魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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ちょっとずつ書き溜めてたものがついに~。


アイネブリーゼに集合~!

 

 

 

 

 

 

 「……………それでは、九校戦に関しての案件内容は以上で終了となります。今、会議した内容を纏め、後日部活連との合同会議で参考できるようにしておきます。」

 

 

 「は、はい!よろしくお願いします! 司波君。あ…、でも服部君のスケジュールも聞いておかないと。連携は特に持っておかないといけませんし。」

 

 

 「それは問題ないかと。既に服部先輩には九校戦の出場選手の選定会議での出席をお願いしています。それと同時に各種目に対して徹した生徒から出場選手の候補を会議までに挙げてもらえるか、検討していただけるように伝えています。服部先輩からも了承は得ています。都合のつく日程は中条先輩のメールに追って送信していただけるとのことです。」

 

 

 「………そ、そうなんだ。さすが司波君だね。もうアポを取っていたなんて気が利くね。」

 

 

 「いえ、円滑に準備をするためにも、前もって動いた方がいいかと思ったので。」

 

 

 

 てきぱきとした口調と姿勢で達也は答える。それをあずさは緊張しながら、十分に準備万端な行動をする達也にもう全て任せてもいいのでは?と思うくらい感銘を受けるが、その一方で生徒会長としても自分は何をしているのだろうかという気持ちが少し湧いてきて、落ち込む自分もいたのであった。

 そんなあずさの心情を察した五十里は、代わりに達也と話す事で、間に入って事務連絡を続けていく。

 

 

 「ですが、今回は中条先輩にも一度ご相談してからアポ取っておいた方がよかったかもしれませんね。…申し訳ありませんでした。」

 

 

 だが、達也はあずさと五十里に対し、頭を下げて謝る。仕事はしっかりとしているし、間違ったわけではないが、やはりこの生徒会ではあずさがトップなのだから、生徒会主催での行動の場合は、あずさが一番把握しておかないといけない。それを告げもせずに勝手に先に準備していたのだから、例え前もって準備万端に行動していたとしても、了承を取っておかなければいけない。

 達也はその事を謝ったのだ。

 しかし、達也に頭を下げられたあずさと五十里は慌てて頭を上げてくれるように懇願する勢いで頼んだ。二人とも達也のした事に対して怒ってはいないのだから。…それに達也の隣に座っていた深雪から不機嫌なオーラが流れ込んできた事が一番の理由なのだから。

 

 二人の懇願に対し、達也は若干訝しく思うが、自分の行動が少しずれていたのかと思う事にし、すぐに元のポーカーフェイスに戻る。

 

 

 「そうですか? では本日の議題は終わりましたので、これで上がっても構いませんか?」

 

 

 「ええ、問題ないです。後は私達がしておきますので。司波君達は今日はもう大丈夫ですよ。」

 

 

 「分かりました。……それでは、五十里先輩。」

 

 

 「何かな?司波君。」

 

 

 「今日会議内容をまとめたレポートを五十里先輩に送りましたので、記載ミスがないかチェックお願いしてもいいでしょうか?何も問題なければそれを服部先輩へお渡ししていただけると助かるのですが…。」

 

 

 「え、もう終わったの? ………うん、わかった…、任せて。」

 

 

 まだ数分しか経っていない状態で、完成させた達也のレポートを情報端末で確認しながら五十里が了承する。

 

 

 それからは自分達の生徒会専用端末をシャットダウンし、達也は深雪とほのかを連れて、生徒会室を後にした。更に三人の後ろを泉美も付いていき、生徒会室にはあずさと五十里だけが残った。

 

 

 「……私、生徒会長として上手くやれているのでしょうか?司波君の方が……」

 

 

 「そんな事ないと思うよ。中条さんだって頑張っているじゃない?人それぞれやり方が違うんだし、気にすることは無いと思うよ。司波君は凄いし、感心するし、年上の僕でさえ、尊敬を抱かせる後輩だけどね。司波君と比べなくてもいいと僕は思う。」

 

 

 「…ありがとう、五十里君。少し元気になりました。そうです!司波君と私では違うのは当たり前なんです!私だって生徒会長としてもっと威厳を身に付ければいい話なんですから!」

 

 

 「その意気だよ、中条さん!」

 

 

 あずさに威厳が身に付くのかは分からないが、せっかく気分が向上したのだから、それを台無しにするような言葉言わない五十里。しかし、五十里は気付いていなかった。今、この瞬間この場にいるのだ自分達だけではなかった事に。

 

 

 「………ねぇ~、啓~?」

 

 

 「「!!」」

 

 

 「何をしているのかな~?」

 

 

 五十里は自分の隣から声が振り落された声で誰が隣にいるか否応もなく知った。そしてその瞬間、冷や汗が出始める。別におかしなことはしていない。ただ話していただけだ。しかし、それにしては意気投合しているし、ましてや二人の距離が近いのは否定しようにもすぐに信じてもらえるとは思えないくらいだった。

 しかし、何とかここは穏便に事を収拾しないと危険だと身体が警告している。

 五十里は引き攣った顔をしないように笑みを浮かべて、突然現れた第三者へと顔を向ける。

 

 

 「あ、上がってきたんだね。もうそっちの会合は終わったの?花音。」

 

 

 「うん、早く終わらせてきた。啓に早く逢いたくて。…でもいざ来てみたら、なんでイチャイチャしているのかな~?私という婚約者がいるのに~~?」

 

 

 「こ、これは誤解だよ!?花音。」

 

 

 ・・・と生徒会室は一気に夫婦喧嘩の場に変化する。そしてそれに巻き込まれたあずさは、逃げたいけど逃げ出せなくなったため、花音が誤解だと理解し、五十里に甘々に接する(イチャイチャともいう)まで板挟みにされるのであった。

 

 

 

 そんな生徒会室の一軒が起きている間、達也は風紀委員の会合で居残っていた幹比古と雫と合流し、一緒にエリカ達が待つ喫茶店へと向かうのであった。

 (ちなみに幹比古達といた香澄は、深雪と一緒にいたい若干暴走気味の泉美に捕まり、一緒に参加する羽目になるのであった。)

 

 

 

 




花音はストレートだからな~。思い込んだら多分なかなか誤解は解けないだろうね~。
いわゆる「愛は盲目!!」という現象に陥りやすいんだ!
うちのフレと同じにおいがするからわかる。

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