魔法科の御伽魔法書   作:薔薇大書館の管理人

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アイドルしている間、学園ものなのに学生らしいこと出せていない。

うちもエリカ達を出したい!!という事で、時期的に学生なら必ずあるこれで和気藹々と…。


定期試験前のプレッシャー

 

 

 

 

 

 

 

 

 「う~~ん、達也君、これってどういう意味なのかな?」

 

 

 「あ、俺も同じ場所が分からねぇ~!俺も教えてくれ!!達也!!」

 

 

 「私もその問題に詰まってまして…。達也さん、教えてくれませんか?」

 

 

 エリカ、レオ、美月にせがまれて勉強を教えている達也は、同じように頼み込んでくる彼らの表情を見て、苦笑しそうになるのを必死に堪えながら、提示された難問を教えていく。

 

 彼らが今いるのは、2-E組の教室の達也の席だ。

 

 窓際に面した達也の席の横にある窓からエリカが身を乗り出し、レオも顔を覗かせて、達也の教えてもらっており、美月は隣から椅子を持ってきて、体の向きを横にして達也の講義を聞いていた。なぜこのような体勢で達也に勉強を教わっているのかというと、少し時間を遡らなければいけない。

 

 

 

 

 ★★★

 

 

 

 

 

 先日の歌番組生収録を終え、達也は芸能界では一際人気を博していた。当然仕事のオファーも増えてきたが、夜の限られた時間(深雪達に気づかれる事なく抜け出していられる時間)の間に受けられる仕事以外は、引き受けていない。ハードスケジュールな生活を送る達也にとって、完徹する事は出来ても数日以上も続けて眠らずに歌ったり踊ったり、取材を受けたりするのはさすがに疲労が蓄積されるのだ。(主に精神的に。)

 達也が演じているRYUはプロフィールは公開していないものの、学生であることに代わりはない。学生の本分は、学業だ。それを疎かにしてはいけない。

 そのため、暫くのあいだ、…といっても定期試験が終了するまでの間は仕事を引き受けない事を真夜が手を回したのであった。達也が頼んだ訳ではないが、『任務のお蔭で学業に支障が生じましたと言われたくないですしね。』とそうは思っていないだろう言葉で話を切り上げられたため、達也も一応真夜の厚意に態度を示すかと受け入れた結果だった。

 そんな一件もあり、比較的任務の前の生活とさほど変わりなく過ごせるようになった達也は、もうそろそろ始まる定期試験のために勉学に励む…ということは無く、任務で滞っていた研究に力を入れるのだった。ここは普通なら定期試験前の勉強という流れになると思うが、既に試験範囲の内容は頭に入っているため、慌てて勉強しなくてもいいのだ。それに実技試験はそれこそぶっつけ本番が主だし、今年から設立した魔工科の実技試験は少し系統が違うため更に事前練習は無意味に近い。支援前だからと言って、達也は慌てる必要は無い。そう…、達也は、だが。

 

 達也を一般として捉えてはいけない。その普通の部類である他の一高生達は、時に頭を悩ませ、時に上手く実技をクリアできずに日に日に近づく定期試験週間にプレッシャーを募らせていた。

 

 それは達也の友人達も例外ではなく…。

 

 

 そんな中で、ある意味切羽詰った友人のたった一つの願いから達也が勉強を教える構図が出来上がるとは、達也も思わなかった…。

 

 

 




試験前ってうちは前日漬けで覚えていたな~。先生の問題の出し方を研究して、どんな形式で出すなら何かを予想して応えられるようにしていたっけな~。

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