魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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いよいよ、ROSEの秘密が…!

実は、全員ヘムタイ星人だったとか?←(嘘)




ROSE結成秘話

 

 

 

 

 「くろちゃん、ちゃにゃん。初めに言っておくけど、私たちの話を聞いて決断するのは君たち自身だ。話を聞き終われば、好きにしてもいい。ただ、これだけは言っておく。俺達は…ずっと仲間だっ!!そして何があっても味方だっ!!その事だけは心得て聞いてほしい。」

 

 

 マサユキがそう前置きして、オレンジジューズをコップに入れて、一気に飲み干す。同じタイミングでROSEの古株の皆も唾を飲み込み、思い切り力を込めて頷く。

 

 

 「まずは何から話そうか…。やっぱりこのギルドの事、”ROSE"かな。」

 

 

 マサユキは昔を思い出しながら、語った。ギルド”ROSE"を結成した理由を。

 

 

 

 

 

 ここのいるギルドメンバーは全員、昔は別のギルドの入っていた。そこで、魔法師としての心得も教えてもらったり、仲間との出会い、魔法師の向上のための特訓の日々。それを楽しみながら過ごしていた。最初は…。

 

 しかし、ギルドに馴染むにつれ、ギルドの裏側を知ることになっていった。

 

 ランク上げのために魔法師協会の役員に賄賂を贈って出世したり、違法な魔法の使用・譲渡、イベントクエストや魔法試合でのライバルに対して審判に見えない反則行為や情報漏えい、高金利での魔法アイテムの貸し借り。等々をギルドを上げて不正や犯罪を犯し続ける裏側を見せつけられた。

 

 そんな犯罪をするギルドとは知らず入り、その裏を知ったメンバーはどちらか二つの選択に絞られる。仲間としてこのままギルドに居続け一緒になって、犯罪に手を染めるか…。それともギルドを抜け出し、裏切り者となり命を狙われるかのどちらかの選択だ。

 

 

 

 大抵の奴らは死にたくないって気持ちでまず彼らの犯罪に目を瞑り、仲間になる。

 

 

 「ギルドに入りたての場合は基本は魔法師として巣立ったばかりの初心者だからだ。魔法戦闘の実績もある実力者と初心者だったら、実力が違い過ぎて、勝ち目はないからね。」

 

 

 「で、大抵の奴らには含まれない部類で最も恐ろしいのが、犯罪に目覚めてしまう奴だよ。」

 

 

 遠い目をして語るホームズと鳥になる日が実体験したであろう雰囲気で続きを話す。

 

 

 「初めは抵抗を見せて、犯罪を認めようとせずにいるけど、一回犯罪のやり方を教わると、それに納得したり、犯罪の面白さや楽しさを自分なりに見出してドツボにはまっていく。すると、初めの時の犯罪を許さないって姿勢が一変し、誘ってきた彼らより最悪な、犯罪でしか興味ない、犯罪に追究し続ける奴になってしまう。」

 

 

 「こういうのが、一番厄介なんだ。自分のした事がどれだけ残酷な物か理解できず、更には性格まで正反対にしてしまう事だってある。本当に恐ろしいよ…。」

 

 

 ホームズと鳥になる日が話したこの内容にくろちゃんは頭の中であの祭りの時に会ったカバリン・サイエンを思い出した。正しく、彼のような人のことを言うんだろうな。とくろちゃんは思った。

 

 その後、再びマサユキが話を引き継ぐ。

 

 

 「そしてこの両者を見て、なお自分を見失わずにいた者がギルドを抜ける勇気ある者ってとこかな。」

 

 

 マサユキはそういうと、詳しく説明する。そのマサユキの説明に他のメンバーもうんうんと頷く。

 

 

 自分を見失わなかったごくわずかの人間はギルドを抜けようとする。だがやはり過酷なのは違わない。抜けようとして失敗したりすると捕えられ、拷問に掛けられる事もある。実力の差もあるから魔法等では敵わない。それで心が折られそうになる。

 

 そのマサユキの言葉にみんなが袖や裾をまぐって肌を見せる。そこには拷問を受けたのだろう多数の傷や鞭で叩かれた痕が残っていた。それを見て、くろちゃんとちゃにゃんはそういえばみんなでお風呂に行こうって言っても大半が入ろうともしなかった。

 ……覗き合戦の時はNSTになるか、観戦してた訳を今知ったくろちゃんとちゃにゃんだった。

 

 魔法でも数でも圧倒的に足りない…。だから、私達は知恵を絞った。そしてそのおかげでギルドを抜け出す事が出来た。

 

 危険な魔法アイテムの売買するギルドではそのアイテムに交じって箱に忍び込み、運んでもらって脱出。後日、そのアジトは壊滅する。

 田舎の家族に宛てた手紙と見せかけて、警魔隊に告発して壊滅させる。

 

 等々でギルドを抜けて、どうせなら新しいギルドに入るより、設立しちゃおう!!とそんな裏事情がある皆が集まってできたギルドが”ROSE~薔薇の妖精~”なのだ。

 

 

 自由で活気あるROSEの皆の事情を知り、くろちゃんとちゃにゃんは涙を流し、そんな体験をしたみんなに同情した。

 それをみんなは苦笑しながら、大丈夫と声を掛ける。そして結成の目的をマサユキが代表で語る。

 

 

 「薔薇は咲き誇ると綺麗だけど、悪意の棘があれば、それに見合った染まりをした薔薇になる。今の帝国がまさにそれなんだ。

 

  だから…、私達が誰から見ても綺麗で純粋な愛される薔薇(帝国)にするために妖精のように支えると決めたんだ!!」

 

 

 拳に力を入れ、目には強い意志を宿して信念を熱く語るマサユキ。それに感動したくろちゃんとちゃにゃんは無意識にマサユキに抱きついていた。

 

 

 「マサユキ~!! 私、このギルドにばいっでよがた~~~~!!」

 

 

 「私も~~~!! こんなに温かいギルドはないよ~~!!」

 

 

 泣きながら、マサユキに抱きつくくろちゃん達は更に腕に力を入れる。首や腰に抱きつかれているため、マサユキは息が苦しいと、助けてとみんなに視線で助けを求める。しかし、みんなはこの光景が嬉しく、ガッツポーズやグッショブ等をして、この状況を楽しんでいた。

 

 

 「ありがとう。そう思ってくれて。」

 

 

 「そうそう。後、帝都にやってきた初心者の魔法師を育成したりすることもギルドの信念に含まれているんだ~。」

 

 

 ホムラとミナホがマサユキの代わりに語る。未だマサユキが抱き着かれていて、みんながほっておく体勢だからだ。

 

 

 初心者の魔法師をギルドに入る前に育成すれば、もし自分達のような状況になっても活路を見いだせる力と精神で立ち向かえるからだ。そうして、そのままROSEに入る人や特訓で自分の性質を理解してそれにあったギルドに入る人もいた。もちろん他のギルドに入る時は、そのギルドを潜入して調べたり、安全なギルドに紹介したりとしっかり魔法師として巣立てるように協力した。

 

 

 更なるROSEの取り組みを知って、くろちゃんとちゃにゃんは号泣する。

 

 

 このギルドに入ってよかったと心からみんなに感謝する。

 

 みんなも涙を流しながら、一緒に泣きながら笑った。ただ一人は除くけど。

 

 

 

 

 …マサユキは抱きつかれたのと涙攻撃で嬉しさも感じながらも瀕死の状態となり、魂が少し抜けていたのだった。




世の中は光があれば、必ず影がある…。って事だね。


 実際のROSEも仲間の悩みを受け入れて一緒に考えたり、仲間の喜ばしい報告があれば、一緒に喜んで盛り上がったりとする気のいいチムです!!



 スマホゲーム『スクールマギクスバトル』でぜひ会いましょう!!
 チムメンも募集中です!!

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