魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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 ROSEの仲間思いは永遠不滅だっ!!

ギルド一に決まっているっ!! ←断言しちゃってますがな…!(^○^)


仲間だから!!

 

 

 

 

 ちゃにゃんがROSEを去ってから1ヵ月経った…。

 

 

 

 

 ちゃにゃんがROSEを出ていく時、ギルドのメンバーは誰も止めようとはしなかった。ちゃにゃんの考えと自由を尊重したからだ。その事は一緒に過ごしてきたからちゃにゃんも分かっていた。だから、なおさらギルドを去る事に決心するのだ。

 

 

 「うえ~~~ん!! ちゃにゃんがいなくなるなんて寂しい!! たまには遊びに来てねっ!!というか絶対に遊びに来てね!!もういっその事戻っておいで!!!」

 

 

 「こら。それだと結局引き留めているじゃんか~。止めないってみんなで決めたのに。」

 

 

 「でもこれは本心だから~~!! ちゃにゃんがいない事に既に堪え難し!!」

 

 

 「うううぅ……………!!私の可愛いちゃにゃん!! しばらくは一緒に遊べないなんて飲み会に誘われて、酔っ払って、翌朝は二日酔いになるよりずっと辛い~~~!!」

 

 

 「比べる基準が何でそれなんだよっ!! 二日酔いと比べられるちゃにゃんの心境の方が最も辛いわ!! …………って既に酔っぱらってるし!!」

 

 

 ちゃにゃんの見送りにみんな集まっていた。見送る言葉が相変わらず自由で、ちゃにゃんも思わず微笑む。

 それに反して、みんなは泣きながら、盛大に見送るために演奏したり、垂れ幕をわざわざ作ったり、遠足みたいにお弁当まで作ってちゃにゃんに渡したりと自分たちなりの見送りをする。

 

 

 「…それでは、みんな行ってきますっ!! 」

 

 

 ちゃにゃんは不自然にはならないように力を入れて笑顔を見せる。そうしないと、涙が溢れてきちゃいそうだから。

 

 

 「はい!! 行ってら!!」

 

 

 「うん!! 行ってらっしゃい! いつでも戻ってきていいからね!!?」

 

 

 「いじめられたらすぐに連絡してねっ!? 約束だからね!?」

 

 

 「そうだぜ!? うちの子に手ぇ出してんだ…! 倍返ししてやらんとな~~!!」

 

 

 「おう!! どこにもやらんぞ!! 嫁入り前なんだからなっ!! 欲しいなら挨拶してくるべきだよな!?」

 

 

 「まぁ、例えそうしてきたとしても、あげる気は一切ないけどね~。」

 

 

 「「「「「「「「「「その通り!!」」」」」」」」」」

 

 

 ちゃにゃんを愛してやまない深い愛情を以前と変わらず注いでくれるみんなにちゃにゃんは嬉し涙を必死に堪える。

 

 

 「ありがとう……! でも…、もう行くね! お世話になりました!!」

 

 

 早口でみんなにお礼を伝えると、早歩きでROSEのギルドを後にする。後ろの方からみんなの声が聞こえてくる。その声に後ろ髪を引かれる思いで足早に去っていくちゃにゃん。その顔には涙がとめどなく溢れ返って、ギルドが見えなくなってからも体の水分が全て涙になってしまうのではないかと思うほど、ちゃにゃんは泣いた。泣き続けた。袖で涙を拭っても新たな涙が滝の如く、頬を流れていく。

 

 

 

 

 

 

 ★★★

 

 

 

 

 

 今、ちゃにゃんはROSEと同じランクAギルドの”仮装舞踏会”で実力派魔法師として活躍していた。

 

 

 「ちゃにゃん! どう?大分こっちのギルドにも慣れた?」

 

 

 「せい君。うん、楽しいよ。私にはもったいない位。」

 

 

 「そう?それは嬉しいな~。 ずっと仮装にいてほしい位だよ!」

 

 

 「フフフ♪ それはありがとう!ところで、用事があったんじゃない?」

 

            . .

 「ああ、そうだった! また来てるよ? ちゃにゃんは愛されてるね~。」

 

 

 「…ありがとう。行ってきます。」

 

 

 仮装のギルドアジトの前でちゃにゃんに会いに来た来客の所へ向かう。

 

 

 「また来てくれたんだね。元気にしてる?くろちゃん。」

 

 

 そう、ちゃにゃんに会いに来たのはくろちゃんだった。しかもちゃにゃんが言っていた通り、ちゃにゃんがROSEを去ってからもずっと会いに来ていたのだ。…毎日。

 

 

 「うん!! この通りぴんぴんだよ~~!! ちゃにゃんはしっかり食べてる?仮装のみんなとは上手くいってる!?」

 

 

 もう何回目かの繰り返されるこのセリフもちゃにゃんには楽しみの一つだった。

 

 

 

 ちゃにゃんがROSEを去ると決めた時、くろちゃんは自分もちゃにゃんの傍にいたかった。一緒に付いていこうと思った。傍にいてあげたかった。しかし、くろちゃんは既にマサユキからギルドリーダーを引き継いでいる。おいそれとギルドを捨てる事は出来ない。だからくろちゃんは断腸の思いでちゃにゃんを見送った。そしてある事を考え付いた。毎日ちゃにゃんに会いに行って話せば、ちゃにゃんの心に寄り添えるのではないかと。

 

 

 しばらく会話して、ROSEのみんなの話やちゃにゃんの話等を交換し合った。

 

 会話が終盤に差し掛かって、ちゃにゃんが苦笑いして、くろちゃんにずっと聞いてみたい事を口にする。今まで何となく話を逸らしていたけど、逆に気になっていたから、思い切って見る事にしたのだ。

 

 

 「…ねぇ?くろちゃん。その………マサユキと暁彰はどうしてるかな?やっぱり私の事で……」

 

 

 言いにくそうにくろちゃんに尋ねるちゃにゃんの言葉をくろちゃんがちゃにゃんの両頬を両手ではさみ、目線をくろちゃんに固定させ、遮る。くろちゃんの目には熱い意志が宿っていた。

 

 

 「ちゃにゃんの事を嫌いになる訳もないし、心も病んではないよ!!

  確かにちゃにゃんに酷い事をしたってずっと責任を持っているよ?だけど、それはちゃにゃんを愛しているから思う感情でしょ!?

  ……マサユキ達はね、ちゃにゃんと私の私室をいつもきれいに掃除しているんだ。ちゃにゃんの好きな花も花瓶に飾って部屋に置いていて、毎日水替えしてる。ギルドのホールにはちゃにゃんの写真が大きく飾られている。ちゃにゃんの好きなデザートも用意しているんだ。いつでもちゃにゃんが帰ってきてもいいように…。誰よりも率先してちゃにゃんの帰りを待っている…。だから…、そんな顔しなくていいんだよ?」

 

 

 ちゃにゃんの目から零れた涙をくろちゃんは指でそっと拭ってあげた。

 

 

 「……何でそんなに私の帰りを待ってくれるの?私、ROSEを去った人間なのに…!?」

 

 

 「そんなの仲間だからに決まっているじゃんっ!!

  仲間だから心配だし、仲間だから支えてあげたいし、仲間だからっ!!一緒にいたいんだよっ!!!

  それ以外の理由でちゃにゃんの帰りを待つ事はROSEのみんなは考えてないよ!?

  たとえROSEを去った仲間だとしても、みんなは仲間を愛する…!!みんな、仲間を愛してやまない人間だから…!!

  

  それがROSEだからっ!!」

 

 

 ちゃにゃんにみんなの思いを代弁して伝えたくろちゃんも涙を豪快に流し、耐えられなくなって走り去る。みんなとちゃにゃんの前で泣き顔は見せないと決めたから。ちゃにゃんには笑顔で会いたいし、なってもらいたいから。

 

 

 勢いよく走り去ったくろちゃんの背中を見送るちゃにゃん。

 

 

 「突然なんなのよ…。まったく…。おかげで土煙で目が染みるじゃない…!!」

 

 

 もういないくろちゃんに文句を言うちゃにゃんの目からは大量の涙が溢れていた。

 

 




 うちはROSEが一番好きだあぁぁぁぁ~~~~~~!!!!!


 チムメンになってよかった。


 だって最高の仲間に出会ったんだもん!!(照)

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