徐々に壊れていくシンバ・・・!!(泣)
突然のキャラ崩壊を起こしたシンバ。可愛げのある優しいシンバはもういなくて、逆に殺戮に徹した意地の悪い性格になった。いや、意地の悪いなんて可愛いものじゃない。殺戮を楽しむ危ない性格になってしまった。
そのシンバがこうなってしまい、くろちゃん達は驚いて、悲鳴を上げるかと思ったが…。
「ぷぷぷうぅぅぅ~~~~~~!! 何あれ! チョー受けるんだけど!はははははは!!」
「そんなに笑っては…!! っぷう!くくく…あの変化には確かにギャップがありすぎるけど…!!」
突然のシンバの変化になぜか大爆笑。どうやら性格のギャップ萌えを引き起こしたらしい。
そんな暇じゃないんだけどな~。(気楽突っ込み)←お前もな!
「遊ぼうよ~~!! 血を見せて~!!」
大爆笑するくろちゃん達に狂気笑いをするシンバが突っ込む。お腹を抱えて笑っていた二人はCADを操作する。そして『サイドステップ』を発動し、自身にかかる慣性質量を減らしつつ、不規則に高速移動する事で、シンバの威力の乗った剣筋を躱す。二人が特訓していた近接戦闘対策でスピードにはスピートで対抗という論理を開拓した結果だ。
自分の攻撃がなかなか当たらないのをシンバは不満そうに子供っぽく反論する。
「何で斬らせてくれないの~~!! パァ~って血が飛ぶの、僕みたいのに~!!」
「だって血、流したくないし。」
「うん。正論だね。それにしても、性格って変わると別人みたいだよね。」
「今のシンバは自我がないって事かな? それとも、演技とか?」
「前者じゃないかな? 取りつかれているなら、最初のあの動きにも納得だけど。」
「確かにそうだ!」
「二人だけで楽しそうにするの禁止!! 僕も混ぜてよ!! もちろん僕の遊びでね!!」
すると双剣を交わらせ、擦り合い耳の痛い金属音を放つ。くろちゃんとちゃにゃんはあまりにも酷い金属音に手で耳を塞ぐ。シンバは金属音を振動系魔法で増幅させる。
小細工な攻撃に苦しむくろちゃん達にシンバは無邪気に笑いながら、片方の剣を地面に突き立て、もう片方の剣で金属音を出し続ける。そして手の空いた手を懐へ入れて、小銃型のCADを取り出した。
「なっ!! シンバ射撃魔法、覚えてたの!」
「近接戦闘魔法師だから、好まないと思って可能性を低く見積もっていたんだけど、甘く見てたね~。」
耳を塞ぎながら、シンバを見ていたくろちゃん達は強くなろうと新しい事に挑戦していたシンバを褒めつつ、この状況に苦笑いする。
「キャハハハ!! まずは、動けないように手足を吹き飛ばしてあげる!
その後に生きたまま切り刻んであげる!!」
楽しそうにCADをくろちゃん達に向け、引き金を引く。
移動・放出系統魔法『ディバイドレーザー』で、レーザーを拡散させ、発射する。拡散されたレーザーは広範囲に広がり、くろちゃんとちゃにゃんに多数のレーザーが向かう。
二人はいまだ、金属音に手を塞がれていて、魔法を発動できない。
このままでは死なない程度に蜂の巣状態だ。
そして、ついに『ディバイドレーザー』がくろちゃん達を直撃し、あまりの威力に地面に着弾したレーザーで土煙が舞う。煙が風で流れた地面にはレーザーの跡がくっきりと残っている。
金属音をやめて、変わり果てたくろちゃん達の姿を料理してやろうと歩み寄ってきたシンバ。
しかし、シンバの笑みが無表情に変わる。あの結果から当然あるべきくろちゃん達の血まみれの姿がどこにもない。
慌てて回りを観察し、姿を探すシンバに声が空から降り注いだ。
「まだまだだよ! 私たちだって強くなってるんだから!」
「お仕置きが必要だね。」
その声のする空へ顔を向けた時、上から重力が降ってきて、地面に叩きつけられるシンバ。
「こっからは私たちが遊んであげるよ…、シンバっ!!」
くろちゃんとちゃにゃんはすっかり暗くなった空に浮かぶ月明かりを背後に受けながら、宙で立っていた。
「「どやっ!!」」
ドヤ顔も添えて…。
少女バトル化していくね~。
でも好きだ~。(@>▽<@)