魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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悪を滅する正義のギルド、ROSE見参!!

なんちゃって!


隠してきた秘密

 

 

 

 

 ROSEの結成秘話を聞いて涙を流していたくろちゃんとちゃにゃんはまだ話がある事を瀕死状態から回復したマサユキから言われる。

 

 ギルドの皆からは自分が言うからと次々に名乗り出るが、それを左右に首を振り、断るマサユキ。「これは私が言わないといけない事だから…!」とこれだけは譲れないという意思を見せるマサユキにみんなもこれ以上は言わなかった。

 

 

 「このROSEの事は分かってもらえたと思う。悪事を暴いたり、犯罪に手を染めるのを止めさせたりとしているから、裏稼業をするギルドには恨まれているんだ。それでも私たちは止めるつもりもないし、来るならかかってこいって感じだから結成当初はよく襲撃を受けてたな~。」

 

 

 「そうだね~。毎晩代わる代わるに来て大変だったよね!まぁ、全て撃退したけど。」

 

 

 「でも、裏稼業するギルド…、通常は隠れ闇ギルドを撃退しつつ、俺達はランクを上げるためにイベントクエストや魔法試合に参加して着々とランクを上げていった。」

 

 

 「ランクが上がれば、依頼される仕事にも幅ができて、有力な情報を引きだす事もできるしね。」

 

 

 「そうやってランクAまで上り詰めたおいらたちは帝都では有名なギルドになって、隠れ闇ギルドの連中は襲撃を断念する事になったわけだ。」

 

 

 みんながROSEの裏事情を話すのを聞いていたくろちゃんはさっきから気になっていた事を聞く。

 

 

 「ところで、さっきからみんな、”隠れ闇ギルド”って言っているけど、闇ギルドとどう違うの?」

 

 

 「ああ、まだ知らなかったっけ?闇ギルドは最初から悪事や犯罪を主に行っていて、犯罪を掲げているギルドの事だ。でも、隠れ闇ギルドは表向きは普通の誠心誠意に人々の役に立ちますよ~って依頼を受けたり、町に貢献したりするけど、実際はその地位や権力を使って犯罪に手を染めているギルドの事だぜ。寧ろ、闇ギルドなんてまだ可愛いもんで、隠れ闇ギルドの方が闇ギルドより10倍以上はいるぜ?」

 

 

 「そうなの!? 初めて知った…!」

 

 

 「だから危ないんだよ。帝国がギルド設立法を作って、帝国中にギルドができたが、圧倒的な数のギルドが各地で設立されていて、帝国は把握できていない。それをいい事に隠れ闇ギルドが増える一方だよ。」

 

 

 「それに一番隠れ闇ギルドが多いのはこの帝都なんだ。帝都に憧れてやってくる魔法師や商人、観光人もターゲットにしやすいからね。」

 

 

 「なるほど…。」

 

 

 みんなの帝国のギルド情報を頭に入れ、そこまで深刻だったと知り、一刻もm撲滅しないとという正義感がくろちゃんとちゃにゃんに芽生える。

 

 

 「ごほん…。ごめん。話が逸れてしまったけど、仕事をしながら隠れ闇ギルドの連中を潰しながら裏情報を集めていった私たちはある情報を手に入れたんだ。」

 

 

 咳払いしてマサユキは二人を自分に注目させる。

 

 

 「帝都に向かう途中で商人や旅人を襲い、物品を奪う奴らがいるっていう情報を手にした。それと同時に最近、帝国の各地で大型の化成体や亡者が出現するようになったと遠出の仕事依頼で情報を集めている皆からも聞いていたからそれを確かめるのも兼て”迷宮の森”の仕事依頼を受けたんだ。」

 

 

 それを聞いて、くろちゃんはあの時の、マサユキ達やちゃにゃんに会う少し前の戦闘の事を思い出す。帝都に着いて、しばらくした後新聞の一面に載っていた事件内容に爆笑したことがいまだに記憶に新しい。

 

 

 「そう。で、結局はくろちゃんが解決してくれちゃったから、後始末をして、彼らのアジトを捜索したんだよ。」

 

 

 「…捜索したのは俺だ。マサユキは悪戯に夢中で、全て俺がしたんだ。」

 

 

 マサユキの説明に暁彰が修正を施す。それにマサユキが罰が悪そうに謝ってから話を戻す。

 

 

 「暁彰がアジトの捜索して分かったのは、彼ら”ブルーム”は下っ端ギルドで誰かに命令されていたって事だった。おまけに丁寧に作成された計画書まで見つかって、かなり大がかりな組織的計画が練られていた。だからそれを持ち帰って、トップを倒す事と”ブルーム”と戦ったくろちゃんの実力と性格を気に入って仲間にしようとしたんだ。」

 

 

 くろちゃんの顔を見て、微笑むマサユキに照れるくろちゃん。しかし、それを一変させ、マサユキはちゃにゃんの顔を見て、深刻な表情になる。

 

 

 「でも、その後が私達にとっては恐れていた事だった…。まさかあんなところで遭遇するとは思っていなかったから。あの時はまず、くろちゃんとちゃにゃんを守る事しかできなかった。

  ちゃにゃんには申し訳ないと思っている。」

 

 

 すると、ちゃにゃんに頭下げ、土下座するマサユキと後から続くように暁彰も土下座する。それにくろちゃんは訝しく思い、ちゃにゃんは無表情になる。

 

 

 「ど、どうしたの?マサユキ? あの時、マサユキに助けてもらわなかったら生きてなかったと思う。助けてもらって感謝しているんだよ?」

 

 

 くろちゃんが慌てながら感謝を伝えるが、マサユキは首を振り、それを否定した。

 

 

 「いや、困難で許されるものではないのは分かってる。大事なものを奪ったんだから!怨まれても仕方ない!だから、全てを話す。聞き終わったら、殴ってもいい、怨んでもいい!ちゃにゃん、聞いてほしい…!」

 

 

 悲痛の叫びを醸し出すような表情でマサユキはちゃにゃんにそう告げた。

 

 





ちゃにゃんに告げられる衝撃的な事とは…!?

なんとなくわかった人は温かく見守ってください。(ペコ)

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