魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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これからプチ寸劇しようかな。

いや、毎日はちょっと~!!

なら、たまにで!!


再出発!?

 

 

 

 

 ちゃにゃんの帰還も終え、ROSEは再び勢いに寄っていく。

 

 

 魔法試合もイベントクエストでもこれまで以上に絆が強くなったROSEは帝都中の人達の目を釘付けにしつつあり、活躍を広げていった。

 

 

 そのおかげで、帝都中からROSEへの仕事依頼が殺到していた。

 

 

 「これはやばいね。帝都中からこんなに来てるよ…。」

 

 

 「この仕事の多さにサボりたくなってくるな~。」

 

 

 「わかる。仕事で来てありがたいって思わないといけないのは分かるけど、まともに体を休められないのは嫌だな~。」

 

 

 「はぁ~。仕事をこなしていっても、次から次へと依頼が入ってくるから一向に終わらないや~。」

 

 

 「何でこんなに仕事来るかな?そんなに目立つ事したっけ?」

 

 

 「「「「さぁ?」」」」

 

 

 依頼殺到に理由がよくわからず、頭を抱えるみんな。人気者になると、周りが白熱するからね。ふとしたことでも、周りからはカッコよく見えてしまうってやつじゃないですかね。

 

 

 「「ただいま~~。ごめん、水ちょうだい!!」」

 

 

 見事にハモってギルドに帰ってきた御神とサガットは息絶え絶えに疲労感満載で水を求める。

 

 

 「お帰り~。…なんかすごいね、二人ともだけど、その後ろの荷物。」

 

 

 二人に声を掛けたホムラは水の入ったコップを渡し、顔を引き攣りながら二人の後ろを見る。

 

 しかし、もう声が掠れてきて返事ができない二人はコップの水を一気に飲み、御代わりを要求する。それに苦笑しつつもホムラはコップに水を入れ、なくなる度に水を注いであげて二人の復活を待つ。

 

 

 「ぷはああぁ~~~~!! ホムラ、ありがとう!! 助かった~!!ここ3日ほど、何も飲まず食わずだったから、死ぬかと思ったよ!!」

 

 

 「…だから、言ったんだよ。あんなに一度に依頼を受けるもんじゃないって…。はぁ~。はぁ~。おかげで酷い目に遭った。」

 

 

 「だって、一回一回依頼受けるよりは、同じ地域の依頼を一度に受けた方が効率はいいと思わない!?あそこまで行くのにはお金がかかるしさ!」

 

 

 「だからって、”適材適所”って言葉があるでしょ?自分に見合った依頼を受けないからこうなるんだよ~。」

 

 

 こうして御神とサガットが喧嘩し始めたので、ホムラが仲介に入る。ROSEでは珍しい光景だが、依頼の殺到でみんなのモチベーションが下がりつつあるのだ。

 

 

 「まぁ、二人とも、落ち着いて。御神とサガットの言い分も分かる。でも、まずどんな依頼を受けてきたらそうなるのか理由を言って。聞いてあげるから。」

 

 

 ホムラが御神達を言い聞かせた時、ギルドに仕事を終えて帰ってきたくろちゃんとちゃにゃんが木の棒を杖代わりにして入ってきた。

 

 

 「ちゃにゃん…大丈夫?かなりきつかったよね?」

 

 

 「ううん、私はなんとか…。くろちゃんはずっと動き回ってたにゃ。くろちゃんこそ大丈夫?」

 

 

 「うん、こっちもなんとか生きてるって感じかな?」

 

 

 まだ若いのに、ヨレヨレの婆さん化している二人がホムラがもつ水を目にして猪突猛進に突っ込んできた。

 二人にも水をあげて、結局5人分の話を聞くことになったホムラは苦笑するしかなかった。

 

 御神とサガットは地方の村々の開拓の手伝いを依頼されて、同じ地域での似たような仕事が数多くあったため、一気に請け負ってきた。しかし、その量が半端ない。実に今回だけで1年分の依頼量だったのだ。開拓といっても、寂れて帝国の役人まで来なくなった村で再び活気ある村にしたいという依頼が殺到したのだ。そこで、井戸作りや診療所の設立、家屋の建築、道の整備等の手伝いをしてきて、今帰ってきたという訳だ。

 

 

 「もう大変だったよ。道具や差し入れはくれるけど、一切誰も手を貸さないんだよ!私達は”村の復興や開拓の手伝い”って事で来たのに、全て任せてだらけるんだよ!どう思う!?」

 

 

 「誰も来ない事で自給するしかなくて、廃れていたっていうのは分かるけど、何もかも私たち任せっていうのがね~。これだと、村が立ち直っても彼らが自分達で生活できるかどうか不安だね。」

 

 

 二人が愚痴を言いつつも心配するが、それでも納得できないと不服な表情をする。

 

 

 「私達も大変だったよ!帝都や町の依頼でなぜかROSEのアイドル的存在って事で私とちゃにゃんがイベントとかで呼ばれてさ~。」

 

 

 「うん。現場に行って初めて聞かされて、他も同じで、踊ったり、歌ったりとさせられたにゃ。」

 

 

 「そうだよ!! それで体中が痛くて、最後はもうヨボヨボだったよ~。」

 

 

 ギルドに帰ってきた状態を思い出しながら、ホムラは納得する。

 

 

 「まぁ…、とにかくお疲れ様!みんな頑張ったんだし、しばらくは休んでいいよ。

  依頼の方は指名以外は他のギルドに回せるように調整してみるよ。」

 

 

 モニターに表示されている依頼書を吟味して、考えながら御神達に伝えた。

 

 

 「「「「ありがとう!!助かった!!」」」」

 

 

 ホムラに抱きついて、お礼を言う4人はその後、私室に向かって休憩を取りに行った。

 

 

 

 

 その後のギルドは次々と大量の仕事を終えて帰ってきたみんなは夕食の時も生気を抜かれたように沈んでいた。

 

 

 夕食後はいつもの談笑もせず、早めに切り上げ、みんな床に就いたのだった。

 

 

 

 

 という訳で、ちゃにゃんが戻ってきた新ROSEは思ってたより忙しい再出発?を遂げたのだ。

 

 




ホームズ「おいら、これから魔法なしでこの積み上がった瓦を叩き割って見せるから!!」

 おお!!拳で熱く語るほーちゃんが男を見せます!!果たして何枚割れるか!?全部で20枚あるよ!

ホームズ「よし!!いつでもいけるぜ!」

 分かった。ではほーちゃん!瓦割り挑戦どうぞ!

ホームズ「おりゃ~~~~~!!!」

 ばりっ…!!………

 …………あれ?ヒビはあるけど、割れていない?

ホームズ「嘘だ~~~~!!」

 ポンッ。大丈夫だよ…。うちは見てない。誰も見てないよ。だから拗ねなくてもいいよ。

ホームズ「そう?ならいいか!!ハハハハハハ………」


 ジ~~~~~~~~

 誰も見てない。ただカメラは見ていた…。



皆も無理したらいけないよ!?

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