~~~!!!!!」

 

 RDCの悲鳴が辺り一帯に響く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ★★★

 

 

 

 

 

 そして、マサユキのROSE脱退はこの男の耳にまで入っていた。それは、何を意味するのか。

 

 いつものようにこの男、カバリン・サイエンは店の奥部屋にあるモニターで自分の主と回線を結ぶ。

 

 

 「……久しぶりだな。何がいう事があるのではないか?」

 

 

 「これはこれは、早速手厳しい発言、ありがとうございます!いや~、あれからも掛けるべきかと迷いましてね~。ですが、準備もありまして、慌ただしくし…」

 

 

 「そんな言い訳をわざわざ私に聞かせるために、連絡してきたのか…?

  どうやら、命はいらないと見える…。」

 

 

 映像は映らず、会話だけでのやり取りでも、主の殺気が感じられ、カバリンもさすがに身の危険を感じ、口を噤む。ただ、冷や汗を掻いておきながらもこの状況を楽しんでいた。

 

 

 「それは申し訳ありません。ただ、先日に許可を頂きました計画が着々と進んでいるとお伝えいたしまして。」

 

 

 「……私が聞いた報告では、貴様は自ら実験体の観察に行き、そこで、あのROSEと鉢合わせし、計画は失敗したと聞いたぞ?」

 

 

 「あれは、必要な措置でしたので。ROSEの内部崩壊を目論見まして…、少し計画とずれましたが、まだ許容範囲で進みますよ。これからが本番ですから。ふふふふふふ!!」

 

 

 「………理解した。では、そのまま事を運べ。しかし、前にも言ったと思うが…」

 

 

 「はい、心得てますよ。あなた様の要望通りにして差し上げますよ~。」

 

 

 ピエロの片仮面と同じような笑みを浮かべ、忠誠を誓う意味で深くお辞儀をする。

 

 

 「では、励め。」

 

 

 ブチっ!!

 

 

 回線が切れ、お辞儀を解いたカバリンは主に向けた笑顔のまま、部屋を後にする。

 

 

 「さてさて、ようやく次の計画に移れますよ~。さぁ、私のショーを堪能しなさい!!

  家畜の皆さんっ!!ガハハハハっハハハハ!!!」

 

 

 手を大きく広げて、盛大に笑い、脳裏に血で狂う人たちの残像を浮かべるのだった。

 

 





何だと!!懲りない男だな!!カバリン!!
いや…、バカリン!!

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