「達也君に隠し事は出来ないわね~。」
降参しますという顔をして答える響子。それに対して達也は事務的な物言いで返す。
「そもそも今回の独立魔装大隊の動きやこれまでの任務の結果を考えれば、理解できますし、不審に思うのは当然かと。しかも響子さん自身も隠す気はなかったんですよね。わざと俺が気づくように目のつく行動をしていたのではないですか?」
「それもバレてたの?自然に誘導できていたと思っていたのに。」
「響子さんの演技力は申し分なかったです。ただ俺が警戒していたので、気付いただけです。」
響子の演技はいつも通りで嘘をついているとは一見見るだけなら達也も気づかなかっただろう。普段通りにしている響子の言動に気づいたのは達也が言った通り警戒をしていたからだ。
響子たちがこの任務(アイドル活動)に参加する事になったあのお茶会の前に、八雲から忠告を受けていた達也は、内容まで教えてもらうことは無かったので、全てにおいて(アイドル活動に関してのみ)どんな些細な事も見逃さないように神経を研ぎ澄ましていた。八雲がこの任務に付いてどんな方法で知ったかは知らないが、あのタイミングで忠告して来たという事は、この任務に何か裏がある、何かが起きるという事だと直感した。それゆえに撮影現場やスタッフの動きを見渡しながら、不審な動きはないかを警戒していたら、響子が諜報活動をそれとなくしている事に目が止まった…という訳だ。
八雲から忠告を受けていた事を達也が話すと、響子は一瞬だけ驚いたが、すぐに元に戻る。
「先生もお身通しって事ね。ここまでバレていたら、自棄になりそうだわ。」
「自棄になってくれぐれもバレないようにお願いします。」
「…冗談よ。」
”何が”バレないようにとは言わなかったが、察しが良い響子はすぐに理解し、逆鱗が降ってこないように本題に乗り出す。
「この事は、達也君が気づいたら全て話してもいいと四葉家ご当主様から伺っているから心配いらないわ。
そうね~…、この前、御茶会があったでしょ?」
「ええ、そこで響子さんがマネージャーになる事が決まりました。」
「そう、でも実は達也君が来る前に隊長と私は、ご当主様とこの任務の本当の目的を話していたのよ。」
「やはり裏がありましたか。その本当の目的というものは、国防軍にも関係するものですね?でないと、私事に軍人が協力要請に応じる訳がありませんから。」
「その通りよ、国防軍だからと言って、安易に四葉家の頼みを聞く訳にはいかない。ただし国防軍にとって重要な案件や情報がもたらされるなら話は別。」
達也が話した推測通り、響子が認め、国防軍と四葉が互いの利害を一致し、協力体制を受託した事が分かった。ここまでくれば、後は『その利害を一致させた、本当の目的に関係する者とは一体何なのか?』という理由だ。しかし、達也にはそれが予想できていた。そしてこの任務でなぜ真夜が達也にアイドルになれと言ったのか、その真意もなんとなくわかったような気がしたのであった。(達也の知る真夜なら、である。)
遅くなって申し訳ありません~~~~~~!!!
リアル世界での戦士から帰還 → マイホームで安らぐ→ 通信アイテム”スマホ”で執筆
↑ ↓
急いで鎧を着用し、闘いへ←気付いたらスマホ片手に床で寝落ちしていた←目がかすむ
このループから抜け出せない…。あ!!もしかして誰かが魔法でこうなるようにループ・キャストしているのではないか!!?
その誰かの正体とは~!!それは次回に。